2023年04月30日
「日本人の投票行動調査結果」を見てみたときに
前略
私には現在の政治の議論が出来るような立場にも、過去の実績もないし、勉強もしていないので、話題にしたいとは思わなかった。
しかし、投票権を持って投票に行く権利と義務が有るとの認識だけはあるのですが、さてその実態は心もとないものでしかない。
自己批判・・・。
・・・・
一般的な有権者の一人としての感想です。
昨今の、専制主義対民主主義国家の議論や、専制主義的国家のロシアのプーチン大統領がウクライナに侵攻したとか、中国の習近平共産党書記長が台湾の向けた武力行使の大規模な演習を行っているという報道には多くの戸惑いがありますが、そっれ以上ではないのです、残念ですが・・。
それ以上に、取り返しのつかない道を進んでいる世界のあり様を、なんとかしなければいけないはずの「話題」が話題にもなっていない。
「金儲け資本主義のマーケティン」に利用されているだけ、という現実にも無関心でしかない自分を情けなく思うだけ。・・・・
・・・・
そんな中で、今回の記事を見て、同感!と一瞬思った自分に、心が痛んだのでここに取り上げた。
この記事を書いている記者が、新聞社が何を感じて、何を読者に訴えようとしているのかは定かではないが、少なくとも「気候危機」の議論をしようとしていないことだけはきっと確かだろうと思います(有料記事なので、後半でどうなっているかは予測の限りでしかないが)
・・・・
もし、仮に政治家が、政党が「自分の得票を得るためだけの演説」をするのであれば、「消費税とかの有権者の受けがいい話題の演説」をするしかないでしょうし、現実はそうだったのでしょう・・。
メディアも立候補者も、国民が考えていることと同時に、国民に訴えなければならないことをキチンと整理して訴えなければならないという責任・義務があると思いますが、あいかわらづです。
結局、嘆き節にならざるを得ません・・・。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーー投票行かない理由「投票したい党なし」最多 朝日郵送世論調査ーーーー
渡辺康人2023年4月30日、朝日、(有料記事)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
戦後の長い間、おおむね7割前後を推移してきた国政選挙の投票率は、2010年以降、50%台かそれ以下の水準となっている。
朝日新聞社が行った全国世論調査(郵送)によると、今回の調査で投票に「ほとんど行かない」「行かないことの方が多い」と答えた回答者(計21%)に、理由を七つの中からいくつでも選んでもらったところ、「投票したい政党や候補者がいない」が48%で他を引き離して多かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「投票に行かない理由は・・・」複数回答
1,投票したい政党や候補がいないから、 48%
2,自分の一票で政治や社会が変わらないから 36%
3,政治が信頼できなから 35%
4,他のことで忙しいから 23%
5,政治に関心がないから 22%
6,政治がわからないから 21%
7、政治に不満が無いから 1%
( その他の答えは省略 )
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これに次ぐのが「自分の一票で政治や社会は変わらない」36%、「政治が信頼できない」35%。上位三つはいずれも政治不信の表れといえそうだ。
(残り記事は有料会員のみ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.asahi.com/articles/ASR4X6JM1R4KUZPS007.html?iref=comtop_7_01
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
投票したい政党や候補がいないという結果を得たなら、その為の行動をする心意気を持ったメディアの意志が有ってもいいのではないでしょうか・・・。
この記事を書きながら、日本はこのままでは危険だ、と考えないのでしょうか?
戦時中の大本営発表を黙って書いていたメディアと同じでしかないのであれば、その責任放棄は、日本の破壊でしょう。
同様なことは、戦時の赤字国債乱発で、戦後のハイパーインフレを国民に強いたのは、日本の政治だけではない、メディアがっ読者を愚弄していたという反省があったはずです、今ではまた「金儲け資本主義」のキョンシーに成り下がっているのではないでしょうか・・・。
・・・・
そういえば、あの岸首相から始まった、統一教会の害毒を盛られたままの自民党は、これもキョンシーになってしまっていたことを、どうしてメディアは暴かなかったのでしょうか、これは「ジャニー喜多川」の事件に関しても同じ流れに見えます。
日本の全部のメディアの覚醒を期待するというよりむ「要求」しないといけないでしょう。
勿論、日本の政治にも発奮してもらわなけでがならにでしょう。
・・・・
「アベノミクスという財政大赤字政策」からの脱却と「菅首相のカーボンニュートラル宣言」の無視を決め込んだ日本の政治と産業界の根底からの改革が行え有れないと、症状は悪化の限界に来てしまいます。
・・・・
では、草々
2023-4-30
森下克介
私には現在の政治の議論が出来るような立場にも、過去の実績もないし、勉強もしていないので、話題にしたいとは思わなかった。
しかし、投票権を持って投票に行く権利と義務が有るとの認識だけはあるのですが、さてその実態は心もとないものでしかない。
自己批判・・・。
・・・・
一般的な有権者の一人としての感想です。
昨今の、専制主義対民主主義国家の議論や、専制主義的国家のロシアのプーチン大統領がウクライナに侵攻したとか、中国の習近平共産党書記長が台湾の向けた武力行使の大規模な演習を行っているという報道には多くの戸惑いがありますが、そっれ以上ではないのです、残念ですが・・。
それ以上に、取り返しのつかない道を進んでいる世界のあり様を、なんとかしなければいけないはずの「話題」が話題にもなっていない。
「金儲け資本主義のマーケティン」に利用されているだけ、という現実にも無関心でしかない自分を情けなく思うだけ。・・・・
・・・・
そんな中で、今回の記事を見て、同感!と一瞬思った自分に、心が痛んだのでここに取り上げた。
この記事を書いている記者が、新聞社が何を感じて、何を読者に訴えようとしているのかは定かではないが、少なくとも「気候危機」の議論をしようとしていないことだけはきっと確かだろうと思います(有料記事なので、後半でどうなっているかは予測の限りでしかないが)
・・・・
もし、仮に政治家が、政党が「自分の得票を得るためだけの演説」をするのであれば、「消費税とかの有権者の受けがいい話題の演説」をするしかないでしょうし、現実はそうだったのでしょう・・。
メディアも立候補者も、国民が考えていることと同時に、国民に訴えなければならないことをキチンと整理して訴えなければならないという責任・義務があると思いますが、あいかわらづです。
結局、嘆き節にならざるを得ません・・・。
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ーーーーー投票行かない理由「投票したい党なし」最多 朝日郵送世論調査ーーーー
渡辺康人2023年4月30日、朝日、(有料記事)
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戦後の長い間、おおむね7割前後を推移してきた国政選挙の投票率は、2010年以降、50%台かそれ以下の水準となっている。
朝日新聞社が行った全国世論調査(郵送)によると、今回の調査で投票に「ほとんど行かない」「行かないことの方が多い」と答えた回答者(計21%)に、理由を七つの中からいくつでも選んでもらったところ、「投票したい政党や候補者がいない」が48%で他を引き離して多かった。
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「投票に行かない理由は・・・」複数回答
1,投票したい政党や候補がいないから、 48%
2,自分の一票で政治や社会が変わらないから 36%
3,政治が信頼できなから 35%
4,他のことで忙しいから 23%
5,政治に関心がないから 22%
6,政治がわからないから 21%
7、政治に不満が無いから 1%
( その他の答えは省略 )
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これに次ぐのが「自分の一票で政治や社会は変わらない」36%、「政治が信頼できない」35%。上位三つはいずれも政治不信の表れといえそうだ。
(残り記事は有料会員のみ)
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https://www.asahi.com/articles/ASR4X6JM1R4KUZPS007.html?iref=comtop_7_01
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投票したい政党や候補がいないという結果を得たなら、その為の行動をする心意気を持ったメディアの意志が有ってもいいのではないでしょうか・・・。
この記事を書きながら、日本はこのままでは危険だ、と考えないのでしょうか?
戦時中の大本営発表を黙って書いていたメディアと同じでしかないのであれば、その責任放棄は、日本の破壊でしょう。
同様なことは、戦時の赤字国債乱発で、戦後のハイパーインフレを国民に強いたのは、日本の政治だけではない、メディアがっ読者を愚弄していたという反省があったはずです、今ではまた「金儲け資本主義」のキョンシーに成り下がっているのではないでしょうか・・・。
・・・・
そういえば、あの岸首相から始まった、統一教会の害毒を盛られたままの自民党は、これもキョンシーになってしまっていたことを、どうしてメディアは暴かなかったのでしょうか、これは「ジャニー喜多川」の事件に関しても同じ流れに見えます。
日本の全部のメディアの覚醒を期待するというよりむ「要求」しないといけないでしょう。
勿論、日本の政治にも発奮してもらわなけでがならにでしょう。
・・・・
「アベノミクスという財政大赤字政策」からの脱却と「菅首相のカーボンニュートラル宣言」の無視を決め込んだ日本の政治と産業界の根底からの改革が行え有れないと、症状は悪化の限界に来てしまいます。
・・・・
では、草々
2023-4-30
森下克介
Posted by もりかつ at
07:39
│Comments(0)
2023年04月26日
国連は「住み続けられる未来を」と、みんなで「良い御先祖様」になる気はあるか
前略
今年の3月にだ有れた、IPCCの宣言です。
・・・・・
「効果的で公正な気候行動を取り組みの主流に据えることで、自然や人々が被る『損失と損害』の軽減に限らず、より広範な恩恵が得られます。
この統合報告書は、より野心的な行動に対する緊急の必要性を強調し、もし私たちが今すぐに行動を起こせば、すべての人々が住み続けられる持続可能な未来を確保できることを示しています」李会晟
・・・・・
行動の必要性を述べています。
「どのような行動かは定かではないが、みんなわかっているだろう」ということのようである。
今回のIPCCの広報センターの記事と同様に、
「グテーレス事務総長の「ビデオメッセージ」を添付した。
・・・・
この両者の主張は「非常に緊急性がある」と主張している。
この緊急性を、国民に知らせるというものの、相変わらずの無反応である・・・。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーー緊急の気候行動により、すべての人々が住み続けられる未来をーーーーー
(2023年3月20日付 IPCC プレスリリース・日本語訳) プレスリリース 23-014-J
2023年03月23日;国際連合広報センター、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スイス・インターラーケン、2023年3月20日 ― 温室効果ガスの排出量を削減し、人間が引き起こした気候変動に適応するための実行可能かつ効果的な選択肢は複数存在しており、それらは今すぐ利用可能である ― 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が本日発表した最新の報告書(第6次評価報告書 統合報告書)の中で科学者たちはこう述べています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「効果的で公正な気候行動を取り組みの主流に据えることで、自然や人々が被る『損失と損害』の軽減に限らず、より広範な恩恵が得られます。
この統合報告書は、より野心的な行動に対する緊急の必要性を強調し、もし私たちが今すぐに行動を起こせば、すべての人々が住み続けられる持続可能な未来を確保できることを示しています」李会晟(イ・フェソン)IPCC議長はこのように語っています。
2018年に、IPCCは気温上昇を1.5°Cに抑える上で必要となる、これまでにない規模の課題に注目しました。
それから5年が経過し、温室効果ガス排出量の増加が続いたことで、課題はさらに深刻なものとなっています。
これまでになされた施策のペースと規模、そして現在の計画では、気候変動に取り組むには不十分なのです。
・・・・
1世紀以上にわたり化石燃料を燃やしてきたことと、不平等で持続不可能なエネルギー・土地の利用によって、世界の温暖化は産業革命以前と比べて1.1°C進みました。
その結果、異常気象の頻発化、激甚化が進み、世界のあらゆる地域の自然と人々にますます危険な影響をもたらすことになりました。
温暖化がわずかでも進むごとに、被害は急速に深刻化しています。
激しさを増す熱波、降水量の増加、そして他の異常気象は、人々の健康や生態系にとってのリスクを、さらに増大させています。
あらゆる地域で、人々は猛暑によって命を落としています。
気候変動に起因する食料と水の供給の不安定化は、温暖化の進行とともに拡大すると予想されています。
こうしたリスクがパンデミックや紛争などの他の有害事象と共に起きた場合、これらを管理することはさらに困難となります。
・・・・
>>>議論の中心は「損失と損害」
インターラーケンでの1週間にわたるセッション中に承認された報告書は、私たちがすでに経験し、また今後も経験し続けるであろう、最も脆弱な立場に置かれた人々と生態系にとりわけ大きな打撃をもたらしている損失と損害を議論の中心に据えています。
正しい行動を直ちに取ることで、持続可能で公正な世界に不可欠な変革をもたらすことができます。
この統合報告書の93名の執筆者の一人であるアディティ・ムカルジー氏は、IPCC第6次評価の結びの章で「気候正義が決定的に重要である理由は、気候変動に対する責任が最も少ない人々が、不当にその影響を被っているからです」と述べました。
「世界人口のほぼ半数が、気候変動に対してきわめて脆弱な地域で暮らしています。過去10年における、これらの地域での洪水、干ばつ、嵐による死者は、15倍も多くなっています」とムカルジー氏は付け加えました。
・・・・
これからの10年で、現行の適応策と必要性とのギャップを埋めるべく、気候変動への適応を加速させることが不可欠です。
その一方で、気温上昇を産業革命以前と比べて1.5°Cに抑えるためには、すべての部門で温室効果ガス排出量を大幅に、そして急速かつ持続的に削減することが求められます。
温暖化を1.5°Cに抑えようとするなら、温室効果ガスの排出量は現時点ですでに減少に転じていなければならず、2030年までにほぼ半減させる必要があるのです。
・・・・
>>>進むべき明確な道
その解決策は、気候変動に対してレジリエント(強靭)な開発にあります。
これには、気候変動に適応するための措置と、温室効果ガス排出量を削減する、あるいはその排出を回避するための行動を、より幅広く恩恵をもたらすように統合することが求められます。
>>具体例を挙げると、クリーン・エネルギーやテクノロジーへのアクセスは特に女性と子どもたちの健康を増進します。
発電の低炭素化、徒歩や自転車、公共交通機関での移動によって、大気環境が改善され、健康が増進し、雇用機会が増え、公正がもたらされます。
大気の改善だけを取っても、人々の健康増進による経済的恩恵は排出量の削減または回避にかかるコストと同等、あるいはそれを上回る可能性があります。
・・・・
>>気候レジリエンスのための開発は、温暖化が進むにつれて、ますます困難を増していきます。
そのため、今後数年で行われる選択が、私たちの未来と来るべき世代の未来を左右する極めて重要な役割を果たすことになります。
それらの選択を効果的なものとするためには、多様な価値観と世界観、そして科学的知見や先住民の知恵、地域の知識などの知識に根差したものにしなければなりません。
こうしたアプローチによって、気候レジリエンスのための開発が円滑に進み、地域に適した、社会に受け入れられる解決策が可能になります。
・・・
「福祉面での最大の利益は、インフォーマルな居住区で暮らす人々を含めた、低所得で社会から取り残されているコミュニティーが抱える気候災害リスク削減を優先することから得ることができます。
気候行動の加速は、資金供給が何倍かに増加して初めて実現します。
資金の不足と資金が正しく配分されないことにより進歩が妨げられているのです」報告書の執筆者の一人であるクリストファー・トリソス氏は、このように説明しています。
・・・・
>>>持続可能な開発を可能に
今存在する障壁を減らすことができれば、温室効果ガス排出量を急速に低減する世界的な資本は十分に存在します。
グローバルな気候目標を実現するには、気候変動関連投資への融資を拡大することが重要です。各国政府は、公的資金を提供し、投資家に明確なシグナルを送ることで、これらの障壁を低減する重要な役割を果たします。投資家、中央銀行、金融当局もまた、それぞれの役割を果たすことができます。
規模を拡大して適用範囲を広げることで、大幅な排出量削減と気候レジリエンス(強靭性)の達成に貢献することができる、実績のある政策措置があります。
政治的な公約、協調的政策、国際協力、生態系の管理、包摂的ガバナンス、そのいずれもが、効果的で公正な気候行動に重要なのです。
>>テクノロジーとノウハウ、適切な政策措置が共有され、十分な資金が現時点で利用可能であれば、あらゆるコミュニティーが炭素集約型消費を削減、または回避することができます。
同時に、適応に大幅に投資することで、私たちはますます高まるリスク、とりわけ脆弱な立場に置かれた集団や地域が直面するリスクを回避することができます。
気候、生態系、社会は相互に関連しています。
地球上の陸地、淡水域、海洋の約30-50%を効果的かつ公正に保全することが、健全な地球を確保する一助となります。
都市部は、持続可能な開発に貢献する野心的な気候行動のための世界規模の機会を提供します。
食料部門、電力、輸送、工業、建物、土地利用を変化させることで、温室効果ガス排出量を削減することができます。
同時に、これらの変化は低炭素化された生活様式への移行を容易にし、健康と福祉の増進ももたらします。
過剰消費の帰結をよりよく理解することは、人々がさらに十分な情報に基づいて選択をする上で役立ちます。
・・・・
イ・フェソンIPCC議長は次のように述べました。「変革の実現は、信頼関係があり、誰もが協力して災害リスクの削減を優先し、受益と負担が平等に配分される場合に、より容易になります。
私たちは、変化を起こす上で、あらゆる人々がそれぞれの責任を負い、異なる機会を持つ、多様な世界に生きています。
多くのことをできる人がいる一方で、変化を達成するために支援を必要とする人々もいるのです」
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https://www.unic.or.jp/news_press/info/47690/
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気候変動に関する政府間パネル(IPCC)統合報告書の発表記者会見に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長ビデオ・メッセージ
(2023年3月20日)プレスリリース 23-016-J 2023年03月27日
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
友人の皆様、
人類は薄氷の上を歩いています。しかもその氷は急速に溶けつつあります。
本日発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書に詳述されているように、この200年間の地球温暖化は、ほぼすべてが人類によって引き起こされたものです。
・・・・
過去半世紀の気温上昇率は、2,000年間で最も高くなっています。
二酸化炭素の濃度は、少なくとも200万年間で最高です。
気候の時限爆弾が時を刻んでいます。
しかし、本日のIPCC報告書は、気候の時限爆弾の信管を抜くための教本です。
・・・・
人類が生き残るためのガイドです。
報告書が示すように、気温上昇を1.5℃に抑えることは実現可能なのです。
しかしそのためには、気候行動において飛躍的な前進を遂げる必要があります。
この報告書は、あらゆる国や部門が、あらゆる時間枠において極めて速やかに気候変動対策を講じるよう、行動を求める呼びかけです。
つまり、私たちの世界は、あらゆる対策をあらゆる場所で一斉に講じるよう、あらゆる方面において気候行動を必要としているのです。
・・・・
私は、G20に「気候連帯協定」を提案してきました。
同協定では、すべての主要排出国が排出削減に向けて一層努力するとともに、1.5℃目標を維持するための共通の取り組みにおいて、富裕国が財政的・技術的資源を動員して新興国を支援することになっています。
本日、私は全員の力を合わせた「アクセラレーション・アジェンダ」を通じて、この気候連帯協定を実現する取り組みを強化する計画を提案します。
・・・・
この計画は、2050年までに世界の排出量正味ゼロを達成するために、締約国が自国の排出量正味ゼロの期限を早める措置を直ちに行うことから始まります。
これは、各国の異なる事情を考慮して、共通でありながらもそれぞれに異なる責任と各国の能力に基づくとする原則に沿って行われるものです。
具体的には、先進国の指導者は、2040年にできるだけ近い時期に排出量正味ゼロを実現することを約束しなければなりません。
2040年は、あらゆる先進国が守ることを目指すべき期限なのです。
これは達成可能です。すでに2035年を目標に設定した先進国もあります。
新興国の指導者は、2050年にできるだけ近い時期に排出量正味ゼロを実現することを約束しなければなりません。
2050年は、あらゆる新興国が守ることを目指すべき期限です。
多くの新興国が、すでに2050年の期限を守ることを約束しています。
・・・・
今こそ、すべてのG20諸国が共同の取り組みの下に結集し、2050年までにカーボンニュートラルを実現するため、官民セクターを通じて各国の資源や科学技術力、安価で確かなテクノロジーを集約させる時です。
すべての国が、解決策の一部にならなければなりません。
他国に先に行動を起こすよう求めていては、人類(の利益)が置き去りにされることを確実にするだけです。
アクセラレーション・アジェンダは、他にも多くの行動を呼びかけています。
・・・・
>>>具体的には、次のとおりです。
>経済協力開発機構(OECD)加盟国は2030年までに、その他すべての国々は2040年までに、新たな石炭使用を停止して段階的に廃止すること。
>全世界で、官民による石炭に向けたあらゆる資金拠出に終止符を打つこと。
>すべての先進国は2035年までに、その他すべての国々は2040年までに、排出量正味ゼロの発電を確保すること。
>国際エネルギー機関(IEA)の調査結果と一貫性を持ち、新たな石油・ガスに向けたあらゆる認可や資金拠出を停止すること。
>既存の石油・ガス備蓄の増加を止めること。
>補助金の対象を、化石燃料から公正なエネルギー移行に変更すること。
2050年に世界の排出量を正味ゼロにするという目標に沿って、既存の石油・ガス生産の世界的な段階的削減を達成すること。
私は、これらの行動と一貫性を持ち、投資家を呼び込めるエネルギー移行計画を策定するよう、各国政府に要請します。
・・・・
私はまた、すべての石油・ガス企業が解決策の一部となるよう、それらすべての企業の最高経営責任者(CEO)たちに呼びかけます。
彼らは、私が設置した「非国家主体の排出量正味ゼロ・コミットメントに関するハイレベル専門家グループ」による提言に沿った、信頼できる、包括的で詳細な移行計画を提示すべきです。
これらの計画では、2025年と2030年における実際の排出削減量と、化石燃料を段階的に削減して再生可能エネルギーを拡大するビジネスモデル変革の取り組みを明確に説明しなければなりません。
こうした加速化は一部の部門ですでに始まっているものの、投資家たちは今、非常に明確なシグナルを必要としています。
そして各国政府は、その一層の取り組みをビジネスリーダーたちが支援する確証を必要としていますが、各国政府もまた、それを可能にする政策・規制環境を整備しなければなりません。
・・・・
海運、航空、鉄鋼、セメント、アルミニウム、農業などのあらゆる部門が、2050年までの排出量正味ゼロについて、その実現に至るまでの中間目標を含めた明確な計画を定め、それに向かっていかなければなりません。
同時に、このグローバルな目標実現に貢献できる確かなイノベーションに投資する機会を捉える必要があります。
また私たちは、どれも自分たちが引き起こしたものではない多くの危機の最前線に立たされている人々に、気候正義をもたらす取り組みを加速しなければなりません。
・・・・
これは、次の活動によって実現できます。
最も脆弱な立場に置かれたコミュニティーを守り、適応や「損失と損害」のための資金と能力を拡大する。
多国間開発銀行が、助成金と譲許的融資を増額し、民間ファイナンスを全面的に動員できるようにする改革を推進する。
コペンハーゲン、パリ、グラスゴーで行われた財政コミットメントを実現する。
今年、「緑の気候基金」の増資を行い、2025年より前に適応ファイナンスを倍増させるロードマップを策定する。
自然災害に対する早期警報システムを4年以内に整備して、あらゆる人々を守る。
今年、損失と損害に関する新たな基金を創設する。
これらの重要な問題のいずれも、対応を待つ期間が長いほど、実現がより困難になります。
・・・・
あと9カ月足らずで、パリ協定では初となる世界的な実績評価のために指導者たちが気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)に結集します。
また指導者たちはそこにおいて、2025年に期限を迎える国ごとの気候計画、すなわち「自国が決定する貢献(NDC)」の次のサイクルを準備するプロセスを開始します。
これらの新たな気候計画は、過去10年、現在、そして次の10年に必要とされる加速化を反映したものでなければなりません。
私は、あらゆる温室効果ガスを対象とする、2035年と2040年の絶対的な排出量削減目標を明示した、野心的で経済全体にわたる新たなNDCに、すべてのG20諸国の指導者がCOP28の閉幕までにコミットすることを期待します。
・・・・
移行は、経済全体を対象としなければなりません。
中途半端な誓約ではうまくいきません。
