2024年12月30日

「緑化」が気温を上げる、という話題が出て来た

前略
植樹が温暖化を促進する????
おかしい??
誰でも思うことです。
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議論の範囲が違い過ぎる。
地球の全体の長期的な温暖化メカニズムをどうするかと言えば、緑化は最低限の議論である。更に海洋自体・海中の植生を増やすこと。
それを脇に置いて、と有機のヒートアイランド現象の様な次元の議論を、「地球温暖化」という言葉と繋げるのは良くない。
「ヒートアイランド現象は緑化で防げない?」という程度のタイトルで良いのではないか、と思う。
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まだまだ、本格的な地球温暖化対策がスタートしていない中で、このような議論は勘違いさせない程度の話題にする必要がある。


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ーーーーー地球温暖化対策に潜む落とし穴。「緑化」で街の気温が上昇する?ーーーーー
               2024/12/30;TABI LABO編集部;
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>>>「地球温暖化対策」と聞いて、何を思い浮かべるだろう?
CO2削減、再生可能エネルギー、あるいはエコバッグ……。
環境問題に関心の高い人なら、すぐに具体的なアクションが頭に浮かぶはず。
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では、多くの都市で導入されている「緑化」については?
涼しげな木陰を作り出す緑化は、一見、地球温暖化対策に有効な手段のように思える。
しかし、その効果は私たちの直感とは異なるかもしれない。
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>>>気温上昇を招く!?
植樹による「逆効果」の可能性
「Earth.com」に掲載された最新の研究結果に、私たちはハッとさせられる。
Cambridge大学の研究チームが、世界17の気候帯、10都市を対象に行った調査によると、植樹は必ずしも気温低下につながるとは限らないというのだ。
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たとえば、熱帯湿潤・乾燥気候においては、日中は最大12℃もの冷却効果を発揮するいっぽうで、夜間には逆に0.8℃の気温上昇が見られる場合があったそう。これは、樹木の葉が地面から放射される熱を閉じ込めてしまうためらしい。
私たちの常識を覆す、緑化の「意外な盲点」と言えるだろう。
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>>>都市型グリーン化のジレンマ
気候、構造、そして樹種の関係性
では、効果的な地球温暖化対策として、緑化を活用するにはどうすれば良いのか?
同研究では、気候、都市構造、そして樹種に最適な組み合わせが存在することが示唆されている。
たとえば、温帯や熱帯地域では、開放的な都市構造と多様な樹種の組み合わせが、効果的に冷却効果を発揮するという。
いっぽう、カイロやドバイのような、建物が密集した乾燥地帯では、常緑樹を植栽し緑被率を増加させることで、0.4℃の冷却効果が期待できるという。
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グリーンイノベーション
テクノロジーとデータが未来の都市を描く
Cambridge大学のRonita Bardhan氏は、「都市計画者は、将来の温暖化にも対応できるよう、生育し続け冷却効果を維持できる樹種を選ぶべき」と述べている。
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地球温暖化対策において、緑化は重要な役割を担う。
しかし、その効果を最大限に引き出すためには、従来の常識にとらわれず、科学的根拠に基づいたより戦略的なアプローチが必要なようだ。
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AIやビッグデータ解析などのテクノロジーを活用し、地域の気候や都市構造に最適な樹種を選定する。
ドローンによる植栽、センサーネットワークによる生育状況のモニタリングなど、テクノロジーは未来の都市における、スマートな緑化を実現する鍵となるのではないだろうか。

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https://tabi-labo.com/310916/wtg-planting-trees
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「+1.5℃」を越えてしまいそうだ、越えてしまった、という声が聞こえ始めると、「+2.0℃」という言葉に切り替わってしまっている。
何といい加減な議論ばかりだろうか??
+1.5℃を越えてしまったかもしれない、どうしようか??!!!と騒ぐべきではないか????!!!!
浅はかさ、が見え見えである。
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では、草々
2024-12-30
森下克介
  


Posted by もりかつ at 09:26Comments(0)

2024年12月29日

嘗ての「ポンペイ」を見直そうと思いますが

前略
昨日はポンペイの特集番組を見ました。
思ったのは、紀元元年の時代にこれほどの生活が行われていた・・・・。
再度驚いいてみていました。
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2050年には、CO2排出実質ゼロ、ということで、電力を中心に化石燃料使用ゼロの社会ということを考えると大変なことになる!と言われます。
日本の江戸時代は、徳川幕府と言いう封建社会であった、徳川の為にという基本精神の社会規制のかかった時代。
それでも、農民・商人たちは、そっれなりの暮らしをしていた。
しかし、現在の電気、ガソリンなどのある社会とは大違いである。
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此処に、ポンペイという社会を見るにつけ、やれないはずはない!!
情けないいことを言っていなくても、ヤルッキャナイ精神を世界が認めても良いはず。
グテーレスさんの云う「脱GDP」は出来る!!

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ーーーーーーーポンペイの繁栄ーーーーー
Google検索、AIによる概要、2024-12-29
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古代都市ポンペイは、紀元前2世紀から紀元前80年頃にかけてサムニウム人、ローマ人のもとで繁栄しました。
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ポンペイの繁栄のポイントとしては、次のようなものがあります。
サムニウム人のもとで交易によって富み栄えた
ローマに敗北し、紀元前80年にその植民市となってからは、ローマ人のもとで繁栄
現存する世界最古の石造の円形闘技場が造られた
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ローマ帝国が繁栄を極めた紀元50年頃にはネロ帝の治世で、ポンペイも繁栄を極めた
ポンペイは、紀元79年にヴェスヴィオ火山が噴火して地中に埋もれ、古代ローマ時代の芸術や生活跡が保存されました。
火山灰で埋没したことで保存状態が良く、当時の人びとの生活空間や家財が「タイムカプセル」のように封印されています。
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ポンペイは、1748年からの発掘によって城壁や神殿、円形劇場、壁画などが発見され、ギリシャの影響が強い都市のようすが明らかにされました。
1997年には、同じく噴火により埋没した近郊のエルコラーノとトッレアヌンツィアータとともに世界遺産(文化遺産)に登録されています。

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https://www.google.com/search?q=%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%81%AE%E7%B9%81%E6%A0%84&sca_esv=43896339f28ecf93&hl=ja&sxsrf=ADLYWIIrfscbBckyKqBJTTwztVUWS1ZAvg%3A1735453052360&ei=fOlwZ9fXFa7K0-kP6N66kAo&oq=%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%82%A4&gs_lp=Egxnd3Mtd2l6LXNlcnAiDOODneODs-ODmuOCpCoCCAAyBBAjGCcyCxAAGIAEGLEDGIMBMhAQABiABBixAxhDGIMBGIoFMgsQABiABBixAxiDATILEAAYgAQYsQMYgwEyCxAAGIAEGLEDGIMBMhAQABiABBixAxhDGIMBGIoFMgsQABiABBixAxiDATIFEAAYgAQyCxAAGIAEGLEDGIMBSOpaUOQHWLBZcAR4AJABA5gBkwGgAf8MqgEEMy4xMrgBAcgBAPgBAZgCDaACtwioAhTCAggQABiwAxjvBcICCxAAGIAEGLADGKIEwgIIEAAYgAQYogTCAgcQIxgnGOoCwgIQEAAYAxi0AhjqAhiPAdgBAcICChAjGIAEGCcYigXCAg0QABiABBixAxiDARgEwgIKEAAYgAQYsQMYBMICBxAAGIAEGATCAhAQABiABBixAxiDARgEGIoFwgIKEAAYgAQYQxiKBcICCRAAGIAEGAQYCsICBxAjGLECGCeYAwfxBRMhmyQP3wRSiAYBkAYDugYGCAEQARgKkgcDNC45oAedQw&sclient=gws-wiz-serp
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金儲け資本主義の世界は変わらなければならない。
そうです。
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では、草々
2024-12-29
森下克介
  


Posted by もりかつ at 15:32Comments(0)

2024年12月27日

N・Y州で「化石燃料企業」に罰金を課すことになった、頑張れ!

