2022年04月30日
「ロシア」が日本の経済をだめにしているのでしょうか
前略
日本のメディアは何時になっても昔のままである。
日本中(世界中)を「鍋ガエル」にしようと思っているのだろうか?
そうしたいのかもしれない。ぎりぎりまでそうして自分たちだけが金儲け資本主義を指導していこうとしている様にしか見えない・・。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーーロシア、制裁で傷む経済 3月の製造業生産マイナスにーーーーー
インフレ懸念、利下げ制約;2022年4月30日 、日経、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ウクライナ侵攻をめぐり米欧から制裁を受けるロシアで、実体経済の傷みが目立ってきた。
禁輸措置などのあおりを受け、3月の製造業の生産指数は前年同月比で1年1カ月ぶりにマイナスに転じた。
ロシア中央銀行は2回連続の利下げを決めたが、インフレ懸念から大胆な金融緩和には踏み切れない。
ロシア経済の冷え込みが続けば、軍事作戦継続への影響が出そうだ。
・・・・
ロシア中銀は29日、政策金利を17%から14%へと引き下げると決めた。
5月4日から実施する。利下げ発表は4月8日に続き2回連続。声明では利下げの背景として「企業は生産や物流面で相当な困難に直面している」と指摘した。
・・・・
制裁の影響を見えにくくするため、ロシア政府は原油生産量など一部の経済統計の発表を取りやめている。
それでも入手可能なデータの分析からは、同国経済の苦境が垣間見える。
・・・・
一例が鉱工業生産指数で、3月は3%増と2月(6.3%増)から勢いが鈍った。
鈍化の主因は製造業だ。2月の6.9%増から一転、3月は0.3%減だった。
自動車関連は45.5%低下し、電気機器やたばこも10%以上下がった。
・・・・
「外資撤退や部品不足による生産減が顕著に表れてきた」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの土田陽介副主任研究員)。
2月下旬以降、欧米や日本は半導体や工作機械の輸出を停止し、ロシア産製品の輸入も禁じた。
外資に頼ってきた自動車生産は特に縮小が目立つ。
仏ルノーやトヨタ自動車など車各社は3月にロシアでの生産を相次ぎ止めた。
欧州ビジネス協議会(AEB)によると3月のロシアの新車販売台数は前年同月比63%減った。
・・・・
雇用への影響は深刻だ。
米エール大経営大学院によればロシア事業の停止や縮小を表明した企業は750社以上。モスクワ市長は同市の外国企業で働く「約20万人が職を失う恐れがある」とブログに投稿した。
同国の主力産業である石油や天然ガスなど鉱業は7.8%増と堅調さを保っており、鉱工業生産指数全体ではプラス圏を維持した。
欧州などはエネルギーをロシアに依存し、禁輸に踏み切れていない。
・・・・
ただし直近では消費者からの批判を懸念して、商社などがロシア産原油を自主的に回避する動きがじわりと広がる。
金融調査会社リフィニティブによると、欧州北西部向けの輸出量は3月後半以降、前年同期を1~2割下回る週が目立ち始めた。
国際エネルギー機関(IEA)は、ロシア産の石油供給が5月以降日量300万バレル減るとの見方を示す。
輸出量の4割に相当する。
主に欧州向けに輸出されるロシア産原油は需要鈍化のせいで国際価格に比べて約3割安で取引されている。
・・・・
国際金融協会(IIF)の分析では原油・石油製品・天然ガスはロシアの輸出の5~6割、財政収入の25%を占める。
「輸出や生産が落ち込めば財政への打撃は大きく、支出削減を迫られる可能性がある」(IIF)
・・・・
景況感の悪化を受け、ロシア中銀は金融政策を見直している。
2月下旬はルーブル急落を食い止めるため政策金利をそれまでの約2倍となる20%に引き上げた。
利上げや資本の流出規制でルーブル相場が回復すると、景気下支えのため一転利下げに転じた。
・・・・
だが「政策金利が十数%に高止まりするうちは、景気を刺激する効果は乏しい」(第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミスト)。
政策金利をウクライナ侵攻前の1ケタ台へ戻せば、制裁による物不足で加速したインフレがさらに悪化しかねない。
ロシア中銀によると4月の物価上昇率は前年同月比17.6%に達する。
・・・・
世界銀行は2022年のロシアの経済成長率を前年比マイナス11%と見込む。国内景気の悪化と外貨収入の減少、インフレに手足を縛られる金融政策という三重苦になっている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2777P0X20C22A4000000/?unlock=1
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ウクライナの人たちは、嘗てのスターリンソ連には死んでも戻りたくない!と言っていて多くの人たちは本当に死んでしまっている。
同時期のロシアでは、全くの戦禍らしい戦禍もないが、経済的には制限されている。
だからと言って、日本は同じように苦しめというつもりはない。
どちらの国民もみな厳しい状態にある。
・・・・
いずれにしても、この機会は日本人と言えども将来を見据えて、どのような緊縮経済を組み立てていくかの状態であろう。
更に言えば、気候危機を乗り切るために必要な「化石燃料使用ゼロ」の時代に向けた生活経済のあり様を議論する必要があるはず。
もっと多角的な議論がメディア上で戦わされなければならない。
日銀を割るミニにするもよし、しかし日本も人類も行く先はw買っているはず。
日経には「大きな水晶玉」があるはずで、2030年、2050年、2100年さらに3000年を見通しているはずです。
今の、プーチンロシアの情報を公開しているアメリカ同様、将来の日本・世界の「水晶玉像」の情報公開をして、議論を円買いしてほしいものです。
・・・・
「なんと、間の抜けた議論だけをしているメディアばかりか!」と天にいる未来の子孫たちが嘆いていることでしょう。
では、草々
2022-4-30
森下克介
日本のメディアは何時になっても昔のままである。
日本中(世界中)を「鍋ガエル」にしようと思っているのだろうか?
そうしたいのかもしれない。ぎりぎりまでそうして自分たちだけが金儲け資本主義を指導していこうとしている様にしか見えない・・。
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ーーーーーロシア、制裁で傷む経済 3月の製造業生産マイナスにーーーーー
インフレ懸念、利下げ制約;2022年4月30日 、日経、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ウクライナ侵攻をめぐり米欧から制裁を受けるロシアで、実体経済の傷みが目立ってきた。
禁輸措置などのあおりを受け、3月の製造業の生産指数は前年同月比で1年1カ月ぶりにマイナスに転じた。
ロシア中央銀行は2回連続の利下げを決めたが、インフレ懸念から大胆な金融緩和には踏み切れない。
ロシア経済の冷え込みが続けば、軍事作戦継続への影響が出そうだ。
・・・・
ロシア中銀は29日、政策金利を17%から14%へと引き下げると決めた。
5月4日から実施する。利下げ発表は4月8日に続き2回連続。声明では利下げの背景として「企業は生産や物流面で相当な困難に直面している」と指摘した。
・・・・
制裁の影響を見えにくくするため、ロシア政府は原油生産量など一部の経済統計の発表を取りやめている。
それでも入手可能なデータの分析からは、同国経済の苦境が垣間見える。
・・・・
一例が鉱工業生産指数で、3月は3%増と2月(6.3%増)から勢いが鈍った。
鈍化の主因は製造業だ。2月の6.9%増から一転、3月は0.3%減だった。
自動車関連は45.5%低下し、電気機器やたばこも10%以上下がった。
・・・・
「外資撤退や部品不足による生産減が顕著に表れてきた」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの土田陽介副主任研究員)。
2月下旬以降、欧米や日本は半導体や工作機械の輸出を停止し、ロシア産製品の輸入も禁じた。
外資に頼ってきた自動車生産は特に縮小が目立つ。
仏ルノーやトヨタ自動車など車各社は3月にロシアでの生産を相次ぎ止めた。
欧州ビジネス協議会(AEB)によると3月のロシアの新車販売台数は前年同月比63%減った。
・・・・
雇用への影響は深刻だ。
米エール大経営大学院によればロシア事業の停止や縮小を表明した企業は750社以上。モスクワ市長は同市の外国企業で働く「約20万人が職を失う恐れがある」とブログに投稿した。
同国の主力産業である石油や天然ガスなど鉱業は7.8%増と堅調さを保っており、鉱工業生産指数全体ではプラス圏を維持した。
欧州などはエネルギーをロシアに依存し、禁輸に踏み切れていない。
・・・・
ただし直近では消費者からの批判を懸念して、商社などがロシア産原油を自主的に回避する動きがじわりと広がる。
金融調査会社リフィニティブによると、欧州北西部向けの輸出量は3月後半以降、前年同期を1~2割下回る週が目立ち始めた。
国際エネルギー機関(IEA)は、ロシア産の石油供給が5月以降日量300万バレル減るとの見方を示す。
輸出量の4割に相当する。
主に欧州向けに輸出されるロシア産原油は需要鈍化のせいで国際価格に比べて約3割安で取引されている。
・・・・
国際金融協会(IIF)の分析では原油・石油製品・天然ガスはロシアの輸出の5~6割、財政収入の25%を占める。
「輸出や生産が落ち込めば財政への打撃は大きく、支出削減を迫られる可能性がある」(IIF)
・・・・
景況感の悪化を受け、ロシア中銀は金融政策を見直している。
2月下旬はルーブル急落を食い止めるため政策金利をそれまでの約2倍となる20%に引き上げた。
利上げや資本の流出規制でルーブル相場が回復すると、景気下支えのため一転利下げに転じた。
・・・・
だが「政策金利が十数%に高止まりするうちは、景気を刺激する効果は乏しい」(第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミスト)。
政策金利をウクライナ侵攻前の1ケタ台へ戻せば、制裁による物不足で加速したインフレがさらに悪化しかねない。
ロシア中銀によると4月の物価上昇率は前年同月比17.6%に達する。
・・・・
世界銀行は2022年のロシアの経済成長率を前年比マイナス11%と見込む。国内景気の悪化と外貨収入の減少、インフレに手足を縛られる金融政策という三重苦になっている。
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2777P0X20C22A4000000/?unlock=1
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ウクライナの人たちは、嘗てのスターリンソ連には死んでも戻りたくない!と言っていて多くの人たちは本当に死んでしまっている。
同時期のロシアでは、全くの戦禍らしい戦禍もないが、経済的には制限されている。
だからと言って、日本は同じように苦しめというつもりはない。
どちらの国民もみな厳しい状態にある。
・・・・
いずれにしても、この機会は日本人と言えども将来を見据えて、どのような緊縮経済を組み立てていくかの状態であろう。
更に言えば、気候危機を乗り切るために必要な「化石燃料使用ゼロ」の時代に向けた生活経済のあり様を議論する必要があるはず。
もっと多角的な議論がメディア上で戦わされなければならない。
日銀を割るミニにするもよし、しかし日本も人類も行く先はw買っているはず。
日経には「大きな水晶玉」があるはずで、2030年、2050年、2100年さらに3000年を見通しているはずです。
今の、プーチンロシアの情報を公開しているアメリカ同様、将来の日本・世界の「水晶玉像」の情報公開をして、議論を円買いしてほしいものです。
・・・・
「なんと、間の抜けた議論だけをしているメディアばかりか!」と天にいる未来の子孫たちが嘆いていることでしょう。
では、草々
2022-4-30
森下克介
Posted by もりかつ at
07:17
│Comments(0)
2022年04月27日
「世界の穀物」の動きが始まった
前略
世界の穀物需要は「487百万トン・2018年度」であり、小麦需要は「744百万トン・2018年度」である。
此処で話題になっているのはその1割前後の数値であるが、これからもう少し大きな数値になると考えられる。
ロシア・ウクライナの減産が始まる、小麦はコメの倍の需要であるから、影響はもっと大きい、それがコメ市場に目立つには時間遅れがあると考える、今回は通貨価値の反映でもあるが、ドイツのジャガイモなどにも反射した需要が出てくるのではないか。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
---ーーーータイのコメ輸出が前年比3割増 ウクライナ巡り小麦代替ーーーー
2022年4月26日 ;日経、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【バンコク=アポンラット・プンポンピパット】タイのコメ輸出が急増している。
1~2月の輸出量は前年同期より3割増えた。
ロシアによるウクライナ侵攻で両国の小麦供給が大幅に減る見通しで、代替穀物として需要が拡大している。
特に欧州、中東向けが好調だ。
需給の引き締まりは価格に上昇圧力を加えるが、タイ通貨バーツ安が輸出価格に割安感を与えているようだ。
・・・
ロシアは2月24日に侵攻を始めたが、その数カ月前から同国の部隊はウクライナ国境付近に集まり、世界の食料安全保障を揺るがしていた。
・・・
ロシアとウクライナの小麦の輸出量は合わせて世界全体の3分の1近くを占める。
戦闘でウクライナの小麦畑の一部は荒廃し、作付けが遅れている。米欧の制裁でロシア経済は打撃を受け、小麦生産にも影響が広がるとみられている。
タイのコメ輸出の業界団体によると、1~2月の輸出量は前年同期比28%増の110万トンだった。
この団体は2022年の輸出目標をこれまでの700万トンから800万トンに引き上げる方向で検討を始めた。
・・・
団体のトップは「コメの輸入業者が買い付けを急いでいる」と明かした。
「(ウクライナでの)戦争が予想よりも長引けば、食料価格を引き上げる圧力が一段と高まると警戒している」というわけだ。
・・・
貿易の関係者によると、コメ輸入の契約をいち早く結ぼうと急いでいるのは欧州の業者だ。
ロシアの侵攻で穀物などの先物市場に投機的な買い注文が増え、価格が一段と上昇すると見通しているためだ。
コメは小麦を完全に代替できる穀物ではないが、ウクライナでの戦争という地政学上の大きな問題が起こるなか、食料安保を確保するには役立つとみられている。
・・・
団体の有力者は「中東からの注文も増えている」と話す。
主要な買い手はイラクだ。
イラクは1~2月に計13万トンのコメをタイから輸入した。
前年同期の輸入量は計146トンにすぎなかった。
・・・
中国への輸出も急増した。
1~2月のタイからのコメ輸出量は計約16万5000トンで、前年同期の7万2000トン弱を大きくしのいだ。
・・・
複数のアナリストは、バーツ安も、タイのコメ輸出にとって追い風になったと指摘する。
ドル建ての輸出価格に割安感が出るためだ。
バーツ相場は対ドルで2月から4月にかけて1ドル=32バーツから同33.6バーツに下がった。3月以降もタイのコメ輸出を促す材料になっているもようだ。
・・・
タイはコメの輸出量で世界3位の主要な供給国だ。
22年は豊作が予想され、世界で高まる需要を満たす用意はできているとみられる。
22年の生産量は約3300万トンと予想され、精米ベースでは2300万トン前後になる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB259O40V20C22A4000000/?unlock=1
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
簡単に言えば、日本は食料自給率を騒いでいだけで何の痛みも感じていないで何年も過ごしてきてしまっている、ある種の鈍感さ・・・。
円安を黙って見ている、自動車産業は日本の雇用の中心だからとあまえているのです、トヨタは納税していない(法人税がゼロ。豊田税務署では消費税税収が大赤字(▲4000億円)とも言われる)。
円安が日本に良いはずはない、国民がこれから食料自給率を上げない限り、安い円で大量の小麦を購入しなければならない。
・・・・
日本は、国民が要求しさえすれば国産米を幾らでも買える、これからはアメリカから無理やり小麦を買わされない、世界中へ販売できるのだから。
すぐにでも、それこそ戦時体制である、国民が全て総動員で米を作って自給自足する社会へ転換しなければならない。
おまけに「化石燃料使用ゼロ(日本国内ではガスも石油もないのだから尚更である)」の生き方を、確率しなければならない。
もう、トヨタ自動車で車を作っていられない、輸出もできないし、国内でもガソリンがない、何よりも車を作る電力も素材もないんだから・・。
トヨタ自動車はその傘下の雇用を全てきちんと自給自足できる知恵を働かせて、国家的なレベルでの行動を要する。
どの産業も同じです、雇用を盾にとって政府から甘やかされてきた分の責任を果たす時である、正しい道を考えなければならない。
詩的企業が勝手を言って雇用したのだけら、「国に泣きつくのは「社長の恥」である」遅くならないうちに、すぐにでも「脱化石燃料」社会実現を・・・。
・・・・
書き出したら切がない・・。
では、草々
2022-4-27
森下克介
世界の穀物需要は「487百万トン・2018年度」であり、小麦需要は「744百万トン・2018年度」である。
此処で話題になっているのはその1割前後の数値であるが、これからもう少し大きな数値になると考えられる。
ロシア・ウクライナの減産が始まる、小麦はコメの倍の需要であるから、影響はもっと大きい、それがコメ市場に目立つには時間遅れがあると考える、今回は通貨価値の反映でもあるが、ドイツのジャガイモなどにも反射した需要が出てくるのではないか。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
---ーーーータイのコメ輸出が前年比3割増 ウクライナ巡り小麦代替ーーーー
2022年4月26日 ;日経、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【バンコク=アポンラット・プンポンピパット】タイのコメ輸出が急増している。
1~2月の輸出量は前年同期より3割増えた。
ロシアによるウクライナ侵攻で両国の小麦供給が大幅に減る見通しで、代替穀物として需要が拡大している。
特に欧州、中東向けが好調だ。
需給の引き締まりは価格に上昇圧力を加えるが、タイ通貨バーツ安が輸出価格に割安感を与えているようだ。
・・・
ロシアは2月24日に侵攻を始めたが、その数カ月前から同国の部隊はウクライナ国境付近に集まり、世界の食料安全保障を揺るがしていた。
・・・
ロシアとウクライナの小麦の輸出量は合わせて世界全体の3分の1近くを占める。
戦闘でウクライナの小麦畑の一部は荒廃し、作付けが遅れている。米欧の制裁でロシア経済は打撃を受け、小麦生産にも影響が広がるとみられている。
タイのコメ輸出の業界団体によると、1~2月の輸出量は前年同期比28%増の110万トンだった。
この団体は2022年の輸出目標をこれまでの700万トンから800万トンに引き上げる方向で検討を始めた。
・・・
団体のトップは「コメの輸入業者が買い付けを急いでいる」と明かした。
「(ウクライナでの)戦争が予想よりも長引けば、食料価格を引き上げる圧力が一段と高まると警戒している」というわけだ。
・・・
貿易の関係者によると、コメ輸入の契約をいち早く結ぼうと急いでいるのは欧州の業者だ。
ロシアの侵攻で穀物などの先物市場に投機的な買い注文が増え、価格が一段と上昇すると見通しているためだ。
コメは小麦を完全に代替できる穀物ではないが、ウクライナでの戦争という地政学上の大きな問題が起こるなか、食料安保を確保するには役立つとみられている。
・・・
団体の有力者は「中東からの注文も増えている」と話す。
主要な買い手はイラクだ。
イラクは1~2月に計13万トンのコメをタイから輸入した。
前年同期の輸入量は計146トンにすぎなかった。
・・・
中国への輸出も急増した。
1~2月のタイからのコメ輸出量は計約16万5000トンで、前年同期の7万2000トン弱を大きくしのいだ。
・・・
複数のアナリストは、バーツ安も、タイのコメ輸出にとって追い風になったと指摘する。
ドル建ての輸出価格に割安感が出るためだ。
バーツ相場は対ドルで2月から4月にかけて1ドル=32バーツから同33.6バーツに下がった。3月以降もタイのコメ輸出を促す材料になっているもようだ。
・・・
タイはコメの輸出量で世界3位の主要な供給国だ。
22年は豊作が予想され、世界で高まる需要を満たす用意はできているとみられる。
22年の生産量は約3300万トンと予想され、精米ベースでは2300万トン前後になる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB259O40V20C22A4000000/?unlock=1
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簡単に言えば、日本は食料自給率を騒いでいだけで何の痛みも感じていないで何年も過ごしてきてしまっている、ある種の鈍感さ・・・。
円安を黙って見ている、自動車産業は日本の雇用の中心だからとあまえているのです、トヨタは納税していない(法人税がゼロ。豊田税務署では消費税税収が大赤字(▲4000億円)とも言われる)。
円安が日本に良いはずはない、国民がこれから食料自給率を上げない限り、安い円で大量の小麦を購入しなければならない。
・・・・
日本は、国民が要求しさえすれば国産米を幾らでも買える、これからはアメリカから無理やり小麦を買わされない、世界中へ販売できるのだから。
すぐにでも、それこそ戦時体制である、国民が全て総動員で米を作って自給自足する社会へ転換しなければならない。
おまけに「化石燃料使用ゼロ(日本国内ではガスも石油もないのだから尚更である)」の生き方を、確率しなければならない。
もう、トヨタ自動車で車を作っていられない、輸出もできないし、国内でもガソリンがない、何よりも車を作る電力も素材もないんだから・・。
トヨタ自動車はその傘下の雇用を全てきちんと自給自足できる知恵を働かせて、国家的なレベルでの行動を要する。
どの産業も同じです、雇用を盾にとって政府から甘やかされてきた分の責任を果たす時である、正しい道を考えなければならない。
詩的企業が勝手を言って雇用したのだけら、「国に泣きつくのは「社長の恥」である」遅くならないうちに、すぐにでも「脱化石燃料」社会実現を・・・。
・・・・
書き出したら切がない・・。
では、草々
2022-4-27
森下克介
Posted by もりかつ at
09:01
│Comments(0)
2022年04月26日
映画{カモン・カモン」の紹介をTVで見て、
前略
今朝はBSTVで、映画の紹介があった。モノクロの「カモン・カモン」というアメリカ映画だった。
解説の本来の視点と違ったものを感じました。
少ししか放映されなかったが、子供たちにアナウンサーが未来に対するアンケートを求めると、
みんな一生懸命回答していた様は心を打った。
・・・・
そんな視点でもの映画を見ることが出来そうだ思った。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーー子育て体験を基に人生を描く…映画「カモン カモン」のマイク・ミルズ監督「物語は現実と混ざりあって強くなる」ーーーー
2022/04/21 、読売オンライン、
・・・・・・・・・・・
大人と子供が、人と人として向き合った時に生まれるかけがえのない時間。アメリカのマイク・ミルズ監督・脚本による映画「カモン カモン」(4月22日から全国ロードショー)は、それをつかまえた珠玉の一本だ。
名優ホアキン・フェニックスが演じる独りものの中年男と、ウディ・ノーマンという名子役が演じる9歳の 甥おい の旅物語。
ベースになったのは、ミルズ監督自身が子育て中に経験した出来事だというが、最後にたどりつくのは広くひらけた世界。
日々の親密な体験はどのようにして大きな物語へと昇華されていったのか。ミルズ監督にインタビューした。(編集委員 恩田泰子)
・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.yomiuri.co.jp/culture/cinema/20220420-OYT1T50207/
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
今の世の中は、大人の視点「金儲けと今日明日の生活にあくせく」でしか語られない。
政治の世界も、「GO/to トラベル」がそうだとか言う次元の話題しか出て来ない、本心はどの程度のものか分からないが・・・。
・・・・
子供たちの言葉は、世の中の動きを理解しきれていないが、視点は遠くにあるように感じた。
グレタさんを待つまでもなく、どの子供も自分たちの将来の夢を語るのに大いに戸惑っていた感じがする。
・・・・
日本でやったら、ウクライナとロシアのプーチンさんには、目を背けていても、狭い隙間から一生懸命眺めている、「世界はどうなるんだろう、第3次世界大戦ってどんなのだろう、核兵器、ミサイルってどんなんだろう・・・・」とか小さい胸を板円ているはずです。
・・・
本当はもう一つ、「気候危機」とは、どんなんなんだろう?