私は、9月にニューヨークで開催される「気候野心サミット」に、アクセラレーション・アジェンダの「ファースト・ムーバー」(先行者)を迎えられるよう期待しています。
私は、IPCCが事実に基づき、科学に根差した形で気候混乱を脱する方法を示してくれたことに改めて感謝します。
気候変動という課題を解決する準備は、これまでになく整っています。
しかし、私たちは今すぐ、超高速のスピードで気候行動に取りかからなければなりません。
私たちには一刻の猶予もありません。
ありがとうございました。
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https://www.unic.or.jp/news_press/messages_speeches/sg/47706/
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ーー私たちは今すぐ、超高速のスピードで気候行動に取りかからなければなりません。」ーーー
これこそ、グテーレスさんの言いたいことでしょう。
それにしても、世界は動いている感じがしません・・・。
・・・・
では、草々
2023-4-26
森下克介
今年の3月にだ有れた、IPCCの宣言です。
・・・・・
「効果的で公正な気候行動を取り組みの主流に据えることで、自然や人々が被る『損失と損害』の軽減に限らず、より広範な恩恵が得られます。
この統合報告書は、より野心的な行動に対する緊急の必要性を強調し、もし私たちが今すぐに行動を起こせば、すべての人々が住み続けられる持続可能な未来を確保できることを示しています」李会晟
・・・・・
行動の必要性を述べています。
「どのような行動かは定かではないが、みんなわかっているだろう」ということのようである。
今回のIPCCの広報センターの記事と同様に、
「グテーレス事務総長の「ビデオメッセージ」を添付した。
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この両者の主張は「非常に緊急性がある」と主張している。
この緊急性を、国民に知らせるというものの、相変わらずの無反応である・・・。
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ーーー緊急の気候行動により、すべての人々が住み続けられる未来をーーーーー
(2023年3月20日付 IPCC プレスリリース・日本語訳) プレスリリース 23-014-J
2023年03月23日;国際連合広報センター、
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スイス・インターラーケン、2023年3月20日 ― 温室効果ガスの排出量を削減し、人間が引き起こした気候変動に適応するための実行可能かつ効果的な選択肢は複数存在しており、それらは今すぐ利用可能である ― 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が本日発表した最新の報告書(第6次評価報告書 統合報告書)の中で科学者たちはこう述べています。
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「効果的で公正な気候行動を取り組みの主流に据えることで、自然や人々が被る『損失と損害』の軽減に限らず、より広範な恩恵が得られます。
この統合報告書は、より野心的な行動に対する緊急の必要性を強調し、もし私たちが今すぐに行動を起こせば、すべての人々が住み続けられる持続可能な未来を確保できることを示しています」李会晟(イ・フェソン)IPCC議長はこのように語っています。
2018年に、IPCCは気温上昇を1.5°Cに抑える上で必要となる、これまでにない規模の課題に注目しました。
それから5年が経過し、温室効果ガス排出量の増加が続いたことで、課題はさらに深刻なものとなっています。
これまでになされた施策のペースと規模、そして現在の計画では、気候変動に取り組むには不十分なのです。
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1世紀以上にわたり化石燃料を燃やしてきたことと、不平等で持続不可能なエネルギー・土地の利用によって、世界の温暖化は産業革命以前と比べて1.1°C進みました。
その結果、異常気象の頻発化、激甚化が進み、世界のあらゆる地域の自然と人々にますます危険な影響をもたらすことになりました。
温暖化がわずかでも進むごとに、被害は急速に深刻化しています。
激しさを増す熱波、降水量の増加、そして他の異常気象は、人々の健康や生態系にとってのリスクを、さらに増大させています。
あらゆる地域で、人々は猛暑によって命を落としています。
気候変動に起因する食料と水の供給の不安定化は、温暖化の進行とともに拡大すると予想されています。
こうしたリスクがパンデミックや紛争などの他の有害事象と共に起きた場合、これらを管理することはさらに困難となります。
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>>>議論の中心は「損失と損害」
インターラーケンでの1週間にわたるセッション中に承認された報告書は、私たちがすでに経験し、また今後も経験し続けるであろう、最も脆弱な立場に置かれた人々と生態系にとりわけ大きな打撃をもたらしている損失と損害を議論の中心に据えています。
正しい行動を直ちに取ることで、持続可能で公正な世界に不可欠な変革をもたらすことができます。
この統合報告書の93名の執筆者の一人であるアディティ・ムカルジー氏は、IPCC第6次評価の結びの章で「気候正義が決定的に重要である理由は、気候変動に対する責任が最も少ない人々が、不当にその影響を被っているからです」と述べました。
「世界人口のほぼ半数が、気候変動に対してきわめて脆弱な地域で暮らしています。過去10年における、これらの地域での洪水、干ばつ、嵐による死者は、15倍も多くなっています」とムカルジー氏は付け加えました。
・・・・
これからの10年で、現行の適応策と必要性とのギャップを埋めるべく、気候変動への適応を加速させることが不可欠です。
その一方で、気温上昇を産業革命以前と比べて1.5°Cに抑えるためには、すべての部門で温室効果ガス排出量を大幅に、そして急速かつ持続的に削減することが求められます。
温暖化を1.5°Cに抑えようとするなら、温室効果ガスの排出量は現時点ですでに減少に転じていなければならず、2030年までにほぼ半減させる必要があるのです。
・・・・
>>>進むべき明確な道
その解決策は、気候変動に対してレジリエント(強靭)な開発にあります。
これには、気候変動に適応するための措置と、温室効果ガス排出量を削減する、あるいはその排出を回避するための行動を、より幅広く恩恵をもたらすように統合することが求められます。
>>具体例を挙げると、クリーン・エネルギーやテクノロジーへのアクセスは特に女性と子どもたちの健康を増進します。
発電の低炭素化、徒歩や自転車、公共交通機関での移動によって、大気環境が改善され、健康が増進し、雇用機会が増え、公正がもたらされます。
大気の改善だけを取っても、人々の健康増進による経済的恩恵は排出量の削減または回避にかかるコストと同等、あるいはそれを上回る可能性があります。
・・・・
>>気候レジリエンスのための開発は、温暖化が進むにつれて、ますます困難を増していきます。
そのため、今後数年で行われる選択が、私たちの未来と来るべき世代の未来を左右する極めて重要な役割を果たすことになります。
それらの選択を効果的なものとするためには、多様な価値観と世界観、そして科学的知見や先住民の知恵、地域の知識などの知識に根差したものにしなければなりません。
こうしたアプローチによって、気候レジリエンスのための開発が円滑に進み、地域に適した、社会に受け入れられる解決策が可能になります。
・・・
「福祉面での最大の利益は、インフォーマルな居住区で暮らす人々を含めた、低所得で社会から取り残されているコミュニティーが抱える気候災害リスク削減を優先することから得ることができます。
気候行動の加速は、資金供給が何倍かに増加して初めて実現します。
資金の不足と資金が正しく配分されないことにより進歩が妨げられているのです」報告書の執筆者の一人であるクリストファー・トリソス氏は、このように説明しています。
・・・・
>>>持続可能な開発を可能に
今存在する障壁を減らすことができれば、温室効果ガス排出量を急速に低減する世界的な資本は十分に存在します。
グローバルな気候目標を実現するには、気候変動関連投資への融資を拡大することが重要です。各国政府は、公的資金を提供し、投資家に明確なシグナルを送ることで、これらの障壁を低減する重要な役割を果たします。投資家、中央銀行、金融当局もまた、それぞれの役割を果たすことができます。
規模を拡大して適用範囲を広げることで、大幅な排出量削減と気候レジリエンス(強靭性)の達成に貢献することができる、実績のある政策措置があります。
政治的な公約、協調的政策、国際協力、生態系の管理、包摂的ガバナンス、そのいずれもが、効果的で公正な気候行動に重要なのです。
>>テクノロジーとノウハウ、適切な政策措置が共有され、十分な資金が現時点で利用可能であれば、あらゆるコミュニティーが炭素集約型消費を削減、または回避することができます。
同時に、適応に大幅に投資することで、私たちはますます高まるリスク、とりわけ脆弱な立場に置かれた集団や地域が直面するリスクを回避することができます。
気候、生態系、社会は相互に関連しています。
地球上の陸地、淡水域、海洋の約30-50%を効果的かつ公正に保全することが、健全な地球を確保する一助となります。
都市部は、持続可能な開発に貢献する野心的な気候行動のための世界規模の機会を提供します。
食料部門、電力、輸送、工業、建物、土地利用を変化させることで、温室効果ガス排出量を削減することができます。
同時に、これらの変化は低炭素化された生活様式への移行を容易にし、健康と福祉の増進ももたらします。
過剰消費の帰結をよりよく理解することは、人々がさらに十分な情報に基づいて選択をする上で役立ちます。
・・・・
イ・フェソンIPCC議長は次のように述べました。「変革の実現は、信頼関係があり、誰もが協力して災害リスクの削減を優先し、受益と負担が平等に配分される場合に、より容易になります。
私たちは、変化を起こす上で、あらゆる人々がそれぞれの責任を負い、異なる機会を持つ、多様な世界に生きています。
多くのことをできる人がいる一方で、変化を達成するために支援を必要とする人々もいるのです」
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https://www.unic.or.jp/news_press/info/47690/
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気候変動に関する政府間パネル(IPCC)統合報告書の発表記者会見に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長ビデオ・メッセージ
(2023年3月20日)プレスリリース 23-016-J 2023年03月27日
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友人の皆様、
人類は薄氷の上を歩いています。しかもその氷は急速に溶けつつあります。
本日発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書に詳述されているように、この200年間の地球温暖化は、ほぼすべてが人類によって引き起こされたものです。
・・・・
過去半世紀の気温上昇率は、2,000年間で最も高くなっています。
二酸化炭素の濃度は、少なくとも200万年間で最高です。
気候の時限爆弾が時を刻んでいます。
しかし、本日のIPCC報告書は、気候の時限爆弾の信管を抜くための教本です。
・・・・
人類が生き残るためのガイドです。
報告書が示すように、気温上昇を1.5℃に抑えることは実現可能なのです。
しかしそのためには、気候行動において飛躍的な前進を遂げる必要があります。
この報告書は、あらゆる国や部門が、あらゆる時間枠において極めて速やかに気候変動対策を講じるよう、行動を求める呼びかけです。
つまり、私たちの世界は、あらゆる対策をあらゆる場所で一斉に講じるよう、あらゆる方面において気候行動を必要としているのです。
・・・・
私は、G20に「気候連帯協定」を提案してきました。
同協定では、すべての主要排出国が排出削減に向けて一層努力するとともに、1.5℃目標を維持するための共通の取り組みにおいて、富裕国が財政的・技術的資源を動員して新興国を支援することになっています。
本日、私は全員の力を合わせた「アクセラレーション・アジェンダ」を通じて、この気候連帯協定を実現する取り組みを強化する計画を提案します。
・・・・
この計画は、2050年までに世界の排出量正味ゼロを達成するために、締約国が自国の排出量正味ゼロの期限を早める措置を直ちに行うことから始まります。
これは、各国の異なる事情を考慮して、共通でありながらもそれぞれに異なる責任と各国の能力に基づくとする原則に沿って行われるものです。
具体的には、先進国の指導者は、2040年にできるだけ近い時期に排出量正味ゼロを実現することを約束しなければなりません。
2040年は、あらゆる先進国が守ることを目指すべき期限なのです。
これは達成可能です。すでに2035年を目標に設定した先進国もあります。
新興国の指導者は、2050年にできるだけ近い時期に排出量正味ゼロを実現することを約束しなければなりません。
2050年は、あらゆる新興国が守ることを目指すべき期限です。
多くの新興国が、すでに2050年の期限を守ることを約束しています。
・・・・
今こそ、すべてのG20諸国が共同の取り組みの下に結集し、2050年までにカーボンニュートラルを実現するため、官民セクターを通じて各国の資源や科学技術力、安価で確かなテクノロジーを集約させる時です。
すべての国が、解決策の一部にならなければなりません。
他国に先に行動を起こすよう求めていては、人類(の利益)が置き去りにされることを確実にするだけです。
アクセラレーション・アジェンダは、他にも多くの行動を呼びかけています。
・・・・
>>>具体的には、次のとおりです。
>経済協力開発機構(OECD)加盟国は2030年までに、その他すべての国々は2040年までに、新たな石炭使用を停止して段階的に廃止すること。
>全世界で、官民による石炭に向けたあらゆる資金拠出に終止符を打つこと。
>すべての先進国は2035年までに、その他すべての国々は2040年までに、排出量正味ゼロの発電を確保すること。
>国際エネルギー機関(IEA)の調査結果と一貫性を持ち、新たな石油・ガスに向けたあらゆる認可や資金拠出を停止すること。
>既存の石油・ガス備蓄の増加を止めること。
>補助金の対象を、化石燃料から公正なエネルギー移行に変更すること。
2050年に世界の排出量を正味ゼロにするという目標に沿って、既存の石油・ガス生産の世界的な段階的削減を達成すること。
私は、これらの行動と一貫性を持ち、投資家を呼び込めるエネルギー移行計画を策定するよう、各国政府に要請します。
・・・・
私はまた、すべての石油・ガス企業が解決策の一部となるよう、それらすべての企業の最高経営責任者(CEO)たちに呼びかけます。
彼らは、私が設置した「非国家主体の排出量正味ゼロ・コミットメントに関するハイレベル専門家グループ」による提言に沿った、信頼できる、包括的で詳細な移行計画を提示すべきです。
これらの計画では、2025年と2030年における実際の排出削減量と、化石燃料を段階的に削減して再生可能エネルギーを拡大するビジネスモデル変革の取り組みを明確に説明しなければなりません。
こうした加速化は一部の部門ですでに始まっているものの、投資家たちは今、非常に明確なシグナルを必要としています。
そして各国政府は、その一層の取り組みをビジネスリーダーたちが支援する確証を必要としていますが、各国政府もまた、それを可能にする政策・規制環境を整備しなければなりません。
・・・・
海運、航空、鉄鋼、セメント、アルミニウム、農業などのあらゆる部門が、2050年までの排出量正味ゼロについて、その実現に至るまでの中間目標を含めた明確な計画を定め、それに向かっていかなければなりません。
同時に、このグローバルな目標実現に貢献できる確かなイノベーションに投資する機会を捉える必要があります。
また私たちは、どれも自分たちが引き起こしたものではない多くの危機の最前線に立たされている人々に、気候正義をもたらす取り組みを加速しなければなりません。
・・・・
これは、次の活動によって実現できます。
最も脆弱な立場に置かれたコミュニティーを守り、適応や「損失と損害」のための資金と能力を拡大する。
多国間開発銀行が、助成金と譲許的融資を増額し、民間ファイナンスを全面的に動員できるようにする改革を推進する。
コペンハーゲン、パリ、グラスゴーで行われた財政コミットメントを実現する。
今年、「緑の気候基金」の増資を行い、2025年より前に適応ファイナンスを倍増させるロードマップを策定する。
自然災害に対する早期警報システムを4年以内に整備して、あらゆる人々を守る。
今年、損失と損害に関する新たな基金を創設する。
これらの重要な問題のいずれも、対応を待つ期間が長いほど、実現がより困難になります。
・・・・
あと9カ月足らずで、パリ協定では初となる世界的な実績評価のために指導者たちが気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)に結集します。
また指導者たちはそこにおいて、2025年に期限を迎える国ごとの気候計画、すなわち「自国が決定する貢献(NDC)」の次のサイクルを準備するプロセスを開始します。
これらの新たな気候計画は、過去10年、現在、そして次の10年に必要とされる加速化を反映したものでなければなりません。
私は、あらゆる温室効果ガスを対象とする、2035年と2040年の絶対的な排出量削減目標を明示した、野心的で経済全体にわたる新たなNDCに、すべてのG20諸国の指導者がCOP28の閉幕までにコミットすることを期待します。
・・・・
移行は、経済全体を対象としなければなりません。
中途半端な誓約ではうまくいきません。
私は、9月にニューヨークで開催される「気候野心サミット」に、アクセラレーション・アジェンダの「ファースト・ムーバー」(先行者)を迎えられるよう期待しています。
私は、IPCCが事実に基づき、科学に根差した形で気候混乱を脱する方法を示してくれたことに改めて感謝します。
気候変動という課題を解決する準備は、これまでになく整っています。
しかし、私たちは今すぐ、超高速のスピードで気候行動に取りかからなければなりません。
私たちには一刻の猶予もありません。
ありがとうございました。
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https://www.unic.or.jp/news_press/messages_speeches/sg/47706/
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ーー私たちは今すぐ、超高速のスピードで気候行動に取りかからなければなりません。」ーーー
これこそ、グテーレスさんの言いたいことでしょう。
それにしても、世界は動いている感じがしません・・・。
・・・・
では、草々
2023-4-26
森下克介
Posted by もりかつ at
15:40
│Comments(0)
2023年04月26日
TCFD;「気候関連財務情報開示タスクフォース」という仕事を吟味すると
前略
まず「気候関連財務情報開示タスクフォース」=TCFDという仕事があります。
これは、秋田県生まれの元菅首相が「2020年10月26日に「日本のカーボンニュートラル」を宣言しました。
その後の、国内状況が大幅に変わる、方向性が変わるのかと大思いきや、全く今までと変わらず「カーボンニュートラル十は何か??」という議論が日本中に広まり、蜂の巣を付いた状態になるのか・・・・、と思いきや、メディアでも産業界でも全く話題にすらならなかった。
「不思議の国ニッポン」とおいう批判すらないのですから、「とんでもなく、不思議の国「ニッポン」」であると思い続けています。
・・・・
どうなるんでしょうか??
今回、日経BP社がこのTCFDと「GHGプロトコル」の議論をしている著書を発行しました。
メディアも企業も政治も全員が見たら、どのように変わるのでしょうか??
実施例2社の詳細は分かりませんが、自己宣言ですから、いかようにも描けるでしょう。
・・・・
此処での課題は、「投資家の心境に訴えることが出来るかどうか」ということのようです、投資家にそっぽを向かれたら企業は大変です。
本当は、「国民自身のTCFD」が如何になっているかということでしょう・・・。
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ーー改訂TCFD、Scope3対応から先進企業の実例分析まで:「情報開示戦略」の立案に必要な情報を網羅!ーーー
ーーーーカーボンディスクロージャー未来戦略:改訂TCFD対応の要諦:Scope3削減シナリオ・方法ーーーーーー
先進30社の開示戦略分析:日経BP社出版、
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本書の目次
第1章カーボンニュートラルの時代
第2章カーボンディスクロージャーQ&A
第3章改訂TCFD詳説 カーボンディスクロージャー枠組み研究
第4章カーボンニュートラル実践手段 ファイナンス編
第5章カーボンディスクロージャー戦略プラン シナリオ・削減手段・移行計画
第6章先進30社カーボンディスクロージャー戦略分析
・・・・・・・・・
>>>どう取り組んでいくのか。何をどのように開示するのか。
改訂TCFDの要諦、Scope3対応、先進企業の開示戦略…
削減シナリオ・情報開示戦略の策定に必携の一冊!
脱炭素社会に向けた変革が世界的な潮流となった今、日本企業にとってもカーボンニュートラルを踏まえた情報開示が待ったなしの状況です。
現在でも、環境に配慮しない企業は投資家に「価値の低い企業」と見なされますが、その傾向はますます強くなっていくに違いありません。情報開示は企業戦略と表裏一体であり、その戦略策定に役立つのが本書です。
・・・・
本書では、2021年10月に改訂されたTCFD対応のポイント、Scope1~3排出量削減手段・削減シナリオから国内外のカーボンディスクロージャー先進企業の事例研究まで、情報開示戦略の策定に役立つ情報を網羅しています。
・・・・
>>>企業が求められる情報開示の枠組みと指標
カーボンディスクロージャーのグローバルスタンダードとも言うべき「TCFD 提言」について解説し、2021年10月に改訂された新ガイダンスの内容も詳説。
TCFDが提示する最新の開示推奨内容と対応方法が理解できます。また、経営層の意思決定や実務に必要なQ&Aも掲載します。
・・・・
>>>Scope3排出量削減策と移行計画
カーボンニュートラルにおいて必要とされるScope1・2・3 排出量の実質ゼロ化シナリオの策定方法を詳述します。
また、改訂TCFDが求める移行計画の作成方法も提示。
加えて、カーボンニュートラルを実現する際に役立つファイナンス戦略についても解説します。
・・・・
>>>GHG(温室効果ガス)排出量削減手段を提示
>>Scope1削減策
・エネルギー総量を削減する省エネルギーの動向、重要技術
・化石燃料を代替するカーボンフリー燃料
(水素/アンモニア/メタネーション/バイオマス)の利用
・電化による化学燃料消費から電気への転換技術、課題
・やむを得ず使用する化石燃料からCO2を回収する技術動向
>>Scope2削減策
・企業が購入・消費する電力の再生可能エネルギーへの切り替え
>>Scope3削減策と削減シナリオ
■ セクター別の削減シナリオを整理
電力セクター/鉄鋼セクター/セメントセクター/
化学セクター/輸送セクター(海運/空運/陸運)
>>■ Scope3カテゴリー別GHG 排出量削減策を提示
購入した製品・サービス/資本財/エネルギーの生産/モノの移動/
廃棄処理/人の移動/
他社の営業/自社製品・サービスの使用
移行計画の策定と開示の考え方
>>■ サプライチェーン排出量の削減
・排出量算定へのサプライヤーデータ利用の課題
・サプライヤーエンゲージメントのゴール設定と進め方(ステップ1~5)
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https://info.nikkeibp.co.jp/nxt/campaign/b/285030/?n_cid=emsl_176349
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「TCFD」の基本の説明です。
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ーーーTCFDとは?わかりやすく簡単に解説!開示するものはなに?ーーー
2022.03.02
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昨今の気候変動による企業の経営リスク上昇にともない、気候変動の影響を想定した経営戦略を練ることが企業の最重要課題とされています。そこで2015年に設立されたのが、「TCFD」というタスクフォースです。各企業は、気候変動によるリスクやチャンスなどの影響を考慮し、どのような対処をするか事前にシミュレーションを提示することが求められています。
・・・・
本記事では、TCFDの概要や設立された背景、企業が開示すべき4つの情報について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
・・・・
>>>TCFDをわかりやすく簡単に解説!
TCFDとは、Task force on Climate-related Financial Disclosuresの略であり、日本では「気候関連財務情報開示タスクフォース」と呼ばれています。
簡単にいうと、各企業の気候変動への取り組みを具体的に開示することを推奨する、国際的な組織のことです。
TCFDは、金融システムの安定化を目指す国際的組織の「金融安定理事会(FSB)」によって、2015年に設立されました。
2015年に、パリ協定で温室効果ガス削減への取り組みを行うことが決まり、それをきっかけに世界中で環境問題に対する意識が広まったのです。
・・・・
その後1年半の議論を経て、2017年にTCFDは「TCFD提言(最終報告書)」を公表しました。
TCFD提言の目的は以下の2つです。
・・・・・・・・・
・一貫性、比較可能性、信頼性、明確性をもつ、効率的な気候関連の財務情報開示を企業へ促す
・投資家等に適切な投資判断を促す
・・・・・・・・
このように、TCFDは環境問題だけでなく投資家への判断材料としての目的も含まれています。
財務諸表だけでは見えない、気候変動による企業の潜在的リスクを見える化することで、投資家に信頼してもらいやすいというメリットがあるのです。
実際に、社会や環境を意識した投資はリスクが小さいという研究も発表されており、そのような企業に積極的に投資を行う投資家も増えています。
これをESG投資と呼びますが、詳細については後述します。
・・・・・・・・・・・・・
>>>TCFDはなぜできた?背景は?