前略
嘗てのカリフォルニア州の自動車排ガス規制や、土壌汚染規制の法律の話題が一緒に思い出されて来た。
この先が、大きく世界的な運動になることを期待したい。
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それにしても、本格的な地球全体の人類全体の議論へと発展してもらわないと困る。
トランプさんの共和党政治で、大きく動いてほしいものです。
最近の韓国の「イ・ジェミョンさん」がなんだか心変わりしたといいう話が有るように、キチンと世界を見る目を開いてほしいものです。
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兎に角、グテーレスさんが叫んでいる「地球沸騰」や「脱GDP」ぐらいは本気で議論して行動に移してほしいものです。

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---ーーー米NY州、気候変動で化石燃料企業に総額750億ドルの罰金ーーーーー
       Jonathan Allen 、2024-12-27,ロイター、
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[ニューヨーク 26日 ロイター] - 米東部ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は26日、気候への悪影響を及ぼした損害賠償として化石燃料企業に今後25年間で総額750億ドルの罰金を科す法案に署名して成立した。
このような法律を成立させた米国州は、今年夏の東部バーモント州に続いて2番目。
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気候変動の法的責任がある石油やガス、石炭企業が対象。
同州環境保全局が世界全体の温室効果ガス排出量が10億トンを超えると判断した企業に適用される。
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被害回復と適応策に充てる費用はこれまで個々の納税者が負担してきたが、成立した法律を通じて今後は一部を化石燃料関連企業にも負担させる。
集めた資金は気候変動の影響を緩和するために使い、道路や交通網、上下水道管理、建物、他のインフラの適応策などに充てられる。
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この法律は、有毒廃棄物の浄化費用の支払いを汚染業者に義務づけた既存の州および連邦の法律「包括的環境対処・補償・責任法(スーパーファンド法)」をモデルとしている。
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法案の共同提出者のニューヨーク州議会上院のリズ・クルーガー議員(民主党)は声明で、ニューヨーク州で異常気象に適応する費用が2050年までに5000億ドル超かかると指摘。
大手石油会社は21年1月以降、1兆ドル以上の利益を上げており、化石燃料の採掘と燃焼が気候変動の一因だったことは少なくとも1970年代から認識していたと批判した。

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https://www.msn.com/ja-jp/news/money/%E7%B1%B3%EF%BD%8E%EF%BD%99%E5%B7%9E-%E6%B0%97%E5%80%99%E5%A4%89%E5%8B%95%E3%81%A7%E5%8C%96%E7%9F%B3%E7%87%83%E6%96%99%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%AB%E7%B7%8F%E9%A1%8D750%E5%84%84%E3%83%89%E3%83%AB%E3%81%AE%E7%BD%B0%E9%87%91/ar-AA1wxDBh?ocid=msedgntp&pc=LCTS&cvid=d41537f8bb7c42859c820f729fc821d2&ei=9
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スーパーファンド法とは、
米国で汚染土壌の浄化や補償を目的とした法律の通称で、正式には「包括的環境対応・補償・責任法(CERCLA)」と呼ばれます。
1978年にニューヨーク州ラブ・カナルで発生した廃棄化学物質による汚染事件をきっかけに、1980年に制定されました。
スーパーファンド法の主な内容は次のとおりです。
汚染土壌の浄化費用を特定の化学製品や石油の製造・輸入業者から原料税として徴収し、信託基金(スーパーファンド)を設立する
汚染の有無に関する事前調査を企業に義務づける
汚染原因者を特定できなかったり、特定できても原因者が浄化しない場合は、環境保護庁(EPA)が浄化し、その費用を汚染原因者に償還させる
スーパーファンド法では、有害物質に関与した全ての潜在的責任当事者(PRP)が浄化の費用負担を負うという責任範囲が広く、PRPには現在の施設所有・管理者だけでなく、有害物質の発生者や輸送業者、融資金融機関などが含まれます。
スーパーファンド法により、汚染の発生防止に寄与する一方で、資金が裁判や調査費用につぎ込まれ浄化が進まない原因とも指摘されています。
・・・・・・
アメリカ合衆国のカリフォルニア州では、次のような「排気ガス規制」が実施されています。
ZEV規制:州内で販売する自動車の一定比率を、電気自動車や燃料電池車などのゼロエミッション車(ZEV)にすることを義務付けています。2022年8月には、2035年までに州内で販売するすべての新車、ピックアップトラック、SUVをZEVにすることを義務付ける規則が承認されました。
OBD規制:自動車本来の走行機能の自己診断ではなく、大気汚染につながる排出ガス抑制装置の故障を診断するシステムの搭載を義務付けています。
LEV規制:1994年モデルから適用されている排出ガス規制の適合車を指します。
カリフォルニア州は、1966年にアメリカ初の排出ガス規制を制定した経緯などから、連邦と異なる独自規制が認められています。
アメリカでは、大気汚染防止のための排出ガス規制は、連邦環境保護庁(EPA)のTier2と、カリフォルニア大気資源局(CARB)のLEV2規制が存在します。
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世界が動くのは、遅い。
それでもプーチンさんも心変わりしてほしいものです。
その結果が、脱化石燃料、地球全緑化への驀進に繋がって欲しいものです。
では、草々
2024-12-27
森下克介
  


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2024年12月24日

EUの「ドラギレポート」とは何かと問われれば

前略
EUの経済戦略をドラギさんが纏めた。
不思議なことに、「競争力」という言葉の最大の課題の中国が全く出て来ないのは不思議である。
更に、ここでも「産業競争力」という言葉自体の意味する「GDP」という言葉すら出て来ないものの「脱GDP」という指摘は完全に無視されている。
・・‥
「グリーンテック」とは、
グリーンテック(green technology)とは、環境問題の解決や持続可能な社会の実現を目指した技術やサービスを指します。
クリーンテックとも呼ばれ、環境や資源に配慮したテクノロジーを開発・利用することで、地球温暖化や海洋汚染、廃棄物の増加などの環境への悪影響を低減することを目的としています。
グリーンテックは、気候変動や食料生産など、さまざまな社会問題の解決に欠かせない技術です。
世界各国が2050年までにネットゼロ(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を達成することを目指すパリ協定に基づいて、世界全体で積極的な開発や導入が行われています。
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結構本気なのかと思って見たりしても、EVをその代1歩の本命にしたような政策では、大変なものでしょう。
現在のガソリン車をEVに作り変えること、更に電力を化石燃料と原子力で作って、送配電網の維持管理や多くの電力消費システムをずっと続けていくのでしょうか??
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この時点でも、すでに中途半端と言う感じです・・・・

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ーーーーー世界で話題の「ドラギレポート」って?ーーーーー
          2024年10月21日、NHKデジタル、経済部記者;名越大耕
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ことし9月に公表された、ある報告書が、世界で話題となっている。
通称「ドラギレポート」。
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ヨーロッパ中央銀行の総裁やイタリアの首相を務めたマリオ・ドラギ氏が監修したため、そう呼ばれている。
約400ページにも及ぶ報告書から見えてきたのは、温暖化対策で世界をリードしてきたEU=ヨーロッパ連合が直面している厳しい現実だ。
ドラギレポートとは、いったいどういう内容なのか。そして日本に投げかける課題をひもとく。
(経済部記者 名越大耕)
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>>>ドラギレポートとは
ドラギレポートの正式名称は、「The future of European competitiveness」(ヨーロッパの競争力の未来)。
EUがヨーロッパの産業競争力の強化に向けてドラギ氏に作成を依頼し、ことし9月に公表された報告書だ。
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>>>マリオ・ドラギ氏とは
マリオ・ドラギ氏はもともとエコノミストで、ヨーロッパ中央銀行の総裁を長く務めたあと、イタリアの首相にも就任した経歴を持つ。
ヨーロッパ中央銀行の総裁を務めていた当時は、深刻化していた「ギリシャ危機」を乗り切るための陣頭指揮を執り「スーパーマリオ」とも呼ばれた。
・・・・
今回、EUはこうした経歴から、ヨーロッパを代表する経済の専門家として、ドラギ氏に経済の処方箋を求めたのだ。
>>>競争力強化の方策を示す
報告書の序文は、こんな文言から始まる。
「ヨーロッパは今世紀に入ってから、成長の鈍化を懸念してきた。成長率を上げるためのさまざまな戦略が生まれては消えてきたが、そのトレンドは変わらなかった」
報告書はアメリカなどに比べて、ヨーロッパの経済成長が鈍化していることへの強い危機感を示し、その解決策を探る内容だ。
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産業競争力の強化に向けて、イノベーションを加速させ、新たな成長産業を生み出していく必要性を説くとともに、経済安全保障の観点から中国を例に挙げて特定の国への依存度を低減することなどを求めている。
さまざまな施策の方向性が盛り込まれた報告書だが、その中でも話題の1つになっているのが「脱炭素化」に関する内容だ。
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>>>温暖化対策の負の側面を指摘
EUは2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を掲げ、脱炭素社会の実現に向けて世界でも先導的な役割を果たしてきた。
脱炭素化を進めながら経済成長を目指す「グリーンディール」と呼ばれる政策も進めてきた。
ただこのところEU各国の国内では、気候変動対策や環境規制が生産コストの増加と国際競争力の低下につながっているとして反発も強まっている。
これについて、ドラギレポートは「EUの脱炭素に関する目標は、競合する国々に比べて野心的であるとともに、ヨーロッパの産業にとっては短期的に追加のコストをもたらしている」と明記した。
脱炭素の目標達成に向けて、産業界がアメリカや中国などに比べて多額の投資を強いられ、大きな負担となっていることを認めたのだ。
また成長分野として位置づけてきた「クリーンテック」の分野に対する懸念も盛り込んだ。
ヨーロッパは技術開発では先導的な地位にあるものの、太陽光や風力、EV=電気自動車などの市場では、過剰生産を続ける中国企業にシェアを奪われる可能性を指摘。
特に自動車分野は産業政策を伴わずに気候変動対策を適用した失敗例として挙げた。
そして「脱炭素化がヨーロッパの産業空洞化につながる場合、その政治的な持続可能性が危うくなる可能性がある」として、従来の温暖化対策の見直しの必要性を迫ったのだ。
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>>>ヨーロッパが取るべき対策とは
では、どう見直すべきだというのか?
ドラギレポートは「野心的」とも言われる脱炭素の目標を見直すのではなく、その目標と一貫性のある産業政策の必要性を訴えている。
クリーンテックへの支援を見直し、産業によって異なる戦略を使い分け、主導権を握っている技術や戦略的な技術に支援を集中すべきだと指摘した。
また特定の技術を排除せず、費用対効果の高い方法で脱炭素化を加速させるべきだとした。
「再生可能エネルギー」「原子力」「水素」「バイオエネルギー」「CCUS(二酸化炭素を回収・貯留・利用する技術)」といったあらゆる方策を、公的資金と民間資金の両方で支えるべきだと指摘している。
・・・・
さらに化石燃料の1つ「天然ガス」の重要性も指摘。
中期的にも火力発電の燃料として利用され続けることを前提に、共同調達を行うなどして価格の変動を抑える必要性を明記した。
そしてクリーンテックだけでなくAIなどのデジタル分野も含めて、産業競争力の強化に向け、年間で最大8000億ユーロ、日本円にして120兆円以上の追加の投資が必要だ、とする試算を紹介した。
・・・・
>>>日本の経済界でも話題に
脱炭素の先進地、EUで示された、見直しの機運。
日本でも10月、国のエネルギー基本計画の改定に向けた経済産業省の有識者会議でその内容が紹介された。
参加者の1人からは「世界をリードしてきたはずのEUでも負の面が出てきた。脱炭素化と産業競争力の両立という現実的な政策が必要だ」といった発言も出された。
現在のエネルギー基本計画では、2030年度の電源構成について、
▽太陽光や水力、風力などの「再生可能エネルギー」を全体の36~38%と、現在より10ポイント以上増やす一方で、
▽化石燃料による火力発電を41%と、現在より30ポイント以上、減らすことを目指している。
ただ、直近の2021年度から2022年度にかけては▽再生可能エネルギーの割合は、1ポイントあまりしか増えていない一方で▽火力発電はほぼ横ばいだった。
日本においても、再生可能エネルギー、火力、原子力の構成をどうするのか、改めて検討が迫られている。
・・・・
ヨーロッパが抱える「脱炭素化の理想と現実」を浮き彫りにした、ドラギレポート。
11月のアメリカ大統領選挙の結果によっては、アメリカでも気候変動対策が大きく変わる可能性がある。
日本は脱炭素社会の実現に向けてどういった道筋を描いていくのか。
2040年度の絵姿を示す、新たなエネルギー基本計画の議論がことしの年末に向けて山場を迎える。
(10月17日「ニュースーン」で放送)