海水面が上がるって、東京が海になるのか?
強い台風が沢山来て、河川の氾濫洪水はどうなるんだろうか?
とか等の目先の話を断片的に教育の場で聞かされるけど、先生は意外に平気で暮らしているように見えるし・・・。
・・・
誰も意外に平気な暮らしをしているし、それでも恐ろしい感じもする・・・。
そんな背景の不安な未来を感じながら、大人の言う「大きくなったら何になる・・」の返事をしているわけです。
・・・・
私は言いたいのです。
先生も(本当は教育委員会や、妙な議論が放置されている学術会議の皆さんも、全ての学問的に立派な地位にある人たちの議論が進展しなければならあにと思います。
今の選択肢は本当は一つしかないのですが、IPCCの言う「2030年までにGHG排出半減・2050年までに実質ゼロ」をキチンとした目的(本来は人類の生存)として、その実現の目標を如何に設定するか、その計画をどうするか、喧々諤々と議論されなければならないはずです。
此処で、メディアが国民との橋渡しをする役割として、
全員で大立ち回りをしながら、世界を引っ張っていく力を発揮しなければならないのです。
戦時中の間違えた行動(大本営に振り回され国民・世界の多くの人の命を奪った役割を果たしてしまった、それで自分達だけは生きながらえた)、の罪滅ぼしをしなければならないでしょう。
・・・
最近、教育界でそれなりの地位にあった高齢の方に「2030年と2050年の目標」の話をしても通じなかったのは、これが世の中なんだとおあらためて思い知らされた・・・・。
・・・・
子供たちの、やさしい計らいに寄りかかってしまって、子供たちの未来を壊してしまう大人たちに言いたい。
「冗談じゃない!!「ボーット生きてんじゃねーよ」と言いたい・・・。
・・・・・
では、草々
2022-4-26
森下克介
今朝はBSTVで、映画の紹介があった。モノクロの「カモン・カモン」というアメリカ映画だった。
解説の本来の視点と違ったものを感じました。
少ししか放映されなかったが、子供たちにアナウンサーが未来に対するアンケートを求めると、
みんな一生懸命回答していた様は心を打った。
・・・・
そんな視点でもの映画を見ることが出来そうだ思った。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーー子育て体験を基に人生を描く…映画「カモン カモン」のマイク・ミルズ監督「物語は現実と混ざりあって強くなる」ーーーー
2022/04/21 、読売オンライン、
・・・・・・・・・・・
大人と子供が、人と人として向き合った時に生まれるかけがえのない時間。アメリカのマイク・ミルズ監督・脚本による映画「カモン カモン」(4月22日から全国ロードショー)は、それをつかまえた珠玉の一本だ。
名優ホアキン・フェニックスが演じる独りものの中年男と、ウディ・ノーマンという名子役が演じる9歳の 甥おい の旅物語。
ベースになったのは、ミルズ監督自身が子育て中に経験した出来事だというが、最後にたどりつくのは広くひらけた世界。
日々の親密な体験はどのようにして大きな物語へと昇華されていったのか。ミルズ監督にインタビューした。(編集委員 恩田泰子)
・・・・・
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https://www.yomiuri.co.jp/culture/cinema/20220420-OYT1T50207/
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今の世の中は、大人の視点「金儲けと今日明日の生活にあくせく」でしか語られない。
政治の世界も、「GO/to トラベル」がそうだとか言う次元の話題しか出て来ない、本心はどの程度のものか分からないが・・・。
・・・・
子供たちの言葉は、世の中の動きを理解しきれていないが、視点は遠くにあるように感じた。
グレタさんを待つまでもなく、どの子供も自分たちの将来の夢を語るのに大いに戸惑っていた感じがする。
・・・・
日本でやったら、ウクライナとロシアのプーチンさんには、目を背けていても、狭い隙間から一生懸命眺めている、「世界はどうなるんだろう、第3次世界大戦ってどんなのだろう、核兵器、ミサイルってどんなんだろう・・・・」とか小さい胸を板円ているはずです。
・・・
本当はもう一つ、「気候危機」とは、どんなんなんだろう?
海水面が上がるって、東京が海になるのか?
強い台風が沢山来て、河川の氾濫洪水はどうなるんだろうか?
とか等の目先の話を断片的に教育の場で聞かされるけど、先生は意外に平気で暮らしているように見えるし・・・。
・・・
誰も意外に平気な暮らしをしているし、それでも恐ろしい感じもする・・・。
そんな背景の不安な未来を感じながら、大人の言う「大きくなったら何になる・・」の返事をしているわけです。
・・・・
私は言いたいのです。
先生も(本当は教育委員会や、妙な議論が放置されている学術会議の皆さんも、全ての学問的に立派な地位にある人たちの議論が進展しなければならあにと思います。
今の選択肢は本当は一つしかないのですが、IPCCの言う「2030年までにGHG排出半減・2050年までに実質ゼロ」をキチンとした目的(本来は人類の生存)として、その実現の目標を如何に設定するか、その計画をどうするか、喧々諤々と議論されなければならないはずです。
此処で、メディアが国民との橋渡しをする役割として、
全員で大立ち回りをしながら、世界を引っ張っていく力を発揮しなければならないのです。
戦時中の間違えた行動(大本営に振り回され国民・世界の多くの人の命を奪った役割を果たしてしまった、それで自分達だけは生きながらえた)、の罪滅ぼしをしなければならないでしょう。
・・・
最近、教育界でそれなりの地位にあった高齢の方に「2030年と2050年の目標」の話をしても通じなかったのは、これが世の中なんだとおあらためて思い知らされた・・・・。
・・・・
子供たちの、やさしい計らいに寄りかかってしまって、子供たちの未来を壊してしまう大人たちに言いたい。
「冗談じゃない!!「ボーット生きてんじゃねーよ」と言いたい・・・。
・・・・・
では、草々
2022-4-26
森下克介
Posted by もりかつ at
11:25
│Comments(0)
2022年04月14日
「コロナ禍」で見えてきた「医療の現実」
前略
以前から「藪医者」という表現で「町医者」の話題をしていました。
ここでいう、「もう放っておきましょう」と言えるお医者さんのことです。
・・・・
最近「NMNとか、サーチュイン遺伝子」の話題がTVで放映されました。
生き物には、老化に関する仕組みが多くの疾病の下地になっているという考え方のようです、そんな視点で患者を診ることが出来れば、診察や処方にも変化が出るのではないかと思います。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーー和田秀樹「コロナ禍でむしろ死者数が減ったのは、高齢者が病院に行かなくなったからである」ーーーー
日本の医師は「もう年だから、放っておきましょう」とは言えない
PRESIDENT Online、2022/04/13 、和田 秀樹、精神科医・国際医療福祉大学赤坂心理学科教授、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
高齢化で日本の死者数は増え続けているが、新型コロナへの警戒感が強まった2020年だけは11年ぶりに死者数が減少した。
医師の和田秀樹さんは「コロナに感染したくなくて、高齢者が病院に行くのを控えたから、死者数が減ったのだろう。
高齢者は病院で処方される大量の薬を飲んだり、不要な手術を受けたりするせいで、むしろ寿命を縮めている」という――。
・・・・
>>>健康診断を受けることは「長生き」には寄与しない
私は現役の医師ですが、現代の医療については、少し懐疑的なところがあります。
理由は追々お話ししますが、一言で言うなら、医師たちの多くは「数字は見るが、患者は診ていない」と思うからです。
その典型的な例が健康診断です。
・・・
日本人の平均寿命が初めて50歳を超えたのは、1947(昭和22)年でした。
その頃の「男女の平均寿命の差」は3歳ほどでしたが、いまではそれが6歳に広がっています。
・・・・
これっておかしいと思いませんか? なぜ、女性の平均寿命は延びたのに、男性は延びなかったのでしょうか。
原因の一つに、日本人の「健康診断信仰」なるものがあると思っています。
定期の健康診断の多くは会社で実施されており、ひと昔前までは、健診を受ける割合は、男性が圧倒的に多いという状況でした。
・・・
健診が長生きに寄与するなら、男女の寿命は逆転してもよかったはずなのに、むしろ差が広がってしまった。
つまり、健診が意味をなしていないということです。
・・・
>>>数値を正常にするための薬の服用が寿命を縮める
たしかに、健診はガンの早期発見などにつながります。
これで命を救われる人もいるでしょう(かえって具合が悪くなる人もいますが)。
しかし、健診で示される「正常値」なるものが「本当に正常なのか」は、疑ってみる必要があるでしょう。
どの数値が正常かは一人一人違うからです。
・・・
一般に、大学病院などの勤務医の多くは、検査の数字は見ますが、患者は診ていません。
目の前の患者さんの体に起きている事実よりも、定められた数字を重視しているわけです。
そのような医師に診断され、治療されてしまうことを、どう思うでしょうか。
不幸なことだと思いませんか?
・・・
とくに80歳を過ぎた高齢者の場合は問題がある、というのが老年医療の現場に長年いる私の実感です。
数値を正常にするために薬を服用し、体の調子を落とす人や、残っている能力を失ってしまう人、寿命を縮めてしまう人がいるのです。
・・・
>>>臨床論文が極端に少ない日本医療の現実
『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(NEJM)という医学雑誌があります。200年以上の歴史があり臨床論文の最高峰と言われるもので、世界中の医師や研究者はこの雑誌を高く評価し、情報を寄せます。
・・・
しかし、その雑誌に載のる日本人の論文はわずか1%ほどです。
日本の医学界では大学の医局に残る医師が多く、研究者の割合は世界一なのに、臨床論文は少ない。
なぜ、そのような不思議な現象が起こるのか?
・・・
それは、定説を覆そうとする研究者が少ないからだ、と私は思っています。
先の健診もその一つです。定められた正常値を絶対視して、患者さんが薬による不調を訴えても「数値が悪いので」の一言でおしまい。
そんな医療が実際に行われているのです。
この事実から、どんな選択が考えられるのでしょうか
その一つは「医師の話をうのみにしない」という選択です。
・・・
>>>薬漬けと不要な手術が寿命を縮める
「医者の不養生」という言葉があります。
医師は自分の健康や体には無頓着だという意味です。
ウソのような本当の話ですが、医師は患者さんには薬や健診を勧めるのに、自分ではやりたがりません。
・・・
おそらく「薬や健診は寿命を大きく延ばすものではない」ということを経験的に知っているからだと思います。
それなのに患者さんに対しては「血圧が高い」とか「肝臓の数値が悪い」と言って大量の薬を処方する。
「小さなガンが見つかった」と言って手術を勧めるのです。
・・・
その結果、どうなるか?
患者さんは薬漬けになったり、小さなガンと一緒に臓器の一部も切り取られたりするのです。
若いときならそれもいいでしょう。
しかし高齢者になったのなら、それは逆に、不調や寿命を縮める原因になりかねません。
・・・
それは果たして、あなたが望む幸せな晩年なのでしょうか?
・・・
病院に行かなくなったら死者数が減った
興味深い事例を二つ紹介しましょう。
・・・
まず2020(令和2)年は、新型コロナウイルスの影響で、病院に行く人が大幅に減りました。「コロナに感染したくない」と、少しくらいの不調は我慢したのでしょう。
とくに高齢者にはその傾向が見られました。
・・・
その結果、意外な現象が起きました。日本人の死亡者数が減ったのです。
つまり「病院に行かないほうが死なない」という皮肉なことが起きたわけです。
・・・
もう一つは、北海道夕張市の例です。
夕張市は住民の約半数が高齢者で、全国の市区の中で「高齢化率日本一」と言われた町です。
市民にとって病院は命を守る生命線だと思われていました。
ところが、2007(平成19)年に夕張市は財政破綻をし、唯一の市立総合病院が閉院してしまったのです。
・・・
総合病院は小さな診療所になりました。
171床あったベッド数は19床に減らされ、専門医もいなくなりました。
高齢者の多い町で、どうなるのだろう?
市民はもちろん、多くの人が心配しました。結果、どうなったと思いますか?
・・・
重病で苦しむ人が増えることはなく、死亡率の悪化も見られなかったのです。
日本人の三大死因と言われる「ガン、心臓病、肺炎」で亡くなる人は減り、高齢者一人当たりの医療費も減ったそうです。
「わずか19床のベッドで大丈夫か」という心配も杞憂きゆうに終わりました。
ベッドは空きが出るほどになったのです。死亡する人の数も、以前とほぼ変わりませんでした。
まさにいいこと尽くめなのですが、なぜそうなったのか?
・・・
その答えを探すことは、現代の高齢者医療が抱える問題を浮き彫りにし、解決策につながる、と私は考えています。
・・・
>>>「もう放っておきましょう」と医師は言えない
夕張市の市民の間では、三大死因の「ガン、心臓病、肺炎」は減ったのに、全体の死亡人数は変わりませんでした。
つまり、ほかの原因で亡くなる人が増えたということです。その原因とは何か?
・・・
夕張診療所の方によれば、それは「老衰」だったと言います。
老衰は、病気ではなく、少しずつ体が弱って死ぬことです。
「天寿をまっとうした死に方」と言ってもいいでしょう。
老衰の場合、多くは家庭や老人ホームなどで息を引き取ることになります。
・・・
夕張市では病院が小さくなったため、在宅医療への切り替えを余儀なくされた人もいました。
患者さんが入院を望まず、在宅医療を選択したケースが多かったと聞いています。
・・・
85歳を過ぎた人は、体の中に「複数の病気の種」を抱えています。
明らかな症状はなくても、何らかの不調はあるはずです。
・・・
この状態で病院に行けば、たいていの医師は検査をしたり、薬を出したりするでしょう。
現代においては、それが当然の医療だからです。逆にそれをしなければ、「あの病院は薬もくれない」と文句を言われてしまいます。
・・・
でも、本当にそれが正しい医療なのでしょうか?
和田秀樹『80歳の壁』(幻冬舎新書)和田秀樹『80歳の壁』(幻冬舎新書)
ぜひもう一度、考えてみてほしいのです。
・・・
医師は病院に来た高齢者に対し「もう年だから、放っておきましょう」とは言えません。
であるならば、患者さんが選択するしかありません。
病院で検査をして病気を見つけてもらい、薬や手術をして寿命を延ばすのか、自宅や老人ホームで好きなことをしながら生きるのか――。
それは、医師ではなく、自分が選択することなのです。
・・・
高齢者になれば、病気は全快しません。
一時的に快方に向かっても、悪い部分は次々と現れます。
厳しい言い方ですが、それが年を取るということなのです。
・・・・・・・・
https://president.jp/articles/-/56546
++++++++++++++++++++++++++++
同様に、最近の話題では、新型コロナウイルスに感染して、入院した後、退院したら「認知症になって、ロコモになってしまった」という話題があります。
「然も有りなん」という感想です。
・・・・
医療が進んでも通常の患者に関しては、患者本人をよく見て、元気で暮らせることこそ人生ということでしょう。
最近は「死亡寿命」と「健康寿命」の差の約10年は殆ど知人でいないということです。
この「健康寿命後」の人生をキチンと眺めた医療を進める、「ピンピンころり」の命を見据えた医療が欲しいものです。
「医は仁術」という言葉に戻るところでしょう。「医は算術」という言葉の存在価値をゼロにしたいものです。
・・・・
では、草々
2022-4-14
森下克介
以前から「藪医者」という表現で「町医者」の話題をしていました。
ここでいう、「もう放っておきましょう」と言えるお医者さんのことです。
・・・・
最近「NMNとか、サーチュイン遺伝子」の話題がTVで放映されました。
生き物には、老化に関する仕組みが多くの疾病の下地になっているという考え方のようです、そんな視点で患者を診ることが出来れば、診察や処方にも変化が出るのではないかと思います。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーー和田秀樹「コロナ禍でむしろ死者数が減ったのは、高齢者が病院に行かなくなったからである」ーーーー
日本の医師は「もう年だから、放っておきましょう」とは言えない
PRESIDENT Online、2022/04/13 、和田 秀樹、精神科医・国際医療福祉大学赤坂心理学科教授、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
高齢化で日本の死者数は増え続けているが、新型コロナへの警戒感が強まった2020年だけは11年ぶりに死者数が減少した。
医師の和田秀樹さんは「コロナに感染したくなくて、高齢者が病院に行くのを控えたから、死者数が減ったのだろう。
高齢者は病院で処方される大量の薬を飲んだり、不要な手術を受けたりするせいで、むしろ寿命を縮めている」という――。
・・・・
>>>健康診断を受けることは「長生き」には寄与しない
私は現役の医師ですが、現代の医療については、少し懐疑的なところがあります。
理由は追々お話ししますが、一言で言うなら、医師たちの多くは「数字は見るが、患者は診ていない」と思うからです。
その典型的な例が健康診断です。
・・・
日本人の平均寿命が初めて50歳を超えたのは、1947(昭和22)年でした。
その頃の「男女の平均寿命の差」は3歳ほどでしたが、いまではそれが6歳に広がっています。
・・・・
これっておかしいと思いませんか? なぜ、女性の平均寿命は延びたのに、男性は延びなかったのでしょうか。
原因の一つに、日本人の「健康診断信仰」なるものがあると思っています。
定期の健康診断の多くは会社で実施されており、ひと昔前までは、健診を受ける割合は、男性が圧倒的に多いという状況でした。
・・・
健診が長生きに寄与するなら、男女の寿命は逆転してもよかったはずなのに、むしろ差が広がってしまった。
つまり、健診が意味をなしていないということです。
・・・
>>>数値を正常にするための薬の服用が寿命を縮める
たしかに、健診はガンの早期発見などにつながります。
これで命を救われる人もいるでしょう(かえって具合が悪くなる人もいますが)。
しかし、健診で示される「正常値」なるものが「本当に正常なのか」は、疑ってみる必要があるでしょう。
どの数値が正常かは一人一人違うからです。
・・・
一般に、大学病院などの勤務医の多くは、検査の数字は見ますが、患者は診ていません。
目の前の患者さんの体に起きている事実よりも、定められた数字を重視しているわけです。
そのような医師に診断され、治療されてしまうことを、どう思うでしょうか。
不幸なことだと思いませんか?
・・・
とくに80歳を過ぎた高齢者の場合は問題がある、というのが老年医療の現場に長年いる私の実感です。
数値を正常にするために薬を服用し、体の調子を落とす人や、残っている能力を失ってしまう人、寿命を縮めてしまう人がいるのです。
・・・
>>>臨床論文が極端に少ない日本医療の現実
『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(NEJM)という医学雑誌があります。200年以上の歴史があり臨床論文の最高峰と言われるもので、世界中の医師や研究者はこの雑誌を高く評価し、情報を寄せます。
・・・
しかし、その雑誌に載のる日本人の論文はわずか1%ほどです。
日本の医学界では大学の医局に残る医師が多く、研究者の割合は世界一なのに、臨床論文は少ない。
なぜ、そのような不思議な現象が起こるのか?
・・・
それは、定説を覆そうとする研究者が少ないからだ、と私は思っています。
先の健診もその一つです。定められた正常値を絶対視して、患者さんが薬による不調を訴えても「数値が悪いので」の一言でおしまい。
そんな医療が実際に行われているのです。
この事実から、どんな選択が考えられるのでしょうか
その一つは「医師の話をうのみにしない」という選択です。
・・・
>>>薬漬けと不要な手術が寿命を縮める
「医者の不養生」という言葉があります。
医師は自分の健康や体には無頓着だという意味です。
ウソのような本当の話ですが、医師は患者さんには薬や健診を勧めるのに、自分ではやりたがりません。
・・・
おそらく「薬や健診は寿命を大きく延ばすものではない」ということを経験的に知っているからだと思います。
それなのに患者さんに対しては「血圧が高い」とか「肝臓の数値が悪い」と言って大量の薬を処方する。
「小さなガンが見つかった」と言って手術を勧めるのです。
・・・
その結果、どうなるか?
患者さんは薬漬けになったり、小さなガンと一緒に臓器の一部も切り取られたりするのです。
若いときならそれもいいでしょう。
しかし高齢者になったのなら、それは逆に、不調や寿命を縮める原因になりかねません。
・・・
それは果たして、あなたが望む幸せな晩年なのでしょうか?
・・・
病院に行かなくなったら死者数が減った
興味深い事例を二つ紹介しましょう。
・・・
まず2020(令和2)年は、新型コロナウイルスの影響で、病院に行く人が大幅に減りました。「コロナに感染したくない」と、少しくらいの不調は我慢したのでしょう。
とくに高齢者にはその傾向が見られました。
・・・
その結果、意外な現象が起きました。日本人の死亡者数が減ったのです。
つまり「病院に行かないほうが死なない」という皮肉なことが起きたわけです。
・・・
もう一つは、北海道夕張市の例です。
夕張市は住民の約半数が高齢者で、全国の市区の中で「高齢化率日本一」と言われた町です。
市民にとって病院は命を守る生命線だと思われていました。
ところが、2007(平成19)年に夕張市は財政破綻をし、唯一の市立総合病院が閉院してしまったのです。
・・・
総合病院は小さな診療所になりました。
171床あったベッド数は19床に減らされ、専門医もいなくなりました。
高齢者の多い町で、どうなるのだろう?