TCFDが設立された理由として、世界的に地球温暖化問題が深刻化していることが挙げられます。
また、世界全体の環境問題への意識の高まりにより、企業の価値が財務状況以外の部分で判断されるようになったことも理由の一つです。それぞれ具体的に解説します。
・・・・
>>気候変動など地球温暖化問題が深刻化
地球温暖化が世界的に問題視されるようになって久しいですが、2015年のパリ協定では、地球温暖化への長期的かつ具体的な取り組みが以下のように掲げられました。
・・・・・・・
・世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃よりさらに低く保ち、1.5℃に抑える努力をする
・そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と
(森林などによる)吸収量のバランスをとる
・・・・・・・・
地球温暖化の緩和を実現するには、個人だけでなく企業の協力も不可欠です。
そこから、企業の気候変動関連情報の開示を推奨する組織である、TCFDが誕生しました。
・・・・
>>>企業の価値を評価する基準が変化
昨今では、会社の利益はもちろん、社会的な存在価値や環境問題への取り組みを重視する企業が増えてきました。
そのような中で、会社の財務状況だけでなく、非財務状況も重視した「ESG投資」を行う投資家が増えています。
ESG投資とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の3つの頭文字をとった言葉のことです。
社会的意義や持続性の高い企業が評価されるようになったことから、財務諸表だけでは見えない企業の情報をTCFD提言で開示する重要性が高まっています。
TCFDは、企業側にとってもメリットのある枠組みといえるでしょう。
特に中小企業では自社の取り組みをアピールする機会にもなるため、リスク対策とビジネスチャンスを同時に掴むことができるという見方もできます。
・・・・
>>>TCFDのシナリオ分析とは?
TCFDを語るうえで欠かせないのが、シナリオ分析です。
シナリオ分析とは、気候変動やそれに伴う経営悪化などのリスクに備えるため、さまざまなパターンのシナリオを用意し、それぞれに基づいた対処法を考えることです。
具体的な対策を考えておくことで、いざというときにスムーズに対応することが可能になります。
長期的で先の読めないものを相手にシナリオで作成するのは、企業にとって大きな負担になるかもしれません。
しかし、気候変動の影響を受けやすい業種では特に、シナリオ分析の重要性は大きいといえるでしょう。
・・・・
>環境省は、シナリオ分析を以下のような手順で行うよう推奨しています。
・経営陣の理解を得た後、シナリオ分析にあたっての分業体制、分析対象、時間軸を設定する。(事前準備)
・企業が直面しうる気候変動によるリスクと機会を洗い出し、財務上どのような影響を与えるか考え、それらの重要度を判断する。
(リスク重要度の評価)
・平均気温の上昇温度別に、それぞれのシナリオを想定する。(シナリオ群の定義)
・想定したシナリオごとに、事業や財務面にどのような影響を与えるかを評価する。(事業インパクト評価)
・これまでの分析結果を踏まえ、企業としてどのような対策ができるか検討する。(対応策の定義)
・分析したシナリオ、事業インパクト、対応策を文書化し、情報を開示する。(文書化と情報開示)
・・・・・
>>>企業がTCFDで開示する情報はどんなもの?
TCFDでは具体的に、4つの項目について気候関連情報を開示するよう定めています。
重要な順番に紹介しているので参考にしてみてください。
・・・・
>>ガバナンス
ガバナンスとは、企業自身が気候変動への取り組みを自社で管理するという意味です。
企業内で気候変動に取り組む委員会や役員などを、経営陣が管理しているかどうかが問われます。
具体的には以下のような内容です。
>・気候変動に取り組む委員会や役員が社内に設置されていること
>・気候変動に関する課題やシナリオ分析の結果など、活動報告が経営陣や取締役会に共有されていること
>・意思決定の際に気候変動のリスクなどが考慮されていること
要するに、経営陣が気候変動問題にどの程度関与しているか、また会社全体が気候関連の課題をどれだけ考えているかを開示する内容です。
・・・・
>>戦略
短期・中期・長期それぞれどのような気候変動に見舞われるリスクや機会があるか、また、気候変動によって自社のビジネスや税務状況、戦略にどのような影響を及ぼすかを開示します。
その際、リスクや機会による具体的な財務状況への影響を特定しておくことや、それに対する強靭な戦略が立てられているかが重視されるのもポイントです。
上記で解説したシナリオ分析は、この項目に含まれます。
・・・・
>>リスク管理
リスク管理とは、気候関連のリスクや機会を整理し、評価・管理を行うことを意味します。
開示するのは、気候関連のリスクや機会を識別し評価するプロセスや、管理するプロセスです。
また、組織全体のリスク管理への統合状況も問われます。
・・・・
>>指標と目標
指標と目標は、気候関連のリスク・機会の評価に用いる指標を明確にするものです。
加えて、目標に対するこれまでの実績を開示します。
評価に用いる指標としては、例えば温室効果ガス排出量の場合は「GHGプロトコル」というものがあります。
使用する指標に決まりはありませんが、具体的に何を基準にして目標を達成しようとしているのかを開示することが大切です。
また、自社がこれまで行ってきた取り組みを具体的に開示することも求められます。
日本企業のTCFDに対する取り組みの状況は?
日本は2018年にTCFDに賛同し、2022年1月27日時点において687の企業がTCFDの賛同を表明しています。特筆すべきは、金融機関よりも非金融機関の方が参入数が多いということ。また、会社の規模も中小企業から大企業まで幅広いことが特徴です。
日本の企業や投資家は、世界的に見ても環境問題への意識が高い国といえるでしょう。
今後もさらに気候関連情報の開示を行う企業が増えていくと予想されます。
以下に実例として2社の取り組みを紹介します。
・・・・・・・
>>>・キユーピー株式会社
2021年11月に、TCFD提言への賛同を表明。原材料の確保を自然環境に依存しているため、収穫量の減少や品質低下などをリスクと捉えた企業戦略を行っています。
また、自家消費型発電設備を設置するなど、再生可能エネルギーの活用にも力を入れています。
・・・
>>>・株式会社商船三井
2018年11月に、TCFD提言への賛同を表明。
外航海運業である商船三井では、気候変動による船舶燃料油の価格変動、船舶の運行、自然災害などをリスクと捉え、対応策を設定しています。
また、3度シナリオ、2度以下シナリオ、1.5度以下シナリオの3つのシナリオを作成し、細かく対策を用意しているのも特徴です。
>>>今後の企業経営においてTCFDはどのくらい重要になる?
地球温暖化や台風・豪雨などの自然災害は、これまで経験したことのない事態に見舞われることが多くなりました。
企業が気候変動によるネガティブな影響を受けたとき、事前に予測しているかいないかでその後の明暗がはっきり分かれるのではないでしょうか。
シナリオ分析の重要性は、今後も増していくことが予想されます。
また、会社の財務状況だけでは経営リスクを判断しにくくなっていくなか、今後は非財務状況をどれだけ開示できるかが企業としての信頼や価値を高める指標となっていくでしょう。
・・・・
イギリス、フランス、中国などでは気候関連情報の開示を義務付ける動きが進んでいます。
日本国内においては、現時点(2022年1月)では各社の価値観を尊重する傾向が強いものの、一部では義務化すべきとの議論も進んでいます。
今後は気候変動がより進むと考えられるため、少なくともTCFDの重要度が高まっていくことは間違いなさそうです。
・・・・
>>>まとめ
TCFDの概要と、開示する内容について紹介しました。
日本ではまだ義務化はされていないものの、今後も気候変動や地球温暖化によるあらゆるリスクが想定されます。
またリスクのみでなく、場合によっては非財務状況の開示がチャンスとなることもあるでしょう。
あシナリオ分析を行いあらゆる対策を考えておくことは、企業にとっても有益なことといえます。
投資家の判断材料にもなるため、ぜひ重要性を理解して自社の持続可能な経営に役立ててください。
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https://gurilabo.igrid.co.jp/article/1772/
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どうして、どうしてこのような状況なのか・・・。
この間は、ウクライナ問題優先で、脇に置かれ、今回はスーダン問題で更に脇に置かれてしまっている状況です。
申し訳ないが、これらの二つの問題は、ロシア(プーチンさん)を政治的にどうするかという課題に集約され、スーダンの内政を国連を含むシステムでどう納めるか、という点に絞られるでしょう。
しかし、「気候危機」は、今でも進行しています、もういろんな現象が見えているのです、思いっきり「一人一人と国家の政治」が腹をくくって行動しなければならない時です。
・・・・
「菅元首相」は、何を考えていたでしょうか?「秋田での生活を日本中で行えば、実現可能である」と心中では考えていたのかもしれません。
それ以外の回答はないのですから、私も同感です。
・・・・
では、草々
2023-4-26
森下克介
まず「気候関連財務情報開示タスクフォース」=TCFDという仕事があります。
これは、秋田県生まれの元菅首相が「2020年10月26日に「日本のカーボンニュートラル」を宣言しました。
その後の、国内状況が大幅に変わる、方向性が変わるのかと大思いきや、全く今までと変わらず「カーボンニュートラル十は何か??」という議論が日本中に広まり、蜂の巣を付いた状態になるのか・・・・、と思いきや、メディアでも産業界でも全く話題にすらならなかった。
「不思議の国ニッポン」とおいう批判すらないのですから、「とんでもなく、不思議の国「ニッポン」」であると思い続けています。
・・・・
どうなるんでしょうか??
今回、日経BP社がこのTCFDと「GHGプロトコル」の議論をしている著書を発行しました。
メディアも企業も政治も全員が見たら、どのように変わるのでしょうか??
実施例2社の詳細は分かりませんが、自己宣言ですから、いかようにも描けるでしょう。
・・・・
此処での課題は、「投資家の心境に訴えることが出来るかどうか」ということのようです、投資家にそっぽを向かれたら企業は大変です。
本当は、「国民自身のTCFD」が如何になっているかということでしょう・・・。
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ーー改訂TCFD、Scope3対応から先進企業の実例分析まで:「情報開示戦略」の立案に必要な情報を網羅!ーーー
ーーーーカーボンディスクロージャー未来戦略:改訂TCFD対応の要諦:Scope3削減シナリオ・方法ーーーーーー
先進30社の開示戦略分析:日経BP社出版、
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本書の目次
第1章カーボンニュートラルの時代
第2章カーボンディスクロージャーQ&A
第3章改訂TCFD詳説 カーボンディスクロージャー枠組み研究
第4章カーボンニュートラル実践手段 ファイナンス編
第5章カーボンディスクロージャー戦略プラン シナリオ・削減手段・移行計画
第6章先進30社カーボンディスクロージャー戦略分析
・・・・・・・・・
>>>どう取り組んでいくのか。何をどのように開示するのか。
改訂TCFDの要諦、Scope3対応、先進企業の開示戦略…
削減シナリオ・情報開示戦略の策定に必携の一冊!
脱炭素社会に向けた変革が世界的な潮流となった今、日本企業にとってもカーボンニュートラルを踏まえた情報開示が待ったなしの状況です。
現在でも、環境に配慮しない企業は投資家に「価値の低い企業」と見なされますが、その傾向はますます強くなっていくに違いありません。情報開示は企業戦略と表裏一体であり、その戦略策定に役立つのが本書です。
・・・・
本書では、2021年10月に改訂されたTCFD対応のポイント、Scope1~3排出量削減手段・削減シナリオから国内外のカーボンディスクロージャー先進企業の事例研究まで、情報開示戦略の策定に役立つ情報を網羅しています。
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>>>企業が求められる情報開示の枠組みと指標
カーボンディスクロージャーのグローバルスタンダードとも言うべき「TCFD 提言」について解説し、2021年10月に改訂された新ガイダンスの内容も詳説。
TCFDが提示する最新の開示推奨内容と対応方法が理解できます。また、経営層の意思決定や実務に必要なQ&Aも掲載します。
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>>>Scope3排出量削減策と移行計画
カーボンニュートラルにおいて必要とされるScope1・2・3 排出量の実質ゼロ化シナリオの策定方法を詳述します。
また、改訂TCFDが求める移行計画の作成方法も提示。
加えて、カーボンニュートラルを実現する際に役立つファイナンス戦略についても解説します。
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>>>GHG(温室効果ガス)排出量削減手段を提示
>>Scope1削減策
・エネルギー総量を削減する省エネルギーの動向、重要技術
・化石燃料を代替するカーボンフリー燃料
(水素/アンモニア/メタネーション/バイオマス)の利用
・電化による化学燃料消費から電気への転換技術、課題
・やむを得ず使用する化石燃料からCO2を回収する技術動向
>>Scope2削減策
・企業が購入・消費する電力の再生可能エネルギーへの切り替え
>>Scope3削減策と削減シナリオ
■ セクター別の削減シナリオを整理
電力セクター/鉄鋼セクター/セメントセクター/
化学セクター/輸送セクター(海運/空運/陸運)
>>■ Scope3カテゴリー別GHG 排出量削減策を提示
購入した製品・サービス/資本財/エネルギーの生産/モノの移動/
廃棄処理/人の移動/
他社の営業/自社製品・サービスの使用
移行計画の策定と開示の考え方
>>■ サプライチェーン排出量の削減
・排出量算定へのサプライヤーデータ利用の課題
・サプライヤーエンゲージメントのゴール設定と進め方(ステップ1~5)
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https://info.nikkeibp.co.jp/nxt/campaign/b/285030/?n_cid=emsl_176349
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「TCFD」の基本の説明です。
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ーーーTCFDとは?わかりやすく簡単に解説!開示するものはなに?ーーー
2022.03.02
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昨今の気候変動による企業の経営リスク上昇にともない、気候変動の影響を想定した経営戦略を練ることが企業の最重要課題とされています。そこで2015年に設立されたのが、「TCFD」というタスクフォースです。各企業は、気候変動によるリスクやチャンスなどの影響を考慮し、どのような対処をするか事前にシミュレーションを提示することが求められています。
・・・・
本記事では、TCFDの概要や設立された背景、企業が開示すべき4つの情報について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
・・・・
>>>TCFDをわかりやすく簡単に解説!
TCFDとは、Task force on Climate-related Financial Disclosuresの略であり、日本では「気候関連財務情報開示タスクフォース」と呼ばれています。
簡単にいうと、各企業の気候変動への取り組みを具体的に開示することを推奨する、国際的な組織のことです。
TCFDは、金融システムの安定化を目指す国際的組織の「金融安定理事会(FSB)」によって、2015年に設立されました。
2015年に、パリ協定で温室効果ガス削減への取り組みを行うことが決まり、それをきっかけに世界中で環境問題に対する意識が広まったのです。
・・・・
その後1年半の議論を経て、2017年にTCFDは「TCFD提言(最終報告書)」を公表しました。
TCFD提言の目的は以下の2つです。
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・一貫性、比較可能性、信頼性、明確性をもつ、効率的な気候関連の財務情報開示を企業へ促す
・投資家等に適切な投資判断を促す
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このように、TCFDは環境問題だけでなく投資家への判断材料としての目的も含まれています。
財務諸表だけでは見えない、気候変動による企業の潜在的リスクを見える化することで、投資家に信頼してもらいやすいというメリットがあるのです。
実際に、社会や環境を意識した投資はリスクが小さいという研究も発表されており、そのような企業に積極的に投資を行う投資家も増えています。
これをESG投資と呼びますが、詳細については後述します。
・・・・・・・・・・・・・
>>>TCFDはなぜできた?背景は?
TCFDが設立された理由として、世界的に地球温暖化問題が深刻化していることが挙げられます。
また、世界全体の環境問題への意識の高まりにより、企業の価値が財務状況以外の部分で判断されるようになったことも理由の一つです。それぞれ具体的に解説します。
・・・・
>>気候変動など地球温暖化問題が深刻化
地球温暖化が世界的に問題視されるようになって久しいですが、2015年のパリ協定では、地球温暖化への長期的かつ具体的な取り組みが以下のように掲げられました。
・・・・・・・
・世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃よりさらに低く保ち、1.5℃に抑える努力をする
・そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と
(森林などによる)吸収量のバランスをとる
・・・・・・・・
地球温暖化の緩和を実現するには、個人だけでなく企業の協力も不可欠です。
そこから、企業の気候変動関連情報の開示を推奨する組織である、TCFDが誕生しました。
・・・・
>>>企業の価値を評価する基準が変化
昨今では、会社の利益はもちろん、社会的な存在価値や環境問題への取り組みを重視する企業が増えてきました。
そのような中で、会社の財務状況だけでなく、非財務状況も重視した「ESG投資」を行う投資家が増えています。
ESG投資とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の3つの頭文字をとった言葉のことです。
社会的意義や持続性の高い企業が評価されるようになったことから、財務諸表だけでは見えない企業の情報をTCFD提言で開示する重要性が高まっています。
TCFDは、企業側にとってもメリットのある枠組みといえるでしょう。
特に中小企業では自社の取り組みをアピールする機会にもなるため、リスク対策とビジネスチャンスを同時に掴むことができるという見方もできます。
・・・・
>>>TCFDのシナリオ分析とは?
TCFDを語るうえで欠かせないのが、シナリオ分析です。
シナリオ分析とは、気候変動やそれに伴う経営悪化などのリスクに備えるため、さまざまなパターンのシナリオを用意し、それぞれに基づいた対処法を考えることです。
具体的な対策を考えておくことで、いざというときにスムーズに対応することが可能になります。
長期的で先の読めないものを相手にシナリオで作成するのは、企業にとって大きな負担になるかもしれません。
しかし、気候変動の影響を受けやすい業種では特に、シナリオ分析の重要性は大きいといえるでしょう。
・・・・
>環境省は、シナリオ分析を以下のような手順で行うよう推奨しています。
・経営陣の理解を得た後、シナリオ分析にあたっての分業体制、分析対象、時間軸を設定する。(事前準備)
・企業が直面しうる気候変動によるリスクと機会を洗い出し、財務上どのような影響を与えるか考え、それらの重要度を判断する。
(リスク重要度の評価)
・平均気温の上昇温度別に、それぞれのシナリオを想定する。(シナリオ群の定義)
・想定したシナリオごとに、事業や財務面にどのような影響を与えるかを評価する。(事業インパクト評価)
・これまでの分析結果を踏まえ、企業としてどのような対策ができるか検討する。(対応策の定義)
・分析したシナリオ、事業インパクト、対応策を文書化し、情報を開示する。(文書化と情報開示)
・・・・・
>>>企業がTCFDで開示する情報はどんなもの?
TCFDでは具体的に、4つの項目について気候関連情報を開示するよう定めています。
重要な順番に紹介しているので参考にしてみてください。
・・・・
>>ガバナンス
ガバナンスとは、企業自身が気候変動への取り組みを自社で管理するという意味です。
企業内で気候変動に取り組む委員会や役員などを、経営陣が管理しているかどうかが問われます。
具体的には以下のような内容です。
>・気候変動に取り組む委員会や役員が社内に設置されていること
>・気候変動に関する課題やシナリオ分析の結果など、活動報告が経営陣や取締役会に共有されていること
>・意思決定の際に気候変動のリスクなどが考慮されていること
要するに、経営陣が気候変動問題にどの程度関与しているか、また会社全体が気候関連の課題をどれだけ考えているかを開示する内容です。
・・・・
>>戦略
短期・中期・長期それぞれどのような気候変動に見舞われるリスクや機会があるか、また、気候変動によって自社のビジネスや税務状況、戦略にどのような影響を及ぼすかを開示します。
その際、リスクや機会による具体的な財務状況への影響を特定しておくことや、それに対する強靭な戦略が立てられているかが重視されるのもポイントです。
上記で解説したシナリオ分析は、この項目に含まれます。
・・・・
>>リスク管理
リスク管理とは、気候関連のリスクや機会を整理し、評価・管理を行うことを意味します。
開示するのは、気候関連のリスクや機会を識別し評価するプロセスや、管理するプロセスです。
また、組織全体のリスク管理への統合状況も問われます。
・・・・
>>指標と目標
指標と目標は、気候関連のリスク・機会の評価に用いる指標を明確にするものです。
加えて、目標に対するこれまでの実績を開示します。
評価に用いる指標としては、例えば温室効果ガス排出量の場合は「GHGプロトコル」というものがあります。
使用する指標に決まりはありませんが、具体的に何を基準にして目標を達成しようとしているのかを開示することが大切です。
また、自社がこれまで行ってきた取り組みを具体的に開示することも求められます。
日本企業のTCFDに対する取り組みの状況は?
日本は2018年にTCFDに賛同し、2022年1月27日時点において687の企業がTCFDの賛同を表明しています。特筆すべきは、金融機関よりも非金融機関の方が参入数が多いということ。また、会社の規模も中小企業から大企業まで幅広いことが特徴です。
日本の企業や投資家は、世界的に見ても環境問題への意識が高い国といえるでしょう。
今後もさらに気候関連情報の開示を行う企業が増えていくと予想されます。
以下に実例として2社の取り組みを紹介します。
・・・・・・・
>>>・キユーピー株式会社
2021年11月に、TCFD提言への賛同を表明。原材料の確保を自然環境に依存しているため、収穫量の減少や品質低下などをリスクと捉えた企業戦略を行っています。
また、自家消費型発電設備を設置するなど、再生可能エネルギーの活用にも力を入れています。
・・・
>>>・株式会社商船三井
2018年11月に、TCFD提言への賛同を表明。
外航海運業である商船三井では、気候変動による船舶燃料油の価格変動、船舶の運行、自然災害などをリスクと捉え、対応策を設定しています。
また、3度シナリオ、2度以下シナリオ、1.5度以下シナリオの3つのシナリオを作成し、細かく対策を用意しているのも特徴です。
>>>今後の企業経営においてTCFDはどのくらい重要になる?