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241021/k10014614801000.html
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グリーンテックの具体的な内容は、
グリーンテックの主な分野の技術には、次のようなものがあります。
エネルギー:太陽光、水力、風力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギー関連技術
建築・製造:ZEB/ZEH、環境配慮型建材、3Dプリンターなど
交通・物流:電気自動車(EV)、クリーン燃料(合成燃料・SAF、水素、バイオマス燃料)、グリーンスローモビリティなど
化学工業:生分解性プラスチック/バイオプラスチック、セルロースナノファイバー(CNF)、人工光合成など
農林水産業・生物関連産業:遺伝子組み換え/ゲノム編集、水質浄化技術、スマート農業、垂直農業、代替肉/培養肉など
・・・・・・
ということで、化石燃料、エネルギーを使う、技術開発そのものでしかない。
完成後は有利かも知れないがそれほどでもない感じです。
本当に、「地球沸騰」を避けることができるのでしょうか??
・・・・・・
何故か中途半端というか、甘い話でしかない・・・・
では、草々
2024-12-24
森下克介
  


Posted by もりかつ at 11:38Comments(0)

2024年12月21日

「GHG排出実質ゼロ」、「地球沸騰」という議論がない

前略
トヨタ会長は正しい。
絶対正しいが、2050年には、「GHG排出を実質ゼロ」にしないと、どんなことになるかをきちんと議論していないということが「致命的に不足」しているということです。
・・・・・
大変良いことです。
世界中で議論すればいいのです。ITによる電力不足をどうするうかとか、自動車をハイブリッドで沢山作ったら、大丈夫なのか?????
それで、GHG排出がほぼゼロになるんならいいけど・・・・・・・・・
本当の議論する必要があるのは、少なくとも2050年以降もGHGを出していたら、我々の生活はどうなるか????????であろう!!!
・・・・
どうしてこの議論がされないのか判らない。判っていても議論したくないのだ!!!!
だとしたら、2050年目標を無視して、みんなのたれ死ねばいい!!!!!
何度も書いているが、グテーレスさんの云いう「地球沸騰」と「脱GDP」の議論すらできない人間世界は、やはりのたれ死ぬだけ!!!!