市民はもちろん、多くの人が心配しました。結果、どうなったと思いますか?
・・・
重病で苦しむ人が増えることはなく、死亡率の悪化も見られなかったのです。
日本人の三大死因と言われる「ガン、心臓病、肺炎」で亡くなる人は減り、高齢者一人当たりの医療費も減ったそうです。
「わずか19床のベッドで大丈夫か」という心配も杞憂きゆうに終わりました。
ベッドは空きが出るほどになったのです。死亡する人の数も、以前とほぼ変わりませんでした。
まさにいいこと尽くめなのですが、なぜそうなったのか?
・・・
その答えを探すことは、現代の高齢者医療が抱える問題を浮き彫りにし、解決策につながる、と私は考えています。
・・・
>>>「もう放っておきましょう」と医師は言えない
夕張市の市民の間では、三大死因の「ガン、心臓病、肺炎」は減ったのに、全体の死亡人数は変わりませんでした。
つまり、ほかの原因で亡くなる人が増えたということです。その原因とは何か?
・・・
夕張診療所の方によれば、それは「老衰」だったと言います。
老衰は、病気ではなく、少しずつ体が弱って死ぬことです。
「天寿をまっとうした死に方」と言ってもいいでしょう。
老衰の場合、多くは家庭や老人ホームなどで息を引き取ることになります。
・・・
夕張市では病院が小さくなったため、在宅医療への切り替えを余儀なくされた人もいました。
患者さんが入院を望まず、在宅医療を選択したケースが多かったと聞いています。
・・・
85歳を過ぎた人は、体の中に「複数の病気の種」を抱えています。
明らかな症状はなくても、何らかの不調はあるはずです。
・・・
この状態で病院に行けば、たいていの医師は検査をしたり、薬を出したりするでしょう。
現代においては、それが当然の医療だからです。逆にそれをしなければ、「あの病院は薬もくれない」と文句を言われてしまいます。
・・・
でも、本当にそれが正しい医療なのでしょうか?
和田秀樹『80歳の壁』(幻冬舎新書)和田秀樹『80歳の壁』(幻冬舎新書)
ぜひもう一度、考えてみてほしいのです。
・・・
医師は病院に来た高齢者に対し「もう年だから、放っておきましょう」とは言えません。
であるならば、患者さんが選択するしかありません。
病院で検査をして病気を見つけてもらい、薬や手術をして寿命を延ばすのか、自宅や老人ホームで好きなことをしながら生きるのか――。
それは、医師ではなく、自分が選択することなのです。
・・・
高齢者になれば、病気は全快しません。
一時的に快方に向かっても、悪い部分は次々と現れます。
厳しい言い方ですが、それが年を取るということなのです。
・・・・・・・・
https://president.jp/articles/-/56546
++++++++++++++++++++++++++++
同様に、最近の話題では、新型コロナウイルスに感染して、入院した後、退院したら「認知症になって、ロコモになってしまった」という話題があります。
「然も有りなん」という感想です。
・・・・
医療が進んでも通常の患者に関しては、患者本人をよく見て、元気で暮らせることこそ人生ということでしょう。
最近は「死亡寿命」と「健康寿命」の差の約10年は殆ど知人でいないということです。
この「健康寿命後」の人生をキチンと眺めた医療を進める、「ピンピンころり」の命を見据えた医療が欲しいものです。
「医は仁術」という言葉に戻るところでしょう。「医は算術」という言葉の存在価値をゼロにしたいものです。
・・・・
では、草々
2022-4-14
森下克介
Posted by もりかつ at
10:46
│Comments(0)
2022年04月10日
IPCCは、「CO2の回収・貯留」に大いに期待しているようです
前略
世界でのCCSでは「27Mtpa;年間のCO2回収貯留容量」ということで、それなりの実績もおあるようです。
特に、石油掘削井戸への注入などがあるようです。
日本では「苫小牧実験」が終わって、これからの計画検討中のようです。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
---ーーーーIPCC報告書要旨「CCSで1兆トン貯留可能」、障壁は多く ーーーーーー
2022年4月5日 ;日経、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>>>A 序と枠組み
報告書は京都議定書の成果、パリ協定の採択を含む国連気候変動枠組み条約の進展、持続可能な開発目標(SDGs)を含む国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」などの役割を反映した。
・・・・
気候変動の緩和策の行為者と手法の多様化、世界的な取り組みでは都市や企業、先住民、地域社会、市民 、官民団体など、非国家的・準国家的な行為者の役割が増大している。
・・・
報告書には気候政策の世界的な広がり、低排出技術のコスト低下、さまざまな種類とレベルの緩和努力、一部の国の温暖化ガスの排出量の持続的削減、新型コロナウイルス感染症の影響と教訓などについて記されている。
・・・・
サービスに対する需要や緩和の社会的側面、イノベーション、技術開発などの章を初めて盛りこんだ。
複数の分析の枠組みから、緩和行動の推進、障壁、選択肢となるものを評価した。
・・・・・・
>>>B 最近の開発と現在のトレンド
(1)人為的に排出された温暖化ガスの総量は2010年から19年の間も増加を続けた。
10~19年の温暖化ガスの平均排出量は過去最高の水準だったが、19年までの10年間の増加率は00~09年よりも鈍化した。
(2)温室効果ガスの排出量は10年以降、すべての主要な部門で増加しており、特に都市に起因する排出の割合が拡大している。化石燃料と工業プロセスによる二酸化炭素(CO2)の排出量は減少したが、他部門における総排出量の増加分はその削減量を上回っている。
(3)世界の温室効果ガス排出量に対する貢献は地域によって大きく異なる。1人あたり温室効果ガス排出量は、所得水準によってもばらつきがある。排出量の多い上位10%の家庭が占める総排出量の割合は不均衡に大きい。世界では少なくとも18カ国が温室効果ガスの削減を続けている。
(4)10年以降、排出量が少ない技術の導入コストは継続して下がっている。イノベーションを個別に支える政策と、包括的な政策が低排出技術の普及に貢献した。一方で、途上国では低排出を可能にするイノベーションが遅れている。デジタル化は排出削減に効果的な半面、適切な管理がなければ悪影響となる可能性がある。
10年から19年にかけて太陽光発電(85%)、風力発電(55%)、リチウムイオン電池(85%)の単価が持続的に低下し、地域によって大きく異なるが、太陽光発電で10倍以上、電気自動車(EV)で100倍以上など、その普及が大きく進んだ。コストを削減し、導入を促進する政策手段には公的研究開発や実証実験、パイロットプロジェクトへの資金提供、規模拡大のための導入補助金などの需要喚起の手段が含まれる。
途上国では、資金、技術開発・移転、能力などの実現条件が弱いことが一因である。多くの国では、低排出ガス技術の普及の結果として価値の低い雇用や外国のノウハウ、供給者への依存など、いくつかの悪影響が観察されている。
(5)気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書以降、排出削減・緩和に対処するための政策や法律は拡充され、排出削減や温室効果ガス排出量の少ない技術およびインフラ投資の増加に貢献した。一方で、排出削減に向けた政策の適用範囲は部門の間で不均衡だ。パリ協定の目標に向けてグリーンなインフラへの投資がより多くの地域・部門でさらに求められている。
20年までに、世界の排出量の20%以上が炭素税または排出量取引制度でカバーされたが、カバー率と価格は削減を達成するには不十分であった。農業からの排出量や環境負荷の低減については、依然として政策の適用範囲が限定的である。
(6)第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)以前に提出された各国の排出削減目標(NDC)は、21世紀中に世界の気温を1.5度上昇させる可能性が高いと考えられる。温暖化を2度未満に抑えるには、30年以降さらなる緩和努力が必要である。
(7)現存または計画中の化石燃料インフラで追加的な削減対策を行わない場合、1.5度超の温暖化につながるCO2が排出される。この場合の排出量は、2度の温暖化につながる排出量とほぼ同等である。
・・・・
>>>C 地球温暖化抑制のためのシステム変革
>>(1)オーバーシュートをしない場合や、限られたオーバーシュートを伴って1.5度に抑えるか、温暖化を2度に抑えて即時に行動をとる場合には、世界の温暖化ガス排出量は20年から25年以前にピークに達すると予測される。
いずれの場合にも30~50年のあいだに、急速かつ大幅に排出が削減される。
20年末までに実施される政策以上の強化がない場合は、排出量は25年以降も増え続け、2100年までに中央値で3.2度の地球温暖化をもたらす。
・・・・
>>(2)温暖化を1.5 度に抑える場合には、世界全体としてCO2の排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を50年代前半に達成する。
温暖化を2 度に抑える可能性が高いモデルでは、カーボンニュートラルを70年代前半に達する。
・・・・
30年と40年までに排出量の大幅な削減、特にメタン排出量の削減を行うことは、ピーク温度を引き下げるとともに温暖化をオーバーシュートする可能性を低下させる。
排出量が世界全体で正味ゼロに達し、それを維持することは温暖化の漸進的な低下につながる。
・・・・
>>(3)温暖化を1.5度あるいは2度に抑えるには全ての部門で急速かつ大幅に排出量を削減する必要がある。
達成にはCO2回収・貯留(CCS)なしの化石燃料から、再生可能あるいはCCS付きの化石燃料のような低炭素・ゼロ炭素エネルギー源への移行と効率の改善が必要になる。残留する温暖化ガス排出を相殺するCO2除去法の導入が含まれる。
・・・・
>>(4)エネルギー部門全体を通して排出量を削減するには、化石燃料の使用の大幅削減、低排出エネルギー源の導入、代替エネルギーへの転換、省エネルギーなどの大規模な転換を必要とする。
排出削減の講じられていない化石燃料インフラの継続使用では高排出量が続く。
・・・・
一部の国や地域では、既に自然エネルギーによる電力システムが主流となっている。
エネルギーシステム全体を再生可能エネで供給することはより困難なことだ。
自然エネルギーを大量に利用するためには、システムの統合、セクターの結合、エネルギー貯蔵、スマートグリッド、需要管理、持続可能なバイオ燃料、水素などの幅広い選択肢のポートフォリオが最終的に必要とされるだろう。
・・・
地球温暖化を2度以下に抑えるには、相当量の化石燃料が未燃となり、かなりの化石燃料インフラが足止めされる可能性がある。
CCSは、その利用可能性に応じて、化石燃料をより長く使用することを可能にし、座礁した資産を減らすことができる。
・・・・
未燃焼の化石燃料と、化石燃料インフラの世界的な割引価値を合計すると、地球温暖化を約2度に抑えるため15年から50年にかけて1兆~4兆円程度と予測されており、地球温暖化を約1.5度に抑える場合はそれ以上となる。
・・・・
その中で、石炭資産は30年以前に座礁するリスクがあり、石油・ガス資産は今世紀半ばに向けて座礁のリスクが高まると予測される。
低排出ガスエネルギー部門への移行は、化石燃料の国際取引を減少させると予測される。
・・・・
世界のエネルギー供給からのメタン排出は、温暖化ガス全体排出の6%を占めた。
これらの化石燃料からのメタン排出量の約50~80%は、現在利用可能な技術により1トンあたり50ドル 以下で削減可能だ。
・・・・
CCSは地中貯留が可能であれば、大規模な化石燃料由来のエネルギーや産業からの排出を削減するための選択肢の一つである。
CO2が大気から直接回収される場合(DACCS)、バイオマスから回収される場合(BECCS)、CCSはこれらの手法の貯蔵要素となる。
石油・ガス分野とは対照的に、電力分野、セメントや化学製品の製造分野では、CCSは成熟しておらず、重要な緩和策となっている。
・・・・
技術的なCO2地中貯留容量は1兆トン台と推定されており、これは地球温暖化を1.5度に抑えるために2100年までに必要なCO2貯留量を上回っているが、地中貯留が可能な場所が制限要因になり得る。
地中貯留場所が適切に選定・管理されれば、CO2を大気から永久に隔離することができると推定されている。
CCSの実施は技術的、経済的、制度的、生態環境的、社会文化的な障壁に直面している。
現在、CCSの世界的な普及率は、地球温暖化を1.5度または2度に抑えるモデルをはるかに下回っている。
政策手段、より大きな公的支援、技術革新のような実現条件は、これらの障壁を低くすることができる。
・・・・・
>>(5)産業部門由来のCO2排出を実質ゼロにすることは困難だが可能だ。
実質ゼロへの推進は、ゼロ・低排出の電力や水素、燃料などの導入によって可能となる。
・・・
>>(6)都市はインフラと都市形態の体系的な移行によって資源効率を高め、排出量を大幅に削減する機会を生み出す可能性がある。
急成長している新興の都市の野心的な緩和努力には
①エネルギーと物質の消費量の削減または消費形態の変更
②電化 ③都市環境における炭素吸収と貯留の強化――を含む。都市は排出量の実質ゼロを達成しうるが、それは、サプライチェーン全体を通じての排出量が削減される場合に限られ、そうなれば他部門にわたり有益な連鎖的効果をもたらす。
温暖化ガスのネットゼロ目標など、気候に関する目標を設定する都市が増えている。
・・・・
>>(7)世界全体のシナリオでは、省エネ対策や再生エネ対策を組み合わせた政策パッケージが効果的に実施されたうえ、脱炭素化への障壁が取り除かれた場合、改修された既存の建築物と新設の建物物は、50年に排出量の実質ゼロに近づくと予測される。
・・・・
野心的ではない政策は、何十年にもわたって建物の炭素の「固定化」を起こすリスクを高める。
一方で適切に設計され、効果的に実施される緩和策は、新築の建物と改修された既存の建築物の両方において、将来の気候に建物を適応させながら、すべての地域において持続可能な開発目標達成に貢献する大きな可能性を持つ。
・・・・
>>(8)温暖化ガス排出を低減させる技術は、先進国の輸送部門の排出量を削減し、途上国における排出量増加を抑制しうる。
需要に焦点を当てた介入策はすべての輸送サービスに対する需要を削減し、よりエネルギー効率の高い輸送方式への移行を支援しうる。
・・・
低排出の電力を動力源とするEVは陸上輸送で、生産から廃棄まで(ライフサイクルベース)で最大の脱炭素化ポテンシャルを提供しうる。
・・・・
持続可能なバイオ燃料は、陸上輸送において、短期・中期的にさらなる緩和効果をもたらしうる。
持続可能なバイオ燃料、低排出の水素などは海上・航空輸送のCO2排出を減らしうるが、生産プロセスの改善とコスト削減を必要とする。
・・・・
運輸部門における多くの緩和戦略は大気質の改善、健康上の便益、渋滞の削減、材料需要の削減など、様々な便益をもたらすだろう。
・・・・
シェアードモビリティーは、陸・空・海にわたる旅客・貨物サービスの需要を減少させる可能性がある。
・・・
EVの電池に必要な重要鉱物に関する懸念が高まっている。材料と供給の多様化戦略、エネルギーと材料の効率化などで電池生産の環境フットプリントと材料供給リスクを低減することができる。
・・・・・・
航空分野では、高エネルギー密度のバイオ燃料、水素や合成燃料などがある。海運用の代替燃料としては、低排出ガス水素、アンモニア、バイオ燃料などがある。
電化は、航空・船舶の短距離移動においてニッチな役割を果たし、港湾・空港運営からの排出を削減できる。
・・・・
>>(9)農業、林業とその他土地利用は持続可能な方法で実施された場合、大規模な排出削減と除去の促進をもたらしうるが、他の部門の遅れを補うことはできない。
また持続可能な方法で調達された農林産物は、他の部門でより排出量の多い製品の代わりに使用しうる。
・・・・
障壁は気候変動の影響、土地に対する競合した需要、食料安全保障、土地の所有・管理制度の複雑さなどから生じるかもしれない。
生物多様性の保全、生態系サービスといった便益を提供し、気候変動への適応を通してリスクを回避するための、国ごとに特有の機会が多く存在する。
・・・
>>(10)需要側による気候変動への緩和行動は、インフラ利用を変えたり、採用する技術を変えたりすることが含まれる。
需要側の対策などで、食料や陸上運輸などエンドユース部門での世界全体の排出量を基本シナリオと比べて50年までに40~70%削減しうる。
一方で、地域や集団によっては追加のエネルギーや資源が必要になる。
・・・・
>>(11)CO2や温暖化ガスの実質ゼロを達成するなら、削減が困難な排出量を相殺する「CO2除去(CDR)」の導入は避けられない。CDR導入の規模と時期は各部門における総排出削減量の動向次第だ。
CDRの大規模な導入の実現可能性と持続可能性は、効果的な開発に依存している。
・・・・
(12) CO2を1トン当たり100ドル(約1万2千円)以下のコストで削減できる温暖化緩和の選択肢によって、世界全体の排出量を30年までに少なくとも19年の半分に削減しうる。
・・・・
温暖化を2度かそれ以下に抑える場合、世界の国内総生産(GDP)は引き続き成長する。
ただ気候変動によって生じた損害の回避や、気温上昇の対応に求められるコスト削減の経済的利益を考慮しない場合、現行の政策を超える温暖化対策を取らないシナリオと比べて50年には数%低くなる。
温暖化を2度に抑えることの世界規模の経済効果は、温暖化を抑えるコストを上回ると多くの文献で報告されている。
・・・・
>>>D 緩和、適応、持続可能な開発の連携
>>(1) 気候変動の影響を緩和し、適応するための気候変動対策は、持続可能な開発のために非常に重要である。
国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で採択された持続可能な開発目標は、気候変動行動を評価するための基礎として用いることができる。
・・・・
>>(2)途上国は脆弱性が高く、適応能力が低い場合が多い。
対応策によっては、人間の居住地や土地管理で、緩和と適応の両方の成果をもたらす。
しかし土地や水域の生態系は緩和行動次第で悪影響を受ける可能性がある。
政策と計画の調整で相乗効果を最大化でき、緩和と適応のトレードオフを回避か低減できる。
・・・・
>>(3)緩和の強化や持続可能性に向けた開発経路を移行させるための行動は、国内と国家間に分配された影響をもたらす。
衡平性への配慮や、あらゆる規模の意思決定で、すべての関係者が幅広く参加することで、社会的信頼を築き、変革への支持を深め、広げられる。
・・・
>>>E 対策の強化
>>(1)短期に大規模で緩和する方法はいくつかある。
実現可能性は部門や地域、能力、実施の速度と規模によって異なる。
NDCを超える短期的な対策を強化することにより、オーバーシュートを回避、もしくは限定的なオーバーシュートに抑えることができる。
・・・
>>(2)すべての国において、より広範な緩和努力で排出削減のペースを上げ、規模を拡大することができる。
より持続可能な開発に移行させる政策は緩和策を広げ、開発目標との相乗効果を追求することができる。
・・・
>>(3)各国の事情に基づいた気候ガバナンスは法律や制度を通し、枠組みを与えることによって排出緩和を支える。
気候ガバナンスは複数の政策領域を統合することで、相乗効果を生み出し、トレードオフを最小にすることができる。
効果的で公平な気候変動対策は、市民、政治家、企業をはじめとするコミュニティーの上に成り立つ。
・・・
>>(4)多くの規制や経済的な手段はすでに成功している。
これらの制度は、規模を拡大し、より広く適用すれば、排出量の大幅な削減を支援するうえ、イノベーションに刺激をもたらす。
イノベーションを可能にする政策は、個別の政策よりも低排出な未来を実現するために役立つだろう。
各国の状況を反映した経済政策は排出量を削減し、持続可能な開発と短期的な経済目標を達成することができる。
・・・
>>(5)資金の流れはすべての部門と地域において、緩和目標の達成に必要なレベルに達していない。
途上国ではそのギャップを埋めることが最大の課題だ。
資金を増やすためには、政府および国際社会による明確な政策決定とシグナルの発出が必要である。
排出削減のための国際的な資金協力は、温暖化ガスの削減と公正な移行を実現する。
資金へのアクセスを高め、気候変動によるコストにも対処することができる。
・・・
>>(6)国際協力は、気候変動に対する野心的な目標を達成するために重要である。
国連気候変動枠組み条約、京都議定書およびパリ協定は各国の野心的な取り組みを支え、気候政策の策定と実施を促している。
様々な規模で複数のアクターが関与するパートナーシップや協定、制度が増えているが、その有効性は一様でない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA04AJE0U2A400C2000000/
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
CCSには、地中に注入する方法とCCUということでメタノール化とか燃料・化成品製造とか考えられるものは何でも取り上げ、政府かrの支援をもらい一攫千金的な行動も見られる。
言ってみれば、まだまだ技術的にも完成度の肥育ものばかりです、一般にそのようなもののエネルギー効率は他たくないはずです、今ある自然界の炭化物は太陽光と地球自体の持つ反応系(酵素など)によるもので、そのためのエネルギー評価はまだできていないので大変であろう。
・・・・
一方で、CCSに関連しては各国で法規制を行っている、陸域・海域でいろんな条件が考えられている野ですから。
しかし、まだ頭で考えた範囲でしかないので、これからもまだいろんな規制が出てくるはず。
空中質素の固定や核分裂反応などはまだまだいろんな規制が必要なはずである、それらと同様簡単ではない。
・・・・
やはり、産業革命前の世界・生態系としての世界、化石燃料を使うことが「合理化でありコストダウン」であって「金儲け資本主義」の産物としての人間社会は、「ある種のヒズミ」を抱えたままで、今まで通りの「成長、GDP成長率」を追及することはあり得ないと誰もが理解しているはずです。
そういえば「Z世代」の皆さんはもっと冷静に人間世界の将来を理解しているようです。
みんなで頑張りましょう。
・・・・
では、草々
2022-4ー10
森下克介
世界でのCCSでは「27Mtpa;年間のCO2回収貯留容量」ということで、それなりの実績もおあるようです。
特に、石油掘削井戸への注入などがあるようです。
日本では「苫小牧実験」が終わって、これからの計画検討中のようです。
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---ーーーーIPCC報告書要旨「CCSで1兆トン貯留可能」、障壁は多く ーーーーーー
2022年4月5日 ;日経、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>>>A 序と枠組み
報告書は京都議定書の成果、パリ協定の採択を含む国連気候変動枠組み条約の進展、持続可能な開発目標(SDGs)を含む国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」などの役割を反映した。
・・・・
気候変動の緩和策の行為者と手法の多様化、世界的な取り組みでは都市や企業、先住民、地域社会、市民 、官民団体など、非国家的・準国家的な行為者の役割が増大している。
・・・
報告書には気候政策の世界的な広がり、低排出技術のコスト低下、さまざまな種類とレベルの緩和努力、一部の国の温暖化ガスの排出量の持続的削減、新型コロナウイルス感染症の影響と教訓などについて記されている。
・・・・
サービスに対する需要や緩和の社会的側面、イノベーション、技術開発などの章を初めて盛りこんだ。
複数の分析の枠組みから、緩和行動の推進、障壁、選択肢となるものを評価した。
・・・・・・
>>>B 最近の開発と現在のトレンド
(1)人為的に排出された温暖化ガスの総量は2010年から19年の間も増加を続けた。
10~19年の温暖化ガスの平均排出量は過去最高の水準だったが、19年までの10年間の増加率は00~09年よりも鈍化した。
(2)温室効果ガスの排出量は10年以降、すべての主要な部門で増加しており、特に都市に起因する排出の割合が拡大している。化石燃料と工業プロセスによる二酸化炭素(CO2)の排出量は減少したが、他部門における総排出量の増加分はその削減量を上回っている。
(3)世界の温室効果ガス排出量に対する貢献は地域によって大きく異なる。1人あたり温室効果ガス排出量は、所得水準によってもばらつきがある。排出量の多い上位10%の家庭が占める総排出量の割合は不均衡に大きい。世界では少なくとも18カ国が温室効果ガスの削減を続けている。
(4)10年以降、排出量が少ない技術の導入コストは継続して下がっている。イノベーションを個別に支える政策と、包括的な政策が低排出技術の普及に貢献した。一方で、途上国では低排出を可能にするイノベーションが遅れている。デジタル化は排出削減に効果的な半面、適切な管理がなければ悪影響となる可能性がある。