地球温暖化や台風・豪雨などの自然災害は、これまで経験したことのない事態に見舞われることが多くなりました。
企業が気候変動によるネガティブな影響を受けたとき、事前に予測しているかいないかでその後の明暗がはっきり分かれるのではないでしょうか。
シナリオ分析の重要性は、今後も増していくことが予想されます。
また、会社の財務状況だけでは経営リスクを判断しにくくなっていくなか、今後は非財務状況をどれだけ開示できるかが企業としての信頼や価値を高める指標となっていくでしょう。
・・・・
イギリス、フランス、中国などでは気候関連情報の開示を義務付ける動きが進んでいます。
日本国内においては、現時点(2022年1月)では各社の価値観を尊重する傾向が強いものの、一部では義務化すべきとの議論も進んでいます。
今後は気候変動がより進むと考えられるため、少なくともTCFDの重要度が高まっていくことは間違いなさそうです。
・・・・
>>>まとめ
TCFDの概要と、開示する内容について紹介しました。
日本ではまだ義務化はされていないものの、今後も気候変動や地球温暖化によるあらゆるリスクが想定されます。
またリスクのみでなく、場合によっては非財務状況の開示がチャンスとなることもあるでしょう。
あシナリオ分析を行いあらゆる対策を考えておくことは、企業にとっても有益なことといえます。
投資家の判断材料にもなるため、ぜひ重要性を理解して自社の持続可能な経営に役立ててください。
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https://gurilabo.igrid.co.jp/article/1772/
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どうして、どうしてこのような状況なのか・・・。
この間は、ウクライナ問題優先で、脇に置かれ、今回はスーダン問題で更に脇に置かれてしまっている状況です。
申し訳ないが、これらの二つの問題は、ロシア(プーチンさん)を政治的にどうするかという課題に集約され、スーダンの内政を国連を含むシステムでどう納めるか、という点に絞られるでしょう。
しかし、「気候危機」は、今でも進行しています、もういろんな現象が見えているのです、思いっきり「一人一人と国家の政治」が腹をくくって行動しなければならない時です。
・・・・
「菅元首相」は、何を考えていたでしょうか?「秋田での生活を日本中で行えば、実現可能である」と心中では考えていたのかもしれません。
それ以外の回答はないのですから、私も同感です。
・・・・
では、草々
2023-4-26
森下克介
Posted by もりかつ at
09:30
│Comments(0)
2023年04月22日
「日本のGHG排出量(確定値)発表」数値を見て思う事は
前略
日本の令和3年度のGHGの排出量は、CO2が90%以上を占めているのが特徴的かと思う。
更に、その内でも、産業部門、運輸部門の排出量が大きい。電気・熱配分前では、エネルギー転換部門の比率が大きくなる、
エネルギー転換部門単体では7.9%という数値になる、これが発電効率に相当するものと考えると約80%の高率の相当する。
火力発電所の55%と水力発電所の80%と原発の33%の高率とは直接比較できないが、ここでの数値は投入エネルギー源が化石燃料だけに限っているのでこの様な見かけ上の数値になっているということ。
・・・・・
1990年度からは、約9%削減ということで、削減している形になっているが、約30年間での削減努力の結果として見ると、先が危ういものでしょう。
2030年までにはあと10年でしかないのですから、この調子ではあと10%の削減にしかなりません。
環境省も政府もどこからもこの数値に関する評価も、危機感も見えず・聞こえず・・・。
これで良いのでしょうか・・・・。
更に、もっと現在値としての数値が出ないと本当に何をやっているのか、その効果の評価にもならないと思う。
世界的な動向との比較はもっと知りたい。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーー2021年度(令和3年度)の温室効果ガス排出・吸収量(確報値)についてーーーー
2023年4月21日;
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2021年度の我が国の排出・吸収量は、11億2,200万トン(二酸化炭素(CO2)換算、以下同じ。)で、
2020年度比で2.0%(2,150万トン)の増加、2013年度比で20.3%(2億8,530万トン)の減少となりました。
2.2021年度の吸収量そのものは4,760万トンで、我が国の吸収量は4年ぶりに増加に転じました。
3.上記を含む今回の国連への我が国の排出・吸収量の報告では、我が国として初めて、ブルーカーボン生態系の一つである
マングローブ林による吸収量を計上しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2023/20230421/20230421.html
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>>>GHGの排出量の推移
各年度の排出量の推移
1990 2013 2020 2021 年度
1275 1408 1147 1170 × (百万トン)
・・・・
>>2021年度の排出量の構成
合計排出量 : 1170(× 百万トンCO2換算 )100%
1,二酸化炭素 CO2 90.9%
エネルギー起源 84.5%
非エネルギー起源 6.5%
2,メタン CH4 2.3%
3,一酸化二窒素 N2O 1.7%
4.代替フロン等 4ガス 5.1%
HFCS 4.6%
PFCS 0.3%
SF6 0.2%
NF3 0.0%
注;排出量”0.0”は 5万トン未満、 シェア”0.0”は0.05未満
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>>>部門別のCO2排出量 :10億6400万トン ( 電気・熱配分後 )
1, 産業部門 35.1%
2, 運輸部門 17.4%
3、 業務その他部門 17.9%
4, 家庭部門 14.7%
5. エネルギー転換部門 7、9%
6, 非エネルギー起源CO2 7.1%
注;発電・熱発生に伴うエネルギー起源のCO2排出量を、電気及び熱の消費量に応じて、
消費者側の各部門に配分した排出量、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
報道ベースでは、発電の話題しかないが、日本の電力化率な40%程度で後残りの60%の議論がない。
自動車をEV化することがCO2対策と言っても、この発電分野に負担がかかるだけ・・・。
家庭部門という中での議論はどうなっているのか判らない。
家庭からのCO2の排出だけの議論もおかしい・・・。
此処での「発電・熱発生に伴うエネルギー起源のCO2排出量」をそれぞれに配分しているのは正しいでしょう。
その考え方を、各家庭の責任分として振り分けるとどうなるか????
例えば、生鮮野菜の消費に関連して、 生産者のCO2排出分、流通部門(トラックや店舗での)のCO2排出量は、まさに消費者の責任分でしょう。
更に、車からの排出に関連しては、車の廃車時には処分費を支払うと同様に、車両処分に関連するCO2排出(運搬に関連する分や分解・破壊や、リサイクル時、最終埋立に伴うCO2排出)
本来は、購入時のCO2の排出責任があるはずです、自動車メーカーで原材料の採掘から加工・組み立て、更に研究・設計段階のCO2排出責任分等々、が責任対象になる訳でしょう。
その他、衣食住全ての分野に関して、購入時の責任、廃棄時の責任が絡んでくるわけです。
・・・・
すなわち、家計部門という表現で行ってもいいのであれば、呼吸することによるCO2排出を含めたすべての責任は、個人個人の生命活動、を吟味すると、ここに出てくるGHG排出量を人口でs除した、一人当たりの数値が、それぞれ個人の責任と言いうことになる。
そんな議論をする場が全くないままで企業の責任だけが議論されていることが、世間の人々の中途半端な「他人任せ」の「危機感すらない」気候危機戦略をおかしくしている根源でしょう。
・・・・
では、草々
2023-4-22
森下克介
日本の令和3年度のGHGの排出量は、CO2が90%以上を占めているのが特徴的かと思う。
更に、その内でも、産業部門、運輸部門の排出量が大きい。電気・熱配分前では、エネルギー転換部門の比率が大きくなる、
エネルギー転換部門単体では7.9%という数値になる、これが発電効率に相当するものと考えると約80%の高率の相当する。
火力発電所の55%と水力発電所の80%と原発の33%の高率とは直接比較できないが、ここでの数値は投入エネルギー源が化石燃料だけに限っているのでこの様な見かけ上の数値になっているということ。
・・・・・
1990年度からは、約9%削減ということで、削減している形になっているが、約30年間での削減努力の結果として見ると、先が危ういものでしょう。
2030年までにはあと10年でしかないのですから、この調子ではあと10%の削減にしかなりません。
環境省も政府もどこからもこの数値に関する評価も、危機感も見えず・聞こえず・・・。
これで良いのでしょうか・・・・。
更に、もっと現在値としての数値が出ないと本当に何をやっているのか、その効果の評価にもならないと思う。
世界的な動向との比較はもっと知りたい。
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ーーーー2021年度(令和3年度)の温室効果ガス排出・吸収量(確報値)についてーーーー
2023年4月21日;
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1.2021年度の我が国の排出・吸収量は、11億2,200万トン(二酸化炭素(CO2)換算、以下同じ。)で、
2020年度比で2.0%(2,150万トン)の増加、2013年度比で20.3%(2億8,530万トン)の減少となりました。
2.2021年度の吸収量そのものは4,760万トンで、我が国の吸収量は4年ぶりに増加に転じました。
3.上記を含む今回の国連への我が国の排出・吸収量の報告では、我が国として初めて、ブルーカーボン生態系の一つである
マングローブ林による吸収量を計上しました。
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https://www.nies.go.jp/whatsnew/2023/20230421/20230421.html
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>>>GHGの排出量の推移
各年度の排出量の推移
1990 2013 2020 2021 年度
1275 1408 1147 1170 × (百万トン)
・・・・
>>2021年度の排出量の構成
合計排出量 : 1170(× 百万トンCO2換算 )100%
1,二酸化炭素 CO2 90.9%
エネルギー起源 84.5%
非エネルギー起源 6.5%
2,メタン CH4 2.3%
3,一酸化二窒素 N2O 1.7%
4.代替フロン等 4ガス 5.1%
HFCS 4.6%
PFCS 0.3%
SF6 0.2%
NF3 0.0%
注;排出量”0.0”は 5万トン未満、 シェア”0.0”は0.05未満
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>>>部門別のCO2排出量 :10億6400万トン ( 電気・熱配分後 )
1, 産業部門 35.1%
2, 運輸部門 17.4%
3、 業務その他部門 17.9%
4, 家庭部門 14.7%
5. エネルギー転換部門 7、9%
6, 非エネルギー起源CO2 7.1%
注;発電・熱発生に伴うエネルギー起源のCO2排出量を、電気及び熱の消費量に応じて、
消費者側の各部門に配分した排出量、
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報道ベースでは、発電の話題しかないが、日本の電力化率な40%程度で後残りの60%の議論がない。
自動車をEV化することがCO2対策と言っても、この発電分野に負担がかかるだけ・・・。
家庭部門という中での議論はどうなっているのか判らない。
家庭からのCO2の排出だけの議論もおかしい・・・。
此処での「発電・熱発生に伴うエネルギー起源のCO2排出量」をそれぞれに配分しているのは正しいでしょう。
その考え方を、各家庭の責任分として振り分けるとどうなるか????
例えば、生鮮野菜の消費に関連して、 生産者のCO2排出分、流通部門(トラックや店舗での)のCO2排出量は、まさに消費者の責任分でしょう。
更に、車からの排出に関連しては、車の廃車時には処分費を支払うと同様に、車両処分に関連するCO2排出(運搬に関連する分や分解・破壊や、リサイクル時、最終埋立に伴うCO2排出)
本来は、購入時のCO2の排出責任があるはずです、自動車メーカーで原材料の採掘から加工・組み立て、更に研究・設計段階のCO2排出責任分等々、が責任対象になる訳でしょう。
その他、衣食住全ての分野に関して、購入時の責任、廃棄時の責任が絡んでくるわけです。
・・・・
すなわち、家計部門という表現で行ってもいいのであれば、呼吸することによるCO2排出を含めたすべての責任は、個人個人の生命活動、を吟味すると、ここに出てくるGHG排出量を人口でs除した、一人当たりの数値が、それぞれ個人の責任と言いうことになる。
そんな議論をする場が全くないままで企業の責任だけが議論されていることが、世間の人々の中途半端な「他人任せ」の「危機感すらない」気候危機戦略をおかしくしている根源でしょう。
・・・・
では、草々
2023-4-22
森下克介
Posted by もりかつ at
11:21
│Comments(0)
2023年04月21日
100℃で大気からアンモニアが作れる、素晴らしい
前略
話題性が大きいニュースです。
人類にとって、希望の技術です、素晴らしいものです。
・・・・
これからの時代のアンモニアを大量に使用する発電用の場合には、水素の製造と100℃に加熱するエネルギーを考慮すると無理筋でしょうが、食糧危機対応用の肥料の可能性が残る。
それも、有機農業の方向性を変えるにはキチンとした、哲学が必要になるでしょう。
・・・・
でも、素晴らしい発明ですね。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
-----ーーー東工大、100℃の低温でアンモニアを合成する鉄触媒を開発ーーーーーー
2023年4月20日; by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
東京工業大学の研究チームは、100℃の低温で水素と窒素からアンモニアを合成する鉄触媒の開発に初めて成功。
赤サビを原料とする安価な同触媒による低温アンモニア製造で、エネルギー消費とコストを40~60%削減できることを示した。
・・・・・
研究チームは、鉄には低温でのアンモニア合成に高い潜在能力があると考え、それを発揮させる方法を模索してきた。
今回の研究では、鉄の粉末に水素化バリウム(BaH2)の微粒子を載せることで、鉄の窒素分子を窒素原子に分解する能力を飛躍的に高めた触媒を開発。
鉄に潜在する低温アンモニア合成能を引き出すことに成功した。
この触媒は、赤サビにバリウムを溶かした水溶液を混ぜて、乾燥・還元するだけで簡単に得られる。
・・・・
研究チームによると、開発した触媒では、水素化バリウムが鉄に強く電子供与することによって、窒素分子を窒素原子に分解する鉄の能力をブーストしているという。
近年、ルテニウムやコバルト、ニッケルといった貴金属やレアメタルを触媒とする低温アンモニア製造の研究開発が進められているが、今回の成果で、鉄のアンモニア合成能力はこれらのレアメタルの数百倍から数千倍を超えることが確認できたとしている。
アンモニアは現在、鉄を触媒とするハーバー・ボッシュ法で製造されているが、同方法では400℃を超える高い反応温度と10MPa(大気圧の100倍)を上回る高圧が必要となるうえ、アンモニア収率が30%程度と低いことが、エネルギー消費やコストを高止まりさせる原因となっている。
今回の研究成果は、アンモニア製造の大幅な効率化だけでなく、CO2フリーエネルギー実現への布石となることが期待される。
・・・・
研究論文は、米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society)オンライン速報版に2023年3月31日付けで掲載された。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.technologyreview.jp/n/2023/04/20/304616/?utm_source=MIT%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC+-+%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC&utm_campaign=c84104663b-NewsLetter_TheDaily&utm_medium=email&utm_term=0_6f0fb6e76b-c84104663b-194497713&mc_cid=c84104663b&mc_eid=a30e82edf2
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あたらしい時代に向けて、きっと何かに役立つものでしょう。
・・・・
では、草々
2023-4-21
森下克介
話題性が大きいニュースです。
人類にとって、希望の技術です、素晴らしいものです。
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これからの時代のアンモニアを大量に使用する発電用の場合には、水素の製造と100℃に加熱するエネルギーを考慮すると無理筋でしょうが、食糧危機対応用の肥料の可能性が残る。
それも、有機農業の方向性を変えるにはキチンとした、哲学が必要になるでしょう。
・・・・
でも、素晴らしい発明ですね。
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-----ーーー東工大、100℃の低温でアンモニアを合成する鉄触媒を開発ーーーーーー
2023年4月20日; by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]
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東京工業大学の研究チームは、100℃の低温で水素と窒素からアンモニアを合成する鉄触媒の開発に初めて成功。
赤サビを原料とする安価な同触媒による低温アンモニア製造で、エネルギー消費とコストを40~60%削減できることを示した。
・・・・・
研究チームは、鉄には低温でのアンモニア合成に高い潜在能力があると考え、それを発揮させる方法を模索してきた。
今回の研究では、鉄の粉末に水素化バリウム(BaH2)の微粒子を載せることで、鉄の窒素分子を窒素原子に分解する能力を飛躍的に高めた触媒を開発。
鉄に潜在する低温アンモニア合成能を引き出すことに成功した。
この触媒は、赤サビにバリウムを溶かした水溶液を混ぜて、乾燥・還元するだけで簡単に得られる。
・・・・
研究チームによると、開発した触媒では、水素化バリウムが鉄に強く電子供与することによって、窒素分子を窒素原子に分解する鉄の能力をブーストしているという。
近年、ルテニウムやコバルト、ニッケルといった貴金属やレアメタルを触媒とする低温アンモニア製造の研究開発が進められているが、今回の成果で、鉄のアンモニア合成能力はこれらのレアメタルの数百倍から数千倍を超えることが確認できたとしている。
アンモニアは現在、鉄を触媒とするハーバー・ボッシュ法で製造されているが、同方法では400℃を超える高い反応温度と10MPa(大気圧の100倍)を上回る高圧が必要となるうえ、アンモニア収率が30%程度と低いことが、エネルギー消費やコストを高止まりさせる原因となっている。
今回の研究成果は、アンモニア製造の大幅な効率化だけでなく、CO2フリーエネルギー実現への布石となることが期待される。
・・・・
研究論文は、米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society)オンライン速報版に2023年3月31日付けで掲載された。
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https://www.technologyreview.jp/n/2023/04/20/304616/?utm_source=MIT%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC+-+%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC&utm_campaign=c84104663b-NewsLetter_TheDaily&utm_medium=email&utm_term=0_6f0fb6e76b-c84104663b-194497713&mc_cid=c84104663b&mc_eid=a30e82edf2
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あたらしい時代に向けて、きっと何かに役立つものでしょう。
・・・・
では、草々
2023-4-21
森下克介
Posted by もりかつ at
06:10
│Comments(0)
2023年04月20日
「EVと鬼城を増産する中国」との競争を煽る「日本のゾンビ・メディア」という図式
前略
中国の経済発展という言葉は、
日本の高度成長期(1955~1972)の様に、成長の乱立という感じで、企業は市場経済の名のもとにあちこちが勝手に成長した時期で、国家としてのバランスは政治が後追いの時代だったと同じ感じでしょう。
最近の話題は、追加記事の「中国で石炭火力発電所の建設ラッシュ」という言葉に象徴される、石炭火力がバンバン作られる・・・。
・・・・
何のためのEVか? 石炭火力はGHG抑制的か? これだけで矛盾そのものでしょう。中国の政治もこのアンバランスを認める混乱状態とも言えそうだ。まさに「金儲け資本主義」のパンデミックの世界への拡散ということであろう。
・・・・
一方で日本は何をしているのか?
エンジン車でハイブリッドであれば、効率がいいからこの方が良いんだ、と頑張っていてもCO2排出であり2030年・2050年を見通して産業界・自動車業界は良いのか? 日本の産業界こそ気候危機に対して責任のある行動をしなければならないはず、今まで2030年・2050年に向けた企業目的と目標をキチンと提示したとは聞いていない。
最近自動車企業で「再野生化」という言葉を理解したとも言われる。
大いに、「企業の社会的責任を自覚して行動してもらわないと困る。
・・・・
酷いのは、メディアであろう、何でここに及んで中国のEVと日本の車の競争意識を煽のか???
メディアこそ、世界的視野で日本や世界のあり様をそれなりの戦術で議論し、行動に繋げりべきではないのでしょう・・・・・・・。
・・・・
現代の世界にある最悪の仕組みは、専制主義だけでなく「世界の古代的・ゾンビメディア」こそその課題認識と戦略を議論すべき時である。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーーー近づく「赤信号」EV市場を中国が席巻 苦境の日本、起死回生なるかーーーー
小倉祥徳 ;毎日新聞; 2023/4/19 ;
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
世界最大の自動車市場、中国で18日から、上海モーターショー(MS)が開催中だ。
中国では米欧に先駆けて電気自動車(EV)が社会に浸透している。
上海MSで目の当たりにしたのはEV市場を席巻する中国勢の勢いと、対応が遅れた日本勢の苦境だった。
・・・・・
>>>EV市場を席巻するBYD
「中国現地での研究開発を加速する」。
上海MSの開幕に合わせ2024年に発売する新型EV「bZ」(ビージー)シリーズ2車種のコンセプト車を初公開したトヨタ自動車の中嶋裕樹副社長はこう強調した。
ただ、コンセプト車はトヨタの単独開発ではない。
開発・生産には中国で長年、合弁を組んできた広州汽車に加え、中国EV最大手、比亜迪(BYD)も参加した。
中国市場のニーズをつかむには中国勢の協力が欠かせない状況だ。
中国でBYD人気は圧倒的だ。
上海MSで注力車種を複数投入したが、一目見ようと報道陣や関係者が殺到した。
日本勢や米欧の自動車大手を尻目に、BYDブースだけが常に人でにぎわっていた。
・・・・
中国ではいま、猛スピードでEVの普及が進んでいる。
プラグインハイブリッド車や燃料電池車を含む「新エネルギー車」の販売台数は、20年の136万台から22年は688万台まで急増。
新車市場全体に占める割合は25・6%に達し、4分の1が新エネ車に切り替わっている。
新エネ車の中核は、もちろんEVだ。22年の販売台数は536万台と新エネ車の約8割を占める。
日本の22年の新車販売がガソリン車を含めて420万台だったことを見れば、「EV大国」と呼ばれる中国市場の圧倒的な規模感が分かるだろう。
・・・・
勢いは市場規模だけではない。
22年の世界のメーカー別EV販売台数を見ると、首位は米テスラで127万台。
2位につけるのがBYDで87万台とテスラを猛追している。
BYDは23年に世界で最大360万台の新車販売を目標にしており、23年中にはテスラを上回り、EV販売で世界首位に浮上する可能性もある。
(
(有料記事の為、以降なし)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://mainichi.jp/articles/20230419/k00/00m/020/002000c?utm_source=article&utm_medium=email&utm_campaign=mailyu&utm_content=20230419
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
混乱中国、最近では、中国不動産業界の大誤算「鬼城」の大量発生、と今回の石炭火力計画、と共産主義を名乗って単なる専制国家になってしまい、世界の「金儲け資本主義」のキョンシーになってしまっていることは、最重要課題である。
国連総会での「共産主義とは、民主主義と違いうのか?」というテーマで議論を進めるのが良いと思う・・・・。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーー中国で石炭火力発電所の建設ラッシュ 「2060年までにCO2排出実質ゼロ」目標に暗雲 <地球異変>ーーーー
2021年2月15日;東京新聞、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中国で石炭火力の発電所の新設が相次いでいる。経済成長に伴う電力需要の増加、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ景気に対応するため、安価な上に自給可能な石炭に白羽の矢がたったかたちだ。2060年までに二酸化炭素(CO2)排出「実質ゼロ」を目指すとの国際公約を踏まえ懸念の声が上がる一方、環境負荷の低い最新型への置き換えが多く「長期的に排出量は抑制に向かう」との見方もある。(山西省陽泉市盂県で、坪井千隼、)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.tokyo-np.co.jp/article/86072
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
以上にします。
2023-4-20
森下克介
中国の経済発展という言葉は、
日本の高度成長期(1955~1972)の様に、成長の乱立という感じで、企業は市場経済の名のもとにあちこちが勝手に成長した時期で、国家としてのバランスは政治が後追いの時代だったと同じ感じでしょう。
最近の話題は、追加記事の「中国で石炭火力発電所の建設ラッシュ」という言葉に象徴される、石炭火力がバンバン作られる・・・。
・・・・
何のためのEVか? 石炭火力はGHG抑制的か? これだけで矛盾そのものでしょう。中国の政治もこのアンバランスを認める混乱状態とも言えそうだ。まさに「金儲け資本主義」のパンデミックの世界への拡散ということであろう。
・・・・
一方で日本は何をしているのか?
エンジン車でハイブリッドであれば、効率がいいからこの方が良いんだ、と頑張っていてもCO2排出であり2030年・2050年を見通して産業界・自動車業界は良いのか? 日本の産業界こそ気候危機に対して責任のある行動をしなければならないはず、今まで2030年・2050年に向けた企業目的と目標をキチンと提示したとは聞いていない。
最近自動車企業で「再野生化」という言葉を理解したとも言われる。
大いに、「企業の社会的責任を自覚して行動してもらわないと困る。
・・・・
酷いのは、メディアであろう、何でここに及んで中国のEVと日本の車の競争意識を煽のか???