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ーーーーーートヨタ会長「EVシフトなら原発10基」発言に呼応?ビル・ゲイツが狙う“金脈”とはーーーーー
            斉藤壮司,佐藤雅哉 、ダイヤモンド・オンライン、2024-12-21,
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IT技術の進展につれて、社会のアキレス腱となるのが、電力供給だ。
世界の電力需要は2050年には現在よりも80~150%以上増加すると見込まれており、地球温暖化問題を踏まえると脱炭素電源の増設が急務だ。
そこでビル・ゲイツほかIT業界の巨人たちは、核エネルギーに注目しているという。
※本稿は、斉藤壮司・佐藤雅哉『核エネルギー革命2030 核融合と4種の新型原子炉がひらく脱炭素新ビジネス』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。
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>>>ITの爆発的な普及につれて、膨大な電力が必要となる。
 国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、世界の電力需要は現在から2050年に向けて80%から150%以上増加することが見込まれている。
予測に幅があるのは複数のシナリオを想定しているためだが、どのみち大幅に増えることには変わりない。
・・・・・・
 世界的に電力需要が増え続ける身近な例の1つが、人工知能(AI)技術やクラウドコンピューティング技術、暗号通貨技術をはじめとする、ITの爆発的な普及である。
 例えば、昨今ブームとなっている生成AIでは、画像処理半導体(GPU)による膨大な学習を必要とする。
そして、それらを支えるデータセンターの電力需要は、右肩上がりで増えることが予測されている。
同じく国際エネルギー機関(IEA)によると、2026年の世界におけるデータセンターの消費電力は2022年の2倍以上に急増する見込みで、これは「日本の電力消費量にほぼ匹敵する」(国際エネルギー機関)というから驚きだ。
 このことに気づいたIT業界の著名人は既に原子力発電や核融合発電に手を伸ばしている。
その1人が、生成AIサービス「ChatGPT」を開発する米オープンAIの最高経営責任者(CEO)であるサム・アルトマン氏だ。
アルトマン氏は小型原子炉を開発するスタートアップ、米オクロを支援している他、核融合炉の実現を目指す米ヘリオン・エナジーにも出資している。
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 もっと大胆な動きをしているのは米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏だろう。
核エネルギー推進派として知られる同氏は原子力スタートアップの米テラパワーの設立者だ。
 同社は原子力大手の米GE日立ニュークリア・エナジーと組み、新型原子炉の1つである高速炉(FR)を開発する。
2024年6月には2030年の稼働を目指して、米ワイオミング州でナトリウム冷却高速炉「ナトリウム(Natrium)」の実証炉の建設を始めた。
・・・・・
>>> IT業界の巨人たちは増大する電力需要を自らの商機と考え、核エネルギーを前向きに捉えている。
「電化電化!」の大合唱に、トヨタ会長は「だったら原発を」
 カーボンニュートラルの達成に原子力発電のような脱炭素電源の確保が不可欠であることを国内で知らしめた出来事がある。
 日本政府が発表した「2050年にカーボンニュートラルを達成する」との方針に関連して、日本自動車工業会(JAMA)の豊田章男会長(当時)が2020年12月に開いた記者会見だ。
 豊田氏は、国内全ての乗用車を電池とモーターだけで走る電気自動車(BEV)に置き換えた場合、夏の電力ピーク時に電力不足が発生する可能性があると指摘。
国内の発電能力を10~15%増やす必要があり、原子力発電であれば10基、火力発電であれば20基を増設する規模であるとして物議を醸した。
 自動車産業では、化石燃料を直接燃やすエンジン車から電気自動車(BEV)を含む電動車への移行が始まっている。
 製造業の中でも特に温暖化ガスの排出量が多い鉄鋼業では、石炭を使った製鉄プロセスである高炉から、電気で鉄を造る電炉への転換を目指す動きが活発化している。
・・・・・
 このような「電化」は、二酸化炭素(CO2)をはじめとする温暖化ガスの排出削減に効果があるとされる。
 しかし、その電気の発電で火力発電に頼るのであれば、カーボンニュートラルの理想からは遠ざかってしまう。
電化を進めるにあたっては、温暖化ガスの排出が少ない電源を並行して増すことが重要な課題だ。
 当時の豊田氏の発言は、電気自動車(BEV)だけが自動車の未来であるかのように報道する当時のメディアの論調に異論を唱える意図で、必ずしも原子力発電所の増設を主張したわけではない。
とはいえ、図らずも温暖化対策が一筋縄ではいかない規模の課題であることや、温暖化ガスの排出削減に核エネルギーが有効であると、改めて世間が知るきっかけとなった。
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>>>太陽まかせ風まかせの不安定を、火力発電所が支えている皮肉
 温暖化ガスを排出しない電源といえば、太陽光発電や風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入が、日本を含め、世界で急ピッチに進んでいる。
 むしろ、核エネルギーよりも再生可能エネルギーの方が、規模の面では脱炭素電源として主流になりそうな勢いだ。
国際エネルギー機関(IEA)によると、2022年における全世界の発電量のうち、再生可能エネルギー由来は30%を占め、最も控えめの予測でも、2030年までに50%近くまで上昇する見込みだ。
 再生可能エネルギーだけで大量の電力を、長期間にわたって安定かつ安価に供給できるのであれば、理想かもしれない。
だが実際はそううまくいきそうにないのが現状だ。
再生可能エネルギーを増やすだけでは、増大する電力需要を賄うのと並行して、2050年までにカーボンニュートラルを達成するのは難しい。
・・・・
>>> 再生可能エネルギーとして代表的な太陽光発電や風力発電には、現時点で2つの課題がある。
 1つめは、天候に左右されやすいこと。
 もう1つは、火力発電や原子力発電と比べて、広い設置面積を必要とする点だ(図1-10)。
 当たり前のような話だが、太陽光発電が発電できるのは晴天の時だけで、風力発電は風が吹いた時だけだ。
再生可能エネルギーだけに頼ると、電力が必要な時に発電できず、不要な時に余分な電力を発電するという状況が起きうる。
つまり、間欠性が課題とされているのだ。
 再生可能エネルギーの間欠性を現在補っているのは柔軟に出力を調整しやすい火力発電である。
再生可能エネルギーを大量に導入したからといって、単純に全ての火力発電を廃止できる状況にないのはこのためだ。
 出力の柔軟な調整は不得意ではあるものの、稼働時に温暖化ガスを排出しないベースロード電源の選択肢は今のところ原子力発電しか見当たらない。
・・・・
>>>広大な土地を使う割には、再エネの発電量は小さい
 太陽光発電や風力発電のもう1つの課題が、広い設置面積を必要とする割に、発電出力が小さいことだ。
実際の発電所で比較してみよう。
 2018年に稼働した日本最大級の太陽光発電所「瀬戸内 Kirei太陽光発電所」。
約260ヘクタール(東京ドーム56個分)の敷地で、最大電気出力235メガワットを生み出す。
一般家庭約8万世帯分に相当する規模だ。
・・・・
 風力発電も、広い設置面積が必要なのは同じだ。2020年に稼働した「ウィンドファームつがる」(青森県つがる市)は、陸上風力発電所として国内最大規模を誇る。
長さ約50メートルのブレード(羽根)を備えた風力発電機38基を設置して、総出力121.6メガワットの電力を生み出す。同発電所の敷地は広大で、その風力発電機は、青森県の日本海側の海岸、およそ南北10キロメートルの範囲に点在している。
 こうした大規模な太陽光発電や風力発電は、導入コストの低減やFIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度)に支えられ、全国で普及が進んできた。ところが、先に例として挙げた太陽光発電所と風力発電所の電気出力は、どちらも、火力発電所や原子力発電所1基あたりの電気出力に満たない。
・・・・・
 例えば、2020年に運転を開始した電源開発の竹原火力発電所(広島県竹原市)の新1号機は、単体で600メガワットの最大出力がある。
敷地内の他の発電機と合わせた最大出力は合計1.3ギガワットに上る。
 一方、郊外緑地を含む同発電所の敷地面積は約40.8ヘクタール(約40万8000平方メートル)に過ぎない。
前出の太陽光発電所が、最大の電気出力235メガワットで敷地面積260ヘクタールだったのを思い出してほしい。
 小さな設置面積で済むのは、原子力発電所も同じだ。
資源エネルギー庁によると、電気出力1ギガワット級の原子力発電所の場合、敷地面積は1基あたり約60ヘクタール(0.6平方キロメートル)となっている。
ただし、仮に原子力発電所で放射能漏れを伴う事故が発生した場合には影響が広範囲にわたる。
正常時の敷地面積だけで比較するのはややフェアではないのは確かだ。
・・・・
>>>山手線内側にパネルを敷き詰めて、ようやく原発1基ぶんの発電量
 ここまでの比較では設備利用率を考慮していないが、液化天然ガス(LNG)火力発電と原子力発電は70%、太陽光発電(事業用)は17%、風力発電(陸上)は25%という数字を考慮すると、長期間にわたって発電を続けた場合の敷地面積あたりの発電量は、火力発電や原子力発電がさらに有利となる。
太陽光発電や風力発電が大きな発電量を賄うためには、設置場所に苦労するのが目に見えているのだ。
・・・・
 設備利用率を考慮した上で、電気出力1ギガワットの原子力発電所1年分と同じ発電量を得るために必要な設置面積を計算するとどうなるだろうか。
 資源エネルギー庁の資料を引用すると、太陽光発電で約58平方キロメートル、風力発電であれば約214平方キロメートルという計算になる。
約58平方キロメートルという数字は、東京の山手線の内側とほぼ同じになる。
さらに、風力発電ではその3倍以上の面積が必要となる計算だ。
例えば、太陽光発電であれば山間部の活用が、風力発電では洋上風力の活用が、設置面積を増やす有力な手段の1つになりそうだ。

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https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E4%BC%9A%E9%95%B7-ev%E3%82%B7%E3%83%95%E3%83%88%E3%81%AA%E3%82%89%E5%8E%9F%E7%99%BA10%E5%9F%BA-%E7%99%BA%E8%A8%80%E3%81%AB%E5%91%BC%E5%BF%9C-%E3%83%93%E3%83%AB-%E3%82%B2%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%8C%E7%8B%99%E3%81%86-%E9%87%91%E8%84%88-%E3%81%A8%E3%81%AF/ar-AA1wfDff?ocid=msedgntp&pc=LCTS&cvid=8df8f8e1598e4b2f9007ec2cdb6a471c&ei=8#

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どうして、気候危機に関しての「GHG排出実質ゼロ」とか「地球沸騰」とか言いう議論が全くない・・・・
これでいいのか?????
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では、草々
2024-12-21
森下克介
  


Posted by もりかつ at 17:18Comments(0)

2024年12月17日

「酸素と水と食料」の議論をするということです・・・・

前略
割合厳しい視点での議論であるように見えるが、やはりチョット判りにくい。
2050年にはGHGの排出量を(実質と言っているが・・)そんなことを言っていると言う暇が有ったら、本気で化石燃料使用ゼロ、地球全緑化を始めてから言わないといけない・・・・。