10年から19年にかけて太陽光発電(85%)、風力発電(55%)、リチウムイオン電池(85%)の単価が持続的に低下し、地域によって大きく異なるが、太陽光発電で10倍以上、電気自動車(EV)で100倍以上など、その普及が大きく進んだ。コストを削減し、導入を促進する政策手段には公的研究開発や実証実験、パイロットプロジェクトへの資金提供、規模拡大のための導入補助金などの需要喚起の手段が含まれる。
途上国では、資金、技術開発・移転、能力などの実現条件が弱いことが一因である。多くの国では、低排出ガス技術の普及の結果として価値の低い雇用や外国のノウハウ、供給者への依存など、いくつかの悪影響が観察されている。
(5)気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書以降、排出削減・緩和に対処するための政策や法律は拡充され、排出削減や温室効果ガス排出量の少ない技術およびインフラ投資の増加に貢献した。一方で、排出削減に向けた政策の適用範囲は部門の間で不均衡だ。パリ協定の目標に向けてグリーンなインフラへの投資がより多くの地域・部門でさらに求められている。
20年までに、世界の排出量の20%以上が炭素税または排出量取引制度でカバーされたが、カバー率と価格は削減を達成するには不十分であった。農業からの排出量や環境負荷の低減については、依然として政策の適用範囲が限定的である。
(6)第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)以前に提出された各国の排出削減目標(NDC)は、21世紀中に世界の気温を1.5度上昇させる可能性が高いと考えられる。温暖化を2度未満に抑えるには、30年以降さらなる緩和努力が必要である。
(7)現存または計画中の化石燃料インフラで追加的な削減対策を行わない場合、1.5度超の温暖化につながるCO2が排出される。この場合の排出量は、2度の温暖化につながる排出量とほぼ同等である。
・・・・
>>>C 地球温暖化抑制のためのシステム変革
>>(1)オーバーシュートをしない場合や、限られたオーバーシュートを伴って1.5度に抑えるか、温暖化を2度に抑えて即時に行動をとる場合には、世界の温暖化ガス排出量は20年から25年以前にピークに達すると予測される。
いずれの場合にも30~50年のあいだに、急速かつ大幅に排出が削減される。
20年末までに実施される政策以上の強化がない場合は、排出量は25年以降も増え続け、2100年までに中央値で3.2度の地球温暖化をもたらす。
・・・・
>>(2)温暖化を1.5 度に抑える場合には、世界全体としてCO2の排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を50年代前半に達成する。
温暖化を2 度に抑える可能性が高いモデルでは、カーボンニュートラルを70年代前半に達する。
・・・・
30年と40年までに排出量の大幅な削減、特にメタン排出量の削減を行うことは、ピーク温度を引き下げるとともに温暖化をオーバーシュートする可能性を低下させる。
排出量が世界全体で正味ゼロに達し、それを維持することは温暖化の漸進的な低下につながる。
・・・・
>>(3)温暖化を1.5度あるいは2度に抑えるには全ての部門で急速かつ大幅に排出量を削減する必要がある。
達成にはCO2回収・貯留(CCS)なしの化石燃料から、再生可能あるいはCCS付きの化石燃料のような低炭素・ゼロ炭素エネルギー源への移行と効率の改善が必要になる。残留する温暖化ガス排出を相殺するCO2除去法の導入が含まれる。
・・・・
>>(4)エネルギー部門全体を通して排出量を削減するには、化石燃料の使用の大幅削減、低排出エネルギー源の導入、代替エネルギーへの転換、省エネルギーなどの大規模な転換を必要とする。
排出削減の講じられていない化石燃料インフラの継続使用では高排出量が続く。
・・・・
一部の国や地域では、既に自然エネルギーによる電力システムが主流となっている。
エネルギーシステム全体を再生可能エネで供給することはより困難なことだ。
自然エネルギーを大量に利用するためには、システムの統合、セクターの結合、エネルギー貯蔵、スマートグリッド、需要管理、持続可能なバイオ燃料、水素などの幅広い選択肢のポートフォリオが最終的に必要とされるだろう。
・・・
地球温暖化を2度以下に抑えるには、相当量の化石燃料が未燃となり、かなりの化石燃料インフラが足止めされる可能性がある。
CCSは、その利用可能性に応じて、化石燃料をより長く使用することを可能にし、座礁した資産を減らすことができる。
・・・・
未燃焼の化石燃料と、化石燃料インフラの世界的な割引価値を合計すると、地球温暖化を約2度に抑えるため15年から50年にかけて1兆~4兆円程度と予測されており、地球温暖化を約1.5度に抑える場合はそれ以上となる。
・・・・
その中で、石炭資産は30年以前に座礁するリスクがあり、石油・ガス資産は今世紀半ばに向けて座礁のリスクが高まると予測される。
低排出ガスエネルギー部門への移行は、化石燃料の国際取引を減少させると予測される。
・・・・
世界のエネルギー供給からのメタン排出は、温暖化ガス全体排出の6%を占めた。
これらの化石燃料からのメタン排出量の約50~80%は、現在利用可能な技術により1トンあたり50ドル 以下で削減可能だ。
・・・・
CCSは地中貯留が可能であれば、大規模な化石燃料由来のエネルギーや産業からの排出を削減するための選択肢の一つである。
CO2が大気から直接回収される場合(DACCS)、バイオマスから回収される場合(BECCS)、CCSはこれらの手法の貯蔵要素となる。
石油・ガス分野とは対照的に、電力分野、セメントや化学製品の製造分野では、CCSは成熟しておらず、重要な緩和策となっている。
・・・・
技術的なCO2地中貯留容量は1兆トン台と推定されており、これは地球温暖化を1.5度に抑えるために2100年までに必要なCO2貯留量を上回っているが、地中貯留が可能な場所が制限要因になり得る。
地中貯留場所が適切に選定・管理されれば、CO2を大気から永久に隔離することができると推定されている。
CCSの実施は技術的、経済的、制度的、生態環境的、社会文化的な障壁に直面している。
現在、CCSの世界的な普及率は、地球温暖化を1.5度または2度に抑えるモデルをはるかに下回っている。
政策手段、より大きな公的支援、技術革新のような実現条件は、これらの障壁を低くすることができる。
・・・・・
>>(5)産業部門由来のCO2排出を実質ゼロにすることは困難だが可能だ。
実質ゼロへの推進は、ゼロ・低排出の電力や水素、燃料などの導入によって可能となる。
・・・
>>(6)都市はインフラと都市形態の体系的な移行によって資源効率を高め、排出量を大幅に削減する機会を生み出す可能性がある。
急成長している新興の都市の野心的な緩和努力には
①エネルギーと物質の消費量の削減または消費形態の変更
②電化 ③都市環境における炭素吸収と貯留の強化――を含む。都市は排出量の実質ゼロを達成しうるが、それは、サプライチェーン全体を通じての排出量が削減される場合に限られ、そうなれば他部門にわたり有益な連鎖的効果をもたらす。
温暖化ガスのネットゼロ目標など、気候に関する目標を設定する都市が増えている。
・・・・
>>(7)世界全体のシナリオでは、省エネ対策や再生エネ対策を組み合わせた政策パッケージが効果的に実施されたうえ、脱炭素化への障壁が取り除かれた場合、改修された既存の建築物と新設の建物物は、50年に排出量の実質ゼロに近づくと予測される。
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野心的ではない政策は、何十年にもわたって建物の炭素の「固定化」を起こすリスクを高める。
一方で適切に設計され、効果的に実施される緩和策は、新築の建物と改修された既存の建築物の両方において、将来の気候に建物を適応させながら、すべての地域において持続可能な開発目標達成に貢献する大きな可能性を持つ。
・・・・
>>(8)温暖化ガス排出を低減させる技術は、先進国の輸送部門の排出量を削減し、途上国における排出量増加を抑制しうる。
需要に焦点を当てた介入策はすべての輸送サービスに対する需要を削減し、よりエネルギー効率の高い輸送方式への移行を支援しうる。
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低排出の電力を動力源とするEVは陸上輸送で、生産から廃棄まで(ライフサイクルベース)で最大の脱炭素化ポテンシャルを提供しうる。
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持続可能なバイオ燃料は、陸上輸送において、短期・中期的にさらなる緩和効果をもたらしうる。
持続可能なバイオ燃料、低排出の水素などは海上・航空輸送のCO2排出を減らしうるが、生産プロセスの改善とコスト削減を必要とする。
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運輸部門における多くの緩和戦略は大気質の改善、健康上の便益、渋滞の削減、材料需要の削減など、様々な便益をもたらすだろう。
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シェアードモビリティーは、陸・空・海にわたる旅客・貨物サービスの需要を減少させる可能性がある。
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EVの電池に必要な重要鉱物に関する懸念が高まっている。材料と供給の多様化戦略、エネルギーと材料の効率化などで電池生産の環境フットプリントと材料供給リスクを低減することができる。
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航空分野では、高エネルギー密度のバイオ燃料、水素や合成燃料などがある。海運用の代替燃料としては、低排出ガス水素、アンモニア、バイオ燃料などがある。
電化は、航空・船舶の短距離移動においてニッチな役割を果たし、港湾・空港運営からの排出を削減できる。
・・・・
>>(9)農業、林業とその他土地利用は持続可能な方法で実施された場合、大規模な排出削減と除去の促進をもたらしうるが、他の部門の遅れを補うことはできない。
また持続可能な方法で調達された農林産物は、他の部門でより排出量の多い製品の代わりに使用しうる。
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障壁は気候変動の影響、土地に対する競合した需要、食料安全保障、土地の所有・管理制度の複雑さなどから生じるかもしれない。
生物多様性の保全、生態系サービスといった便益を提供し、気候変動への適応を通してリスクを回避するための、国ごとに特有の機会が多く存在する。
・・・
>>(10)需要側による気候変動への緩和行動は、インフラ利用を変えたり、採用する技術を変えたりすることが含まれる。
需要側の対策などで、食料や陸上運輸などエンドユース部門での世界全体の排出量を基本シナリオと比べて50年までに40~70%削減しうる。
一方で、地域や集団によっては追加のエネルギーや資源が必要になる。
・・・・
>>(11)CO2や温暖化ガスの実質ゼロを達成するなら、削減が困難な排出量を相殺する「CO2除去(CDR)」の導入は避けられない。CDR導入の規模と時期は各部門における総排出削減量の動向次第だ。
CDRの大規模な導入の実現可能性と持続可能性は、効果的な開発に依存している。
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(12) CO2を1トン当たり100ドル(約1万2千円)以下のコストで削減できる温暖化緩和の選択肢によって、世界全体の排出量を30年までに少なくとも19年の半分に削減しうる。
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温暖化を2度かそれ以下に抑える場合、世界の国内総生産(GDP)は引き続き成長する。
ただ気候変動によって生じた損害の回避や、気温上昇の対応に求められるコスト削減の経済的利益を考慮しない場合、現行の政策を超える温暖化対策を取らないシナリオと比べて50年には数%低くなる。
温暖化を2度に抑えることの世界規模の経済効果は、温暖化を抑えるコストを上回ると多くの文献で報告されている。
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>>>D 緩和、適応、持続可能な開発の連携
>>(1) 気候変動の影響を緩和し、適応するための気候変動対策は、持続可能な開発のために非常に重要である。
国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で採択された持続可能な開発目標は、気候変動行動を評価するための基礎として用いることができる。
・・・・
>>(2)途上国は脆弱性が高く、適応能力が低い場合が多い。
対応策によっては、人間の居住地や土地管理で、緩和と適応の両方の成果をもたらす。
しかし土地や水域の生態系は緩和行動次第で悪影響を受ける可能性がある。
政策と計画の調整で相乗効果を最大化でき、緩和と適応のトレードオフを回避か低減できる。
・・・・
>>(3)緩和の強化や持続可能性に向けた開発経路を移行させるための行動は、国内と国家間に分配された影響をもたらす。
衡平性への配慮や、あらゆる規模の意思決定で、すべての関係者が幅広く参加することで、社会的信頼を築き、変革への支持を深め、広げられる。
・・・
>>>E 対策の強化
>>(1)短期に大規模で緩和する方法はいくつかある。
実現可能性は部門や地域、能力、実施の速度と規模によって異なる。
NDCを超える短期的な対策を強化することにより、オーバーシュートを回避、もしくは限定的なオーバーシュートに抑えることができる。
・・・
>>(2)すべての国において、より広範な緩和努力で排出削減のペースを上げ、規模を拡大することができる。
より持続可能な開発に移行させる政策は緩和策を広げ、開発目標との相乗効果を追求することができる。
・・・
>>(3)各国の事情に基づいた気候ガバナンスは法律や制度を通し、枠組みを与えることによって排出緩和を支える。
気候ガバナンスは複数の政策領域を統合することで、相乗効果を生み出し、トレードオフを最小にすることができる。
効果的で公平な気候変動対策は、市民、政治家、企業をはじめとするコミュニティーの上に成り立つ。
・・・
>>(4)多くの規制や経済的な手段はすでに成功している。
これらの制度は、規模を拡大し、より広く適用すれば、排出量の大幅な削減を支援するうえ、イノベーションに刺激をもたらす。
イノベーションを可能にする政策は、個別の政策よりも低排出な未来を実現するために役立つだろう。
各国の状況を反映した経済政策は排出量を削減し、持続可能な開発と短期的な経済目標を達成することができる。
・・・
>>(5)資金の流れはすべての部門と地域において、緩和目標の達成に必要なレベルに達していない。
途上国ではそのギャップを埋めることが最大の課題だ。
資金を増やすためには、政府および国際社会による明確な政策決定とシグナルの発出が必要である。
排出削減のための国際的な資金協力は、温暖化ガスの削減と公正な移行を実現する。
資金へのアクセスを高め、気候変動によるコストにも対処することができる。
・・・
>>(6)国際協力は、気候変動に対する野心的な目標を達成するために重要である。
国連気候変動枠組み条約、京都議定書およびパリ協定は各国の野心的な取り組みを支え、気候政策の策定と実施を促している。
様々な規模で複数のアクターが関与するパートナーシップや協定、制度が増えているが、その有効性は一様でない。
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA04AJE0U2A400C2000000/
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CCSには、地中に注入する方法とCCUということでメタノール化とか燃料・化成品製造とか考えられるものは何でも取り上げ、政府かrの支援をもらい一攫千金的な行動も見られる。
言ってみれば、まだまだ技術的にも完成度の肥育ものばかりです、一般にそのようなもののエネルギー効率は他たくないはずです、今ある自然界の炭化物は太陽光と地球自体の持つ反応系(酵素など)によるもので、そのためのエネルギー評価はまだできていないので大変であろう。
・・・・
一方で、CCSに関連しては各国で法規制を行っている、陸域・海域でいろんな条件が考えられている野ですから。
しかし、まだ頭で考えた範囲でしかないので、これからもまだいろんな規制が出てくるはず。
空中質素の固定や核分裂反応などはまだまだいろんな規制が必要なはずである、それらと同様簡単ではない。
・・・・
やはり、産業革命前の世界・生態系としての世界、化石燃料を使うことが「合理化でありコストダウン」であって「金儲け資本主義」の産物としての人間社会は、「ある種のヒズミ」を抱えたままで、今まで通りの「成長、GDP成長率」を追及することはあり得ないと誰もが理解しているはずです。
そういえば「Z世代」の皆さんはもっと冷静に人間世界の将来を理解しているようです。
みんなで頑張りましょう。
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では、草々
2022-4ー10
森下克介
Posted by もりかつ at
15:21
│Comments(0)
2022年04月10日
「世界の原油の動向」本当の視点はどこですか
前略
原油価格変動が話題です。
「気候危機」の観点からは、2030年というあと7年後には、「化石燃料使用半減」が実現されなければ人類・地球の破滅への道をまっしぐらに進むことになるということがどれだけ前提として議論されているのか?
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
-----ーーー乱高下した「原油価格」はここからどう動くのかーーーー
世界的エネルギー専門家、ヤーギン氏の見立て;中村 稔 : 東洋経済 解説部コラムニスト 、2022/04/09 7:00
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
エネルギー問題研究の世界的第一人者であるダニエル・ヤーギン氏(S&Pグローバル副会長)は3月初旬に東洋経済による取材で、ウクライナ戦争の歴史的意味や原油・天然ガス市場への影響などについて見解を述べた。
・・・・
このとき、「われわれは今、1970年代の大規模なエネルギー危機を思い出させるようなディスラプションに向かっている可能性がある」と話していた(インタビューはこちら)。
その後の状勢を踏まえて、ヤーギン氏に対して追加の質問を行い、回答を得た。
・・・・
――原油価格(WTI原油先物)は3月初旬に一時130ドル台を付けた後、足元では100ドル前後で推移しています。
今後についてはどう見ますか。
・・・
原油価格は非常に変動性が激しく、発生する事象によって動向が大きく左右されることになるだろう。
ロシア産原油のヨーロッパへの輸入が禁止されれば価格は一段と上昇し、対応の難しい深刻な原油の不足が発生しかねない。
また、ウクライナにおける戦闘がエスカレートすれば、それも原油価格を上昇させることになろう。
・・・
一方、中国における新型コロナウイルスの感染拡大と旅行・経済活動の減少による原油需要の落ち込みは、原油価格に対して多少の下方圧力を加える可能性がある。
イラン核合意の修復によってイラン産原油が禁輸解除となりマーケットに供給されれば、やはり原油価格の下落要因となりうる。
そしてもちろん、(アメリカ政府による)戦略石油備蓄の大規模放出も供給不足を部分的に緩和するのに役立つ。
・・・
とはいえ、ウクライナにおけるロシア軍の戦争のやり方や、ロシアによる戦術核兵器の使用を含めたすべての追加的リスクを考え合わせれば、原油価格は今後も下落よりは上昇の可能性が高いと私は懸念している。
原油価格の上昇は、世界経済にとって非常に痛みを伴うものとなるだろう。
・・・
>>>米シェールとOPECも増産に慎重
――アメリカのシェールオイル業界やOPEC(石油輸出国機構)諸国は、原油価格の上昇に対してどのように対応していくでしょうか。
・・・
アメリカの石油業界は活気を取り戻している。
アメリカにおける2022年の原油増産量は日量70万~100万バレルに達する見込みだ。その規模は、世界の他の地域全体を合わせた増産量よりも多い。
政府は今や石油業界に対して増産を奨励しており、この2~3カ月ぐらいで姿勢をガラッと変化させた。
・・・
しかし、アメリカの石油業界は同時に、増産ピッチを速めすぎないように注意深く対応していくだろう。
・・・
彼らは依然として稼いだ資金を投資家に返す必要性に迫られており、利益のすべてを(増産などの)事業拡大のために注ぎ込むことはできない。
それに、原油や天然ガスの生産現場における活動は、サプライチェーン(供給網)の制約によって妨げられている。
・・・
OPECについては、毎月着実に増産していく計画(毎月日量40万バレルずつ増産)を引き続き堅持している。
今のところアラブ湾岸諸国は、アメリカやヨーロッパ諸国の大幅な増産要求に対して前向きに反応していない。
・・・
>>>プーチン“1つの民族論”の嘘
――ロシア軍はウクライナの原子力発電所の一部も攻撃し、占拠しました(チョルノービリ原発からは撤退したが、欧州最大級のザポリージャ原発はなお管理下に置く)。
今後の影響が懸念されます。
・・・・・・・
原発への攻撃は、ロシア軍がいかに無謀で自制心がないかを示している。
そしてロシア軍は情報を十分に与えられていないようだ。
ロシア兵の多くは、ベラルーシに行くのはウクライナへ侵攻するためではなく、軍事訓練のためだと考えていた。
・・・
ロシア軍は指揮がうまく取れておらず、ウクライナ軍によって多大な打撃を受けた。
そしてロシアは民間人の犠牲も構わず、残虐なミサイルや大砲の力を使って反撃してきた。
・・・
プーチン大統領は昨年夏に彼自身が論文で書いたように、ロシア人とウクライナ人を“1つの民族(one people)”と考えているとするならば、ウクライナ国民に対する残忍な戦争行為によって彼の主張が間違いであることが証明されたことになる。
・・・・・・・・
Daniel Yergin 1947年生まれ。米イェール大学卒業、英ケンブリッジ大学で博士号取得。エネルギー問題の権威として米エネルギー省長官の諮問委員会委員などを歴任。著書に『石油の世紀』など。(写真:S&Pグローバル)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://toyokeizai.net/articles/-/580647
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
今回の、ロシアのプーチンさんの行動は、「キューバ危機」の時の「格好いいケ」の役回りを誰かがしているのではないかという視点でも議論されているように見えます。
しかし、このヤーギン氏は、ウクライナにはロシアからのガスパイプラインが何本も(4本?)通っていてその通貨料金の支払いなどもあるようです、いろんな綾が背後にはあると考えられます。
・・・・
しかし、ここでの話題にはあまりならないようですが、ロシアの経済の半分近くをエネルギーでやっていては「気候危機」対策の「化石燃料使用ゼロ」の結果として、プーチンさんの力が「ロシア財政危機」によって危うくなることへの対策であるという視点もあると思う。
更に、ウクライナという科学技術、東部の工業地帯などが欲しいところのはず。
それを、今爆撃して、メチャメチャにしてしまっている、そんな皮肉をどうしていくことになるか、みんな見張っているところでしょう。
・・・・
ウクライナの皆さんには申し訳ないのですが、もうすぐに、工業社会・石油工業社会は終わるのです。
それよりも、西部の農業地域が本当の価値を持つことになるのです。
その前提で、世界はウクライナを見るだけでなく、自分たちの国・社会を見直す日露があるはずです。
残念ではありますが、「化石燃料使用ゼロ」の議論が同時並行ですすまなければならない。
・・・・
ヤーギンさんの議論には「化石燃料使用ゼロ」の知恵も沢山あるはずです。
この記事には全く出て来ない、記者の責任でもあるのでしょうが、大変残念に思います。
日経としては、「脱炭素社会へ」と頑張っているとPRしている割には、この様な機会にこのような反応では困ります。
もっと、日本・世界のあり様を自身の行動に示してほしいものです、「自社ビルの脱炭素」をすれば良いと考えているのではないでしょう・・。
・・・・
メディアこそ、本気の活動が求められる時です。
過去の戦時報道では、国民や世界中を破滅させてきたのですから、メディア自身の責任をキチンと果たす時です。
・・・
では、草々
2022-4-10
森下克介
原油価格変動が話題です。
「気候危機」の観点からは、2030年というあと7年後には、「化石燃料使用半減」が実現されなければ人類・地球の破滅への道をまっしぐらに進むことになるということがどれだけ前提として議論されているのか?