メディアこそ、世界的視野で日本や世界のあり様をそれなりの戦術で議論し、行動に繋げりべきではないのでしょう・・・・・・・。
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現代の世界にある最悪の仕組みは、専制主義だけでなく「世界の古代的・ゾンビメディア」こそその課題認識と戦略を議論すべき時である。
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ーーーーーー近づく「赤信号」EV市場を中国が席巻 苦境の日本、起死回生なるかーーーー
小倉祥徳 ;毎日新聞; 2023/4/19 ;
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
世界最大の自動車市場、中国で18日から、上海モーターショー(MS)が開催中だ。
中国では米欧に先駆けて電気自動車(EV)が社会に浸透している。
上海MSで目の当たりにしたのはEV市場を席巻する中国勢の勢いと、対応が遅れた日本勢の苦境だった。
・・・・・
>>>EV市場を席巻するBYD
「中国現地での研究開発を加速する」。
上海MSの開幕に合わせ2024年に発売する新型EV「bZ」(ビージー)シリーズ2車種のコンセプト車を初公開したトヨタ自動車の中嶋裕樹副社長はこう強調した。
ただ、コンセプト車はトヨタの単独開発ではない。
開発・生産には中国で長年、合弁を組んできた広州汽車に加え、中国EV最大手、比亜迪(BYD)も参加した。
中国市場のニーズをつかむには中国勢の協力が欠かせない状況だ。
中国でBYD人気は圧倒的だ。
上海MSで注力車種を複数投入したが、一目見ようと報道陣や関係者が殺到した。
日本勢や米欧の自動車大手を尻目に、BYDブースだけが常に人でにぎわっていた。
・・・・
中国ではいま、猛スピードでEVの普及が進んでいる。
プラグインハイブリッド車や燃料電池車を含む「新エネルギー車」の販売台数は、20年の136万台から22年は688万台まで急増。
新車市場全体に占める割合は25・6%に達し、4分の1が新エネ車に切り替わっている。
新エネ車の中核は、もちろんEVだ。22年の販売台数は536万台と新エネ車の約8割を占める。
日本の22年の新車販売がガソリン車を含めて420万台だったことを見れば、「EV大国」と呼ばれる中国市場の圧倒的な規模感が分かるだろう。
・・・・
勢いは市場規模だけではない。
22年の世界のメーカー別EV販売台数を見ると、首位は米テスラで127万台。
2位につけるのがBYDで87万台とテスラを猛追している。
BYDは23年に世界で最大360万台の新車販売を目標にしており、23年中にはテスラを上回り、EV販売で世界首位に浮上する可能性もある。
(
(有料記事の為、以降なし)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://mainichi.jp/articles/20230419/k00/00m/020/002000c?utm_source=article&utm_medium=email&utm_campaign=mailyu&utm_content=20230419
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混乱中国、最近では、中国不動産業界の大誤算「鬼城」の大量発生、と今回の石炭火力計画、と共産主義を名乗って単なる専制国家になってしまい、世界の「金儲け資本主義」のキョンシーになってしまっていることは、最重要課題である。
国連総会での「共産主義とは、民主主義と違いうのか?」というテーマで議論を進めるのが良いと思う・・・・。
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ーーーー中国で石炭火力発電所の建設ラッシュ 「2060年までにCO2排出実質ゼロ」目標に暗雲 <地球異変>ーーーー
2021年2月15日;東京新聞、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中国で石炭火力の発電所の新設が相次いでいる。経済成長に伴う電力需要の増加、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ景気に対応するため、安価な上に自給可能な石炭に白羽の矢がたったかたちだ。2060年までに二酸化炭素(CO2)排出「実質ゼロ」を目指すとの国際公約を踏まえ懸念の声が上がる一方、環境負荷の低い最新型への置き換えが多く「長期的に排出量は抑制に向かう」との見方もある。(山西省陽泉市盂県で、坪井千隼、)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.tokyo-np.co.jp/article/86072
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以上にします。
2023-4-20
森下克介
Posted by もりかつ at
06:48
│Comments(0)
2023年04月19日
巷に溢れる「環境にやさしい」という言葉を整理したいもの
前略
何故か、「環境にやさしい」という言葉が巷に溢れている。
「環境に良い」というよりも使い勝手が良いからだろうと思う。
もっとハッキリとどれだけ良いことをしているのか、判りやすい言葉が欲しいものです。
・・・・
環境にやさしいと言っている企業や組織のホームページ辺りに、その内容と、目的・目標が示され、それがどれだけ気候危機に寄与しているかの議論がほしい。
その上で、今回の「環境にやさしい」と表示したものがどれだけの寄与をしているか、を示してあれば、その次に「一人一人の国民としては何をすべきか」をきちんと示し、議論を起してほしいものです。
・・・・
簡単な話では、EVに乗っていれば優しいということか?
単に、自分の車がCO2を出さないというだけでしかない、皆の使うその電気を作るのに「原発が何基必要か」等を考えて欲しい。
その上で、自動車の製造と廃棄のことを含めた、ぜんCO2の評価が必要になる。
いまどきには、その議論が出来なければ、「非国民」と言われる時代になるでしょう、そうでなければ君の人生はグリーン・ウヲッシの人生ということになるはずです。
大変な時代です。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーーー「グリーンウォッシュ」とは 過去の事例と見分ける10のチェック項目ーーーーーー
ELEMINIST Editor;エレミニスト編集部、2023.01.23、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。
エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。
・・・・・・・・・
目次
「グリーンウォッシュ」「グリーンウォッシング」とは?
グリーンウォッシュは何がいけないのか 問題点は?
グリーンウォッシュの事例
グリーンウォッシュかどうかを見分ける「10の定義」
グリーンウォッシュの「7つの罪」
グリーンウォッシュにまつわる世界の最新ニュース
消費者は何をすればいいか
賢い消費者として自分から調べ、選ぶ習慣を「グリーンウォッシュ」「グリーンウォッシング」とは?
・・・・・・・・・・・
グリーンウォッシュ(もしくは、グリーンウォッシング)とは、環境に配慮した印象を与えるワード「グリーン」と、漆喰が壁などの表面を白く塗って覆うことから、うわべを取り繕う「ホワイトウォッシュ」をかけ合わせた造語。つまり、環境に配慮しているように見せかけているが、実はそうではないものを指す。
・・・・
1980年代の欧米で、環境活動家などから言われるようになった言葉とされるグリーンウォッシュ。
それは当時、一般の人にもエコへの意識が高まっていた背景があるだろう。
企業がブランドイメージをアップさせたいという身勝手な目的で、中身のともなわない見かけだけのエコを謳うケースが出てきたのだ。
・・・・
>>>グリーンウォッシュは何がいけないのか 問題点は?
最大の問題点は、エコをうたう商品やサービスが、実際にはエコと言えないことだろう。
環境への負荷が大きいことや、健康への悪影響などから、なにかとやり玉にあがりやすいファストフード。
エコ意識が高いヨーロッパでは、2009年にマクドナルドの象徴的ともいえるロゴを赤と黄色から、黄色と緑に代えて話題となった。
・・・・
米企業キンバリー・クラークは環境にやさしいパッケージを用い、「ピュアでナチュラル」なおむつだとして販売。
だが、実際には他の商品と同様に石油製品でできていたという例もある。
このようなまやかしが起きるのは、エコやサステナブルが企業には魅力的なコンテンツだから。
企業イメージが上がれば商品は売れ、株価も上がる。
エコならば、多少価格が張っても消費者が喜んで買い、企業は潤うといった具合に。
・・・・
>>>グリーンウォッシュの事例
前述のマクドナルドやキンバリー・クラークが特別なわけではない。
グリーンウォッシュは、私たちのすぐそばまで忍び寄っている。
買う側が、本当にその製品は環境に負荷をかけていないか、科学的にきちんと証明されているものなのかを能動的に調べ、チェックする必要があるだろう。
その習慣をつけるためにも、どのような仕組みでエコが偽装されるのかを知ることもいいだろう。
・・・・
>>H&M
たとえば、日本でもファンが多い、北欧のファッションブランド「H&M」。
サステナブルなファッションとして2019年に発表された「コンシャスコレクション」が、本当はサステナブルかどうかが疑わしいとして、ノルウェーの消費者庁から違法として指摘されたことがあった。
・・・・
>>コカ・コーラ
コカ・コーラは、地球温暖化を防ぐ枠組みについて議論する「COP27(国連気候変動枠組条約の締約国会議)」を後援。
しかし同社は年間1200億本もの使い捨てペットボトルを生産し、世界でもトップクラスの環境汚染企業のひとつと指摘されている。そのため、グリーンウォッシュの批判が巻き起こった。
・・・・
>>マクドナルド
マクドナルドは2019年、イギリスでプラスチックストローを紙製に切り替えたが、その紙製ストローをリサイクルせずにいたことが問題視された。
・・・・
>>ドキュメンタリー映画「グリーン・ライ エコの嘘」
2020年に公開され話題となったドキュメンタリー映画「グリーン・ライ エコの嘘」は、環境にやさしいことをうたう商品の実態を探るストーリー。
ブラジル、ドイツ、アメリカなど世界をめぐっていくなかで、環境問題にひそむ嘘に切り込んでいる。
・・・・
>>>グリーンウォッシュかどうかを見分ける「10の定義」
グリーンウォッシュに引っかからないため、いくつか見分ける方法がある。
キーになるのが「10の定義」と「7つの罪」だ。
・・・・
まず、「10の定義」。
どちらかというと、商品を製造する側が、グリーンウォッシュ企業と見られないための定義だが、知っておいて損はない。
・・・
>>1.曖昧な印象の言葉は避ける
「エコ・フレンドリー」などのあいまいな言葉は避ける。
>>2.環境汚染など、印象が悪い企業はグリーン商品を売るのを避ける
環境に負荷をかけている製造ラインで、グリーン商品をつくることは事実上不可能。
完全にグリーンな商品にはなりえない。
>>3.暗示的な図は避ける
あたかも環境によいように導くイメージ図など。
工業排水から汚水ではなく花が咲き乱れていたりするようなものがそれにあたる。
>>4.的外れの主張は避ける
ごく一部に限られた環境活動を過大に評価、強調するが、全体では環境によい結果につながっていない。
本末転倒。
>>5.ドングリの背比べは避ける
そもそものレベルの低さを棚に上げ「〇産業で最高レベル」などと謳う。
環境活動が遅れている産業の起こりがちな比較。
>>6.明らかに論理性に欠ける場合は避ける
危険な商品をグリーン化する。
健康に害があるタバコを、「エコ・フレンドリーなタバコ」などと表現しても意味がない。
>>7.分かりにくい表現は避ける
科学者だけが分かるような専門用語を羅列するだけ。
消費者に伝わらないのでは表示は無意味だ。
>>8.空想の友人を主張することは避ける
〇〇認証、●●推薦のような「ラベル」を見ることがあるだろう。
第三者が与えてくれたかのように見える承認も、実は生産している企業が独自につくっていることがあるという。
自画自賛は信頼に値するだろうか?
>>9.証拠ゼロは避ける
客観的な事実に照らし合わせて、初めて本当に環境によいかどうかが分かる。
エビデンスがないものは、いくらよいことを言ったとして信用に値しない。
>>10.あからさまなウソは避ける
データを捏造するケースも実際にあるという。数字をうのみにしてはいけない。
・・・・
>>>グリーンウォッシュの「7つの罪」
定義の裏返しが、「7つの罪」と言えるだろう。
>>1、隠れたトレードオフの罪
一部の属性のみをことさらに強調し、その製品がグリーンであると主張する。
>>2、証明しないことの罪
グリーンであると言いながら、実際にはなにも証明していないこともある。
>>3、あいまいさの罪
定義・意味の幅があり、消費者に誤解を与えることがある。
>>4、偽りのラベル崇拝の罪
定義の「架空の友人」ではないが、あたかも第三者認証があるように思わせる表現のこと。
>>5、的外れの罪
嘘を言っているわけではないないが、消費者に重要度が低い部分だけアピールすること。
>>6、「かろうじてよい」罪
商品カテゴリー内ではよいとされるが、俯瞰するとよいとは言い切れない、または誤解を招きかねない表現のこと。
>>7、嘘をつく罪
消費者に“嘘”をつくこと。
環境によいことが何もないという場合もあり得る。
一人ひとりが、消費者として賢くなることはもちろん。
だが、企業もまたイメージだけを先行させるのではなく、基礎からエコな企業体質への変換が求められる時代だ。
資材の調達から、製造過程、商品がユーザーの手元に届くまでをトータルで環境に配慮した仕組みにシフトしていくときだろう。
・・・・・・
>>>グリーンウォッシュにまつわる世界の最新ニュース
>>イギリス政府が規制
イギリスのある調査では、無作為に抽出したウェブサイトのうち40%で、誤解を与えかねない表現があった。
これを受けて、イギリス政府は2021年に「グリーン・クレーム・コード」を制定した。
企業が環境対策をうたう際、その表現がガイドラインで示されている。
・・・・
関連記事
米カリフォルニア州でリサイクルマークの利用を厳格
アメリカ・カリフォルニア州議会は、リサイクルできない製品やリサイクル品ではない製品に対するリサイクルマークの表示を禁止。
現行のリサイクルマークの使用基準を厳しくする法案を可決した。
グリーンウォッシュの防止につなげる狙いがある。
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米加州でリサイクルマークの利用を厳格化 リサイクル不可製品への表示を禁止
米辞典に「グリーンウォッシュ」の単語を追加
米国の権威あるメリアム・ウェブスター辞典に、「グリーンウォッシュ」をはじめとする環境問題にまつわる単語が追加された。
グリーンウォッシュについて、「製品や政策、慣習などを実際よりも環境にやさしく、あるいは環境への負荷が少ないように見せる動詞」として定義されている。
・・・
消費者は何をすればいいか
環境によいものを買いたいという、意識を持つことはとても大切だ。
だが、自分のお金を払う際、「なんとなく良さそう」という理由で、買ってしまったらもったいない。
少し手間がかかるかもしれないが、必要なものを手に入れるとき、それがどこから生まれ、どこでどのように作られてきたかを知ることが重要。
エレミニストとして、本当に地球や人にやさしい商品を選べば、満足度も高まる。
そのアイテムを大切に丁寧に使う行動にもつながる。
・・・・
>>>賢い消費者として自分から調べ、選ぶ習慣を
エコやサステナブルは、セレブリティも盛んに取り入れる時代のトレンドだ。
たくさんの人が求めるものは、企業にとって魅力的。いい金儲けの機会だと考える企業も哀しいかな存在する。
グリーンで、環境によさそうな文句も書いてある。
デザインもやさしい。
だが、本当にそれはサステナブルなアイテムだろうか?
ペイする前に、もう一度冷静になってチェックしてみよう。
そのひとつのアクションが、大きな企業や地球環境の未来を変えていく大切な一歩になるのだから。
※掲載している情報は、2023年1月23日時点のものです。
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https://eleminist.com/article/363
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大人の社会のいい加減さには、子供たちも辟易しているはず。
子供を含めた地域の議論、言ってみればかつての民主主義の広場・シティとでもいうところが出来ると良い。
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では、草々
2023-4-19
森下克介
何故か、「環境にやさしい」という言葉が巷に溢れている。
「環境に良い」というよりも使い勝手が良いからだろうと思う。
もっとハッキリとどれだけ良いことをしているのか、判りやすい言葉が欲しいものです。
・・・・
環境にやさしいと言っている企業や組織のホームページ辺りに、その内容と、目的・目標が示され、それがどれだけ気候危機に寄与しているかの議論がほしい。
その上で、今回の「環境にやさしい」と表示したものがどれだけの寄与をしているか、を示してあれば、その次に「一人一人の国民としては何をすべきか」をきちんと示し、議論を起してほしいものです。
・・・・
簡単な話では、EVに乗っていれば優しいということか?
単に、自分の車がCO2を出さないというだけでしかない、皆の使うその電気を作るのに「原発が何基必要か」等を考えて欲しい。
その上で、自動車の製造と廃棄のことを含めた、ぜんCO2の評価が必要になる。
いまどきには、その議論が出来なければ、「非国民」と言われる時代になるでしょう、そうでなければ君の人生はグリーン・ウヲッシの人生ということになるはずです。
大変な時代です。
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ーーーーーー「グリーンウォッシュ」とは 過去の事例と見分ける10のチェック項目ーーーーーー
ELEMINIST Editor;エレミニスト編集部、2023.01.23、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。
エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。
・・・・・・・・・
目次
「グリーンウォッシュ」「グリーンウォッシング」とは?
グリーンウォッシュは何がいけないのか 問題点は?
グリーンウォッシュの事例
グリーンウォッシュかどうかを見分ける「10の定義」
グリーンウォッシュの「7つの罪」
グリーンウォッシュにまつわる世界の最新ニュース
消費者は何をすればいいか
賢い消費者として自分から調べ、選ぶ習慣を「グリーンウォッシュ」「グリーンウォッシング」とは?
・・・・・・・・・・・
グリーンウォッシュ(もしくは、グリーンウォッシング)とは、環境に配慮した印象を与えるワード「グリーン」と、漆喰が壁などの表面を白く塗って覆うことから、うわべを取り繕う「ホワイトウォッシュ」をかけ合わせた造語。つまり、環境に配慮しているように見せかけているが、実はそうではないものを指す。
・・・・
1980年代の欧米で、環境活動家などから言われるようになった言葉とされるグリーンウォッシュ。
それは当時、一般の人にもエコへの意識が高まっていた背景があるだろう。
企業がブランドイメージをアップさせたいという身勝手な目的で、中身のともなわない見かけだけのエコを謳うケースが出てきたのだ。
・・・・
>>>グリーンウォッシュは何がいけないのか 問題点は?
最大の問題点は、エコをうたう商品やサービスが、実際にはエコと言えないことだろう。
環境への負荷が大きいことや、健康への悪影響などから、なにかとやり玉にあがりやすいファストフード。
エコ意識が高いヨーロッパでは、2009年にマクドナルドの象徴的ともいえるロゴを赤と黄色から、黄色と緑に代えて話題となった。
・・・・
米企業キンバリー・クラークは環境にやさしいパッケージを用い、「ピュアでナチュラル」なおむつだとして販売。
だが、実際には他の商品と同様に石油製品でできていたという例もある。
このようなまやかしが起きるのは、エコやサステナブルが企業には魅力的なコンテンツだから。
企業イメージが上がれば商品は売れ、株価も上がる。
エコならば、多少価格が張っても消費者が喜んで買い、企業は潤うといった具合に。
・・・・
>>>グリーンウォッシュの事例
前述のマクドナルドやキンバリー・クラークが特別なわけではない。
グリーンウォッシュは、私たちのすぐそばまで忍び寄っている。
買う側が、本当にその製品は環境に負荷をかけていないか、科学的にきちんと証明されているものなのかを能動的に調べ、チェックする必要があるだろう。
その習慣をつけるためにも、どのような仕組みでエコが偽装されるのかを知ることもいいだろう。
・・・・
>>H&M
たとえば、日本でもファンが多い、北欧のファッションブランド「H&M」。
サステナブルなファッションとして2019年に発表された「コンシャスコレクション」が、本当はサステナブルかどうかが疑わしいとして、ノルウェーの消費者庁から違法として指摘されたことがあった。
・・・・
>>コカ・コーラ
コカ・コーラは、地球温暖化を防ぐ枠組みについて議論する「COP27(国連気候変動枠組条約の締約国会議)」を後援。
しかし同社は年間1200億本もの使い捨てペットボトルを生産し、世界でもトップクラスの環境汚染企業のひとつと指摘されている。そのため、グリーンウォッシュの批判が巻き起こった。
・・・・
>>マクドナルド
マクドナルドは2019年、イギリスでプラスチックストローを紙製に切り替えたが、その紙製ストローをリサイクルせずにいたことが問題視された。
・・・・
>>ドキュメンタリー映画「グリーン・ライ エコの嘘」
2020年に公開され話題となったドキュメンタリー映画「グリーン・ライ エコの嘘」は、環境にやさしいことをうたう商品の実態を探るストーリー。
ブラジル、ドイツ、アメリカなど世界をめぐっていくなかで、環境問題にひそむ嘘に切り込んでいる。
・・・・
>>>グリーンウォッシュかどうかを見分ける「10の定義」
グリーンウォッシュに引っかからないため、いくつか見分ける方法がある。
キーになるのが「10の定義」と「7つの罪」だ。
・・・・
まず、「10の定義」。
どちらかというと、商品を製造する側が、グリーンウォッシュ企業と見られないための定義だが、知っておいて損はない。
・・・
>>1.曖昧な印象の言葉は避ける
「エコ・フレンドリー」などのあいまいな言葉は避ける。
>>2.環境汚染など、印象が悪い企業はグリーン商品を売るのを避ける
環境に負荷をかけている製造ラインで、グリーン商品をつくることは事実上不可能。
完全にグリーンな商品にはなりえない。
>>3.暗示的な図は避ける
あたかも環境によいように導くイメージ図など。
工業排水から汚水ではなく花が咲き乱れていたりするようなものがそれにあたる。
>>4.的外れの主張は避ける
ごく一部に限られた環境活動を過大に評価、強調するが、全体では環境によい結果につながっていない。
本末転倒。
>>5.ドングリの背比べは避ける
そもそものレベルの低さを棚に上げ「〇産業で最高レベル」などと謳う。
環境活動が遅れている産業の起こりがちな比較。
>>6.明らかに論理性に欠ける場合は避ける
危険な商品をグリーン化する。
健康に害があるタバコを、「エコ・フレンドリーなタバコ」などと表現しても意味がない。
>>7.分かりにくい表現は避ける
科学者だけが分かるような専門用語を羅列するだけ。
消費者に伝わらないのでは表示は無意味だ。
>>8.空想の友人を主張することは避ける
〇〇認証、●●推薦のような「ラベル」を見ることがあるだろう。
第三者が与えてくれたかのように見える承認も、実は生産している企業が独自につくっていることがあるという。
自画自賛は信頼に値するだろうか?
>>9.証拠ゼロは避ける
客観的な事実に照らし合わせて、初めて本当に環境によいかどうかが分かる。
エビデンスがないものは、いくらよいことを言ったとして信用に値しない。
>>10.あからさまなウソは避ける
データを捏造するケースも実際にあるという。数字をうのみにしてはいけない。
・・・・
>>>グリーンウォッシュの「7つの罪」
定義の裏返しが、「7つの罪」と言えるだろう。
>>1、隠れたトレードオフの罪
一部の属性のみをことさらに強調し、その製品がグリーンであると主張する。
>>2、証明しないことの罪
グリーンであると言いながら、実際にはなにも証明していないこともある。
>>3、あいまいさの罪
定義・意味の幅があり、消費者に誤解を与えることがある。
>>4、偽りのラベル崇拝の罪
定義の「架空の友人」ではないが、あたかも第三者認証があるように思わせる表現のこと。
>>5、的外れの罪
嘘を言っているわけではないないが、消費者に重要度が低い部分だけアピールすること。
>>6、「かろうじてよい」罪
商品カテゴリー内ではよいとされるが、俯瞰するとよいとは言い切れない、または誤解を招きかねない表現のこと。
>>7、嘘をつく罪
消費者に“嘘”をつくこと。
環境によいことが何もないという場合もあり得る。
一人ひとりが、消費者として賢くなることはもちろん。
だが、企業もまたイメージだけを先行させるのではなく、基礎からエコな企業体質への変換が求められる時代だ。
資材の調達から、製造過程、商品がユーザーの手元に届くまでをトータルで環境に配慮した仕組みにシフトしていくときだろう。
・・・・・・
>>>グリーンウォッシュにまつわる世界の最新ニュース
>>イギリス政府が規制
イギリスのある調査では、無作為に抽出したウェブサイトのうち40%で、誤解を与えかねない表現があった。
これを受けて、イギリス政府は2021年に「グリーン・クレーム・コード」を制定した。
企業が環境対策をうたう際、その表現がガイドラインで示されている。
・・・・
関連記事
米カリフォルニア州でリサイクルマークの利用を厳格
アメリカ・カリフォルニア州議会は、リサイクルできない製品やリサイクル品ではない製品に対するリサイクルマークの表示を禁止。
現行のリサイクルマークの使用基準を厳しくする法案を可決した。
グリーンウォッシュの防止につなげる狙いがある。
・・・・
米加州でリサイクルマークの利用を厳格化 リサイクル不可製品への表示を禁止
米辞典に「グリーンウォッシュ」の単語を追加
米国の権威あるメリアム・ウェブスター辞典に、「グリーンウォッシュ」をはじめとする環境問題にまつわる単語が追加された。
グリーンウォッシュについて、「製品や政策、慣習などを実際よりも環境にやさしく、あるいは環境への負荷が少ないように見せる動詞」として定義されている。
・・・
消費者は何をすればいいか
環境によいものを買いたいという、意識を持つことはとても大切だ。
だが、自分のお金を払う際、「なんとなく良さそう」という理由で、買ってしまったらもったいない。
少し手間がかかるかもしれないが、必要なものを手に入れるとき、それがどこから生まれ、どこでどのように作られてきたかを知ることが重要。
エレミニストとして、本当に地球や人にやさしい商品を選べば、満足度も高まる。
そのアイテムを大切に丁寧に使う行動にもつながる。
・・・・
>>>賢い消費者として自分から調べ、選ぶ習慣を
エコやサステナブルは、セレブリティも盛んに取り入れる時代のトレンドだ。
たくさんの人が求めるものは、企業にとって魅力的。いい金儲けの機会だと考える企業も哀しいかな存在する。
グリーンで、環境によさそうな文句も書いてある。
デザインもやさしい。
だが、本当にそれはサステナブルなアイテムだろうか?