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ーーーーー「2050年に地球温暖化による破局が来る!」と怯える前に、酸素と水と食料の現実の話をしようーーーーー
         バーツラフ・シュミル,柴田裕之、ダイヤモンド・オンライン、2024-12-17,
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アマゾンの熱帯雨林が減ると酸素供給が減る!」。
かつてフランスのマクロン大統領はこう叫んで人々を脅したが、これはまったく科学的な態度ではなかった。
アマゾン以上に、「2050年の地球温暖化の危機」は、環境問題に取り組む政治家たちにとってホットなテーマだが、マクロン同様に科学は脇に押しのけられている。
実際のところ温暖化の進展は、人類の生存に不可欠な酸素・水・食料の供給にどう影響するのか、これらの問題を横断的に研究している専門家が解説する。※本稿は、バーツラフ・シュミル著、柴田裕之訳『世界の本当の仕組み エネルギー、食料、材料、グローバル化、リスク、環境、そして未来』(草思社)の一部を抜粋・編集したものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・
>>>>世界の温暖化が進んでいけば
>>酸素と水と食料はどうなる?
 人類の生存に欠かせない、酸素と水と食料という3つのものに立ち戻り、温暖化する地球でそれらの供給がどうなりそうか、考えてみよう。
・・・
 大気中の酸素濃度は、温室効果ガスが引き起こす気温のわずかな変化には影響を受けないが、人間が引き起こす地球温暖化の主な原因、すなわち化石燃料の燃焼のせいで、ほんの少しばかり低下している。
 最近では、1年当たり約270億トンの酸素が、化石燃料の燃焼によって大気から取り除かれているのだ。
森林火災や家畜の呼吸によって失われる分も考慮に入れると、大気に含まれる酸素の毎年の正味の減少量は、21世紀初頭には約210億トンとされた。
 これは、大気中に存在している酸素の、1年当たり0.002%足らずの減少という計算になる。
大気中の酸素濃度を直接測定することで、このわずかな減少が確認されている。
近年、それは約4ppmに相当する。
空気には100万分子当たり21万近くの酸素分子が含まれているので、これは毎年0.002%の低下となる。
 この割合でいくと、大気中の酸素濃度が3%下がるまでに1500年かかる。
これは、西ローマ帝国が滅亡してから過ぎた年月に、ほぼ等しい。
だが、実際の酸素濃度の点で言うと、この減少は、海抜0メートルに近いニューヨーク市から標高1288メートルのソルトレイクシティに移る程度の違いでしかない。
・・・・
 石炭、原油、天然ガスという、すべての化石燃料の、世界中で知られているかぎりの資源量を採掘するのは、大半の鉱床が微量であるため、コストがかかり過ぎて不可能なのだが、仮に全部掘り出して燃やしたとしても、大気中の酸素濃度は、たった0.25%しか下がらないだろう。
酸素については心配無用だが
・・・・
>>>将来の水の供給は憂慮すべき
 花粉アレルゲンから、都市での屋外の大気汚染や田園地帯での屋内の調理由来の空気の汚れまで、多くの理由で、不幸にも何億もの人が呼吸をしづらくなっている。
 だが、森林火災や化石燃料の燃焼によって大気中の酸素が消費されて減る事態を、考えられる範囲でどれだけ想定しても、それで呼吸が困難になるリスクはまったくない。
 そのうえ、きわめて重要な天然資源のうちでも、酸素ほどアクセスが平等なものはない。
地元の大気汚染のレベルがどれほどであろうと、世界中のどの場所でも、標高が同じであれば、誰もが同一の濃度の酸素を思う存分吸い込むことができる。
 そして、チベットやアンデス山脈といった標高の高い場所に暮らしている人々は、血中のヘモグロビン濃度を上げることをはじめとして、低い酸素濃度に対する多くの目覚ましい適応を見せてきた。
 要するに、酸素については心配すべきではないということだ。
・・・・
>>> 一方、水の供給の将来については、憂慮しなくてはならない。
地域や国家や全世界のレベルでの多くのモデルを使って、将来の水の利用可能性が検討されてきた。
 それぞれ想定する地球温暖化の程度が異なり、最悪の筋書きは一般に悪化する一方の見通しを提示するものの、人口増加とそれに伴う水の需要に関してどのような前提に拠って立つ必要があるか次第で、そうとう不確かなところがある。最大2度(摂氏)までの温暖化では、気候変動によって悪化した水の欠乏に直面する人は、少なければ5億人、多ければ31億人になるかもしれない。
 1人当たりの水の供給は世界中で減るだろうが、ラプラタ川やミシシッピ川、ドナウ川、ガンジス川などの主要河川の流域は、欠乏レベルよりもはるかに上の状態にとどまるだろう。
一方、すでに水量が乏しくなっている河川の流域の一部は、さらに状況が悪化する。
特にはなはだしいのは、トルコとイラクを流れるティグリス川とユーフラテス川や、中国の黄河かもしれない。
水不足対策の鍵は需要管理
・・・・
>>>少ない水でのやりくりは可能
 だが、需要主導型の淡水の欠乏のほうが、気候変動に起因する不足よりもはるかに影響が大きいということで、ほとんどの研究の示す見解が一致している。
 そのため、将来の水供給対策の最善の選択肢は需要の管理であり、それがうまくいっている大規模な例の1つが、アメリカで近年に見られる1人当たりの水の利用量の削減だ。
2015年のアメリカ全体の水使用量は、1965年の使用量よりもわずか4%足らずしか多くなかった。
だがその50年間に、人口は68%増え、GDPは実質ベースで4倍以上になり、灌漑されている農地は約40%増加した。
 つまり、1人当たりの水の使用量は40%近く減少し、アメリカ経済の水集約度(実質GDPの単位当たりの水の単位)は76%下がり、灌漑に使われる水の合計量は2015年にはじつはわずかに減ったので、農地の単位面積当たりの使用量は3分の1近く少なくなった。
 当然ながら、こうした水の使用のすべてで、さらなる削減を行うのには物理的な限度があるが、このアメリカの実例は、大幅な改善の余地があることを示している。
 飲料水の不足は、脱塩によって緩和することができる。
太陽熱蒸留から半透膜の利用まで、さまざまな手法で海水から塩分を取り除くのだ。
 この選択肢は、多くの水不足の国で一般的になってきており、世界中におよそ1万8000か所の海水淡水化プラントがあるが、貯水池やリサイクルから供給する淡水よりも、コストがかなり多くかかる。
・・・・
>>>降水量が1~2割減っても
農作物の収量はアップする!?
 作物に必要な水の量は、飲料水よりは桁違いに多い。
そして、世界の食料生産は、今後も降雨に頼り続けることになる。
やがて来る温暖化した世界では、十分な雨が降るだろうか?
・・・
 光合成は常に、葉の中の水と大気中の二酸化炭素との、極端に不均衡な交換だ。
植物は、光合成のために十分な炭素を取り込もうとして葉の裏側にある気孔を開くたびに、大量の水を失う。
 たとえば、小麦全体の蒸散効率(単位当たりの水で生み出されるバイオマス)は、1キログラム当たり5.6~7.5グラムであり、これは、穀物の収量1キログラム当たり約240~330キログラムの水という計算になる。
 水循環は地球温暖化によって否応なく盛んになる。
気温が上がると蒸発量が増えるからだ。
その結果、全体として降水量が増し、したがって、集めて、溜めて、使うことができる水も多くなる。
 ところが、全体として降水量が増加しても、あらゆる場所で降水量が増えるわけではないし、これまた重要なのだが、水が最も必要とされるときに雨が多く降るわけでもない。
気候の温暖化に関連した他の多くの変化と同じで、降水量の増大も場所によってばらつきがある。
 今日よりも雨が降らなくなる地域もあれば、中国の厖大な人口の大半が暮らしている長江流域など、大幅に降水量が増す地域もあるし、この増量は、水ストレスの高い環境に住んでいる人の数のわずかな減少につながることが見込まれている。
・・・・
 降水量が増える場所の多くでは、降水が不規則になる。雨や雪の頻度が減るものの、1回の量が増え、壊滅的にさえなるだろう。
 大気が暖まると、植物からの水分の喪失(蒸発散量)も増えるが、作物や森林が水を失って弱るわけではない。
大気中の二酸化炭素濃度が上がれば、暖かくて二酸化炭素が豊富な生物圏が出現し、単位収量当たりに必要な水が減る。
 この効果はすでに一部の作物で測定されており、最も一般的な光合成経路に依存する主食穀物である小麦と米は、それほど一般的ではないけれど、本質的により効率的な光合成経路を使うトウモロコシやサトウキビよりも、水の利用効率の上昇幅が大きい。
つまり、一部の地域では、降水量が10~20%減っても、小麦などの作物から、今日以上の収穫が得られる可能性があるのだ。
・・・・
>>>温暖化が進んだ2050年でも
100億人以上を養うことが可能
 世界の食料生産は、地球温暖化を助長する微量ガスの重大な発生源でもある。
ここで言う微量ガスは主に二酸化炭素であり、特に南アメリカやアフリカで依然として行われているように、森林や草地を農地に変えるときに発生する。
そして、反芻する家畜が吐き出すメタンがそれに加わる。
 だがこの現実は、改善や調整の機会も提供してくれる。
毎年耕す量を減らしたり、耕すのをやめたりして、土壌中の有機物を増やし、それによって炭素の貯留量も増やすような形で作物を栽培することもできるだろうし、牛肉を食べる量を減らして、牛が吐き出すメタンを削減することもできるだろう。
 私の計算では、将来、牛肉の割合を下げ、豚肉と鶏肉、卵、乳製品の割合を上げ、餌をより効率的に与え、作物の残滓や食品加工の副産物をもっとうまく利用すれば、近年の世界的な食肉生産量を減らすことのないまま、メタンの放出も含め、家畜による環境への影響を大幅に抑えることができる。
・・・・
>>> より視野を拡げると、
2050年を過ぎて間もなく到達することが見込まれる100億という将来の人口を、4つのプラネタリー・バウンダリーの範囲内で養うことができるかを、ある最近の研究が検討した。
 つまり、地球とその住人たちを、
「生物圏の一体性」、
「土地の利用」、
「淡水の利用」、
「窒素の循環」
の4つの点で限界を踏み越える瀬戸際まで追い込まずに、人々を養えるかを問うたのだ。
 驚くまでもないが、この研究の結論は以下のようなものだった。
すなわち、これらの限界をすべて尊重したなら、世界の食料生産システムが、1人当たり約2400キロカロリーのバランスの取れた日々の食事を提供できるのはせいぜい34億人だが、農耕地を再配分し、水と養分を今よりもうまく管理し、食品廃棄物を減らし、食生活を調整すれば、102億人を養えるという。
・・・・・
>>「2030年あるいは2050年に
世界は温暖化で破局する」はウソ
 呼吸と水分摂取と食物摂取という、生きていくうえで必須の3要素を、このように正しい情報に基づいて眺めてみると、結論は一致する。
 2030年あるいは2050年〔IPCCが二酸化炭素削減の指標とした年で、2030年に2019年のCO2排出量から48%、2050年に99%の削減を提示している〕までに破局を迎える必然性はない。
・・・
 酸素は、依然として豊富であり続ける。
水の供給に関する懸念は多くの地域で増大するが、それはあらかじめわかっていることなので、命を脅かすような大規模な不足をすべて回避するのに必要な手段が講じられてしかるべきだ。
 そして、私たちは低所得国での1人当たりの平均的な食料供給を維持するだけでなく改善する一方、富裕国では過剰な生産を減らすべきだ。
とはいえ、これらの措置を取っても、世界人口を養うための食料生産における、化石燃料補助への直接的・間接的依存を軽減することはできても、なくすことはできないだろう。
 そして、化石燃料の使用の削減は、迅速に行うことはできない。
つまり、今後何十年にもわたって、化石燃料の燃焼が世界の気候変動の原動力であり続けるということだ。
では、それは地球温暖化の長期的な傾向にどのような影響を与えるだろうか?
 地球温暖化が引き起こす海面上昇の害を真っ先に受けるのは必然的に、沿岸の低地全般、特に太平洋の島嶼国だと、あなたは何度聞かされたことだろう?
 それにもかかわらず、フィジーの北、ソロモン諸島の東に位置する太平洋の環状珊瑚礁島国家ツバルの全101島で40年間に見られた海岸線の変化を最近分析したところ、この国の陸地面積がじつは3%近く増えていることがわかった。
先入観に基づき、軽率に一般化して結論を下すことは、常に避けるべきだ。