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
-----ーーー乱高下した「原油価格」はここからどう動くのかーーーー
世界的エネルギー専門家、ヤーギン氏の見立て;中村 稔 : 東洋経済 解説部コラムニスト 、2022/04/09 7:00
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
エネルギー問題研究の世界的第一人者であるダニエル・ヤーギン氏(S&Pグローバル副会長)は3月初旬に東洋経済による取材で、ウクライナ戦争の歴史的意味や原油・天然ガス市場への影響などについて見解を述べた。
・・・・
このとき、「われわれは今、1970年代の大規模なエネルギー危機を思い出させるようなディスラプションに向かっている可能性がある」と話していた(インタビューはこちら)。
その後の状勢を踏まえて、ヤーギン氏に対して追加の質問を行い、回答を得た。
・・・・
――原油価格(WTI原油先物)は3月初旬に一時130ドル台を付けた後、足元では100ドル前後で推移しています。
今後についてはどう見ますか。
・・・
原油価格は非常に変動性が激しく、発生する事象によって動向が大きく左右されることになるだろう。
ロシア産原油のヨーロッパへの輸入が禁止されれば価格は一段と上昇し、対応の難しい深刻な原油の不足が発生しかねない。
また、ウクライナにおける戦闘がエスカレートすれば、それも原油価格を上昇させることになろう。
・・・
一方、中国における新型コロナウイルスの感染拡大と旅行・経済活動の減少による原油需要の落ち込みは、原油価格に対して多少の下方圧力を加える可能性がある。
イラン核合意の修復によってイラン産原油が禁輸解除となりマーケットに供給されれば、やはり原油価格の下落要因となりうる。
そしてもちろん、(アメリカ政府による)戦略石油備蓄の大規模放出も供給不足を部分的に緩和するのに役立つ。
・・・
とはいえ、ウクライナにおけるロシア軍の戦争のやり方や、ロシアによる戦術核兵器の使用を含めたすべての追加的リスクを考え合わせれば、原油価格は今後も下落よりは上昇の可能性が高いと私は懸念している。
原油価格の上昇は、世界経済にとって非常に痛みを伴うものとなるだろう。
・・・
>>>米シェールとOPECも増産に慎重
――アメリカのシェールオイル業界やOPEC(石油輸出国機構)諸国は、原油価格の上昇に対してどのように対応していくでしょうか。
・・・
アメリカの石油業界は活気を取り戻している。
アメリカにおける2022年の原油増産量は日量70万~100万バレルに達する見込みだ。その規模は、世界の他の地域全体を合わせた増産量よりも多い。
政府は今や石油業界に対して増産を奨励しており、この2~3カ月ぐらいで姿勢をガラッと変化させた。
・・・
しかし、アメリカの石油業界は同時に、増産ピッチを速めすぎないように注意深く対応していくだろう。
・・・
彼らは依然として稼いだ資金を投資家に返す必要性に迫られており、利益のすべてを(増産などの)事業拡大のために注ぎ込むことはできない。
それに、原油や天然ガスの生産現場における活動は、サプライチェーン(供給網)の制約によって妨げられている。
・・・
OPECについては、毎月着実に増産していく計画(毎月日量40万バレルずつ増産)を引き続き堅持している。
今のところアラブ湾岸諸国は、アメリカやヨーロッパ諸国の大幅な増産要求に対して前向きに反応していない。
・・・
>>>プーチン“1つの民族論”の嘘
――ロシア軍はウクライナの原子力発電所の一部も攻撃し、占拠しました(チョルノービリ原発からは撤退したが、欧州最大級のザポリージャ原発はなお管理下に置く)。
今後の影響が懸念されます。
・・・・・・・
原発への攻撃は、ロシア軍がいかに無謀で自制心がないかを示している。
そしてロシア軍は情報を十分に与えられていないようだ。
ロシア兵の多くは、ベラルーシに行くのはウクライナへ侵攻するためではなく、軍事訓練のためだと考えていた。
・・・
ロシア軍は指揮がうまく取れておらず、ウクライナ軍によって多大な打撃を受けた。
そしてロシアは民間人の犠牲も構わず、残虐なミサイルや大砲の力を使って反撃してきた。
・・・
プーチン大統領は昨年夏に彼自身が論文で書いたように、ロシア人とウクライナ人を“1つの民族(one people)”と考えているとするならば、ウクライナ国民に対する残忍な戦争行為によって彼の主張が間違いであることが証明されたことになる。
・・・・・・・・
Daniel Yergin 1947年生まれ。米イェール大学卒業、英ケンブリッジ大学で博士号取得。エネルギー問題の権威として米エネルギー省長官の諮問委員会委員などを歴任。著書に『石油の世紀』など。(写真:S&Pグローバル)
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https://toyokeizai.net/articles/-/580647
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今回の、ロシアのプーチンさんの行動は、「キューバ危機」の時の「格好いいケ」の役回りを誰かがしているのではないかという視点でも議論されているように見えます。
しかし、このヤーギン氏は、ウクライナにはロシアからのガスパイプラインが何本も(4本?)通っていてその通貨料金の支払いなどもあるようです、いろんな綾が背後にはあると考えられます。
・・・・
しかし、ここでの話題にはあまりならないようですが、ロシアの経済の半分近くをエネルギーでやっていては「気候危機」対策の「化石燃料使用ゼロ」の結果として、プーチンさんの力が「ロシア財政危機」によって危うくなることへの対策であるという視点もあると思う。
更に、ウクライナという科学技術、東部の工業地帯などが欲しいところのはず。
それを、今爆撃して、メチャメチャにしてしまっている、そんな皮肉をどうしていくことになるか、みんな見張っているところでしょう。
・・・・
ウクライナの皆さんには申し訳ないのですが、もうすぐに、工業社会・石油工業社会は終わるのです。
それよりも、西部の農業地域が本当の価値を持つことになるのです。
その前提で、世界はウクライナを見るだけでなく、自分たちの国・社会を見直す日露があるはずです。
残念ではありますが、「化石燃料使用ゼロ」の議論が同時並行ですすまなければならない。
・・・・
ヤーギンさんの議論には「化石燃料使用ゼロ」の知恵も沢山あるはずです。
この記事には全く出て来ない、記者の責任でもあるのでしょうが、大変残念に思います。
日経としては、「脱炭素社会へ」と頑張っているとPRしている割には、この様な機会にこのような反応では困ります。
もっと、日本・世界のあり様を自身の行動に示してほしいものです、「自社ビルの脱炭素」をすれば良いと考えているのではないでしょう・・。
・・・・
メディアこそ、本気の活動が求められる時です。
過去の戦時報道では、国民や世界中を破滅させてきたのですから、メディア自身の責任をキチンと果たす時です。
・・・
では、草々
2022-4-10
森下克介
Posted by もりかつ at
08:14
│Comments(0)
2022年04月07日
「AR6・WG3報告書」「SPM」が公表された
前略
報告書として「AR6/WG3報告書」のSPM(政策決定者向け要約)が公表されたということです。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーーIPCC 報告書を公表、21世紀中に温暖化が1.5度を超える可能性高いーーーー
2022年04月06日;月刊事業構想 編集部(2022/04/06)、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、第56回総会と同パネル第3作業部会(WG3)第14回会合を2022年3月21日~4月4日にかけてオンライン開催した。
今回の会合で、IPCC第6次評価報告書(AR6)WG3報告書(AR6/WG3報告書)の政策決定者向け要約(SPM)が承認され、公表された。
・・・・
SPMでは、2014年に発表された第5次評価報告書以降の各国の法的・政策的取組により、温室効果ガス(GHG)排出削減のための技術やインフラへの投資が進んだこと、GHG低排出技術の単価が下落し、世界的な普及を支えている、と分析している。
・・・・
ただし、2021年11月の第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)より前に発表された、各国が決定する貢献(NDCs)の実施に関連する2030年の世界全体のGHG排出量では、21世紀中に温暖化が1.5℃を超える可能性が高い見込みであるともした。
温暖化を2℃より低く抑える可能性を高くするためには、2030年以降により強力なGHG排出抑制などの努力が必要になる。
なお、2020年末までに実施されるものを超える政策の強化がなければ、GHG排出量は2025年以降も増加し、2100年までに中央値で3.2 [2.2~3.5]℃の地球温暖化をもたらすと予測している。
・・・・
国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏は4日、報告書の発表に寄せて「私たちは、気候関連災害への最短コースにいます。
私たちは、パリで合意された1.5℃の上限の2倍を超える地球温暖化への道を進んでいます」と、危機的状況を訴えた。
そして、企業や各国政府、すべての人々に再生可能エネルギーへの導入を促すメッセージを発信している。
・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.projectdesign.jp/articles/news/4e8270d7-f354-42d4-8e90-3d6989c99fb1?c=e28fac91b6c18b26-6ff63163d3371394
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
具体的報告書は次に示す通り。
++++++++++++++++++++
ーーーIPCC第6次評価報告書(AR6)WG3報告書(AR6/WG3報告書)の政策決定者向け要約(SPM)ーーー
・・・・・
政策決定者向け要約(SPM)の構成
A:序と枠組み
B:最近の開発と現在のトレンド
C:地球温暖化抑制のためのシステム変革
D:緩和、適応、持続可能な開発の連携
E:対策の強化
・・・・・・・
◼ 本資料では、SPMのヘッドライン・ステートメントのほか、補足となる図の一部の暫定訳を記載しています。
◼ 本資料は、IPCC 第56回総会において承認されたドラフトに基づいた、令和4年4月4日(月)時点の暫定訳であり、今後、IPCCより公表される確定版報告書に基づき修正する可能性があります。
・・・・・
>>>B:最近の開発と現在のトレンド
B.1 人為的な GHGの正味の総排出量は、1850年以降の正味の累積CO2排出量と同様に、2010~2019年の間、増加し続けた。2010~2019年の期間の年間平均GHG排出量は過去のどの10年よりも高かったが、2010~2019年の増加率は2000~2009年の増加率よりも低かった。(確信度が高い)
・・・・
B:最近の開発と現在のトレンド
B.2 正味の人為的な GHG排出量は、2010年以降、全ての主要な部門で世界的に増加している。
排出量のうち、都市域に原因特定しうる割合が増加している。
GDPのエネルギー原単位とエネルギーの炭素原単位の改善による、化石燃料と工業プロセスからのCO2排出量の削減は、産業、エネルギー供給、運輸、農業、及び建物における世界全体の活動レベルの上昇による排出量の増加を下回っている。 (確信度が高い)
B.3 世界全体のGHG排出量に対する地域別の寄与度は引き続き大きく異なっている。
地域や、国の一人当たりの排出量のばらつきは、発展段階の違いを部分的に反映しているが、同じような所得水準でも大きく異なる。
一人当たりの排出量が最も多い上位10%の世帯が、世界全体の家庭部門のGHG排出量に占める割合が不均衡に大きい。
少なくとも18か国が10年より長期にわたってGHG排出量の削減を持続している。(確信度が高い)
・・・・・・・・
>>>E:対策の強化
E.1 短期的に大規模展開が実現可能な緩和のオプションは複数ある。
実現可能性は、部門や地域、能力、及び実施の速度と規模によって異なる。
緩和オプションを広く展開するためには、実現可能性の障壁を削減又は除去し、可能にする条件を強化する必要があるだろう。
これらの障壁と可能にする条件には、地球物理学的、環境生態学的、技術的、経済的な要因があり、特に、制度的要因と社会文化的要因がある。
UNFCCC COP26以前に発表されたNDCsを超える短期的な対策は、オーバーシュートしないまたは限られたオーバーシュートを伴って 1.5℃(>50%)に抑える世界全体のモデル経路における長期的な実現可能性の課題を軽減や回避、もしくはその両方をしうる。(確信度が高い)
E.2 全ての国において、より広範な開発の文脈に組み込まれた緩和努力によって、排出削減の速度、深度、幅を増大させうる(確信度が中程度)。
開発経路を持続可能性に向けて移行させる政策は、利用可能な緩和対策のポートフォリオを拡げ、開発目標とのシナジー の追求を可能にする(確信度が中程度)。
開発経路を移行させ、システム全体にわたる緩和と変革を加速させる行動を、今、取ることができる(確信度が高い)。
E:対策の強化
E.3 気候ガバナンスは、各国の事情に基づき、法律、戦略、制度を通じて行動し、多様な主体が相互に関わる枠組みや、政策策定や実施のための基盤を提供することにより、緩和を支援する(確信度が中程度)。
気候ガバナンスは、それが複数の政策領域にわたって統合し、シナジーの実現とトレードオフの最小化を支援し、国と地方の政策決定レベルを結びつけるときに最も効果的なものとなる(確信度が高い)。
効果的で衡平な気候ガバナンスは、市民社会の主体、政治の主体、ビジネス、若者、労働者、メディア、先住民、地域コミュニティとの積極的な関与の上に成り立つ(確信度が中程度)。
E.4 多くの規制的手段や経済的手段はすでに成功裏に展開されている。
制度の設計は、衡平性やその他の目標に対処するのに役立ちうる。これら制度は、規模を拡大し、より広範に適用すれば、大幅な排出量の削減を支援し、イノベーションを刺激しうる(確信度が高い)。
イノベーションを可能にし、能力を構築する政策パッケージは、個々の政策よりも、衡平な低排出な将来への移行をよりよく支援できる(確信度が高い)。
各国の状況に即した経済全体のパッケージは、排出量を削減し、開発経路を持続可能な方向にシフトさせつつ、短期的な経済目標を達成しうる(確信度が中程度)。
E:対策の強化
E.5 追跡調査された資金の流れは、すべての部門と地域にわたって、緩和目標の達成に必要なレベルに達していない。
その資金ギャップ解消についての課題は、全体として開発途上国で最も大きい。
緩和のための資金フローの拡大は、明確な政策の選択肢と政府および国際社会からのシグナルにより支えられうる。(確信度が高い)
加速された国際的な資金協力は、低GHGと公正な移行を可能にする重要な成功要因であり、資金へのアクセスや、気候変動の影響のコストと脆弱性における不衡平に対処しうる(確信度が高い)。
E.6 国際協力は、野心的な気候変動緩和目標を達成するための極めて重要な成功要因である。
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)、京都議定書、及びパリ協定は、ギャップが残っているものの、各国の野心レベル引き上げを支援し、気候政策の策定と実施を奨励している。
世界規模未満のレベルや部門レベルで実行され多様な主体が参画するパートナーシップ、協定、制度やイニシアチブが出現してきているが、その有効性の程度は様々である。(確信度が高い)
・・・・・・
https://www.env.go.jp/press/files/AR6WG3_SPM.pdf
++++++++++++++++++++
現状は、排出量の増加率は低下しているが、排出は増加している、排出率としてはまだ減少の段階には至っていないということ。
2030年には、GHG排出を半減しなければいけないというのに、まだ増加しているのは大変なことである。
・・・・
世界中が危機感を持てないこと自体がおかしい!!
この「SPM」が、本当の「政策決定者」に読まれていないということであるかもしれない。
文面は具体性がないと言えばそうかもしれないが、その戦略性を理解できないのはおかしい、政策決定者は戦略から、戦術に落とし込むのが「本来の仕事」のはずである。
・・・・
世界中の官僚がみんなポンコツになっているのではないかと思う。
「ロシアの開戦」もその実態を示していると言える。
世界中の「policy maker」が居眠りをしているのではないか????給料ドロボーである。
・・・・
では、草々
2022-4-7
森下克介
報告書として「AR6/WG3報告書」のSPM(政策決定者向け要約)が公表されたということです。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーーIPCC 報告書を公表、21世紀中に温暖化が1.5度を超える可能性高いーーーー
2022年04月06日;月刊事業構想 編集部(2022/04/06)、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、第56回総会と同パネル第3作業部会(WG3)第14回会合を2022年3月21日~4月4日にかけてオンライン開催した。
今回の会合で、IPCC第6次評価報告書(AR6)WG3報告書(AR6/WG3報告書)の政策決定者向け要約(SPM)が承認され、公表された。
・・・・
SPMでは、2014年に発表された第5次評価報告書以降の各国の法的・政策的取組により、温室効果ガス(GHG)排出削減のための技術やインフラへの投資が進んだこと、GHG低排出技術の単価が下落し、世界的な普及を支えている、と分析している。
・・・・
ただし、2021年11月の第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)より前に発表された、各国が決定する貢献(NDCs)の実施に関連する2030年の世界全体のGHG排出量では、21世紀中に温暖化が1.5℃を超える可能性が高い見込みであるともした。
温暖化を2℃より低く抑える可能性を高くするためには、2030年以降により強力なGHG排出抑制などの努力が必要になる。
なお、2020年末までに実施されるものを超える政策の強化がなければ、GHG排出量は2025年以降も増加し、2100年までに中央値で3.2 [2.2~3.5]℃の地球温暖化をもたらすと予測している。
・・・・
国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏は4日、報告書の発表に寄せて「私たちは、気候関連災害への最短コースにいます。
私たちは、パリで合意された1.5℃の上限の2倍を超える地球温暖化への道を進んでいます」と、危機的状況を訴えた。
そして、企業や各国政府、すべての人々に再生可能エネルギーへの導入を促すメッセージを発信している。
・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.projectdesign.jp/articles/news/4e8270d7-f354-42d4-8e90-3d6989c99fb1?c=e28fac91b6c18b26-6ff63163d3371394
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具体的報告書は次に示す通り。
++++++++++++++++++++
ーーーIPCC第6次評価報告書(AR6)WG3報告書(AR6/WG3報告書)の政策決定者向け要約(SPM)ーーー
・・・・・
政策決定者向け要約(SPM)の構成
A:序と枠組み
B:最近の開発と現在のトレンド
C:地球温暖化抑制のためのシステム変革
D:緩和、適応、持続可能な開発の連携
E:対策の強化
・・・・・・・
◼ 本資料では、SPMのヘッドライン・ステートメントのほか、補足となる図の一部の暫定訳を記載しています。
◼ 本資料は、IPCC 第56回総会において承認されたドラフトに基づいた、令和4年4月4日(月)時点の暫定訳であり、今後、IPCCより公表される確定版報告書に基づき修正する可能性があります。
・・・・・
>>>B:最近の開発と現在のトレンド
B.1 人為的な GHGの正味の総排出量は、1850年以降の正味の累積CO2排出量と同様に、2010~2019年の間、増加し続けた。2010~2019年の期間の年間平均GHG排出量は過去のどの10年よりも高かったが、2010~2019年の増加率は2000~2009年の増加率よりも低かった。(確信度が高い)
・・・・
B:最近の開発と現在のトレンド
B.2 正味の人為的な GHG排出量は、2010年以降、全ての主要な部門で世界的に増加している。
排出量のうち、都市域に原因特定しうる割合が増加している。
GDPのエネルギー原単位とエネルギーの炭素原単位の改善による、化石燃料と工業プロセスからのCO2排出量の削減は、産業、エネルギー供給、運輸、農業、及び建物における世界全体の活動レベルの上昇による排出量の増加を下回っている。 (確信度が高い)
B.3 世界全体のGHG排出量に対する地域別の寄与度は引き続き大きく異なっている。
地域や、国の一人当たりの排出量のばらつきは、発展段階の違いを部分的に反映しているが、同じような所得水準でも大きく異なる。
一人当たりの排出量が最も多い上位10%の世帯が、世界全体の家庭部門のGHG排出量に占める割合が不均衡に大きい。
少なくとも18か国が10年より長期にわたってGHG排出量の削減を持続している。(確信度が高い)
・・・・・・・・
>>>E:対策の強化
E.1 短期的に大規模展開が実現可能な緩和のオプションは複数ある。
実現可能性は、部門や地域、能力、及び実施の速度と規模によって異なる。
緩和オプションを広く展開するためには、実現可能性の障壁を削減又は除去し、可能にする条件を強化する必要があるだろう。
これらの障壁と可能にする条件には、地球物理学的、環境生態学的、技術的、経済的な要因があり、特に、制度的要因と社会文化的要因がある。
UNFCCC COP26以前に発表されたNDCsを超える短期的な対策は、オーバーシュートしないまたは限られたオーバーシュートを伴って 1.5℃(>50%)に抑える世界全体のモデル経路における長期的な実現可能性の課題を軽減や回避、もしくはその両方をしうる。(確信度が高い)
E.2 全ての国において、より広範な開発の文脈に組み込まれた緩和努力によって、排出削減の速度、深度、幅を増大させうる(確信度が中程度)。
開発経路を持続可能性に向けて移行させる政策は、利用可能な緩和対策のポートフォリオを拡げ、開発目標とのシナジー の追求を可能にする(確信度が中程度)。
開発経路を移行させ、システム全体にわたる緩和と変革を加速させる行動を、今、取ることができる(確信度が高い)。
E:対策の強化
E.3 気候ガバナンスは、各国の事情に基づき、法律、戦略、制度を通じて行動し、多様な主体が相互に関わる枠組みや、政策策定や実施のための基盤を提供することにより、緩和を支援する(確信度が中程度)。
気候ガバナンスは、それが複数の政策領域にわたって統合し、シナジーの実現とトレードオフの最小化を支援し、国と地方の政策決定レベルを結びつけるときに最も効果的なものとなる(確信度が高い)。
効果的で衡平な気候ガバナンスは、市民社会の主体、政治の主体、ビジネス、若者、労働者、メディア、先住民、地域コミュニティとの積極的な関与の上に成り立つ(確信度が中程度)。
E.4 多くの規制的手段や経済的手段はすでに成功裏に展開されている。
制度の設計は、衡平性やその他の目標に対処するのに役立ちうる。これら制度は、規模を拡大し、より広範に適用すれば、大幅な排出量の削減を支援し、イノベーションを刺激しうる(確信度が高い)。
イノベーションを可能にし、能力を構築する政策パッケージは、個々の政策よりも、衡平な低排出な将来への移行をよりよく支援できる(確信度が高い)。
各国の状況に即した経済全体のパッケージは、排出量を削減し、開発経路を持続可能な方向にシフトさせつつ、短期的な経済目標を達成しうる(確信度が中程度)。
E:対策の強化
E.5 追跡調査された資金の流れは、すべての部門と地域にわたって、緩和目標の達成に必要なレベルに達していない。
その資金ギャップ解消についての課題は、全体として開発途上国で最も大きい。
緩和のための資金フローの拡大は、明確な政策の選択肢と政府および国際社会からのシグナルにより支えられうる。(確信度が高い)
加速された国際的な資金協力は、低GHGと公正な移行を可能にする重要な成功要因であり、資金へのアクセスや、気候変動の影響のコストと脆弱性における不衡平に対処しうる(確信度が高い)。
E.6 国際協力は、野心的な気候変動緩和目標を達成するための極めて重要な成功要因である。
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)、京都議定書、及びパリ協定は、ギャップが残っているものの、各国の野心レベル引き上げを支援し、気候政策の策定と実施を奨励している。
世界規模未満のレベルや部門レベルで実行され多様な主体が参画するパートナーシップ、協定、制度やイニシアチブが出現してきているが、その有効性の程度は様々である。(確信度が高い)
・・・・・・
https://www.env.go.jp/press/files/AR6WG3_SPM.pdf
++++++++++++++++++++
現状は、排出量の増加率は低下しているが、排出は増加している、排出率としてはまだ減少の段階には至っていないということ。
2030年には、GHG排出を半減しなければいけないというのに、まだ増加しているのは大変なことである。
・・・・
世界中が危機感を持てないこと自体がおかしい!!