ペイする前に、もう一度冷静になってチェックしてみよう。
そのひとつのアクションが、大きな企業や地球環境の未来を変えていく大切な一歩になるのだから。
※掲載している情報は、2023年1月23日時点のものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://eleminist.com/article/363
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
大人の社会のいい加減さには、子供たちも辟易しているはず。
子供を含めた地域の議論、言ってみればかつての民主主義の広場・シティとでもいうところが出来ると良い。
・・・・
では、草々
2023-4-19
森下克介
Posted by もりかつ at
15:01
│Comments(0)
2023年04月19日
新しい「緑の革命」の行く先は、上から目線ではない
前略
有名な「緑の革命」は、1940年代から1960年代高収量品種の導入や化学肥料の大量投入などにより穀物の生産性が向上した。
化学肥料や農薬への依存度が高まるにつれ,農薬に耐性のある病害虫の発生や土壌の肥沃度の低下,水の汚染といった問題が
広域にわたって顕在化し,深刻さの度合いを増すことになった。
どの国も一様にダムを建設し灌漑用の水路を引き,肥料や農薬関連産業を振興し,また農村部で 2 期作や 2 年 5 期作がなされるようになると,連作により土地の疲弊も進み,化学投入財の流亡などによる河川の汚染も加速される。栽培時期が乱れ,病害虫が年間を通して発生しやすい温床をつぎつぎと生み出し,それを防除するためさらに防除作業に精を出すというサイクルを恒常化させていく。冒頭で触れた田んぼや河川に棲む生物も急速に姿を消し始め,自然界の食物連鎖もその機能が危惧されるようになってきた。
こうした環境問題と合わせて,不慣れな農薬の施用による農民の健康被害も社会問題として大きく取り上げられるようになった。.
等と、その成果に対する負の側面が指摘された。
・・・・・・
此処では、「新しい緑の革命」の提案であるが、視点は「穀物の増産」であるから、結局は土壌等の自然への暴力的かんしょうが行われるということには変わりないといえる。
それでも、過去からの自然農業に対して、有機物の還元など、地力保持などを基本とした本来の自然農法を推進することになる方t主尾がある。
・・・・・
一方で、ビルゲイツ財団が試行しているのは、その結果種子や化学肥料の販売での儲けを得ることである。
一瞬は、農業の進展とか合理化とか今までの金科玉条の言葉そのものを実行しようとしている、これはもう「時代錯誤」である。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
(1)ーーーーーーー食の未来――「緑の革命」を起こそうーーーーーー
2009年2月18日、アヒム・シュタイナー、朝日、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2008年の食糧に関する暴動は、世界のニュースの見出しから抜け落ちているかもしれないが、農場、あるいは台所で全てがうまく落ち着いたなどとイメージしてはいけない。
オーストラリアの農地の50%近くが依然として干ばつ状態にあり、インドのヒマチャル・プラデシュ州やウッタラ・カンド州では降雨量が少ないことにより、作物の損失が40%にまで上っている。
ケニアでは必需食料品に不足により、ますます多くの腹を空かせた人々がゴミくずをあさらざるを得ない状況にあり、結果的に多くの人々が被害を受け、なかには食中毒が原因で死んでしまう人もいる。
日本では、推計63万人が現在、食の安全を得られず、最近では400万人のフィリピン人が食料の供給が不足していると訴えている。
今月はじめ、ロンドンを拠点にするシンクタンクが、持続不可能な消費と生産手法は気候変動に関連があり、そのことによって次の10年で英国が食糧危機に直面すると警戒を促した。
全体的に見れば、穀類やその他の穀物価格は依然として高いままであるために、現在10億人が空腹であると識別されている。
次の40年以上にわたり、世界はさらなる25億人のための食糧を見つけなくてはならないだろう。
こうして、気候変動のインパクトがなかったとしても、世界は大きな課題に直面することになる。
・・・・・・・・
>>> 多くの著名な専門家たちが「緑の革命」を呼びかけている。
しかし、これは何を意味するのだろうか。
・・・・
単に20世紀後半の化学物質に高く依存した農業モデルの推進、つまりは、水量管理型(節水型)生産システムと高収量品種農地の利用は、そこには加えるべきではない。
厳しい事実として、2050年までに一人あたりが利用可能な耕作地は0.1ヘクタールにまで縮小するだろう。
それは、今の工業化された農法のもとでは達成不可能な能率レベルを必要とする。
土壌劣化は、集約化と過放牧と関連があるが、過去から現在まで世界の耕作地の16%を除く全てに影響を与えてきた。
そして、60年代に産業化された水産業の発達により、商業ターゲットにされる海産魚種のバイオマス総量は、信じがたい数字だが90%も減少してきたのである。
・・・・
緑の革命は、世界が食糧を生産する方法だけでなく、分配や販売、消費の方法をも対象とする必要がある。
発展途上国での農業研究への支出額の下降傾向からすれば、種への投資や価格保持メカニズム、世界市場へのアクセスや貧困層のための小規模融資は急速な回復策となるものとして、重要であろう。
神経伝達物質のセロトニンが、イナゴが穀物を破壊する巨大な群れを形成するかどうかに関する鍵となるという、科学者による報告がなされたばかりである。
それは、環境に優しい害虫駆除や、環境的に疑問が残る農薬にあまり頼らないような期待感の高い方法への道を開くのである。
・・・・
緑の革命には他の道筋もある。
ひとつは、自然に反するよりもむしろ自然と共に働くことで生産力を押し上げるというものである。
それは、水や栄養や受粉媒介者のような自然なインプットを使い切るのではなく、むしろ拡大し、再循環させることによるものである。
インドのタミール・ナードゥ州にある100年続くいくつかの紅茶のプランテーションでは、肥料の頻繁な使用や植物の成長ホルモンの散布にもかかわらず生産量が頭打ちになってきたのだが、そこでは土壌生物の調査を試みている。
研究者が近隣の森林から得たミミズを再導入したところ、いくつかのプランテーションの収穫は282%にも上昇し、1年1ヘクタール当たりで5500ドルもの利益を上げた。
ブラジルでは、1400万ヘクタールの大豆が、人工肥料のかわりに窒素固定バクテリアを投与された。
アジア国々では、東京大学の科学者なども参加して、より少ない水量での米の集約農法を推進しており、それはSRI(稲集約栽培法)と呼ばれるもので、その起源は2000年もさかのぼる事が出来る。
インドネシアでは、生産高が80%近くも上昇し、水の使用は40%、肥料の使用は50%減少し、総生産コストは5分の1に減少した。
では、有機農法、つまり極めて偏った見方のきっかけになる問題だが、それはどうなのだろうか。
・・・・
UNEPとUNCTADは、アフリカの24カ国にある114の小規模農地を最近調査した。
それによれば、有機農法あるいは有機に近い農法を実践しているところでは、生産高は2倍以上となったことが分かった。
その生産高の増加は東アフリカにおいて128%に上昇した。
この研究によれば、有機農法は、伝統的な手法や化学物質を使う従来の集約農法よりも優れていることが分かった。
・・・・
また、改善された土壌の肥沃さ、より良い保水力、干ばつへの耐性といった力強い環境的な利益も見いだされた。
その調査により、有機農法を知ることで、地域の教育の改善がなされうるという役割が明らかとなった。
・・・・
UNEPによる新たなRRA(Rapid Response Assessment )と国際チームは環境食糧危機報告の評価を完了したばかりである。
専門家は増え続ける家畜に穀類を与え続けることにより、貧困と環境劣化をさらに悪くすると主張している。
ひとつの選択肢としては、藁やくるみの殻のような廃棄物から動物用の砂糖を生産するために、バイオ燃料の生産を目指す技術を展開することである。
報告の総括によれば、我々は食品廃棄物や魚の廃棄部分を動物の餌にリサイクルすることについて、賢明によりクリエイティブになる必要があると結んだ。
もし、これが本当に変革可能な規模でなされ得るならば、その対策は予想される人口増加に伴う食物基盤のエネルギー需要を供給することができるはずである。
これにより、既に負荷をかけている海洋環境への圧力の増加をすることなく、養魚業と水産養殖で50%の生産量の増加も可能となりうるのである。
・・・・
世界中で廃棄される食物の量、つまり、田畑で、処理の過程で、あるいは台所での浪費(損失)というものは、おそらく現代経済の中でもっとも議論されないもののひとつである。
アリゾナ大学によれば、合衆国における浪費と食品廃棄物は40~50%にものぼると推計された。
オーストラリアでは、食品廃棄物が国のゴミ廃棄場(埋め立て地)の半分にもなると概算されている。
先進国の農民の中には、より高い商品価格に投資をしつつ、低価格を受け入れるよりも田畑で食物を腐らせておこうとする者もいる。
これはまったくおかしなことであり、よりまともで分別のある政策が求められる。
・・・・
その一方で、英国では毎年、推計670万トンの家庭生ゴミが生み出されており、そのほとんどが食べられるものなのである。
「廃棄物と資源に関する行動計画」は、英国政府が支援する慈善事業だが、それによれば、食品廃棄物とは、最初に食物を作るのに使われた農薬、肥料、エネルギーの浪費をも意味する。
英国の温室効果ガス排出の20%は食物生産や流通、貯蔵に関連があり、浪費され山積みになった食物を減らすことで、少なくとも1500万トンは温室効果ガスをカットすることが出来ると推計されており、そこにはゴミ廃棄場(埋め立て地)で腐敗した有機物から排出されるメタンは含まれていない。
・・・・
「セカンド・ハーベスト」は日本で食物の救済を行うNGOであるが、彼らが言うには、日本も同じような状況にあり、地球規模の食料援助のもとで現在供給されている約800万トン以上に相当する食物を無駄にしているのである。
世界が無駄の多いエネルギー利用の問題に真剣に向き合い始めるという兆候が存在する。食物の話となると、われわれは滅多にナプキンを持ち上げなかったし、ナイフやフォークを片付けようともしなかったのである。
環境上のファクタリングや食物連鎖全体のより理にかなう管理は、成否の中核をなすものとなるだろう。
そう、われわれは緑の革命が必要なのである。
さもなければ、ケニアの沿岸部で現在起こっているひどい状況のように、より一層多くの人々が次の10年間で、世界のゴミの山の中から残飯を探し回ることを余儀なくされることになるのである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.asahi.com/eco/unep/j/TKY200902180010.html#Contents
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次には、殆ど対局にあるプロジェクト、過去の失敗の緑の革命の再現である。
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(2)ーーーーアフリカを狙え! 米国政府とモンサント社、それにビル・ゲイツ財団による食糧戦略ーーーー
天笠啓裕;2010年02月14日、日経ベリタ、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このところ、米国政府とモンサント社、それにビル・ゲイツ財団が加わえたチームによる、遺伝子組み換え(GM)作物を世界中に売り込む戦略が激しさを増している。
売り込み先のターゲットになっているのが、アジアとアフリカである。
モンサント社は、昨年末デンマーク・コペンハーゲンで開催された地球温暖化防止のための気候変動枠組み条約締約国会議(COPO15)において、環境NGO が募集したインターネット投票で、もっとも悪い役割を果たした企業に与えられる「怒った人魚」賞を受賞した。
・・・・
>>>◆ターゲットはアジアとアフリカ
同賞は、コペンハーゲンにちなんで命名されたもので、温暖化問題で最悪のロビー活動を行った企業に与えられた賞である。
モンサント社は、地球温暖化問題で批判されている石油・エネルギー関連企業を上回る37%の投票率だった。
次点は、ロイヤル・ダッチ・シェル社と全米石油協会だった。
・・・・
モンサント社の、2009年度(2009 年8 月31日までの1 年) の種子及び種子の遺伝子の売り上げが73億ドルに達したことが明らかになった。
2 位のデュポンとパイオニアハブリッド連合の売り上げが40億ドルであることから、モンスターとしての不動の地位は揺らぎのないものになっているといえる。
なお同社の種子以外を含めた全体の売り上げは117 億ドルで、21億ドルの利益をあげている、とフォーブス誌(2009年12月13日)は伝えている。
・・・・
そのモンサント社の戦略を支えているのが、ビル・ゲイツ財団である。
同財団は、最近、農業プロジェクトの新しい指導者にサム・ドライデンを据えた。
彼は、エマージェント・ジェネティクス社の最高経営責任者だったが、同社は2005年にモンサント社のものになっている。
そのエマージェント社の前にはアグリジェネティクス社を設立しているが、その会社は現在、ダウ・アグロサイエンス社の傘下に入っている。同財団は、モンサント人脈をトップに据えたことで、その売り込みにさらに拍車がかかりそうだ。
・・・・
>>>◆GM稲と小麦の売り込みをはかる
そのモンサント社が売り込みをはかろうとしているのが、GM稲と小麦である。
稲はIRRI( 国際イネ研究所) がその売り込みの尖兵になっている。
いまIRRIは、ビル・ゲイツ財団の支援を受けて、C4稲プロジェクトを開始した。
同財団は、このプロジェクトに 1100万USドルを投ずることになっている。
稲は本来C3植物だが、GM技術を用いて、トウモロコシのような光合成効率がよく、早く成長するC4植物に転換させようというもの。
・・・・
IRRIはまた、栄養価を高めたGM稲である「ゴールデンライス」を開発しているが、この稲が2012年にはフィリピンとバングラデシュで承認され、直後に商業栽培が始まるだろう、と発表した。
ゴールデンライスは、ビタミンA ライスとも呼ばれ、ベータカロチンを増やしたGM稲である。
同研究所によると両国に続いて、インド、インドネシア、ベトナムでも在来品種を用いて開発中だという。
・・・・
小麦は、米国・カナダ・オーストラリアの小麦生産者協会が昨年5月、モンサント社の意向を受けたものと思われるが、GM小麦推進を求める声明を出したのがきっかけにして、一挙に動き出した。
モンサント社はとくに干ばつ耐性小麦を武器に、開発を始動させた。
小麦は世界最大の作付け面積を持つ穀物であり、その市場は大きい。
同社は日韓の消費者やカナダ小麦局などの強い反対に直面して、2004年に一端は開発を中止したが、ここにきて風向きが変わったと判断したようだ。
2008年のバイオ燃料ブームが火付け役となった食糧危機で、小麦価格が高騰したことが、きっかけだった。
・・・・
>>>◆米国によるアフリカの食料支配戦略
米国オバマ政権も遺伝子組み換え作物売込みにまい進している。
現在の農務長官トム・ヴィルサックは、州知事時代にGM作物を推進した「モンサントの友人」という異名を持つ人物である。
オバマ政権はまた、モンサント社の要職にあるマイケル・M・テイラーをFDA(食品医薬品局)の要職に起用している。
さらに最近では、政府の貿易交渉の重要ポストに、農薬産業会の代表を選択している。
このことに対して、環境保護団体や消費者団体、全米家族経営農家連合のような生産者団体等85の団体が、上院金融委員会がこの人事を承認する段階で、反対の共同声明を発表した。
・・・・・
その米国政府とモンサント社、それにビル・ゲイツ財団チームとなり、アジアと並びGM作物の売り込みを強烈に強めているのが、アフリカである。
その先導役が、米政府国際開発庁である。
同庁が連携を強めているのが、「緑の革命アフリカ」「アフリカ種子貿易協会」「西アフリカ諸国経済共同体」「西アフリカ種子同盟」といった団体である。
・・・・
ビル・ゲイツ財団も新たに、ミシガン州立大学に5 年間で1040万ドル交付することになった。
同大学は今後、アフリカ諸国がGM作物を導入できるようにバイオセーフティ規則を作成させるなど、各国政府農業省に働きかけていくことになっている。
昨年11月16日にローマで開催された食料サミットで、南アフリカ共和国ダーバンの大司教・ネイピア枢機卿が、「サミットはアフリカの人々がなにを求めているかを知らない。
私たちにはGM作物は不要であり、水が必要なのだ。
水さえあれば、よく育つ非GM作物がある」と述べた。
本来、その地域の人々にとって不必要なGM作物を売り込み、種子を支配し、それによって食料を支配しようとする米国の戦略が、いまアジアとアフリカを席巻しており、それに怒る人々との間で衝突を繰り返している。
(科学ジャーナリスト、市民バイオテクノロジー情報室代表)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201002141501430
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今でも思考回路が切り替わらづ、「金儲け資本主義」のキョンシーが蔓延っている。
もっともっとみんなが議論しないといけない。
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では、草々
2023-4-19
森下克介
有名な「緑の革命」は、1940年代から1960年代高収量品種の導入や化学肥料の大量投入などにより穀物の生産性が向上した。
化学肥料や農薬への依存度が高まるにつれ,農薬に耐性のある病害虫の発生や土壌の肥沃度の低下,水の汚染といった問題が
広域にわたって顕在化し,深刻さの度合いを増すことになった。
どの国も一様にダムを建設し灌漑用の水路を引き,肥料や農薬関連産業を振興し,また農村部で 2 期作や 2 年 5 期作がなされるようになると,連作により土地の疲弊も進み,化学投入財の流亡などによる河川の汚染も加速される。栽培時期が乱れ,病害虫が年間を通して発生しやすい温床をつぎつぎと生み出し,それを防除するためさらに防除作業に精を出すというサイクルを恒常化させていく。冒頭で触れた田んぼや河川に棲む生物も急速に姿を消し始め,自然界の食物連鎖もその機能が危惧されるようになってきた。
こうした環境問題と合わせて,不慣れな農薬の施用による農民の健康被害も社会問題として大きく取り上げられるようになった。.