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https://www.msn.com/ja-jp/money/other/2050%E5%B9%B4%E3%81%AB%E5%9C%B0%E7%90%83%E6%B8%A9%E6%9A%96%E5%8C%96%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E7%A0%B4%E5%B1%80%E3%81%8C%E6%9D%A5%E3%82%8B-%E3%81%A8%E6%80%AF%E3%81%88%E3%82%8B%E5%89%8D%E3%81%AB-%E9%85%B8%E7%B4%A0%E3%81%A8%E6%B0%B4%E3%81%A8%E9%A3%9F%E6%96%99%E3%81%AE%E7%8F%BE%E5%AE%9F%E3%81%AE%E8%A9%B1%E3%82%92%E3%81%97%E3%82%88%E3%81%86/ar-AA1vYRpg?ocid=msedgntp&pc=LCTS&cvid=f83adad3fd6a4c1a9d0055671970692d&ei=13
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多くの人の議論の糧になってくれると良いが・・・・
・・・・
では、草々
2024-12-18
森下克介
  


Posted by もりかつ at 11:51Comments(0)

2024年12月17日

「地球上の「木」の存在価値」の評価、再認識する必要がある・・

前略
久しぶりに投稿します。
GHG(温暖化ガス)の最高のコントロール者である、光合成をする植物に関しての蘊蓄です。
この位の事はだっれでも知っているでしょうが、何故現在の様な植物の破壊を平気でやっているのか、判りにくいものがあります。
どうしても「金儲け資本主義のウイルス」の蔓延、パンデミックとしか言いようがありません、人間自体が悪いのではない、
「ウイル氏が悪い!!」、貨幣・通貨があるからいけないのです、今はデジタル通貨まであります、これら全部がウイルスです。
・・・・
その中でも、ウイルスの増殖メカニズムが「信用システム」です、歴史的には中世のシャイロックの時代にはあったようです。
これも、ユダヤの金貸しシャイロックが言った通りで、人間の肉塊を担保にしたのです。
しかし、金融機関の場合はもっとひどいものです。
   「銀行法における信用創造とは?」 ;信用創造とは、銀行が貸し出しを繰り返すことによって、銀行全体として、
    最初に受け入れた預金額の何倍もの預金通貨をつくりだすことをいいます。
此処に示す通りで、「銀行が受け入れた預金額を担保にすること自体がとんでもないこと」であるだけでなく、「その預金額の何倍もの預金通貨を作り出す」という「とんでもない詐欺師並みの作業」をやってのけているのです。
・・・・・
どこかで、不具合が生じたらとんでもないことが起こることを承知で世の中が動いているのです、だからケインズが恐慌の発生を防止しようとしても無理なはず、更に「政府が赤字国債を出して市場に通貨を垂れ流せば恐慌が納まるなんて言う駄目の上塗り」をすればいいなんてことを真面に受けて動いていても上手くいくはずがない、株式も限定責任ということで、上手くいけば良いが悪いときはゼロ円になっても文句を言いえない仕組みになることなどで、お茶濁しをしているのが、「金儲け資本主義」である。
・・・・・
こんな仕組みの中で、森林などの植物によるGHG議論もどっかに吹っ飛んでしまうということでしょう。
何たるコッタ!ということです。

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---ーーーー果たして地球上から「木」がなくなったら人類はどうなるのか…
         植物研究者が回答した「4つの危機」
          日本植物生理学会 、現代ビジネス、2024-12-17,
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私達の身の周りは道端の雑草からスーパーに並ぶ野菜まで様々な植物で溢れていますが、よく考えてみると答えがわからない様々な疑問が頭に浮かびます。
・・・・・・・・・
そんな植物にまつわる「謎」に第一線で活躍する研究者たちが答えてくれるのが日本植物生理学会WEBサイトの人気コーナー「植物Q&A」です。
このたび3000を超える質問の中から厳選された60のQ&Aが1冊の本にまとまり、ブルーバックス『植物の謎 60のQ&Aから見える、強くて緻密な生きざま』として刊行されました!
今回は、収録されたQ&Aの中から樹木と地球環境に関するものをご紹介。
果たして、もし樹木がなくなったら地球はどうなるのか…?早速見ていきましょう。
※本記事は、『植物の謎 60のQ&Aから見える、強くて緻密な生きざま』(ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
>>>>Q. 地球から木がなくなると、どうなるのか?
地球から樹木がなくなると、どうなるのでしょうか。
環境問題が話題となるなか、木が環境に与える影響について知りたいと思います。(学生の方からのご質問)
・・・・
A. 4つの観点からお答えします
地球から木(木本)がなくなると、光合成生物としては陸地には草(草本)だけが、海、川、湖には藻や植物プランクトンだけが生きていることになります。
それがどのような世界になるか、考えてみましょう。
・・・・・
  1.地球では、陸地の草と木、それに海水、淡水中の藻、植物プランクトンが光合成をしていますが、地球全体の光合成の40%以上が
    木によっておこなわれています。
    そこで、もしも木がなくなると、地球の光合成量が半分近くに減り、吸収される二酸化炭素の量が少なくなるため、大気中の二酸化
    炭素の濃度が高くなってしまいます。
    大気中の二酸化炭素が増えると、熱が地球から逃げにくくなるため、「地球温暖化」により気温が高くなります。
    これによって極地の氷が溶ける一方、海水が膨張して海面が高くなったり、気候が変化したりして、環境が大きく悪い方向へと
    変わるでしょう。
・・・・・・
  2.木が生えている森林では、多くの草本植物、動物、昆虫、菌類などの微生物が、木と助け合って生活しています。
    そこで、もしも木がなくなると、森に棲む多くの動物や昆虫は絶滅するでしょう。
    また、亜熱帯や熱帯の海辺にたくさん生えているマングローブ林がなくなると、そのまわりに生息している魚やエビなどの水生生物も
    棲み家を失うでしょう。
    そして、木陰のような光の弱いところでしか生息できないシダ、コケなどの植物は枯れてしまいます。
    代わりに、草(草本)の中でも特に強い光に耐えられるイネ科などの草が生い茂る草原だけになってしまうでしょう。
・・・・・・
    3.山に豊かな森林があると、雨水が森林の土壌に長い間保たれて、ヒトはこれを有効に使うことができます。
    また、山の土に含まれている植物の生育に必要な養分も、雨水によって流されにくく、落ち葉などは腐葉土のもとになって植物の
    生育を助けています。
    そこで、もしも木がなくなると、山に降った雨がすぐに流れてしまうため、下流で洪水が起こりやすくなります。
    また、このとき、土や養分も一緒に流されてしまうため、山には草も生えなくなります。森林地帯を流れる河川は、海のプランクトンの
    繁殖を支える栄養分を含んでいます。木がなくなるとその栄養分も少なくなって、海のプランクトンが減少し、その結果、魚類なども
    少なくなるでしょう。
    実際に、このようなことは、森林を伐採したときにしばしば見られています。
・・・・・・
    4.身のまわりには、家屋、家具、鉛筆、木炭など、木を材料にしてつくったものが非常にたくさんあります。
    紙もすべて木材を原料にしたパルプからつくられています。
    そこで、もしも木がなくなると、これらすべてがなくなり、プラスチックやコンクリートなどで代用しなければならなくなるでしょう。
    紙がなくなったら、新聞や本などは何に印刷したらいいのでしょうか。
    バイオリン、ピアノ、琴などの美しい音も聴けなくなるでしょう。
    果樹がなくなったら、カキ、リンゴ、ナシなどの果物は食べられなくなってしまいます。
    木がなくなった地球の環境を、ほんの一部、考えただけでも、木がヒトの生活にどれだけ貢献しているかわかることでしょう。
    森林の樹木をぜひ大切に。
 『植物の謎 60のQ&Aから見える、強くて緻密な生きざま』
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https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E6%9E%9C%E3%81%9F%E3%81%97%E3%81%A6%E5%9C%B0%E7%90%83%E4%B8%8A%E3%81%8B%E3%82%89-%E6%9C%A8-%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%89%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B-%E6%A4%8D%E7%89%A9%E7%A0%94%E7%A9%B6%E8%80%85%E3%81%8C%E5%9B%9E%E7%AD%94%E3%81%97%E3%81%9F-%EF%BC%94%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%8D%B1%E6%A9%9F/ar-AA1vYpg2?ocid=msedgntp&pc=LCTS&cvid=9ba5bcf0b7174ab687e5750019bf70dd&ei=10
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本当は、GHGの主要な抗生物質には「水蒸気」があります。その水に関連した海洋のCO2吸収能とその水中に生息する水中生物の役割の大きさも評価しないといけない。
・・・・
もうすでに、+1.5℃を越えたとか言われる今日である。
2050年までに、GHGの排出ゼロ(実質であろうとなかろうと)もう化石燃料を使わない世の中のイメージすらできていない、どうしたらいいのか?????????????????????
・・・・・
では、草々
2024-12-17
森下克介
  