この「SPM」が、本当の「政策決定者」に読まれていないということであるかもしれない。
文面は具体性がないと言えばそうかもしれないが、その戦略性を理解できないのはおかしい、政策決定者は戦略から、戦術に落とし込むのが「本来の仕事」のはずである。
・・・・
世界中の官僚がみんなポンコツになっているのではないかと思う。
「ロシアの開戦」もその実態を示していると言える。
世界中の「policy maker」が居眠りをしているのではないか????給料ドロボーである。
・・・・
では、草々
2022-4-7
森下克介
Posted by もりかつ at
07:25
│Comments(0)
2022年04月06日
変わるための、マーケティングを
前略
変わろうとしている、企業リスクを管理する会社と、新しい会社のトップの議論である。
・・・
+++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーー「大企業は変われない問題」について考える
川口伸吾氏;東京海上ホールディングス専務執行役員
秋山咲恵氏;起業家;サキコーポレーション、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
データ戦略中核会社、東京海上ディーアール(TdR)を設立し、グループ全体の事業変革に取り組む東京海上ホールディングス。
本当に変われるのか。何が障害となり、その突破口は。
・・・・・・・・・
川口氏秋山さんが起業されたのは1994年でしたね。
・・・
秋山氏世代的にいうと男女雇用機会均等法世代のはしりの方ですが、大学を出て、一度大手コンサルティングファームに就職して、その後に起業することになりました。
・・・
川口氏ほぼ同世代ですね。
「バブル」や「リーマンショック」など、いろいろな経験をさせられました。
そして、またここにきて劇的に世の中が動いています。
・・・
秋山氏まさにそれを受け、東京海上グループも大きく変わろうとされているのですね。
その取り組みの中核を担う会社が昨年立ち上げられたTdRだと伺っています。
ただ、社名を見ても事業内容がよく分からないですね。
・・・
川口氏実は、それが狙いでもあります。
TdRは、東京海上日動リスクコンサルティングを母体にした会社で、ここをグループ全体のデータ戦略の中核拠点にすべく名前を変えたのです。
その際に、デジタル技術によってこれからビジネスが「何でもあり」になることを考慮して、あらゆる可能性を含んだ名前にしました。
・・・
秋山氏私が起業した際も社名で悩みました。
そのとき思ったのが、「こんなことやる会社だな」と勝手に想像されてしまう名前にはしたくないな、ということでした。
同じような思いがあったということですね。
・・・
川口氏いま東京海上グループは、社会課題を解決するデータビジネスの創出という目標を掲げています。
様々なサービスをデジタル化したうえで業容を拡大し、そこに業界の枠を超えて企業や顧客を巻き込んでプラットフォームビジネスを構築する、といったイメージでしょうか。
例えば、社会課題を広く集めるうえで大きなチカラになっているのが東京海上日動火災保険のリアルな顧客接点です。
この会社ではドライブレコーダーを組み合わせた自動車保険を提供していますが、ここで集まるデータに様々な業界のデータを組み合わせて業容を広げる取り組みを進めています。
このような動きがグループ全体に広がるようにリードするのがTdRです。
・・・・
>>>いよいよリスクと対峙するとき
秋山氏ある一線を越えると爆発的に拡大するビジネスになりそうですね。
ただ、ゼロから事業を立ち上げることの難しさは、身をもって痛感しています。
ベンチャーでもそうですから、大企業ならなおさらと思います。
相当大きなチャレンジになりそうです。
・・・
川口氏でも避けては通れません。
グループの柱は保険事業で、そこは比較的安定しています。ですが、ずっとそうではない。
デジタル技術の進化を背景に社会は急速に変化しています。
現状に甘んじていると早晩、お客様や社会のニーズに応えることができなくなり、東京海上グループの存続が危うくなります。
・・・
秋山氏いま存続の危機を意識している経営者の方は多いように思います。
ですが、なかなか変われないで苦しんでおられる。
危機感を組織全体に浸透させるのが難しいということなのかもしれません。
サキコーポレーションの代表時代に、中国の工場を訪問したとき、衝撃を受けたことがありました。
中国が「世界の工場」と呼ばれ始めた頃で設備もまだ洗練されていませんでしたが、現場の方々の意気込みがすごいのです。
「わが手で明るい未来を切り開くぞ」みたいな思いが背中からメラメラ炎のように立ち上がっていました。
そのとき何年か後には、この人たちが世界の製造業の景色を変えるだろうと確信したのですが、実際にその通りになりました。
・・・
川口氏いまの日本で、そこまで強烈な思いを組織全体で共有することは容易ではありません。
・・・
秋山氏さらに言えば、リスクに対する意識でしょうか。
ベンチャー企業の人たちはリスクを取る覚悟をしていますが、大企業には、リスクを避けて安定を求める方が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
・・・
川口氏一定数いるのは確かです。
・・・
>>>武器にもなる「成功体験」
秋山氏特に日本企業は、リスクを取ることに慎重なのではと感じています。
それを痛感したのはリーマンショックのときです。
あのとき、設備投資が一気に止まってサキコーポレーションも窮地に立たされたのですが、まだ景気が回復しないうちに海外のお客様が次々にオーダーを入れてきました。
「今こそが好機だ」とおっしゃって。
でも同じ頃、日本企業は口をそろえておっしゃるのです。
「先行きの見通せない状況で設備投資なんてとてもできない」と。
・・・
川口氏確かに、成功体験が消極姿勢に結びつき、新しい取り組みの足かせになる面はあるでしょう。
ただ、過去を切り離せばよいという話でもないと思っています。
以前、ある新規開発プロジェクトを立ち上げたとき、従来の考え方に縛られないように、あえて保険商品開発を経験していない社員や異業種から中途入社した社員を集めました。
でも、それだけでは、うまくいかなかった。
アイデアはどんどん出てきましたが、それを実行の段階まで持っていくことが難しかったのです。
ここで学んだことは、アイデアを出すことも重要だが、それを事業に落とし込む作業も重要だということです。
・・・
秋山氏成功したからこそ得られた資産を生かすべきということですね。
・・・
川口氏よく見れば東京海上グループにはデータビジネスの領域で新事業を創出するために必要な能力や資産が数多くあります。
例えば、保険事業を支えているアンダーライターと呼ばれる人材です。
彼らは「リスクの目利き」なのですが、容易に手に入る情報を鵜呑みにせず、あらゆる手段でもって物事の本質や真実を見抜く訓練を重ねています。
こうして得た稀有な能力は、新規事業の立ち上げに必要なものだと思っています。
・・・
秋山氏そうした方々をTdRにも配備されているのでしょうか。
・・・
川口氏そうです。
TdRに在籍している高い専門性を備えたコンサルタントには、お客様のニーズに応じたソリューションを作る能力があります。
ここにアンダーライターの慧眼(けいがん)が加われば、異質な領域で新事業を生み出せるようになると考えているのです。
・・・
秋山氏様々な手を打たれていることは分かりました。
残る問題は、先にも触れた組織全体の「マインドセット」でしょうか。
ここで提案です。役員の方々も、スーツをやめてカジュアルスタイルで出社されてはいかがでしょうか。
小さなことですが、「変化」を求める経営陣のメッセージを社内に伝えるには重要だと思うのです。
・・・
川口氏早速、実践してみたいと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/ONB/21/tokiomarine_dR0730/vol07/
++++++++++++++++++++++++++++++++++++
マーケテイング分析には、SWOT分析等多くあるが、ほとんどが近間の世界でしか考えていない様に思えるものばかりである。
・・・・
現在の「気候危機」が示す「大リスク」の「時間軸の長さ」とやるべき「変革の大きさ」をキチンと理解するることが先にあるが、誰も手付かずである、その上での時間の不足をどう切り盛りするかである。
・・・・
それにしても「金儲け資本主義」というフィールド自体を変える必要もあるので、好い加減な話でお茶濁しは止めてもらいたいところです。
正に、維新の時代の「弥太郎」「栄一」などが、どこを見ていたか?キチンと観なければならない。
彼らは、金儲けを前提にしていたわけではない、進行する事業の中で必要性を理解して銀行を創ったが、本来は日本という国を世界という宇宙で如何にすべきかを考えて実行したのである。
・・・
今は、まさに「世界維新」である、人類を含む生態系のあり様を考えると、何をどうするか?である。
「金もうけ資本主義」というウイルスに侵されていてはダメである。
どのように生きるかである、「母親(メスゴリラ)」の思考が必要でしょう。
・・・・
では、草々
2022-4-6
森下克介
変わろうとしている、企業リスクを管理する会社と、新しい会社のトップの議論である。
・・・
+++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーー「大企業は変われない問題」について考える
川口伸吾氏;東京海上ホールディングス専務執行役員
秋山咲恵氏;起業家;サキコーポレーション、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
データ戦略中核会社、東京海上ディーアール(TdR)を設立し、グループ全体の事業変革に取り組む東京海上ホールディングス。
本当に変われるのか。何が障害となり、その突破口は。
・・・・・・・・・
川口氏秋山さんが起業されたのは1994年でしたね。
・・・
秋山氏世代的にいうと男女雇用機会均等法世代のはしりの方ですが、大学を出て、一度大手コンサルティングファームに就職して、その後に起業することになりました。
・・・
川口氏ほぼ同世代ですね。
「バブル」や「リーマンショック」など、いろいろな経験をさせられました。
そして、またここにきて劇的に世の中が動いています。
・・・
秋山氏まさにそれを受け、東京海上グループも大きく変わろうとされているのですね。
その取り組みの中核を担う会社が昨年立ち上げられたTdRだと伺っています。
ただ、社名を見ても事業内容がよく分からないですね。
・・・
川口氏実は、それが狙いでもあります。
TdRは、東京海上日動リスクコンサルティングを母体にした会社で、ここをグループ全体のデータ戦略の中核拠点にすべく名前を変えたのです。
その際に、デジタル技術によってこれからビジネスが「何でもあり」になることを考慮して、あらゆる可能性を含んだ名前にしました。
・・・
秋山氏私が起業した際も社名で悩みました。
そのとき思ったのが、「こんなことやる会社だな」と勝手に想像されてしまう名前にはしたくないな、ということでした。
同じような思いがあったということですね。
・・・
川口氏いま東京海上グループは、社会課題を解決するデータビジネスの創出という目標を掲げています。
様々なサービスをデジタル化したうえで業容を拡大し、そこに業界の枠を超えて企業や顧客を巻き込んでプラットフォームビジネスを構築する、といったイメージでしょうか。
例えば、社会課題を広く集めるうえで大きなチカラになっているのが東京海上日動火災保険のリアルな顧客接点です。
この会社ではドライブレコーダーを組み合わせた自動車保険を提供していますが、ここで集まるデータに様々な業界のデータを組み合わせて業容を広げる取り組みを進めています。
このような動きがグループ全体に広がるようにリードするのがTdRです。
・・・・
>>>いよいよリスクと対峙するとき
秋山氏ある一線を越えると爆発的に拡大するビジネスになりそうですね。
ただ、ゼロから事業を立ち上げることの難しさは、身をもって痛感しています。
ベンチャーでもそうですから、大企業ならなおさらと思います。
相当大きなチャレンジになりそうです。
・・・
川口氏でも避けては通れません。
グループの柱は保険事業で、そこは比較的安定しています。ですが、ずっとそうではない。
デジタル技術の進化を背景に社会は急速に変化しています。
現状に甘んじていると早晩、お客様や社会のニーズに応えることができなくなり、東京海上グループの存続が危うくなります。
・・・
秋山氏いま存続の危機を意識している経営者の方は多いように思います。
ですが、なかなか変われないで苦しんでおられる。
危機感を組織全体に浸透させるのが難しいということなのかもしれません。
サキコーポレーションの代表時代に、中国の工場を訪問したとき、衝撃を受けたことがありました。
中国が「世界の工場」と呼ばれ始めた頃で設備もまだ洗練されていませんでしたが、現場の方々の意気込みがすごいのです。
「わが手で明るい未来を切り開くぞ」みたいな思いが背中からメラメラ炎のように立ち上がっていました。
そのとき何年か後には、この人たちが世界の製造業の景色を変えるだろうと確信したのですが、実際にその通りになりました。
・・・
川口氏いまの日本で、そこまで強烈な思いを組織全体で共有することは容易ではありません。
・・・
秋山氏さらに言えば、リスクに対する意識でしょうか。
ベンチャー企業の人たちはリスクを取る覚悟をしていますが、大企業には、リスクを避けて安定を求める方が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
・・・
川口氏一定数いるのは確かです。
・・・
>>>武器にもなる「成功体験」
秋山氏特に日本企業は、リスクを取ることに慎重なのではと感じています。
それを痛感したのはリーマンショックのときです。
あのとき、設備投資が一気に止まってサキコーポレーションも窮地に立たされたのですが、まだ景気が回復しないうちに海外のお客様が次々にオーダーを入れてきました。
「今こそが好機だ」とおっしゃって。
でも同じ頃、日本企業は口をそろえておっしゃるのです。
「先行きの見通せない状況で設備投資なんてとてもできない」と。
・・・
川口氏確かに、成功体験が消極姿勢に結びつき、新しい取り組みの足かせになる面はあるでしょう。
ただ、過去を切り離せばよいという話でもないと思っています。
以前、ある新規開発プロジェクトを立ち上げたとき、従来の考え方に縛られないように、あえて保険商品開発を経験していない社員や異業種から中途入社した社員を集めました。
でも、それだけでは、うまくいかなかった。
アイデアはどんどん出てきましたが、それを実行の段階まで持っていくことが難しかったのです。
ここで学んだことは、アイデアを出すことも重要だが、それを事業に落とし込む作業も重要だということです。
・・・
秋山氏成功したからこそ得られた資産を生かすべきということですね。
・・・
川口氏よく見れば東京海上グループにはデータビジネスの領域で新事業を創出するために必要な能力や資産が数多くあります。
例えば、保険事業を支えているアンダーライターと呼ばれる人材です。
彼らは「リスクの目利き」なのですが、容易に手に入る情報を鵜呑みにせず、あらゆる手段でもって物事の本質や真実を見抜く訓練を重ねています。
こうして得た稀有な能力は、新規事業の立ち上げに必要なものだと思っています。
・・・
秋山氏そうした方々をTdRにも配備されているのでしょうか。
・・・
川口氏そうです。
TdRに在籍している高い専門性を備えたコンサルタントには、お客様のニーズに応じたソリューションを作る能力があります。
ここにアンダーライターの慧眼(けいがん)が加われば、異質な領域で新事業を生み出せるようになると考えているのです。
・・・
秋山氏様々な手を打たれていることは分かりました。
残る問題は、先にも触れた組織全体の「マインドセット」でしょうか。
ここで提案です。役員の方々も、スーツをやめてカジュアルスタイルで出社されてはいかがでしょうか。
小さなことですが、「変化」を求める経営陣のメッセージを社内に伝えるには重要だと思うのです。
・・・
川口氏早速、実践してみたいと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/ONB/21/tokiomarine_dR0730/vol07/
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マーケテイング分析には、SWOT分析等多くあるが、ほとんどが近間の世界でしか考えていない様に思えるものばかりである。
・・・・
現在の「気候危機」が示す「大リスク」の「時間軸の長さ」とやるべき「変革の大きさ」をキチンと理解するることが先にあるが、誰も手付かずである、その上での時間の不足をどう切り盛りするかである。
・・・・
それにしても「金儲け資本主義」というフィールド自体を変える必要もあるので、好い加減な話でお茶濁しは止めてもらいたいところです。
正に、維新の時代の「弥太郎」「栄一」などが、どこを見ていたか?キチンと観なければならない。
彼らは、金儲けを前提にしていたわけではない、進行する事業の中で必要性を理解して銀行を創ったが、本来は日本という国を世界という宇宙で如何にすべきかを考えて実行したのである。
・・・
今は、まさに「世界維新」である、人類を含む生態系のあり様を考えると、何をどうするか?である。
「金もうけ資本主義」というウイルスに侵されていてはダメである。
どのように生きるかである、「母親(メスゴリラ)」の思考が必要でしょう。
・・・・
では、草々
2022-4-6
森下克介
Posted by もりかつ at
13:38
│Comments(0)
2022年04月06日
「来世はゴリラ」を望む先生
前略
ゴリラ社会から、今の日本(人間社会)を見ると、納得できない、という先生です。
・・・・
ゴリラ社会から見ると、今の「ウクライナ進行」などない、世界大戦もないはずです。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
----ーーー結局はメスに操られているだけ? リーダーのつらさ、ゴリラも一緒ーーーー
2022.4.;河合 薫、日経、
・・・・・・・・・・・・・・・・・
健康社会学者の河合薫氏とニホンザルやゴリラの研究で世界的に有名な総合地球環境学研究所所長の山極壽一氏のオンライン対談「昭和おじさん社会はサルにも劣るのか?」の第3回をお届けします。
・・・・・・
河合薫氏(以下、河合):集団のリーダーとなっているゴリラは、どういう事情でリーダーとして選ばれたのですか。
人間には分からない、何らかの理由があるのですか。
・・・・
山極壽一氏(以下、山極):ゴリラの場合、「リーダーになった途端、リーダーらしくなっていく」ということがあるんです。
ゴリラは人間社会のような大きな集団のリーダーになるわけではなく、率いる集団は、いわば疑似的な家族です。
だからリーダーらしくなるには、まずメスが自分をリーダーと認めて、自分の下にやってくること。
それからメスが自分の子供を産んで、その子供に慕われるようになること。そういう状況になると、めきめきとリーダー的な素質を身に付けます。
・・・
河合:人間が子供を持つと、母親になる、父親になる、というのと似ていますね。
・・・・
山極:面白いのは、体つきまで変わることです。リーダーになると背中にある白銀のような色の毛が目立つようになるし、地面に両腕を立てたときに、前腕部の毛が長くなって、それがばっと立ってかっこよく見えるようになる。
また、後頭部が突出して、まるでヘルメットをかぶったような状態になる。
そして、そもそも態度が全然変わってくるんです。
・・・・
>>>オスがいた方が都合がいい
河合:へ~、すごい! それは家族というか、家族の愛がリーダーの強さを生んでいく、育んでいくというようなことなのですか。
他者の愛によって、自らがどんどん強くなるパワーを、ゴリラは秘めているみたいな。
・・・
山極:そうそう。僕がゴリラから学んだのは、父親というのは「自分は父親だ、自分はリーダーだ」なんて言っても、そうなれるものじゃないということです。
そもそもパートナーから信頼され、子供から父親として慕ってもらって初めて父親らしい行動ができる。
つまり父親とは周囲からつくられるものなんです。
・・・
河合:一方でサルは強いものが、けんかをしてボスになるというなら、昨年、大分市の高崎山自然動物園でメスのボスザルが誕生したのは、強いメスザルが出てきたから、ということですか。
・・・
山極:いや、違います。
ニホンザルの集団は母系社会だから、メスは生涯、集団を離れません。
おばあちゃん、お母さん、娘といった母系のつながりでメス同士が連合を組み、オスを放逐することもあります。
一方で、オスがいてくれた方がいろいろと都合がいいこともある。
だからメスは、オスが序列をつくるのを許しているのです。
・・・・
高崎山のケースは、どういう事情なのかは分かりませんが、ボスだったオスが煩わしくなったんじゃないですか。
オス同士がけんかして、オスの力が弱くなると、メスの連合がオスの連合よりも上になることがあるので。
・・・・
それぞれの“家系”には「メス頭」がいるので、高崎山の場合も、そうしたメス頭がたまたまボスの役割を果たした、ということではないですか。
河合:じゃあ、今まではメスが結託して、オスを手のひらで転がしていたのに、「もう転がすのも面倒くさい。
私がやった方が早いわ」と、ボスになっちゃったという感じですか。
・・・・
山極:ニホンザルのメスは連合しますが、オスはほとんど連合しません。
だからオスは一頭一頭の力によって、順位が決まる。
多くのメスが味方をすれば、そのオスは自分の力を増すことができるので、ボスにもなれます。
・・・
河合:ということは、形は違うにせよ、男は結局、女に操られているということですか。
・・・・・・・・
山極:そこまで言い切ると問題があるかもしれませんが、僕もそう思っています(笑)。
オスが力を発揮するのも、オスがどういう連合を組むのかも、実はメスの意向を反映しているのじゃないかと。
・・・・
河合:人間社会でも、「うちの家庭は女房に財布のひもを握られている」とか言いながら、うれしそうな男性って少なくないような気がします。