等と、その成果に対する負の側面が指摘された。
・・・・・・
此処では、「新しい緑の革命」の提案であるが、視点は「穀物の増産」であるから、結局は土壌等の自然への暴力的かんしょうが行われるということには変わりないといえる。
それでも、過去からの自然農業に対して、有機物の還元など、地力保持などを基本とした本来の自然農法を推進することになる方t主尾がある。
・・・・・
一方で、ビルゲイツ財団が試行しているのは、その結果種子や化学肥料の販売での儲けを得ることである。
一瞬は、農業の進展とか合理化とか今までの金科玉条の言葉そのものを実行しようとしている、これはもう「時代錯誤」である。
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(1)ーーーーーーー食の未来――「緑の革命」を起こそうーーーーーー
2009年2月18日、アヒム・シュタイナー、朝日、
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2008年の食糧に関する暴動は、世界のニュースの見出しから抜け落ちているかもしれないが、農場、あるいは台所で全てがうまく落ち着いたなどとイメージしてはいけない。
オーストラリアの農地の50%近くが依然として干ばつ状態にあり、インドのヒマチャル・プラデシュ州やウッタラ・カンド州では降雨量が少ないことにより、作物の損失が40%にまで上っている。
ケニアでは必需食料品に不足により、ますます多くの腹を空かせた人々がゴミくずをあさらざるを得ない状況にあり、結果的に多くの人々が被害を受け、なかには食中毒が原因で死んでしまう人もいる。
日本では、推計63万人が現在、食の安全を得られず、最近では400万人のフィリピン人が食料の供給が不足していると訴えている。
今月はじめ、ロンドンを拠点にするシンクタンクが、持続不可能な消費と生産手法は気候変動に関連があり、そのことによって次の10年で英国が食糧危機に直面すると警戒を促した。
全体的に見れば、穀類やその他の穀物価格は依然として高いままであるために、現在10億人が空腹であると識別されている。
次の40年以上にわたり、世界はさらなる25億人のための食糧を見つけなくてはならないだろう。
こうして、気候変動のインパクトがなかったとしても、世界は大きな課題に直面することになる。
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>>> 多くの著名な専門家たちが「緑の革命」を呼びかけている。
しかし、これは何を意味するのだろうか。
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単に20世紀後半の化学物質に高く依存した農業モデルの推進、つまりは、水量管理型(節水型)生産システムと高収量品種農地の利用は、そこには加えるべきではない。
厳しい事実として、2050年までに一人あたりが利用可能な耕作地は0.1ヘクタールにまで縮小するだろう。
それは、今の工業化された農法のもとでは達成不可能な能率レベルを必要とする。
土壌劣化は、集約化と過放牧と関連があるが、過去から現在まで世界の耕作地の16%を除く全てに影響を与えてきた。
そして、60年代に産業化された水産業の発達により、商業ターゲットにされる海産魚種のバイオマス総量は、信じがたい数字だが90%も減少してきたのである。
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緑の革命は、世界が食糧を生産する方法だけでなく、分配や販売、消費の方法をも対象とする必要がある。
発展途上国での農業研究への支出額の下降傾向からすれば、種への投資や価格保持メカニズム、世界市場へのアクセスや貧困層のための小規模融資は急速な回復策となるものとして、重要であろう。
神経伝達物質のセロトニンが、イナゴが穀物を破壊する巨大な群れを形成するかどうかに関する鍵となるという、科学者による報告がなされたばかりである。
それは、環境に優しい害虫駆除や、環境的に疑問が残る農薬にあまり頼らないような期待感の高い方法への道を開くのである。
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緑の革命には他の道筋もある。
ひとつは、自然に反するよりもむしろ自然と共に働くことで生産力を押し上げるというものである。
それは、水や栄養や受粉媒介者のような自然なインプットを使い切るのではなく、むしろ拡大し、再循環させることによるものである。
インドのタミール・ナードゥ州にある100年続くいくつかの紅茶のプランテーションでは、肥料の頻繁な使用や植物の成長ホルモンの散布にもかかわらず生産量が頭打ちになってきたのだが、そこでは土壌生物の調査を試みている。
研究者が近隣の森林から得たミミズを再導入したところ、いくつかのプランテーションの収穫は282%にも上昇し、1年1ヘクタール当たりで5500ドルもの利益を上げた。
ブラジルでは、1400万ヘクタールの大豆が、人工肥料のかわりに窒素固定バクテリアを投与された。
アジア国々では、東京大学の科学者なども参加して、より少ない水量での米の集約農法を推進しており、それはSRI(稲集約栽培法)と呼ばれるもので、その起源は2000年もさかのぼる事が出来る。
インドネシアでは、生産高が80%近くも上昇し、水の使用は40%、肥料の使用は50%減少し、総生産コストは5分の1に減少した。
では、有機農法、つまり極めて偏った見方のきっかけになる問題だが、それはどうなのだろうか。
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UNEPとUNCTADは、アフリカの24カ国にある114の小規模農地を最近調査した。
それによれば、有機農法あるいは有機に近い農法を実践しているところでは、生産高は2倍以上となったことが分かった。
その生産高の増加は東アフリカにおいて128%に上昇した。
この研究によれば、有機農法は、伝統的な手法や化学物質を使う従来の集約農法よりも優れていることが分かった。
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また、改善された土壌の肥沃さ、より良い保水力、干ばつへの耐性といった力強い環境的な利益も見いだされた。
その調査により、有機農法を知ることで、地域の教育の改善がなされうるという役割が明らかとなった。
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UNEPによる新たなRRA(Rapid Response Assessment )と国際チームは環境食糧危機報告の評価を完了したばかりである。
専門家は増え続ける家畜に穀類を与え続けることにより、貧困と環境劣化をさらに悪くすると主張している。
ひとつの選択肢としては、藁やくるみの殻のような廃棄物から動物用の砂糖を生産するために、バイオ燃料の生産を目指す技術を展開することである。
報告の総括によれば、我々は食品廃棄物や魚の廃棄部分を動物の餌にリサイクルすることについて、賢明によりクリエイティブになる必要があると結んだ。
もし、これが本当に変革可能な規模でなされ得るならば、その対策は予想される人口増加に伴う食物基盤のエネルギー需要を供給することができるはずである。
これにより、既に負荷をかけている海洋環境への圧力の増加をすることなく、養魚業と水産養殖で50%の生産量の増加も可能となりうるのである。
・・・・
世界中で廃棄される食物の量、つまり、田畑で、処理の過程で、あるいは台所での浪費(損失)というものは、おそらく現代経済の中でもっとも議論されないもののひとつである。
アリゾナ大学によれば、合衆国における浪費と食品廃棄物は40~50%にものぼると推計された。
オーストラリアでは、食品廃棄物が国のゴミ廃棄場(埋め立て地)の半分にもなると概算されている。
先進国の農民の中には、より高い商品価格に投資をしつつ、低価格を受け入れるよりも田畑で食物を腐らせておこうとする者もいる。
これはまったくおかしなことであり、よりまともで分別のある政策が求められる。
・・・・
その一方で、英国では毎年、推計670万トンの家庭生ゴミが生み出されており、そのほとんどが食べられるものなのである。
「廃棄物と資源に関する行動計画」は、英国政府が支援する慈善事業だが、それによれば、食品廃棄物とは、最初に食物を作るのに使われた農薬、肥料、エネルギーの浪費をも意味する。
英国の温室効果ガス排出の20%は食物生産や流通、貯蔵に関連があり、浪費され山積みになった食物を減らすことで、少なくとも1500万トンは温室効果ガスをカットすることが出来ると推計されており、そこにはゴミ廃棄場(埋め立て地)で腐敗した有機物から排出されるメタンは含まれていない。
・・・・
「セカンド・ハーベスト」は日本で食物の救済を行うNGOであるが、彼らが言うには、日本も同じような状況にあり、地球規模の食料援助のもとで現在供給されている約800万トン以上に相当する食物を無駄にしているのである。
世界が無駄の多いエネルギー利用の問題に真剣に向き合い始めるという兆候が存在する。食物の話となると、われわれは滅多にナプキンを持ち上げなかったし、ナイフやフォークを片付けようともしなかったのである。
環境上のファクタリングや食物連鎖全体のより理にかなう管理は、成否の中核をなすものとなるだろう。
そう、われわれは緑の革命が必要なのである。
さもなければ、ケニアの沿岸部で現在起こっているひどい状況のように、より一層多くの人々が次の10年間で、世界のゴミの山の中から残飯を探し回ることを余儀なくされることになるのである。
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https://www.asahi.com/eco/unep/j/TKY200902180010.html#Contents
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次には、殆ど対局にあるプロジェクト、過去の失敗の緑の革命の再現である。
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(2)ーーーーアフリカを狙え! 米国政府とモンサント社、それにビル・ゲイツ財団による食糧戦略ーーーー
天笠啓裕;2010年02月14日、日経ベリタ、
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このところ、米国政府とモンサント社、それにビル・ゲイツ財団が加わえたチームによる、遺伝子組み換え(GM)作物を世界中に売り込む戦略が激しさを増している。
売り込み先のターゲットになっているのが、アジアとアフリカである。
モンサント社は、昨年末デンマーク・コペンハーゲンで開催された地球温暖化防止のための気候変動枠組み条約締約国会議(COPO15)において、環境NGO が募集したインターネット投票で、もっとも悪い役割を果たした企業に与えられる「怒った人魚」賞を受賞した。
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>>>◆ターゲットはアジアとアフリカ
同賞は、コペンハーゲンにちなんで命名されたもので、温暖化問題で最悪のロビー活動を行った企業に与えられた賞である。
モンサント社は、地球温暖化問題で批判されている石油・エネルギー関連企業を上回る37%の投票率だった。
次点は、ロイヤル・ダッチ・シェル社と全米石油協会だった。
・・・・
モンサント社の、2009年度(2009 年8 月31日までの1 年) の種子及び種子の遺伝子の売り上げが73億ドルに達したことが明らかになった。
2 位のデュポンとパイオニアハブリッド連合の売り上げが40億ドルであることから、モンスターとしての不動の地位は揺らぎのないものになっているといえる。
なお同社の種子以外を含めた全体の売り上げは117 億ドルで、21億ドルの利益をあげている、とフォーブス誌(2009年12月13日)は伝えている。
・・・・
そのモンサント社の戦略を支えているのが、ビル・ゲイツ財団である。
同財団は、最近、農業プロジェクトの新しい指導者にサム・ドライデンを据えた。
彼は、エマージェント・ジェネティクス社の最高経営責任者だったが、同社は2005年にモンサント社のものになっている。
そのエマージェント社の前にはアグリジェネティクス社を設立しているが、その会社は現在、ダウ・アグロサイエンス社の傘下に入っている。同財団は、モンサント人脈をトップに据えたことで、その売り込みにさらに拍車がかかりそうだ。
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>>>◆GM稲と小麦の売り込みをはかる
そのモンサント社が売り込みをはかろうとしているのが、GM稲と小麦である。
稲はIRRI( 国際イネ研究所) がその売り込みの尖兵になっている。
いまIRRIは、ビル・ゲイツ財団の支援を受けて、C4稲プロジェクトを開始した。
同財団は、このプロジェクトに 1100万USドルを投ずることになっている。
稲は本来C3植物だが、GM技術を用いて、トウモロコシのような光合成効率がよく、早く成長するC4植物に転換させようというもの。
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IRRIはまた、栄養価を高めたGM稲である「ゴールデンライス」を開発しているが、この稲が2012年にはフィリピンとバングラデシュで承認され、直後に商業栽培が始まるだろう、と発表した。
ゴールデンライスは、ビタミンA ライスとも呼ばれ、ベータカロチンを増やしたGM稲である。
同研究所によると両国に続いて、インド、インドネシア、ベトナムでも在来品種を用いて開発中だという。
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小麦は、米国・カナダ・オーストラリアの小麦生産者協会が昨年5月、モンサント社の意向を受けたものと思われるが、GM小麦推進を求める声明を出したのがきっかけにして、一挙に動き出した。
モンサント社はとくに干ばつ耐性小麦を武器に、開発を始動させた。
小麦は世界最大の作付け面積を持つ穀物であり、その市場は大きい。
同社は日韓の消費者やカナダ小麦局などの強い反対に直面して、2004年に一端は開発を中止したが、ここにきて風向きが変わったと判断したようだ。
2008年のバイオ燃料ブームが火付け役となった食糧危機で、小麦価格が高騰したことが、きっかけだった。
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>>>◆米国によるアフリカの食料支配戦略
米国オバマ政権も遺伝子組み換え作物売込みにまい進している。
現在の農務長官トム・ヴィルサックは、州知事時代にGM作物を推進した「モンサントの友人」という異名を持つ人物である。
オバマ政権はまた、モンサント社の要職にあるマイケル・M・テイラーをFDA(食品医薬品局)の要職に起用している。
さらに最近では、政府の貿易交渉の重要ポストに、農薬産業会の代表を選択している。
このことに対して、環境保護団体や消費者団体、全米家族経営農家連合のような生産者団体等85の団体が、上院金融委員会がこの人事を承認する段階で、反対の共同声明を発表した。
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その米国政府とモンサント社、それにビル・ゲイツ財団チームとなり、アジアと並びGM作物の売り込みを強烈に強めているのが、アフリカである。
その先導役が、米政府国際開発庁である。
同庁が連携を強めているのが、「緑の革命アフリカ」「アフリカ種子貿易協会」「西アフリカ諸国経済共同体」「西アフリカ種子同盟」といった団体である。
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ビル・ゲイツ財団も新たに、ミシガン州立大学に5 年間で1040万ドル交付することになった。
同大学は今後、アフリカ諸国がGM作物を導入できるようにバイオセーフティ規則を作成させるなど、各国政府農業省に働きかけていくことになっている。
昨年11月16日にローマで開催された食料サミットで、南アフリカ共和国ダーバンの大司教・ネイピア枢機卿が、「サミットはアフリカの人々がなにを求めているかを知らない。
私たちにはGM作物は不要であり、水が必要なのだ。
水さえあれば、よく育つ非GM作物がある」と述べた。
本来、その地域の人々にとって不必要なGM作物を売り込み、種子を支配し、それによって食料を支配しようとする米国の戦略が、いまアジアとアフリカを席巻しており、それに怒る人々との間で衝突を繰り返している。
(科学ジャーナリスト、市民バイオテクノロジー情報室代表)
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http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201002141501430
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今でも思考回路が切り替わらづ、「金儲け資本主義」のキョンシーが蔓延っている。
もっともっとみんなが議論しないといけない。
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では、草々
2023-4-19
森下克介
Posted by もりかつ at
11:14
│Comments(0)
2023年04月19日
「燃えるゴミは、燃やさない」時代は来るのでしょうか
前略
地方自治体の合併ブームの元には、「地域社会の公共インフラを整備すること」があった。
単に、市役所の人員などに人件費削減だけでなく、地域の社会保障の為の病院・火葬場・ゴミ焼却炉・教育関連(学校・図書館等文化施設)・上下水道・などがあるが、特に焼却場は悩みの種の一つであろう。
・・・・
これからの、地域共同体自治州には、財政的基盤は大きくないし、そうならないようにしたい。
全てが、共同・ゲマインシャフトとしてみんなで事をなす自治でなければならない。
そこで、今回の「可燃ごみ焼却」をしないで済ます方法を算段しなければならない為のヒントとしたい。
・・・・
食料品残渣は、個別に微生物利用で堆肥化が出来そうである。
しかし、その他の「燃えるゴミ」の始末は燃やす以外に、有機物としての自然による始末方法が出てきている。
大きな事業化を考えるのではない、各戸別のに生ごみのコンポストの様に、微生物利用の分解発酵出来れば、自家での再利用が出来ることになる。
・・・・
まだ課題は多く残っておるが、可能性はここで示されたので、今こそ「カーボンバジェット」の力を使うところでしょう、現在問題の、廃プラスチックボミを含めた、可燃ごみを始末する微生物開発である、「最近のゲノム編集技術」に多くを期待したい。
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(1)ーーーーー可燃ゴミは燃やさず微生物で処理するーーーーー
2019/10/27;雑ネタ帳、
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日本には可燃ゴミを全く燃やさないシステムを持つ町がある。
もちろん他の町にゴミを持って行くわけではない。
・・・・・・・
それは人口が約6万2000人の香川県三豊市である。同市では色んな微生物の働きを研究していて、今まで燃やすしかなかった可燃ゴミを微生物に分解してもらうという処理方法で、「可燃ゴミ」を「資源」に変えている。これにより可燃ゴミを燃やす必要はなくなった。
「ゴミはすべて資源」という理念を掲げる同市では、新しいゴミ処理施設について公募した。そして、廃棄物処理業を営む株式会社エコマスターから提案された「トンネルコンポスト方式」と呼ばれるシステムを採用し、民設民営方式で運営している。
可燃ゴミは発酵させるために密閉されたコンクリート製のトンネルの中に入れられる。
コンポスト(compost)とは、都市ゴミを発酵させて作った堆肥を意味する。
つまり、トンネルコンポスト方式とは、破砕した燃やせるゴミをバイオトンネルの中で発酵・乾燥させ、固形燃料や有機肥料の原料としてリサイクルするというシステムである。
・・・・
これは日本初の試みで、2017年に稼働が始まったゴミ処理施設「バイオマス資源化センターみとよ」では、家庭や廃棄物処理業から出た燃やせるゴミを発酵・乾燥させて固形燃料の原料としてリサイクルしている。
固形燃料は石炭の代わりとして使用される。
二酸化炭素の排出を抑え、ダイオキシン類も発生しない。
ヨーロッパでは盛んな先進的なゴミ処理モデルである。
・・・
燃やせるゴミは、生ゴミやプラスチック、紙などが混在している混合ゴミであり、これは臭いや水分の関係からリサイクルが難しいとされてきた。
トンネルコンポスト方式では、これらの混合ゴミもリサイクル可能な状態にできる。
この技術は、使用済みオムツのリサイクルにも適している。
この燃やせるゴミを資源化するシステムは従来の焼却システムよりも費用がかからず、コストカットにもつながる。
同市のように人口があまり多くなく、ゴミの焼却に予算がかけられない町に適したゴミ処理方法である。
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https://zatsuneta.com/archives/005880.html
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もう一つの大規模処理施設の例です。
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(2)ーーーーーー可燃性なら分別不要、微生物でゴミを「油田」にーーーーーー
積水化学工業がバイオリファイナリー技術確立;
2018.4.9、坂田 亮太郎、日経ビジネス、
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エタノールを微生物で生産する「バイオリファイナリー」技術を積水化学工業が確立した。
原料となるゴミを一切分別せずにエタノールに変換でき、「都市」のゴミは「油田」に変わる。
2019年度から実用プラントの稼働を計画しており、原油に依存しない未来に一歩近づいた。
(日経ビジネス2018年1月15日号より転載)
・・・・・・・
>>> 捨てればゴミ、生かせば資源──。
日本人の多くが知っているこの標語には2つの意味がある。
まずは戒め。
資源に乏しい日本では原材料を輸入に頼っている。
だからこそ、モノを大事に使わなければならないという意味だ。
・・・・
もう一つはゴミを資源として使うのは極めて難しいという現実を示している。
昭和の時代から唱え続けられてきた標語が、平成の30年になっても”現役”であり続けるのは、何十年という歳月を費やしてもそれが実現できていないからだ。
この常識が近い将来、覆るかもしれない。
ゴミを”まるごと”エタノールに変換する技術を積水化学工業が確立したのだ。
家庭などから回収したゴミを競争力のあるコストでエタノールに転換できたのは世界で初めて。
同社の上ノ山智史取締役専務執行役員は2017年12月の発表会で「次代に残すべき技術を開発できた」と胸を張った。
・・・・
確立したのは微生物を使ってゴミからエタノールを生産する「バイオリファイナリー」と呼ぶ手法だ。
これまで、焼却や埋め立てで処分していたゴミ。
これを微生物に”食べさせる”ことで化学品の原料にできれば、海外から原油を輸入しなくても日本国内で新しいサプライチェーンを構築できる。ゴミを吐き出す都市が「油田」として生まれ変わる可能性が見えてきたのだ。
お酒の成分として有名なエタノール。
実は、全化学品の6割を占める「エチレン」と似た構造を持っているため、エタノールは工業原料として広く活用できる。
水道用配管や住宅資材などでプラスチックを多く利用する積水化学にとっても、身近な原料だ。
・・・・
開発に乗り出したのはちょうど10年前の08年1月。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所で原油先物相場が史上初めて1バレル 100ドルの大台を突破したことがきっかけだ。
エタノールは一般的に、原油を精製したナフサを原料とし、「オイルリファイナリー」というプロセスで製造する。
調達コストが高騰すれば、プラスチック製造を祖業とする積水化学のビジネスが根底から揺さぶられる。
上ノ山氏は「社運を賭けた研究開発プロジェクトだった」と振り返る。
・・・・
注目したのはゴミだ。
日本国内で排出される可燃ゴミは年間6000万トンで、カロリー換算で約200兆キロカロリーに達する。
日本でプラスチック生産に使われる化石資源(約150兆キロカロリー)を補って余りある量だ。
しかもゴミは、人間が生活している限り、毎日安定して生み出される。
・・・・
>>>微生物がゴミを食べてエタノールを作る
●積水化学工業が開発したプロセスの特徴
ゴミをまるごとエタノールに変換
可燃性ゴミなら分別することなく、高い変換効率でエタノールを安定製造する技術を確立した。
米ランザテックの微生物を活用
エタノールの世界市場は年11兆円
食品や工業用原料として使われるエタノールは国内だけでも年75万キロリットルの需要があり、世界の市場規模は11兆円
二酸化炭素の排出を大幅削減
ゴミ焼却時とエタノール製造時に発生する二酸化炭素を大幅に削減できる。
化石資源の依存度を減らせる
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>>>ゴミを蒸し焼きして「ガス化」
問題は極めて不均質であること。
家庭から出される一般廃棄物には生ゴミ、紙類、ビニールなど雑多なものが入り交じっている。
しかも季節や場所によってゴミの成分や組成は大きく変動する。
このため資源として十分に活用できずにいた。
結局、自治体がゴミを回収しても、埋め立てるか焼却処分するしかなかった。
無論、ゴミを有効活用しようとする試みはこれまで様々あった。例えば、日立造船は11年度から熊本大学などと共同で、家庭ゴミの中から生ゴミと紙ゴミを選別し発酵処理によってエタノールを生産する実証実験に取り組んでいる。
しかし、ゴミの選別コストが高いため、実用化できていない。
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他にも農業廃棄物からエタノールを生産する研究開発は海外でも行われているが、こちらも実用化にはほど遠い。
種々雑多なゴミの中から工業原料として使えるゴミだけを分別して収集すると、割が合わなくなるからだ。
積水化学はゴミを分別する手間を省くため「ガス化」に着目した。
ゴミを低酸素状態で蒸し焼きして、分子レベルにまで分解していく。
これにより家庭用の一般廃棄物や産業廃棄物も含め、可燃性ゴミなら大半を「一酸化炭素」と「水素」に変換できるようになった。
ガス化プロセスは既に国内で普及しており、焼却効率を高めるため全国のゴミ処理施設の1割に採用されている。
・・・・
一酸化炭素(CO)と水素(H2)が作れれば、あと一歩。
高温・高圧の環境で金属触媒と反応させれば、エタノール(C2H5OH)を製造できる。
ただしここで新たな問題が生じる。
多大なエネルギーを投入しなければならないので、経済的に見合わない。
そこで積水化学は発想を転換。
微生物の”エサ”として一酸化炭素と水素を用い、その代謝物としてエタノールを得ることにした。
酵母でコメを発酵させて日本酒を造る仕組みと同様だ。
苦労したのは最適な菌株を探し出すこと。
世界中の大学や研究機関からエタノールを生成する微生物を独自に取り寄せ、評価を繰り返した。
・・・・
>>>10倍速くエタノールを生産
最終的に米バイオベンチャーのランザテックが保有する微生物を選んだ。
自然界から単離された微生物で、パン酵母などと同様に安全性が高い。
一般的なエタノール生産菌と比べて10倍以上も速く、効率的にエタノールを生産できることが決め手となった。
積水化学には、遺伝子組み換え技術で微生物を改変する選択肢もあった。
生産効率が0.1%上がるだけでも工業レベルでは意味があるからだ。
だが、遺伝子を組み換えた微生物が万が一、プラント外に漏れ出した際のリスクも考慮した。
「プラント周辺の住民感情にも配慮して、開発段階から最終ゴールを意識してきた」と上ノ山氏は語る。
ただし、微生物ならではの問題がある。
多様なゴミをまるごとガス化して分別コストを圧縮するのが積水化学の強みだが、それと引き換えに、ガスには多くの夾雑物が残ってしまう。
微生物のエサに夾雑物が混じっていると、エタノールの生産効率が落ち、最悪のケースでは微生物が死滅してしまう。
・・・・
そこでフィルターや触媒などを使って夾雑物を除去するプロセスを構築した。
積水化学は詳細を明らかにしていないが、5~6段階のプロセスを経て400種の夾雑物をほぼ取り除くことに成功した。
最適な条件を探し出すのに60回以上も試行錯誤を繰り返した。
ゴミの組成は毎日変わる。
ガス化して生成する一酸化炭素と水素の割合や、夾雑物の種類や量も変動する。
そこで微生物の状態を外部からリアルタイムに監視して、最適な状態を保つ制御技術も確立した。
微生物が弱ってくると“栄養剤”を投入して、再び活性化することもできるようになった。
・・・・
純度の高いエサと栄養剤を供給することで、微生物の反応速度を高レベルで維持できる。
独自のガス精製・管理技術により連続生産が可能になったことが、大きなブレークスルーになった。
関連する特許も既に取得している。
・・・・
14年からは実証実験にも取り組んだ。埼玉県寄居町にゴミ処理施設を有するオリックス資源循環と協力して、年間20キロリットルの生産能力を持つパイロットプラントを併設。
3年間、周辺の家庭から収集したゴミでエタノールを生産した結果、品質や生産効率そして安定性など、事業化に必要な条件をクリアできた。
工業用エタノールの市場価格は1リットル当たり90~140円。量産が進めばナフサ由来のエタノールと遜色ないレベルまで、価格を引き下げられる見通しだという。
・・・・
エタノールの世界市場は年11兆円規模とされる。
だが、積水化学が見据えるのはさらに先だ。
炭素数が「2」のエタノールを脱水反応させると、同じ炭素数を持つエチレン(C2H4)になる。
このエチレンはポリエチレンやポリ塩化ビニールなど各種のプラスチック材料となり、ここからさらに約2万種類の製品が生み出される。
これらは自動車部品や電子材料などとして、世界の産業界に必要不可欠な存在だ。
エチレンだけではない。
使用する微生物など条件を変えて、炭素数が3つの「イソプロパノール」や5つの「イソプレン」を製造できれば、生み出せる化学品の幅はもっと広がる。
積水化学は既にその研究にも着手している。
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輸入に頼らず日本国内で循環させる
●エチレンを出発物質とした様々な化学品