Posted by もりかつ at 10:56Comments(0)

2024年12月08日

「コロナ禍」と「気候危機」を考える時・・・

前略
「中国での新型コロナウイルス発症」から、5年という話題がありました。
その議論から、私が毎日思っている「気候危機からの脱却」とのアナロジーを感じました。
検索したところでは、当然医学的議論がほとんどでしたが、「社会全体の病気蔓延」をどうするかという視点が少し入った議論が有ったので取り上げました。
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気候危機とは、産業革命以前の人類と地球の関係が、一気に変わってしまったことによって、人々の心の中に「身近な地球の資源が自分たちの知恵と努力で如何様にでも使うことが出来て、日常の衣食住や娯楽などサービス分野に幾らでも工夫次第でタダで採掘コストだけで活用できるので、イケイケドンドンで楽しくなる」と知った。その先は現在みられる通り、多くの研究開発がそれをさらに加速して今日に至ったと考える。その内の一部の発見が「アレニウスに始まる「地球温暖化・気候危機」の議論に進展して今日の議論がっ進展しているのである。
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しかし、気候危機は既に進展してしまい、昨今の夏の気温は十分に高く、「+1.5℃」を越えているという評価も出てきている。
そっれにもかかわらず、産業革命の成果がどんどん加速して幾何級数的な世界の現状に対して、口先だけの議論に終始している。
相かわらづ、政治の議論は「経済成長が国民の意志」であるから、そのために何をするかで明け暮れしている。
政治は、民主主義と言って、国民の望むところを実現する為だけに頑張っている???しかし「本当の政治とは何か」の議論が一つもできていない、「1992年のリオ・サミット」で十分議論したにも拘わらず、何の進展もない現状が30年以上も続いているだけで、今後も望み薄である。
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丁度、武漢で新型コロナウイルスが発症した時からの5年間が、ゲノム研究の成果で今日の様に抑えられたと同じように、思わぬ研究成果が出てきて、気候危機も解決できるのではないか、との期待がどこかで蠢いていいる様にすら思われるのは残念で仕方がない。
人類委の中に、伝染して拡散してしまっている「温暖化拒否ウイルス」は誰も治療を考えていない、その事実をよくよく考えないといけない。
学校教育の中に、温暖化ガスの実態を知るための簡単な実験などを通して、次世代が事実を議論する機会を広めないといけない。
誰一人、政治かも企業のトップも、相変わらずの「金儲け資本主義ウイルス」に占拠されてしまっている現実も見定める知恵も学ばなければならない。
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世界中に蔓延している「拝金主義ウイルス」の病魔から脱出するために、世界中の一人一人が、人類の次の世紀を見すえて毎日を生きる必要があろう。
この位にします。