でも全体で見れば、男社会が続いているし、研究者も女性は非常に少ない。
女性の選択肢は、男社会に同化するか、屈辱に耐えるか、あるいは排除されるかです。
結局、紅一点主義では何も変わらない。
せめて男6:女4の比率にならない限り、男も女も関係なく、人が活躍するのは難しい。
ということでサル社会、ゴリラ社会では、人間のような性役割はもともとないという理解でよろしいですか。
・・・・
>>>人間の多様性は遺伝的多様性ではない
山極:そこまでは言えないですね。サルでも、類人猿でも、オスはメスより体が大きいから、オスは“武力”を持っている。
だから集団同士が衝突したらオスが活躍するし、オス同士が反目して、血みどろの戦いを演じることもある。
でもメス同士や、オスとメスとでは、そういうことは起きない。
社会をどうつくるかということと、オスの暴力をどうやって抑えるかということは関連があるんです。
・・・・
例えばゴリラだと、1頭のオスが複数のメスと一夫多妻的な社会をつくりますが、チンパンジーは複数のオスと複数のメスとが混在して社会をつくる。
一方で人間は「自分の家族」と、複数の家族からなる「共同体」という二重構造に社会の原型がある。
だからサル、類人猿、人間はそれぞれ社会のつくり方が違うんです。
・・・
河合:ここ数年、多様性という言葉が頻繁に使われますが、人は十人十色だから、世界は常に多様だと私は思っています。
髪の毛の色が違おうと、目の色の違おうと、言葉が違おうと、自分と同じただの人。
なのに、その違いに序列ができてしまった。だから自分と違う人を許容できない。
・・・・
多様性という言葉は、その序列社会のモチーフでしかないと私は考えていますが、ゴリラやチンパンジー、サルの社会というのは、そういう意味での多様性はあるのですか。
・・・
山極:多様性はもちろんあります。
集団の大きさがそれぞれ違ったり、集団の構成が違ったりする。
しかも、集団内のゴリラやチンパンジーは、おのおのが個性的です。
人間よりもずっと個性的という場合もある。
・・・・
河合:個性的とは、おのおのの性格が違うということですか。
・・・・
山極:その通りです。
ただ人間は姿形がおのおの違う。
髪の毛の色が違ったり、肌の色が違ったり、顔の形が違ったりと、バリエーションに富んでいる。
それは最近いわれる「自己家畜化」という現象と似ていると指摘されています。
・・・
河合:自己家畜化ですか。
・・・・
山極:実は人間は遺伝的には多様性がすごく低い。
チンパンジーはアフリカにわずか40万から50万頭しか住んでいませんが、78億人いる人間の10倍に相当する遺伝的多様性を持っています。
・・・・
人間は非常に小さい集団から出発しました。
エチオピアにいた頃のホモ・サピエンスは5000人ぐらいしかいなかった。
それがだんだんと世界に広がって、人口を増やした。
しかし、もともとの遺伝的なストックが小さかったから、遺伝的多様性は小さいままですが、外見は、すごく多様になった。
・・・・
河合:なぜ外見だけ多様になったのですか。
・・・・
山極:(家畜化された)猫や犬と一緒ですよ。
犬はセントバーナードからチンまで、姿形、大きさが違うのがたくさんいますね。
でもそれは品種(の違い)ですから(動物分類学上の区分では)亜種よりも違いは小さい。
・・・・
人間も外見的にはすごく多様です。
これは人間が繁殖能力をコントロールしたからともいわれますが、それだけじゃない。
要するに、おとなしい性質を持った個体を選んで“繁殖”した結果、家畜化的な現象が現れて、外見が多様化したということです。
・・・・
河合:犬の場合は、人間が好みの犬だけを選んで繁殖させたから、姿形が変わったということですか。
・・・・
山極:ええ、体にぶちがあるとか、耳が垂れているとか、顔が退縮してキバが短くなるとか、繁殖させているうちに、そういう現象が現れた。人間も、犬や猫を家畜化したのと同じような家畜化を自らにしたという仮説があります。
僕はある程度、正しいと思っています。
そもそも人間の多様性というのは、遺伝的多様性ではない。
姿形の多様性です。
・・・
河合:ちょっと方向が違う話かもしれませんが、海外に長く住んでいると、現地の人に近い雰囲気に、外見を含めてなっていきますね。
私も子供のときの自分の写真を見るとすごくエキゾチックで、その後はだんだんと薄れてきたんですけど。
・・・
山極:そういう外見の変化が、人間の創造性を生んだとも言えます。
僕は人間が社会生活をする上で、3つの自由があると思っています。動く自由、集まる自由、語る自由です。
・・・
人間の創造性は、異なる人たちが出会って、新しいことに気付くことによって生まれる。
出会いがなければ気付きも生まれない。
だから、新型コロナウイルス禍で巣ごもりをして、誰とも会わなかったら創造性はゼロになってしまう。
情報には出合えるかもしれないですが。
・・・
河合:情報は役に立つけれど、心は温まらない。
人との出会いによって初めて心に熱が宿ります。
ちょっと話が飛躍しますが、2021年のノーベル物理学賞を受賞された眞鍋淑郎先生が、「日本は、もっと好奇心を大切にしなきゃならん」と。
「やりたいと思ったことができる社会をつくらなくちゃだめだ」とおっしゃっていて、私はすごく共感しました。
・・・・
私が教えている学生たちに「やりたいことをやれ」と言ったら「やっていいんですか」と逆に質問されるんです。
彼らが言うには「やりたい!」と言うと、「それは就活(就職活動)に役立つのか」とか「社会人になって役立つのか」などと言われると。
眞鍋先生のお話も、これに通じるのではないでしょうか。
・・・・
日本人は、肌や髪の色が似ていることで、社会が同質的になった。
安心はできるけれど、“異物”を排除する息苦しい社会です。
一方で欧米は、肌も髪の色も違って当たり前。
みんな違うのが当たり前の社会です。
・・・・
でも自分と違う人に出会い、創造性を高めるのは、ある意味、人間の本能で、優秀な人たちが海外に出ていくのは、その本能によって創造性を求めての行動かもしれないなぁと。
・・・・
>>>共助の精神で助け合う社会を
山極:そうでしょうね。今、日本の大学は、好奇心に基づいた研究ができなくなっている。
デジタル化社会も要因の1つです。
何でも工業製品化して、同じ値段のものは同じ品質を持ちなさいというように誘導される。
・・・
人間はそれぞれが違うからこそ、様々な発想が生まれるのに、今は無意識のうちに、世界のプラットフォーマーに情報などを握られている。
そして「この情報は、自分で選んだ」と思い込んでいる。
そういう社会に生きているという自覚が日本人には足りない。
・・・・
河合:自覚がないから、ますます同質性が高まるのですね。
・・・・
山極:本来、大学はそうした状況を打破して、それぞれが違うことを考え、違うことをする場所です。
大学は壮大な実験場なのだから、失敗したっていい。
まず自分が好きなことをやってみる。
それを仲間にぶつけてみる。
そこに新しい発見、発展があるという状況を期待しなければ、イノベーションは生まれません。
・・・
河合:くしくも菅(義偉)政権のときに日本学術会議の任命拒否問題が起きました。
アカデミズムと国、政治との関係性というか、政府側が研究というものに対して敬意が足りないことが、一番の問題のように思います。
・・・
山極:あれは「政府の方針に沿わない科学や思想は排除する」という政府の方針ゆえの問題です。
ただ、それが決して菅さんの口から発せられることはなかった。
「言わなくてもお前たち分かれよ」と。
「忖度(そんたく)せえ」というわけです。
・・・
河合:学問に忖度なんてないですよね。
・・・
山極:科学者が忖度し始めたら終わりです。
科学はまさに多様でいいわけで、多様な研究をベースに、我々の未来をきちんとデザインすることが、政治の役割です。
科学者と政治家とは対立し合うところもあるけれど、大局的に見れば、協力して未来をつくる役割であることに変わりはない。
それを見失って、「政治家の思う通りに動かないと振り落としますよ」という態度では、未来をつくれません。
・・・
河合:先生は世界の大学をいろいろご存じだと思いますが、政府が学問というか、大学を押さえ付けたり、「俺が言ったことをやっておけ」みたいな関係性があったりする国は、他にもあるのですか。
・・・
山極:中国の国立大学では共産党員が学長のそばに立って、「本学は国家の方針に従います」と宣言させたりしています。
すごい独裁国家ですよ、そういう意味では。
・・・
河合:米国では、ないのですか。
・・・
山極:米国は、州立などより、私立大学が優勢です。
私立大学には建学の精神があり、なおかつ独自に動かせる資金がある。
例えば、米ハーバード大学は4兆から5兆円ぐらいの資産を持っていて、その資産が生む利益で大学を経営しています。
資産の1割で5000億円くらいになるわけで、日本の大学とは全然違います。
・・・
河合:日本の大学は、使えるお金がどんどん減っていますね。
・・・
山極:日本は(独立行政法人に交付する)運営費交付金という国の税金が大学運営に使われていて、地方大学だと半分以上が交付金です。
「お金を交付するんだから、国の意向に従え」ということがまかり通っています。
ここから脱するには私立大学化するしかないわけですが、そう簡単に私立大学にはなれません。
・・・
ドイツや英国もほとんどが国立や州立ですが、大学の自立性は明らかで、国の方針に従わされることはありません。
もちろん将来の運営、研究の計画を提示して、審査されてお金が交付されるのは日本と同じですが、「国がこういう方針だから、それに従え」なんていうことは一切ない。
・・・
日本はどんどん中国やロシア的になっている気がします。
民主主義の国とは思えないほど、国の統制が強まっている。
でも、今度の新型コロナウイルス対策では大失敗をしています。
例えば10万円の給付といった形で、経済的に困窮している家庭に一律にお金を配ろうとした。
困窮の仕方は地域によって違うのに、政府は一律に10万円を配ることしか思いつかない。
これは政治の怠慢です。
・・・
地域の事情を知っているのは村長であり、町長であり、市長であり、知事なんだから、そういう人たちの采配に任せて、地域の事情に合ったお金の使い方をすべきです。
・・・
国立大学も、お金を鼻先にぶら下げて競争させればいい大学になるかといえば、違います。
それぞれの地域、大学の個性によって、改革の仕方も未来の開き方も違っていい。
そうした違いを無視して一律に中央の意向に従わせようとしている。
日本学術会議がいい例ですが、これは大きな失敗だと思います。
・・・
河合:今の日本に風穴を開けるには多様性が必要です。
男性、女性、外国人が3:3:3くらいになれば、あるいは男女を半々にするだけでも、社会は変わるのではないかと。
・・・
山極:男女の共同参画については、子育てが母親任せになっていることが問題です。
子供は両親に共同で子育てをしてもらうように生まれついているし、人間の社会も共同で子育てをするようにできている。それなのにお金を配って母親の境遇を改善するというだけでは、社会はよくならない。
出生率が上がるような状況にはなりません。
共助の精神で助け合う社会をどうつくるかが、我々の課題です。
・・・・
河合:山極先生、最後の質問です。
もう一度生まれるとしたら、人間になりたいか、ゴリラになりたいか、どっちですか。
・・・
山極:まあ、ゴリラですね。
人間はちょっと複雑になり過ぎて疲れる。
ゴリラの方がシンプルでいい(笑)。
・・・
河合:ありがとうございました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00185/
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「」霊長類の一種の人間は、ゴリラと親戚です。
「ヒト科」から「ゴリラ」と「チンパンジー」と別れて「人」になったということです。
・・・・
そんなゴリラの社会は、判りやすいようです。しかし人間の社会の医療や倫理などがないので、長い歴史の中では、適者生存の作用によって、今の自分が存在しているとおは思えませんが、その生態の基本は面白い。
・・・・
やはり武器等の凶器を発明して、男社会になってしまったので、人間が今も残っているかもしれませんが、今でも同じ遺伝的規範が働いているので、ウクライナ戦争が起こってしまう、宗教も同じ男社会の産物(女性を全く理解していない)である。
・・・・
そこで、ここでも言われていますが、全部の「群れ」という社会の運営管理を女性にすることがっ必要でしょう。
戦争なんてない!人口問題は女性が考える、衣食住の基本は女性が考え運用する。
男は蜂の世界の雄バチと同様で、あとは労働力として社会に参加するのみでOK.
・・・
EUの女性活躍も、男社会に女性が入っているだけなので、フォークランド紛争は男の戦争に同調しただけ。
兎に角、今の「気候危機」をjっ余生がキチンと理解したら、やることは一目瞭然である。
「化石燃料使用ゼロ」「地球全緑化」へまい進するはず。
・・・・
それが、「ヒトの群れ」の生存戦略だから。
・・・・
では、草々
2022-4-6
森下克介
ゴリラ社会から、今の日本(人間社会)を見ると、納得できない、という先生です。
・・・・
ゴリラ社会から見ると、今の「ウクライナ進行」などない、世界大戦もないはずです。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
----ーーー結局はメスに操られているだけ? リーダーのつらさ、ゴリラも一緒ーーーー
2022.4.;河合 薫、日経、
・・・・・・・・・・・・・・・・・
健康社会学者の河合薫氏とニホンザルやゴリラの研究で世界的に有名な総合地球環境学研究所所長の山極壽一氏のオンライン対談「昭和おじさん社会はサルにも劣るのか?」の第3回をお届けします。
・・・・・・
河合薫氏(以下、河合):集団のリーダーとなっているゴリラは、どういう事情でリーダーとして選ばれたのですか。
人間には分からない、何らかの理由があるのですか。
・・・・
山極壽一氏(以下、山極):ゴリラの場合、「リーダーになった途端、リーダーらしくなっていく」ということがあるんです。
ゴリラは人間社会のような大きな集団のリーダーになるわけではなく、率いる集団は、いわば疑似的な家族です。
だからリーダーらしくなるには、まずメスが自分をリーダーと認めて、自分の下にやってくること。
それからメスが自分の子供を産んで、その子供に慕われるようになること。そういう状況になると、めきめきとリーダー的な素質を身に付けます。
・・・
河合:人間が子供を持つと、母親になる、父親になる、というのと似ていますね。
・・・・
山極:面白いのは、体つきまで変わることです。リーダーになると背中にある白銀のような色の毛が目立つようになるし、地面に両腕を立てたときに、前腕部の毛が長くなって、それがばっと立ってかっこよく見えるようになる。
また、後頭部が突出して、まるでヘルメットをかぶったような状態になる。
そして、そもそも態度が全然変わってくるんです。
・・・・
>>>オスがいた方が都合がいい
河合:へ~、すごい! それは家族というか、家族の愛がリーダーの強さを生んでいく、育んでいくというようなことなのですか。
他者の愛によって、自らがどんどん強くなるパワーを、ゴリラは秘めているみたいな。
・・・
山極:そうそう。僕がゴリラから学んだのは、父親というのは「自分は父親だ、自分はリーダーだ」なんて言っても、そうなれるものじゃないということです。
そもそもパートナーから信頼され、子供から父親として慕ってもらって初めて父親らしい行動ができる。
つまり父親とは周囲からつくられるものなんです。
・・・
河合:一方でサルは強いものが、けんかをしてボスになるというなら、昨年、大分市の高崎山自然動物園でメスのボスザルが誕生したのは、強いメスザルが出てきたから、ということですか。
・・・
山極:いや、違います。
ニホンザルの集団は母系社会だから、メスは生涯、集団を離れません。
おばあちゃん、お母さん、娘といった母系のつながりでメス同士が連合を組み、オスを放逐することもあります。
一方で、オスがいてくれた方がいろいろと都合がいいこともある。
だからメスは、オスが序列をつくるのを許しているのです。
・・・・
高崎山のケースは、どういう事情なのかは分かりませんが、ボスだったオスが煩わしくなったんじゃないですか。
オス同士がけんかして、オスの力が弱くなると、メスの連合がオスの連合よりも上になることがあるので。
・・・・
それぞれの“家系”には「メス頭」がいるので、高崎山の場合も、そうしたメス頭がたまたまボスの役割を果たした、ということではないですか。
河合:じゃあ、今まではメスが結託して、オスを手のひらで転がしていたのに、「もう転がすのも面倒くさい。
私がやった方が早いわ」と、ボスになっちゃったという感じですか。
・・・・
山極:ニホンザルのメスは連合しますが、オスはほとんど連合しません。
だからオスは一頭一頭の力によって、順位が決まる。
多くのメスが味方をすれば、そのオスは自分の力を増すことができるので、ボスにもなれます。
・・・
河合:ということは、形は違うにせよ、男は結局、女に操られているということですか。
・・・・・・・・
山極:そこまで言い切ると問題があるかもしれませんが、僕もそう思っています(笑)。
オスが力を発揮するのも、オスがどういう連合を組むのかも、実はメスの意向を反映しているのじゃないかと。
・・・・
河合:人間社会でも、「うちの家庭は女房に財布のひもを握られている」とか言いながら、うれしそうな男性って少なくないような気がします。
でも全体で見れば、男社会が続いているし、研究者も女性は非常に少ない。
女性の選択肢は、男社会に同化するか、屈辱に耐えるか、あるいは排除されるかです。
結局、紅一点主義では何も変わらない。
せめて男6:女4の比率にならない限り、男も女も関係なく、人が活躍するのは難しい。
ということでサル社会、ゴリラ社会では、人間のような性役割はもともとないという理解でよろしいですか。
・・・・
>>>人間の多様性は遺伝的多様性ではない
山極:そこまでは言えないですね。サルでも、類人猿でも、オスはメスより体が大きいから、オスは“武力”を持っている。
だから集団同士が衝突したらオスが活躍するし、オス同士が反目して、血みどろの戦いを演じることもある。
でもメス同士や、オスとメスとでは、そういうことは起きない。
社会をどうつくるかということと、オスの暴力をどうやって抑えるかということは関連があるんです。
・・・・
例えばゴリラだと、1頭のオスが複数のメスと一夫多妻的な社会をつくりますが、チンパンジーは複数のオスと複数のメスとが混在して社会をつくる。
一方で人間は「自分の家族」と、複数の家族からなる「共同体」という二重構造に社会の原型がある。
だからサル、類人猿、人間はそれぞれ社会のつくり方が違うんです。
・・・
河合:ここ数年、多様性という言葉が頻繁に使われますが、人は十人十色だから、世界は常に多様だと私は思っています。
髪の毛の色が違おうと、目の色の違おうと、言葉が違おうと、自分と同じただの人。
なのに、その違いに序列ができてしまった。だから自分と違う人を許容できない。
・・・・
多様性という言葉は、その序列社会のモチーフでしかないと私は考えていますが、ゴリラやチンパンジー、サルの社会というのは、そういう意味での多様性はあるのですか。
・・・
山極:多様性はもちろんあります。
集団の大きさがそれぞれ違ったり、集団の構成が違ったりする。
しかも、集団内のゴリラやチンパンジーは、おのおのが個性的です。
人間よりもずっと個性的という場合もある。
・・・・
河合:個性的とは、おのおのの性格が違うということですか。
・・・・
山極:その通りです。
ただ人間は姿形がおのおの違う。
髪の毛の色が違ったり、肌の色が違ったり、顔の形が違ったりと、バリエーションに富んでいる。
それは最近いわれる「自己家畜化」という現象と似ていると指摘されています。
・・・
河合:自己家畜化ですか。
・・・・
山極:実は人間は遺伝的には多様性がすごく低い。
チンパンジーはアフリカにわずか40万から50万頭しか住んでいませんが、78億人いる人間の10倍に相当する遺伝的多様性を持っています。
・・・・
人間は非常に小さい集団から出発しました。
エチオピアにいた頃のホモ・サピエンスは5000人ぐらいしかいなかった。
それがだんだんと世界に広がって、人口を増やした。
しかし、もともとの遺伝的なストックが小さかったから、遺伝的多様性は小さいままですが、外見は、すごく多様になった。
・・・・
河合:なぜ外見だけ多様になったのですか。
・・・・
山極:(家畜化された)猫や犬と一緒ですよ。
犬はセントバーナードからチンまで、姿形、大きさが違うのがたくさんいますね。
でもそれは品種(の違い)ですから(動物分類学上の区分では)亜種よりも違いは小さい。
・・・・
人間も外見的にはすごく多様です。
これは人間が繁殖能力をコントロールしたからともいわれますが、それだけじゃない。
要するに、おとなしい性質を持った個体を選んで“繁殖”した結果、家畜化的な現象が現れて、外見が多様化したということです。
・・・・
河合:犬の場合は、人間が好みの犬だけを選んで繁殖させたから、姿形が変わったということですか。
・・・・
山極:ええ、体にぶちがあるとか、耳が垂れているとか、顔が退縮してキバが短くなるとか、繁殖させているうちに、そういう現象が現れた。人間も、犬や猫を家畜化したのと同じような家畜化を自らにしたという仮説があります。
僕はある程度、正しいと思っています。
そもそも人間の多様性というのは、遺伝的多様性ではない。
姿形の多様性です。
・・・
河合:ちょっと方向が違う話かもしれませんが、海外に長く住んでいると、現地の人に近い雰囲気に、外見を含めてなっていきますね。
私も子供のときの自分の写真を見るとすごくエキゾチックで、その後はだんだんと薄れてきたんですけど。
・・・
山極:そういう外見の変化が、人間の創造性を生んだとも言えます。
僕は人間が社会生活をする上で、3つの自由があると思っています。動く自由、集まる自由、語る自由です。
・・・
人間の創造性は、異なる人たちが出会って、新しいことに気付くことによって生まれる。
出会いがなければ気付きも生まれない。
だから、新型コロナウイルス禍で巣ごもりをして、誰とも会わなかったら創造性はゼロになってしまう。
情報には出合えるかもしれないですが。
・・・
河合:情報は役に立つけれど、心は温まらない。
人との出会いによって初めて心に熱が宿ります。
ちょっと話が飛躍しますが、2021年のノーベル物理学賞を受賞された眞鍋淑郎先生が、「日本は、もっと好奇心を大切にしなきゃならん」と。
「やりたいと思ったことができる社会をつくらなくちゃだめだ」とおっしゃっていて、私はすごく共感しました。
・・・・
私が教えている学生たちに「やりたいことをやれ」と言ったら「やっていいんですか」と逆に質問されるんです。
彼らが言うには「やりたい!」と言うと、「それは就活(就職活動)に役立つのか」とか「社会人になって役立つのか」などと言われると。
眞鍋先生のお話も、これに通じるのではないでしょうか。
・・・・
日本人は、肌や髪の色が似ていることで、社会が同質的になった。
安心はできるけれど、“異物”を排除する息苦しい社会です。
一方で欧米は、肌も髪の色も違って当たり前。
みんな違うのが当たり前の社会です。
・・・・
でも自分と違う人に出会い、創造性を高めるのは、ある意味、人間の本能で、優秀な人たちが海外に出ていくのは、その本能によって創造性を求めての行動かもしれないなぁと。
・・・・
>>>共助の精神で助け合う社会を
山極:そうでしょうね。今、日本の大学は、好奇心に基づいた研究ができなくなっている。
デジタル化社会も要因の1つです。
何でも工業製品化して、同じ値段のものは同じ品質を持ちなさいというように誘導される。
・・・
人間はそれぞれが違うからこそ、様々な発想が生まれるのに、今は無意識のうちに、世界のプラットフォーマーに情報などを握られている。
そして「この情報は、自分で選んだ」と思い込んでいる。
そういう社会に生きているという自覚が日本人には足りない。
・・・・
河合:自覚がないから、ますます同質性が高まるのですね。
・・・・
山極:本来、大学はそうした状況を打破して、それぞれが違うことを考え、違うことをする場所です。
大学は壮大な実験場なのだから、失敗したっていい。
まず自分が好きなことをやってみる。
それを仲間にぶつけてみる。
そこに新しい発見、発展があるという状況を期待しなければ、イノベーションは生まれません。
・・・
河合:くしくも菅(義偉)政権のときに日本学術会議の任命拒否問題が起きました。
アカデミズムと国、政治との関係性というか、政府側が研究というものに対して敬意が足りないことが、一番の問題のように思います。
・・・
山極:あれは「政府の方針に沿わない科学や思想は排除する」という政府の方針ゆえの問題です。
ただ、それが決して菅さんの口から発せられることはなかった。
「言わなくてもお前たち分かれよ」と。
「忖度(そんたく)せえ」というわけです。
・・・
河合:学問に忖度なんてないですよね。
・・・
山極:科学者が忖度し始めたら終わりです。
科学はまさに多様でいいわけで、多様な研究をベースに、我々の未来をきちんとデザインすることが、政治の役割です。
科学者と政治家とは対立し合うところもあるけれど、大局的に見れば、協力して未来をつくる役割であることに変わりはない。
それを見失って、「政治家の思う通りに動かないと振り落としますよ」という態度では、未来をつくれません。
・・・
河合:先生は世界の大学をいろいろご存じだと思いますが、政府が学問というか、大学を押さえ付けたり、「俺が言ったことをやっておけ」みたいな関係性があったりする国は、他にもあるのですか。
・・・
山極:中国の国立大学では共産党員が学長のそばに立って、「本学は国家の方針に従います」と宣言させたりしています。
すごい独裁国家ですよ、そういう意味では。
・・・
河合:米国では、ないのですか。
・・・
山極:米国は、州立などより、私立大学が優勢です。
私立大学には建学の精神があり、なおかつ独自に動かせる資金がある。
例えば、米ハーバード大学は4兆から5兆円ぐらいの資産を持っていて、その資産が生む利益で大学を経営しています。
資産の1割で5000億円くらいになるわけで、日本の大学とは全然違います。
・・・
河合:日本の大学は、使えるお金がどんどん減っていますね。
・・・
山極:日本は(独立行政法人に交付する)運営費交付金という国の税金が大学運営に使われていて、地方大学だと半分以上が交付金です。
「お金を交付するんだから、国の意向に従え」ということがまかり通っています。
ここから脱するには私立大学化するしかないわけですが、そう簡単に私立大学にはなれません。
・・・
ドイツや英国もほとんどが国立や州立ですが、大学の自立性は明らかで、国の方針に従わされることはありません。
もちろん将来の運営、研究の計画を提示して、審査されてお金が交付されるのは日本と同じですが、「国がこういう方針だから、それに従え」なんていうことは一切ない。
・・・
日本はどんどん中国やロシア的になっている気がします。
民主主義の国とは思えないほど、国の統制が強まっている。
でも、今度の新型コロナウイルス対策では大失敗をしています。
例えば10万円の給付といった形で、経済的に困窮している家庭に一律にお金を配ろうとした。
困窮の仕方は地域によって違うのに、政府は一律に10万円を配ることしか思いつかない。
これは政治の怠慢です。
・・・
地域の事情を知っているのは村長であり、町長であり、市長であり、知事なんだから、そういう人たちの采配に任せて、地域の事情に合ったお金の使い方をすべきです。
・・・
国立大学も、お金を鼻先にぶら下げて競争させればいい大学になるかといえば、違います。
それぞれの地域、大学の個性によって、改革の仕方も未来の開き方も違っていい。
そうした違いを無視して一律に中央の意向に従わせようとしている。
日本学術会議がいい例ですが、これは大きな失敗だと思います。
・・・
河合:今の日本に風穴を開けるには多様性が必要です。
男性、女性、外国人が3:3:3くらいになれば、あるいは男女を半々にするだけでも、社会は変わるのではないかと。
・・・
山極:男女の共同参画については、子育てが母親任せになっていることが問題です。
子供は両親に共同で子育てをしてもらうように生まれついているし、人間の社会も共同で子育てをするようにできている。それなのにお金を配って母親の境遇を改善するというだけでは、社会はよくならない。
出生率が上がるような状況にはなりません。
共助の精神で助け合う社会をどうつくるかが、我々の課題です。
・・・・
河合:山極先生、最後の質問です。
もう一度生まれるとしたら、人間になりたいか、ゴリラになりたいか、どっちですか。
・・・
山極:まあ、ゴリラですね。
人間はちょっと複雑になり過ぎて疲れる。
ゴリラの方がシンプルでいい(笑)。
・・・
河合:ありがとうございました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00185/
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「」霊長類の一種の人間は、ゴリラと親戚です。
「ヒト科」から「ゴリラ」と「チンパンジー」と別れて「人」になったということです。
・・・・
そんなゴリラの社会は、判りやすいようです。しかし人間の社会の医療や倫理などがないので、長い歴史の中では、適者生存の作用によって、今の自分が存在しているとおは思えませんが、その生態の基本は面白い。
・・・・
やはり武器等の凶器を発明して、男社会になってしまったので、人間が今も残っているかもしれませんが、今でも同じ遺伝的規範が働いているので、ウクライナ戦争が起こってしまう、宗教も同じ男社会の産物(女性を全く理解していない)である。
・・・・
そこで、ここでも言われていますが、全部の「群れ」という社会の運営管理を女性にすることがっ必要でしょう。
戦争なんてない!人口問題は女性が考える、衣食住の基本は女性が考え運用する。
男は蜂の世界の雄バチと同様で、あとは労働力として社会に参加するのみでOK.
・・・
EUの女性活躍も、男社会に女性が入っているだけなので、フォークランド紛争は男の戦争に同調しただけ。
兎に角、今の「気候危機」をjっ余生がキチンと理解したら、やることは一目瞭然である。
「化石燃料使用ゼロ」「地球全緑化」へまい進するはず。
・・・・
それが、「ヒトの群れ」の生存戦略だから。
・・・・
では、草々
2022-4-6
森下克介
Posted by もりかつ at
11:20
│Comments(0)
2022年04月06日
AR6(IPCC第6次評価書)の「WG3」(気候変動緩和策)報告書の話題
前略
国内のIPCC識者・執筆者の皆さんの発言である。
いま一つ、話の中身が見えない、ここで言われるようなことで2030年にGHG排出半減が出来るのだろうか???
・・・・
既存技術でやれることとは何だろうか??
例えば、電気使用量を半分にする!という場合だけを考えても、私には難しい、ガソリン使用料を半減すると言われても田舎での暮らしには難しい・・・・。
・・・・
国としてしての司令塔がない、どうしてないのか?発言者にはその責任の一端があるのではないか?
嘗ての小泉環境大臣が司令塔だったかもしれないが、今の司令塔はどこにいるのだろうか?
・・・・・
資金があれば可能なのか??
資金の使い道が違うというのだろうか??
殆ど私には見えない・・・。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
----ーーー「既存技術で温暖化ガス大幅削減を」、IPCC識者に聞く ーーーーーー
2022年4月5日、日経、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4日に公表した国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書を執筆した有識者3氏が5日、報道各社の合同インタビューに応じた。
既存の技術を活用した温暖化ガスの大幅な排出削減は可能といった声が聞かれた。
・・・・・・
>>>▼国立環境研究所社会システム領域長の増井利彦氏「石炭火力は早期廃止を」
>>国立環境研究所の増井氏
今回の報告書は現状の脱炭素の取り組みが、世界の気温上昇を1.5度以内に抑えるのに不十分だと評価した。
2025年から温暖化ガスの排出量を減少に転じさせ、30年までに大幅に削減する必要がある。
太陽光発電や電気自動車(EV)は安価になっている。
今後のイノベーションに頼らずとも、今ある技術を組み合わせれば大幅な排出削減は可能だ。
排出量は累積で気温上昇に効いてくる。
すぐに減らすことが重要だ。
・・・・
排出が多い石炭火力発電所はすぐにでも廃止すべきだ。
報告書は既設や計画中の火力発電所などを使い続けるだけで、1.5度目標で許される排出量の上限を超えると評価した。
政府が30年以降も使い続ける方針を変えなければ、座礁資産が相当出てくるはずだ。
議論を先延ばしせず、50年に排出を実質ゼロにする目標に向けた脱石炭計画をえがく必要がある。
・・・・
日本に気候変動政策を担う司令塔がいないのが大きな問題点だ。
各省庁の政策がバラバラで統合的な動きがとりにくい。
ゴールを共有し、効率的に役割分担するためには司令塔の機能が欠かせない。
・・・・
>>>▼森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員の森田香菜子氏「ガソリン補助金は妨げ」
>>森林研究・整備機構森林総合研究所の森田氏
脱炭素社会に向けた投資が足りていない。
報告書は気温上昇を1.5度や2度に抑えるために必要な投資を、現在の水準の3~6倍と評価した。
お金自体はあるが、脱炭素に向いていない。
官民の資金の流れを低炭素社会の実現に向けていく必要性がある。
・・・・
政府の一貫した脱炭素政策によって、金融機関も事業会社もリスクを取って脱炭素分野に投資できるようになる。
国内に脱炭素の道筋を示した政策がなければ、民間企業はリスクが高い分野に投資しにくい。
原油価格高騰で政府が始めたガソリン補助金をはじめ、化石燃料の消費を促進する公的資金は脱炭素の妨げになる。
・・・・
金融機関は企業の気候変動リスクを評価して投融資先を選ぶため、脱炭素に取り組む事業会社に資金が集まりやすくなっている。
国際社会の動きに敏感な金融機関は、国内に投融資先がなければ海外で探すことになる。
国内の金融機関に国内企業への投資を促すためにも、政府が化石燃料を減らす方針を早く、強く打ち出さないといけない。
・・・・
>>>▼国立環境研究所主幹研究員の久保田泉氏「『ウクライナ』影響は短期」
>>国立環境研究所の久保田氏
ロシアのウクライナ侵攻で、化石燃料への揺り戻しや国際協調の乱れが懸念される。
だが影響は短期的とみている。ロシアにエネルギーを依存する国が石炭に頼ることはあるだろうが、緊急避難で一時的だろう。
基本的に脱炭素の方向性は揺らがない。
・・・
各国は気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」に基づき、2050年や今世紀末といった長期の共通目標を設定する。
個別の具体的な政策に多少のブレがあっても、目標の実現に向かって各国が政策に取り組み続ける仕組みだ。
1.5度や2度の長期目標と現状の各国の取り組みにはギャップがあるものの、報告書も「パリ協定は機能している」と評価した。
・・・・
国内の脱炭素の議論は技術革新など個別分野の政策にとどまりがちだ。
報告書は(二酸化炭素の排出に値付けする)カーボンプライシングなど大きな影響を及ぼす制度を導入し、経済社会の変革を促すことで排出削減を進める重要性を強調している。
日本が排出削減目標を引き上げることも国際社会に良い影響を与えるだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>>>▼記者の目「技術とルール形成で貢献必要」
IPCC報告書の執筆に携わった3人の研究者はそろって、脱炭素分野の研究や政策面で世界における日本の存在感が薄いことに危機感をにじませた。
脱炭素化を成長の好機とするためにも、技術とルール形成で日本は世界に貢献する必要がある。
東南アジアは成長と排出削減を両立させる技術を求めている。
脱炭素技術を磨き、ビジネスチャンスをものにできるはずだ。
欧州だけでなく、アジアでもカーボンプライシングの導入に向けた動きが活発になっている。
日本も炭素税や排出量取引といった議論を加速させるべきではないだろうか。(岩井淳哉)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA054B00V00C22A4000000/?unlock=1
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
最後の記者の目、での主張は「議論を加速させるべき」で終わっている。
・・・・
もうそろそろ、「雇用」だけが生活の基本という考え方、「ワンマン社長の朝礼が長い・暴言を吐く」とか愚痴を言うしかない雇用から脱却する時代の戦略の基での戦術を議論する時でしょう。
社長の裁量での給料は要らない、自分で米を作って食べて生きていく、時間も作業も自分で管理する。
そんな戦略の中でなら、「脱成長・持続可能な成長(成長する必要あるか?)」を実現できそうである。
・・・・
では、草々
2022-4-6
森下克介
国内のIPCC識者・執筆者の皆さんの発言である。
いま一つ、話の中身が見えない、ここで言われるようなことで2030年にGHG排出半減が出来るのだろうか???
・・・・
既存技術でやれることとは何だろうか??
例えば、電気使用量を半分にする!という場合だけを考えても、私には難しい、ガソリン使用料を半減すると言われても田舎での暮らしには難しい・・・・。
・・・・
国としてしての司令塔がない、どうしてないのか?発言者にはその責任の一端があるのではないか?
嘗ての小泉環境大臣が司令塔だったかもしれないが、今の司令塔はどこにいるのだろうか?
・・・・・
資金があれば可能なのか??
資金の使い道が違うというのだろうか??
殆ど私には見えない・・・。
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----ーーー「既存技術で温暖化ガス大幅削減を」、IPCC識者に聞く ーーーーーー
2022年4月5日、日経、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4日に公表した国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書を執筆した有識者3氏が5日、報道各社の合同インタビューに応じた。
既存の技術を活用した温暖化ガスの大幅な排出削減は可能といった声が聞かれた。
・・・・・・
>>>▼国立環境研究所社会システム領域長の増井利彦氏「石炭火力は早期廃止を」
>>国立環境研究所の増井氏
今回の報告書は現状の脱炭素の取り組みが、世界の気温上昇を1.5度以内に抑えるのに不十分だと評価した。
2025年から温暖化ガスの排出量を減少に転じさせ、30年までに大幅に削減する必要がある。
太陽光発電や電気自動車(EV)は安価になっている。
今後のイノベーションに頼らずとも、今ある技術を組み合わせれば大幅な排出削減は可能だ。
排出量は累積で気温上昇に効いてくる。
すぐに減らすことが重要だ。
・・・・
排出が多い石炭火力発電所はすぐにでも廃止すべきだ。
報告書は既設や計画中の火力発電所などを使い続けるだけで、1.5度目標で許される排出量の上限を超えると評価した。
政府が30年以降も使い続ける方針を変えなければ、座礁資産が相当出てくるはずだ。
議論を先延ばしせず、50年に排出を実質ゼロにする目標に向けた脱石炭計画をえがく必要がある。
・・・・
日本に気候変動政策を担う司令塔がいないのが大きな問題点だ。
各省庁の政策がバラバラで統合的な動きがとりにくい。
ゴールを共有し、効率的に役割分担するためには司令塔の機能が欠かせない。
・・・・
>>>▼森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員の森田香菜子氏「ガソリン補助金は妨げ」
>>森林研究・整備機構森林総合研究所の森田氏
脱炭素社会に向けた投資が足りていない。
報告書は気温上昇を1.5度や2度に抑えるために必要な投資を、現在の水準の3~6倍と評価した。
お金自体はあるが、脱炭素に向いていない。
官民の資金の流れを低炭素社会の実現に向けていく必要性がある。
・・・・
政府の一貫した脱炭素政策によって、金融機関も事業会社もリスクを取って脱炭素分野に投資できるようになる。
国内に脱炭素の道筋を示した政策がなければ、民間企業はリスクが高い分野に投資しにくい。
原油価格高騰で政府が始めたガソリン補助金をはじめ、化石燃料の消費を促進する公的資金は脱炭素の妨げになる。
・・・・
金融機関は企業の気候変動リスクを評価して投融資先を選ぶため、脱炭素に取り組む事業会社に資金が集まりやすくなっている。
国際社会の動きに敏感な金融機関は、国内に投融資先がなければ海外で探すことになる。
国内の金融機関に国内企業への投資を促すためにも、政府が化石燃料を減らす方針を早く、強く打ち出さないといけない。
・・・・
>>>▼国立環境研究所主幹研究員の久保田泉氏「『ウクライナ』影響は短期」
>>国立環境研究所の久保田氏
ロシアのウクライナ侵攻で、化石燃料への揺り戻しや国際協調の乱れが懸念される。
だが影響は短期的とみている。ロシアにエネルギーを依存する国が石炭に頼ることはあるだろうが、緊急避難で一時的だろう。
基本的に脱炭素の方向性は揺らがない。
・・・
各国は気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」に基づき、2050年や今世紀末といった長期の共通目標を設定する。
個別の具体的な政策に多少のブレがあっても、目標の実現に向かって各国が政策に取り組み続ける仕組みだ。
1.5度や2度の長期目標と現状の各国の取り組みにはギャップがあるものの、報告書も「パリ協定は機能している」と評価した。
・・・・
国内の脱炭素の議論は技術革新など個別分野の政策にとどまりがちだ。
報告書は(二酸化炭素の排出に値付けする)カーボンプライシングなど大きな影響を及ぼす制度を導入し、経済社会の変革を促すことで排出削減を進める重要性を強調している。
日本が排出削減目標を引き上げることも国際社会に良い影響を与えるだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>>>▼記者の目「技術とルール形成で貢献必要」
IPCC報告書の執筆に携わった3人の研究者はそろって、脱炭素分野の研究や政策面で世界における日本の存在感が薄いことに危機感をにじませた。
脱炭素化を成長の好機とするためにも、技術とルール形成で日本は世界に貢献する必要がある。
東南アジアは成長と排出削減を両立させる技術を求めている。
脱炭素技術を磨き、ビジネスチャンスをものにできるはずだ。
欧州だけでなく、アジアでもカーボンプライシングの導入に向けた動きが活発になっている。
日本も炭素税や排出量取引といった議論を加速させるべきではないだろうか。(岩井淳哉)
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA054B00V00C22A4000000/?unlock=1
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最後の記者の目、での主張は「議論を加速させるべき」で終わっている。
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もうそろそろ、「雇用」だけが生活の基本という考え方、「ワンマン社長の朝礼が長い・暴言を吐く」とか愚痴を言うしかない雇用から脱却する時代の戦略の基での戦術を議論する時でしょう。
社長の裁量での給料は要らない、自分で米を作って食べて生きていく、時間も作業も自分で管理する。
そんな戦略の中でなら、「脱成長・持続可能な成長(成長する必要あるか?)」を実現できそうである。
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では、草々
2022-4-6
森下克介
Posted by もりかつ at
09:53
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