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ーーーー主張、新型コロナ禍・われわれはどこにいて、どこへ向かうのかーーーーー
       2020年6月号、(農文協論説委員会)、
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 目次
◆パンデミックが招いた未曾有の事態
◆感染しても発症しないウイルスの厄介さ
◆世界恐慌と食糧危機への備えを
◆急速な感染拡大の背後にあるもの
◆大都市一極集中が生んだ「三密」という環境
◆共生の時代と小農という生き方
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>>>パンデミックが招いた未曾有の事態
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が終息する気配を見せないなか、農業への影響もじわじわ広がっている。
ワラや購入天敵、長靴までに至るさまざまな農業資材の不足。観光農業にかかわるイベントやツアーの中止。外食需要の落ち込み。
外国人実習生が来日できないことによる労働力不足などなど……。いま多くの読者の方々が、未知のウイルスへの恐怖に加えて、底知れぬ闇に追い込まれていくような不安を抱えておられることだろう。
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 ペストや天然痘などの感染症に人類が苦しめられるのはいまにはじまった話ではない。
ウイルスを病原体とする伝染病について言えば、1918〜19年に猖獗しょうけつをきわめたスペイン風邪(インフルエンザ)では世界人口の20〜30%が罹患し、4880万人〜1億人が死亡したといわれている。
日本でも当時の人口の0.7%にあたる39万人が亡くなっている。
だが、これだけの犠牲者を出したスペイン風邪ですら、社会・経済活動が完全にストップすることはなかった。
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 今回のように世界各国がこぞって、学校や企業活動、スポーツ・音楽に至るイベントを中止・自粛し、外出や移動まで制限するような事態は初めてのことではないか。
 いま、テレビや新聞は連日、新型コロナとの「戦い」をトップニュースで報じている。
だがインターネットから流れる膨大な情報を含め、圧倒的な情報量のわりには根本的な問いに答えていないような気がしてならない。
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 新型コロナウイルスとはどういうものであって、なぜ今回のようなパンデミック(世界的感染流行)が起こったのか、そして新型コロナウイルス感染とその経済的な被害を大きくしてしまった要因はどこにあったのか……。
 そうした疑問に答えるべく、農文協は新型コロナをめぐって、各界で活躍する方々に広く寄稿をつのった。
ウイルス学、国際保健学、医療人類学、文化人類学、哲学などの研究者をはじめ、経済アナリスト、辺境の地を行く探検家や医師、そして農家……。幅広い分野の方々が、事態の先行きがまったく見えない状況のなかで、勇気をふるって、新型コロナとそれがもたらした社会現象について執筆してくださった。
こうしてまもなく『新型コロナ 19氏の意見』(農文協ブックレット21)が発行される。
 われわれはいったい、いまどこにいて、どこへ向かっているのだろうか。本書に結集した各氏の論を手がかりに、この疑問について考えてみたい。
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>>>感染しても発症しないウイルスの厄介さ
 新型コロナウイルスとはそもそもいったい何者なのか コロナウイルスは「人獣共通感染症」の病原体となるウイルスの一種である。RNAウイルスといわれ、タイプとしては口蹄疫ウイルスに近い。
 新型というからには旧型もあるわけで、コロナウイルスには6種があり、このたび出現したのが7種目だ。
うち4種は人間に大した被害を与えない。
普通の風邪の20%くらいはこれらのコロナウイルスによるもので、大人のほとんどはこのどれかによる風邪を経験しているはずだという(小児科医・山田真さん)。
一方、ここ20年ほどの間に発生したSARSコロナウイルスとMERSコロナウイルスは重症肺炎を引き起こす。
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 新型ウイルスは免疫がないために感染が広がりやすい。
そのうえ、今回の新型コロナはSARSやMERSと違って軽症や無症状(不顕性感染)の割合が高い。
そのため感染者を捕捉しにくく封じ込めが難しい。
一方、全数検査を実施したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の例からみるかぎり、致死率は1%程度であり、さらに乗船者には高齢者が多いと思われることも考慮すれば、実社会での致死率はもう少し低く、SARSやMERSに比べて病原性はかなり低いと見られるという(ウイルス学・髙田礼人さん)。
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 このままいって1年か2年すればワクチンが開発されて、感染が劇的に収まるだろうか。髙田さんはこう言う。
「新型コロナウイルスも、インフルエンザウイルスのように季節的に流行をもたらすようになるかもしれないし、風邪を引き起こすコロナウイルスの一つになるかもしれない。
あるいは、人類が集団免疫を獲得したら、ヒトのあいだでは感染できなくなるかもしれない。
集団免疫の獲得には、一般的にはワクチンが有効だが、新型コロナウイルスは無症状者や軽症者が多いため、意外に早く集団免疫を獲得する可能性もある。
なお、ワクチンの開発や治験には通常数年かかるため、すぐにワクチンができるとは期待し過ぎないほうがよいだろう」
 新型コロナを過度に恐れる理由はないが、当面画期的治療法・予防法が生まれる見込みは薄い。
結局われわれは辛抱強くこのウイルスとつきあっていくしかないのである。
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>>>>世界恐慌と食糧危機への備えを
 今後、新型コロナの感染がいつ終息するかを、現段階で予測することはできない。
とすれば、現在のような社会・経済活動のシャットダウンをいつまで続けられるのだろうか。
このままでは新型コロナの直接の犠牲者以上に、膨大な数の経済的な犠牲者が出てしまうのでないだろうか。
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 政府はようやく新型コロナの経済対策として、フリーランス含む個人事業主や法人の事業継続のために「持続化給付金」を支給し、国民一人あたり一律10万円を給付するといった施策を打ち出したが、社会工学者の藤井聡さんはまだまだ手ぬるいという。
 というのも諸外国はGDPの10%や20%程度の政府支出の拡大を決定し、失業者や所得が減った労働者、売り上げを失った法人・商店に対して、所得や売り上げを徹底的に補償していく方針を明確に打ち出しているのに対して、日本はそうした方針をまったく打ち出していないからだ。
日本も100兆円以上の対策費が計上されているが、その中身を精査すると、新規の国債発行に基づく支出拡大は16兆円、GDP比にしてたった3%という、諸外国に比べれば比べものにならないくらい僅少な水準だという。
「これでは、政府が繰り出した緊急事態宣言でパニック状態におちいった日本国中の法人や商店の多くが、倒産していかざるを得ないだろう。倒産せずとも、従業員を徹底的に解雇していくだろう。
解雇せずとも給料を大幅に減額することとなろう。
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 こうして、政府による、所得・売り上げ補償無きコロナ対策の『帰結』として、日本国民は、確実に貧困化していくのだ」
 藤井さんは「このままでは、国民は政府の自粛要請による激しい内需の縮小と世界大恐慌による外需の縮小の双方のダブルパンチをノーガードのまま被ることになる」とみる。
そして各国が経済活動を停止するなかで、食料もまた大きく生産量が低下し、日本向け輸出はカットされることは必至であるという。
 内需を喚起する思い切った経済対策と同時に、食糧危機への備えも喫緊の課題となってくる。
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>>>>急速な感染拡大の背後にあるもの
 そもそもこれだけパンデミックが拡大し、健康被害とともに、経済的被害も拡大してしまったのはなぜか。
経済アナリストの森永卓郎さんは、新型コロナ禍はずばり行き過ぎたグローバル経済の帰結であるとみる。
「1989年のベルリンの壁の崩壊以降、世界中がグローバル資本主義に向かって邁進した。その結果、所得格差が爆発的に拡大し、地球環境が破壊されていったが、新型コロナウイルスがもたらした惨禍も、グローバル資本主義がなければ、これほどひどいことにならなかったと思われる」
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 森永さんがその理由としてあげる第一の理由は、国際間移動の爆発的な拡大だ。
例えば、中国人海外旅行者数は2005年には3000万人程度だった。
それが2018年には1億5000万人と、5倍に増えている。もし中国からの出国者が、グローバル資本主義が広がる前と同じ程度だったら、こんなに急速な感染拡大はなかっただろうし、新型コロナが武漢の風土病で終わっていた可能性さえある、と。
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 第二の理由は、サプライチェーン(製品の原材料が生産されてから消費者に届くまでの一連の工程)の問題だ。
グローバル資本主義の大原則は、世界で最もコストの安いところから部材を大量調達することだ。
しかし、それが思わぬ障害をもたらした。
中国製の部品が調達できずに国内自動車工場がストップしたのを皮切りに、電動アシスト自転車などの製造が部品不足で困難になり、最近では中国製のシステムキッチンやトイレが調達できずに工務店が顧客に建築した住宅を引き渡せない事態も生じている。
国民を悩ませているマスク不足の問題も、生産の8割近くを、中国を中心とする海外に依存してきたことが原因だ。
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 新型コロナがなくても、いずれバブルははじけていたと森永さんはみる。
たしかに、新型コロナによって、世界の株式市場は大暴落した。しかし、それ以前に、カネにカネを稼がせる投資によって株価が異常な水準まで割高になっていたというのだ。
「ノーベル経済学賞を受賞したシラー教授が開発したシラーPERという株価の割高指標がある。この指標が25倍を超える状態が一定期間続くと、バブルが崩壊する。ITバブルの時は79ヵ月、リーマン・ショック前のバブルのときは52ヵ月でバブルが崩壊した。そして今回は69ヵ月だった。
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 つまり、新型コロナが発生しなくても、株価の暴落は生じたのだ。
新型コロナはバブル崩壊のきっかけを作り、そして今後、崩壊後の谷をさらに深くしていく効果を持つのだ」
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>>>>大都市一極集中が生んだ「三密」という環境
 森永さんはさらに、新型コロナ禍の背景には大都市一極集中があるという。
新型コロナはニューヨークや東京といった大都市を直撃した。
 その点を農民作家の山下惣一さんはこう表現する。
「あたかも人間の生活環境に合わせて変化してきたかのように、人間が快適とする環境がウイルスの繁殖・増大に最適の環境になっているのだ。
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 それは①密閉した環境(電車や車)などで長時間移動する。
②気密性の高い環境(会社や飲食店)に多くの人が集まって長時間を過ごす。
③年中どこでも祭りやイベントをやっている。
④職場も家庭も冷暖房完備で冬は暖かく夏は涼しくウイルスの繁殖に適している。
 つまり、一方でウイルスや細菌の繁殖に最適の環境を作りながら、他方ではウイルス退治をやろうとしているわけで、例えていえば『水道の蛇口をあけたままで下のバケツの水を汲み出している』ような行為に等しいわけだ」
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 もっと長い人類の歴史に目を向けてみれば、人類はいまやあらゆる野生動物の上に君臨するとともに、地球環境全体に影響を及ぼし、多くの動物を絶滅の危機に陥れている。
そうしたなかで、唯一の天敵といえるのがウイルスや細菌といった病原体だ。
エボラ出血熱ウイルスもエイズの原因となるウイルスも自然宿主には害を与えることはない。
新型コロナは一説によればコウモリを自然宿主とするといわれるが、コウモリとは平和に共存していたはずである。
人間が原生林を切り開き、野生動物と家畜、人間が接触するなかで、ウイルスは伝播し、人獣共通感染症が広がっていった(探検家・医師の関野吉晴さん)。
 そのように考えれば、ウイルスに「悪意」はなく、人間が地球全体に開発の手を広げ、過度の都市化、人工化、集住化を進めることで、自ら災厄を招いたといえないこともない。
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 そして、この災厄によって、人間が生きるために本当に必要なものや、本来的な生き方が明確になっていくような気もしてくる。
14世紀にヨーロッパで大流行したペストが封建社会の旧秩序の解体を加速したように、「流行した感染症は時に社会変革の先駆けとなることがある」(国際保健学・山本太郎さん)のだ。
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>>>>共生の時代と小農という生き方
 ウイルスというものは物質と生物の間にある不思議な存在だ。
自己を複製するための遺伝子をもっているが、他の生物の細胞のなかに侵入し、その仕組みを利用することではじめて自己複製(増殖)できる。
その一方で人間もまた、長い歴史のなかで、感染をとおしてウイルスから遺伝子を引き継ぐことで、現在の形に進化してきた。
 ウイルスはけっして戦う相手=「敵」ではなく、長い目で見れば共存、共生する相手なのかもしれない。
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 >>>>哲学者の内山節さんはこういう。
 「好むと好まざるとにかかわらず、私たちはこのコロナウイルスとも共存していかなければならないということである。
このウイルスが死滅することはないだろうし、これからも変異しながら存在しつづけるだろう。たとえ不都合な生き物であったとしても、共存していくしかない。
 そして、そのことを決意するとき、私たちの生命観も変更を求められるかもしれない。
私は、ウイルスは関係のなかに生存基盤をもっているのだと感じている。
人と人が関係し合う世界があり、ときに自然の生き物と人間との関係し合う世界がある。
この関係のなかで移動し、ときに増殖し、ときに変異していく。
個別の体内に入って増殖するだけなら、その寄生先が命を失えば、ウイルスも生きる場所を喪失する。
もちろんウイルスは、ときに寄生先に死をもたらすけれど、それでもウイルスの生命世界が存続するのは、ウイルスが個別的生命体ではなく、関係のなかで生きつづける生命体だからではないだろうか。
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 本当は人間もまた、同じような生命体なのである。
自然との関係のなかで、人々との関係のなかでたえずそれぞれの生命を再生産している。
誰かが亡くなり、誰かが生まれる。そうやって維持されているのは、関係し合う世界だけである。人
間もまた、そこに生命的基盤をもっている」
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山下惣一さんは政府が外出自粛を呼び掛けていた3月、せん定作業のために毎日ミカン畑に通ったという。
「ほぼ1ヵ月間、どこへも行かず、誰もこない暮らしだったが、何の不自由もいささかの痛痒も感じなかった。
 考えてみたら、それだけの食のストックや自給システムがあり、高齢夫婦では欲しい物も必要な物もないということだった。
1ヵ月間『お金がほとんどいらなかった』と女房はいう。
カネはなくてもモノがあれば暮らせるのである。
『新型コロナでわかった都会暮らしの危うさ』を逆にすれば『新型コロナでわかった田舎暮らしの強さ確かさ』ということになろうか」
 われわれはどこにいて、どこへ向かうのかーー災厄を希望に変える道はある。
その道をさぐっていくことがわれわれに課せられている。
(農文協論説委員会)
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https://www.ruralnet.or.jp/syutyo/2020/202006.htm
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多くの議論が有って面白い。
2020年というコロナ禍最盛期の議論に、すでに山下惣一さんの様な議論がある、誰もその後をフォローしない、というのが現実である。
山下さんの言い分を無視しているのは、この農文協の皆さんから始まる全ての「有識者・マスコミ・政治・資産家」の皆さんである。
本当の解決への道を探そうとしないのは、現在の満ち足りた生活をしている資産を持っている人達である。
資産を持っていること自体ではなく、明日・その先を見ようとしない人たちである。
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少なくとも、子どもたち、児童や生徒・学生と言われる世代の人たちにこそ、「本当の地球温暖化」の何たるかを考える機会を与えることこそ、現在の大人と言われる人々の責任である。と考えます。
「知らないでは済まない」重要な事実でしょう。
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では、草々
2024-12-8
森下克介
  


Posted by もりかつ at 11:31Comments(0)