1000億円事業に育成する;30カ所の更新需要を狙う
●積水化学のバイオリファイナリー事業の展望
国内ではこれまで、主にナフサからプラスチックを製造してきた。
ここで使われる年間約3000万トンのナフサをゴミで置き換えるだけでも、経済効果は莫大だ。
国富の流出を抑制できるうえ、エネルギー安全保障の面でも有利に働く。
・・・・
さらに技術が進化すればゴミ由来の都市油田を活用して、日本が化学品の輸出国になることも夢物語ではないだろう。
化学品全体で見ると、世界市場は50兆円を超える。
二酸化炭素(CO2)の排出量を大きく減らせるのもメリットだ。
ゴミに含まれていた炭素をエタノールという形で再利用できるのに加え、製造時やゴミ焼却時のCO2排出も抑制できる。
今後の課題は、ゴミの回収を担っている自治体との連携だ。
日本にはゴミ処理施設がおよそ1200カ所あり、毎年30~40カ所で設備が更新されている。
処理施設の更新時期に合わせて、エタノール化施設を併設できるかどうかが普及のポイントとなる。
積水化学は19年度にも初の実用プラントを稼働させる計画だ。
その際、PFI(民間資金を活用した社会資本整備)方式で自治体やプラントメーカーも巻き込み、費用を分担するスキームを思い描いている。
エタノールなどを売って得た収入を出資者でシェアすることで、自治体の設備投資負担を軽減できるとしている。
積水化学はバイオリファイナリー事業の売り上げを25年に100億円、34年ごろには1000億円とする計画を描いている。
平成の次の時代に、ゴミを本当に資源として生かせるか。
積水化学の底力が試されている。(坂田 亮太郎)
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https://business.nikkei.com/atcl/report/15/226265/040600249/
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記事の中では、2030年までにGHG排出半減、2050年までにGHG排出ゼロ、を頬とんど気にしていない、現在と同じ社会が運営されているという背景を考えているとしか思えない。
まるで新しい社会にならなければ、そんな「カーボンゼロ」の社会はあり得ないのですから、そこではメタノールの一大需要はほとんどないでしょう。
・・・・
兎に角、2050年の世界のあり様の漸近線を見すえた議論をしないといけないでしょう。
では、草々
2023-4-19
森下克介
地方自治体の合併ブームの元には、「地域社会の公共インフラを整備すること」があった。
単に、市役所の人員などに人件費削減だけでなく、地域の社会保障の為の病院・火葬場・ゴミ焼却炉・教育関連(学校・図書館等文化施設)・上下水道・などがあるが、特に焼却場は悩みの種の一つであろう。
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これからの、地域共同体自治州には、財政的基盤は大きくないし、そうならないようにしたい。
全てが、共同・ゲマインシャフトとしてみんなで事をなす自治でなければならない。
そこで、今回の「可燃ごみ焼却」をしないで済ます方法を算段しなければならない為のヒントとしたい。
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食料品残渣は、個別に微生物利用で堆肥化が出来そうである。
しかし、その他の「燃えるゴミ」の始末は燃やす以外に、有機物としての自然による始末方法が出てきている。
大きな事業化を考えるのではない、各戸別のに生ごみのコンポストの様に、微生物利用の分解発酵出来れば、自家での再利用が出来ることになる。
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まだ課題は多く残っておるが、可能性はここで示されたので、今こそ「カーボンバジェット」の力を使うところでしょう、現在問題の、廃プラスチックボミを含めた、可燃ごみを始末する微生物開発である、「最近のゲノム編集技術」に多くを期待したい。
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(1)ーーーーー可燃ゴミは燃やさず微生物で処理するーーーーー
2019/10/27;雑ネタ帳、
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日本には可燃ゴミを全く燃やさないシステムを持つ町がある。
もちろん他の町にゴミを持って行くわけではない。
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それは人口が約6万2000人の香川県三豊市である。同市では色んな微生物の働きを研究していて、今まで燃やすしかなかった可燃ゴミを微生物に分解してもらうという処理方法で、「可燃ゴミ」を「資源」に変えている。これにより可燃ゴミを燃やす必要はなくなった。
「ゴミはすべて資源」という理念を掲げる同市では、新しいゴミ処理施設について公募した。そして、廃棄物処理業を営む株式会社エコマスターから提案された「トンネルコンポスト方式」と呼ばれるシステムを採用し、民設民営方式で運営している。
可燃ゴミは発酵させるために密閉されたコンクリート製のトンネルの中に入れられる。
コンポスト(compost)とは、都市ゴミを発酵させて作った堆肥を意味する。
つまり、トンネルコンポスト方式とは、破砕した燃やせるゴミをバイオトンネルの中で発酵・乾燥させ、固形燃料や有機肥料の原料としてリサイクルするというシステムである。
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これは日本初の試みで、2017年に稼働が始まったゴミ処理施設「バイオマス資源化センターみとよ」では、家庭や廃棄物処理業から出た燃やせるゴミを発酵・乾燥させて固形燃料の原料としてリサイクルしている。
固形燃料は石炭の代わりとして使用される。
二酸化炭素の排出を抑え、ダイオキシン類も発生しない。
ヨーロッパでは盛んな先進的なゴミ処理モデルである。
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燃やせるゴミは、生ゴミやプラスチック、紙などが混在している混合ゴミであり、これは臭いや水分の関係からリサイクルが難しいとされてきた。
トンネルコンポスト方式では、これらの混合ゴミもリサイクル可能な状態にできる。
この技術は、使用済みオムツのリサイクルにも適している。
この燃やせるゴミを資源化するシステムは従来の焼却システムよりも費用がかからず、コストカットにもつながる。
同市のように人口があまり多くなく、ゴミの焼却に予算がかけられない町に適したゴミ処理方法である。
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https://zatsuneta.com/archives/005880.html
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もう一つの大規模処理施設の例です。
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(2)ーーーーーー可燃性なら分別不要、微生物でゴミを「油田」にーーーーーー
積水化学工業がバイオリファイナリー技術確立;
2018.4.9、坂田 亮太郎、日経ビジネス、
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エタノールを微生物で生産する「バイオリファイナリー」技術を積水化学工業が確立した。
原料となるゴミを一切分別せずにエタノールに変換でき、「都市」のゴミは「油田」に変わる。
2019年度から実用プラントの稼働を計画しており、原油に依存しない未来に一歩近づいた。
(日経ビジネス2018年1月15日号より転載)
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>>> 捨てればゴミ、生かせば資源──。
日本人の多くが知っているこの標語には2つの意味がある。
まずは戒め。
資源に乏しい日本では原材料を輸入に頼っている。
だからこそ、モノを大事に使わなければならないという意味だ。
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もう一つはゴミを資源として使うのは極めて難しいという現実を示している。
昭和の時代から唱え続けられてきた標語が、平成の30年になっても”現役”であり続けるのは、何十年という歳月を費やしてもそれが実現できていないからだ。
この常識が近い将来、覆るかもしれない。
ゴミを”まるごと”エタノールに変換する技術を積水化学工業が確立したのだ。
家庭などから回収したゴミを競争力のあるコストでエタノールに転換できたのは世界で初めて。
同社の上ノ山智史取締役専務執行役員は2017年12月の発表会で「次代に残すべき技術を開発できた」と胸を張った。
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確立したのは微生物を使ってゴミからエタノールを生産する「バイオリファイナリー」と呼ぶ手法だ。
これまで、焼却や埋め立てで処分していたゴミ。
これを微生物に”食べさせる”ことで化学品の原料にできれば、海外から原油を輸入しなくても日本国内で新しいサプライチェーンを構築できる。ゴミを吐き出す都市が「油田」として生まれ変わる可能性が見えてきたのだ。
お酒の成分として有名なエタノール。
実は、全化学品の6割を占める「エチレン」と似た構造を持っているため、エタノールは工業原料として広く活用できる。
水道用配管や住宅資材などでプラスチックを多く利用する積水化学にとっても、身近な原料だ。
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開発に乗り出したのはちょうど10年前の08年1月。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所で原油先物相場が史上初めて1バレル 100ドルの大台を突破したことがきっかけだ。
エタノールは一般的に、原油を精製したナフサを原料とし、「オイルリファイナリー」というプロセスで製造する。
調達コストが高騰すれば、プラスチック製造を祖業とする積水化学のビジネスが根底から揺さぶられる。
上ノ山氏は「社運を賭けた研究開発プロジェクトだった」と振り返る。
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注目したのはゴミだ。
日本国内で排出される可燃ゴミは年間6000万トンで、カロリー換算で約200兆キロカロリーに達する。
日本でプラスチック生産に使われる化石資源(約150兆キロカロリー)を補って余りある量だ。
しかもゴミは、人間が生活している限り、毎日安定して生み出される。
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>>>微生物がゴミを食べてエタノールを作る
●積水化学工業が開発したプロセスの特徴
ゴミをまるごとエタノールに変換
可燃性ゴミなら分別することなく、高い変換効率でエタノールを安定製造する技術を確立した。
米ランザテックの微生物を活用
エタノールの世界市場は年11兆円
食品や工業用原料として使われるエタノールは国内だけでも年75万キロリットルの需要があり、世界の市場規模は11兆円
二酸化炭素の排出を大幅削減
ゴミ焼却時とエタノール製造時に発生する二酸化炭素を大幅に削減できる。
化石資源の依存度を減らせる
・・・・
>>>ゴミを蒸し焼きして「ガス化」
問題は極めて不均質であること。
家庭から出される一般廃棄物には生ゴミ、紙類、ビニールなど雑多なものが入り交じっている。
しかも季節や場所によってゴミの成分や組成は大きく変動する。
このため資源として十分に活用できずにいた。
結局、自治体がゴミを回収しても、埋め立てるか焼却処分するしかなかった。
無論、ゴミを有効活用しようとする試みはこれまで様々あった。例えば、日立造船は11年度から熊本大学などと共同で、家庭ゴミの中から生ゴミと紙ゴミを選別し発酵処理によってエタノールを生産する実証実験に取り組んでいる。
しかし、ゴミの選別コストが高いため、実用化できていない。
・・・・
他にも農業廃棄物からエタノールを生産する研究開発は海外でも行われているが、こちらも実用化にはほど遠い。
種々雑多なゴミの中から工業原料として使えるゴミだけを分別して収集すると、割が合わなくなるからだ。
積水化学はゴミを分別する手間を省くため「ガス化」に着目した。
ゴミを低酸素状態で蒸し焼きして、分子レベルにまで分解していく。
これにより家庭用の一般廃棄物や産業廃棄物も含め、可燃性ゴミなら大半を「一酸化炭素」と「水素」に変換できるようになった。
ガス化プロセスは既に国内で普及しており、焼却効率を高めるため全国のゴミ処理施設の1割に採用されている。
・・・・
一酸化炭素(CO)と水素(H2)が作れれば、あと一歩。
高温・高圧の環境で金属触媒と反応させれば、エタノール(C2H5OH)を製造できる。
ただしここで新たな問題が生じる。
多大なエネルギーを投入しなければならないので、経済的に見合わない。
そこで積水化学は発想を転換。
微生物の”エサ”として一酸化炭素と水素を用い、その代謝物としてエタノールを得ることにした。
酵母でコメを発酵させて日本酒を造る仕組みと同様だ。
苦労したのは最適な菌株を探し出すこと。
世界中の大学や研究機関からエタノールを生成する微生物を独自に取り寄せ、評価を繰り返した。
・・・・
>>>10倍速くエタノールを生産
最終的に米バイオベンチャーのランザテックが保有する微生物を選んだ。
自然界から単離された微生物で、パン酵母などと同様に安全性が高い。
一般的なエタノール生産菌と比べて10倍以上も速く、効率的にエタノールを生産できることが決め手となった。
積水化学には、遺伝子組み換え技術で微生物を改変する選択肢もあった。
生産効率が0.1%上がるだけでも工業レベルでは意味があるからだ。
だが、遺伝子を組み換えた微生物が万が一、プラント外に漏れ出した際のリスクも考慮した。
「プラント周辺の住民感情にも配慮して、開発段階から最終ゴールを意識してきた」と上ノ山氏は語る。
ただし、微生物ならではの問題がある。
多様なゴミをまるごとガス化して分別コストを圧縮するのが積水化学の強みだが、それと引き換えに、ガスには多くの夾雑物が残ってしまう。
微生物のエサに夾雑物が混じっていると、エタノールの生産効率が落ち、最悪のケースでは微生物が死滅してしまう。
・・・・
そこでフィルターや触媒などを使って夾雑物を除去するプロセスを構築した。
積水化学は詳細を明らかにしていないが、5~6段階のプロセスを経て400種の夾雑物をほぼ取り除くことに成功した。
最適な条件を探し出すのに60回以上も試行錯誤を繰り返した。
ゴミの組成は毎日変わる。
ガス化して生成する一酸化炭素と水素の割合や、夾雑物の種類や量も変動する。
そこで微生物の状態を外部からリアルタイムに監視して、最適な状態を保つ制御技術も確立した。
微生物が弱ってくると“栄養剤”を投入して、再び活性化することもできるようになった。
・・・・
純度の高いエサと栄養剤を供給することで、微生物の反応速度を高レベルで維持できる。
独自のガス精製・管理技術により連続生産が可能になったことが、大きなブレークスルーになった。
関連する特許も既に取得している。
・・・・
14年からは実証実験にも取り組んだ。埼玉県寄居町にゴミ処理施設を有するオリックス資源循環と協力して、年間20キロリットルの生産能力を持つパイロットプラントを併設。
3年間、周辺の家庭から収集したゴミでエタノールを生産した結果、品質や生産効率そして安定性など、事業化に必要な条件をクリアできた。
工業用エタノールの市場価格は1リットル当たり90~140円。量産が進めばナフサ由来のエタノールと遜色ないレベルまで、価格を引き下げられる見通しだという。
・・・・
エタノールの世界市場は年11兆円規模とされる。
だが、積水化学が見据えるのはさらに先だ。
炭素数が「2」のエタノールを脱水反応させると、同じ炭素数を持つエチレン(C2H4)になる。
このエチレンはポリエチレンやポリ塩化ビニールなど各種のプラスチック材料となり、ここからさらに約2万種類の製品が生み出される。
これらは自動車部品や電子材料などとして、世界の産業界に必要不可欠な存在だ。
エチレンだけではない。
使用する微生物など条件を変えて、炭素数が3つの「イソプロパノール」や5つの「イソプレン」を製造できれば、生み出せる化学品の幅はもっと広がる。
積水化学は既にその研究にも着手している。
・・・・
輸入に頼らず日本国内で循環させる
●エチレンを出発物質とした様々な化学品
1000億円事業に育成する;30カ所の更新需要を狙う
●積水化学のバイオリファイナリー事業の展望
国内ではこれまで、主にナフサからプラスチックを製造してきた。
ここで使われる年間約3000万トンのナフサをゴミで置き換えるだけでも、経済効果は莫大だ。
国富の流出を抑制できるうえ、エネルギー安全保障の面でも有利に働く。
・・・・
さらに技術が進化すればゴミ由来の都市油田を活用して、日本が化学品の輸出国になることも夢物語ではないだろう。
化学品全体で見ると、世界市場は50兆円を超える。
二酸化炭素(CO2)の排出量を大きく減らせるのもメリットだ。
ゴミに含まれていた炭素をエタノールという形で再利用できるのに加え、製造時やゴミ焼却時のCO2排出も抑制できる。
今後の課題は、ゴミの回収を担っている自治体との連携だ。
日本にはゴミ処理施設がおよそ1200カ所あり、毎年30~40カ所で設備が更新されている。
処理施設の更新時期に合わせて、エタノール化施設を併設できるかどうかが普及のポイントとなる。
積水化学は19年度にも初の実用プラントを稼働させる計画だ。
その際、PFI(民間資金を活用した社会資本整備)方式で自治体やプラントメーカーも巻き込み、費用を分担するスキームを思い描いている。
エタノールなどを売って得た収入を出資者でシェアすることで、自治体の設備投資負担を軽減できるとしている。
積水化学はバイオリファイナリー事業の売り上げを25年に100億円、34年ごろには1000億円とする計画を描いている。
平成の次の時代に、ゴミを本当に資源として生かせるか。
積水化学の底力が試されている。(坂田 亮太郎)
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https://business.nikkei.com/atcl/report/15/226265/040600249/
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記事の中では、2030年までにGHG排出半減、2050年までにGHG排出ゼロ、を頬とんど気にしていない、現在と同じ社会が運営されているという背景を考えているとしか思えない。
まるで新しい社会にならなければ、そんな「カーボンゼロ」の社会はあり得ないのですから、そこではメタノールの一大需要はほとんどないでしょう。
・・・・
兎に角、2050年の世界のあり様の漸近線を見すえた議論をしないといけないでしょう。
では、草々
2023-4-19
森下克介
Posted by もりかつ at
09:54
│Comments(0)
2023年04月19日
「水素の色は、6色」で、虹色に近づく
前略
水素のカラーリングの極みが「ゴールド」である。
何と地下鉱脈があるのではないかということ、石炭や石油の鉱脈を探しても出て来ない、別の鉱脈ということだ。
これならいいのか?再生可能性があるとか、水と鉱物触媒の作用で分解して水素が出るということのようです、今の化石燃料よりもまだましということか、地下水も採取しすぎで危機にさらされているので、それと同様ではないか、と思う。
・・・・
それにしても、呼称も含めて話題性は大きい。
さて、
グリーン水素だけでは、火力発電や製鉄・製鋼や合成化学など多くの分野での需要には賄いきれないだろうということである。
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ーーーーーーーー「ゴールド」にも期待の水素、気候変動対策にいつ役立つのか?ーーーーー
When hydrogen will help climate change—and when it won’t.
by Casey Crownhart2023.04.10、MIT,
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
水素は気候変動対策のヒーローとして取り上げられることが多い。
だが、製造方法によっては温室効果ガスが発生するため、すべてがクリーンなわけではない。
この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。
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>>>「水素の虹」という言葉を耳にしたことはあるだろうか?
水素自体は無色の気体だが、水素産業では、どのような方法を用いて製造されたものかが一目でわかるように、色分けして呼ぶことがある。
グレー、グリーン、ブルーの水素もあれば、鮮やかなピンクのような色まであり、虹の色を(おおむね)網羅している。
水素はしばしば、気候変動対策のヒーローとして取り上げられている。
バスの運行や鋼鉄の生産で燃料として使用しても、直接的には二酸化炭素を排出(またはそれに関連する地球温暖化)について心配する必要がないからだ。
世界では、化石燃料の使用量を減らす試みが進んでいる。
その中で、二酸化炭素を排出しないエネルギー源である水素には、今後大きな需要が生まれる可能性がある。
・・・・
しかし、水素が気候変動対策に実際どれほど貢献できるかは、その水素がどのように作られたかで決まる。
そこで、「虹」なのだ(それぞれの色の意味がわかるように、早見表を下に掲載している)。
欧州委員会は最近、どの水素が「再生可能な」と認められるのか、つまり水素がグリーンであるとはどのような意味なのかを決める規則を公開した。
また、サイエンス誌には最近、自然に発生するゴールド水素について、とても興味深い記事が掲載された。
というわけで、今回は水素の虹について解説し、未来の燃料である水素がどこから来る可能性があるのかを探ってみよう。
・・・・・
>>水素はなぜ必要なのだろうか?
現在でもすでに、私たちは多くの水素を使用している。
2021年の世界の需要は、9400万トンにのぼっていた。
そのほとんどは、石油精製や、(肥料用の)アンモニアの生産、そして(化学製造業用の)メタノールの生産に使用されている。
こうした用途は、今後変わっていく可能性が高い。
なぜなら、水素は、交通機関、重工業やその他の分野においても、化石燃料の代替として優れているからだ。
各国が気候変動対策の目標を守るなら、水素の需要は2030年までには1億3000トンに達する可能性があり、その約4分の1が新しい用途に使われることになるだろう。
・・・・
>>>しかし、問題がある。
現在、水素を作ろうとすると、圧倒的な量の化石燃料が必要なのだ。
通常は天然ガスが使われている。
「グレー」に色分けされている水素の生産では、天然ガスを水と反応させて水素ガスを得る。
この工程では二酸化炭素を排出する。
二酸化炭素を排出しない作り方もある。
例えば、化石燃料を用いた水素の生産時に、排出された二酸化炭素を回収する方法だ(この手法で作られた水素はブルーに色分けされる)。
これはかなり賛否が分かれるアプローチだ。
なぜなら、二酸化炭素回収には高額の費用がかかり、常に効率的というわけではないからだ。
・・・・
生産方法全体を見直して、電力を利用した水素の生産に切り替えることもできる。
この方法では、電気分解が用いられる。
水に電気を通して、水素と酸素を得るのだ。
電気分解に使用する電力が再生可能エネルギー源からのものであれば、その水素は公式に「グリーン」の称号を得られる。
では、具体的に、グリーンの水素はどのように定義されるのだろうか。
欧州委員会は、まさにその問いに答えようと、新たな規則を公開した。
どの水素プロジェクトが気候変動対策の目標に貢献するものであり、特別な補助金の対象となるかを提示することが狙いだ(この補助金は重要だ。
なぜなら、現在、グリーンの水素は、化石燃料から得るグレーの水素と比較して、著しく高価だからだ)。
・・・・
新たな規則には、重要な点が2つある。
まず、グリーンの水素と認められるのは、再生可能電力を使用して作られた水素のみだ。
生産者は、直接太陽光発電所または風力発電所まで送電線を設置して電力を得るか、再生可能エネルギーによる電力を供給する会社と契約して、送電網から電力を得る必要がある。
つまり、再生可能電力が大きなポイントになるわけだ。
欧州連合(EU)は、二酸化炭素排出量を削減すること、そしてロシア産の化石燃料への依存度を減らすことを目的とした計画の一環として、2030年までに域内で生産する水素を年間1000万トンまで増やし、さらに1000万トンを輸入しようとしている。
域内で年間1000万トン生産という目標を達成するには、500テラワット時(TWh)の再生可能電力が必要となる。
これは、EU域内の合計の電力消費量の15%に迫る値だ。
・・・・
水素の需要に応えるには、これほどの電力が必要とされる。
そのため、規制当局は、水素生産が単に今ある量の再生可能エネルギーによる電力を全て吸い取ってしまうだけというシナリオを回避しようとしている。
そのための策として、欧州委員会は、水素生産者に対して、追加性の原則を守るよう義務付けることになる。
簡単にいえば水素生産者は、既存の再生可能エネルギーによる電力を使用するのではなく、再生可能エネルギーによる電力を新たに送電網に加えなければならないということだ。
そのため、新たな要件においては、水素生産者は最近(直近3年以内に)建設された再生可能エネルギー・プロジェクトからの電力を使用しなければならないと規定されている。
この規則はまだ承認されておらず、承認には数カ月かかるかもしれない。
米国では、インフレ抑制法で規定されている水素の税額控除について、バイデン政権が類似の規則を作っている最中だ。
米国市場におけるグリーン水素の定義については、もうすぐ詳細が判明するはずだ。
・・・・
>>>水素がそこらじゅうの木から豊富に採取できれば?
それは無理だ。
でも、木ではなくても、地下から採取できるとしたらどうだろうか?
サイエンス誌に掲載されたこの記事では、自然発生する水素の可能性を探っている。
水素は、自然界に広く存在しているものとは考えられていない(だからこそ、水素を作ろうと、大掛かりな方法が色々と考え出されているのだ!)。
しかし、一部の研究者は、実は水素は豊富に存在しているのではないかと、考えを改め始めている。
いくつかの坑井を試掘してみたところ、水素がかなりはっきりと流れ出していることが確認され、今ではオーストラリアやアフリカ、欧州で、水素が地下に眠っている場所を探す試みが始まっている。これまで水素が地下から見つかっていなかったのは、水素は石油や天然ガスとは同じ場所からは産出しないため、これまで水素を探した人がほとんどいなかったせいだ(天然の水素は、しばしば「ゴールド」に色分けされる)。
・・・・
さらにうれしいことに、この地下から産出する水素は、再生可能な資源の可能性がある。
なぜなら、この水素は、水が地下で岩石と反応することで自然に発生している可能性があるからだ。
さらに、地下から取り出すのも、かなり少ない費用で可能になるかもしれない。
電気分解による水素から、地下から採取する水素に舵を切るにはまだ多くの疑問が残っているが、水素の虹に新たな色が加わることはとても興味深い。
・・・・
どの色がどの水素を指すのか分からなくなってしまっても、無理はない。
結局のところ、知るべき最重要事項は、どの水素にどの色が割り当てられているかではなく、結果として発生する二酸化炭素排出量がどれほどであるかだ。
それでも、水素の虹の早見表が必要なら、こちらの表を確認してみてほしい。
・・・・・・・・・・
注:一部の色には別の定義が存在する可能性もある。
カラー 起源
1, グレー 天然ガス
2, 黒 / 茶 石炭
3,ブ ルー 化石燃料 (CCS CCUS )
4, グリーン 再生可能電力で水を電気分解
5, ピンク 原発電力で水を電気分解
6, ゴールド 天然に発生する (地中)
・・・・・・・・・
グリーンの水素は、本誌が選んだ2021年の「ブレークスルー・テクノロジー10」の1つでもある。グ
リーンの水素の何が問題になっているのか、そして実現には何が必要なのか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
詳しくはこちらの特集記事をお読みいただきたい。
https://www.technologyreview.jp/s/240816/cheap-renewables-could-make-green-hydrogen-a-practical-replacement-for-fossil-fuels/
欧州が先行する「グリーン水素」は化石燃料の代わりになるか?
水素はこれまでも、化石燃料の代替物質として常に注目されてきた。欧州各国では「グリーン水素」を精製し、各地に供給するネットワークの構築が始まっている。by Peter Fairley2021.04.30
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>>>◆フォードが米国にバッテリー工場を新設
米国に新たな電池がやってくる。
フォードはミシガン州に工場を建設し、現在は主に中国で作られている種類のリチウムイオン電池を製造する計画だと発表した。
北米でより耐久性のある電自動車をより安く作れるようになる可能性がある。
この技術について、そしてこの工場の次なる展開について、詳しくはこちらの記事をお読みいただきたい。
だが、この工場をめぐって交錯している思惑が多く、不確定要素も残されている。
フォードは、電池の製造のために、中国の電池大手であるCATL(寧徳時代新能源科技)から技術ライセンスを取得する計画であるからだ。
本誌のヤン・ズェイ記者は、中国がいかにしてその電気自動車産業を成功に導いたのかについての記事を執筆している。
ぜひこの記事もお読みいただきたい。
・・・・・
>>>気候変動関連の最近の話題
ウクライナでの戦争が始まってから1年になる。
それからというもの、欧州のエネルギー事情は一変した。
各国がロシア産の化石燃料への依存度を減らそうとすることで、再生可能エネルギーへの転換が加速しているのだ。(ブルームバーグ)
あの電動トラックは、一体どれほど地球に優しいのだろうか。
それは、何と比較するかによって変わる。
車種の違いによる二酸化炭素排出量の違いを示している図がお気に入りだ。(ニューヨーク・タイムズ紙)
→ 大型の電気自動車について、さらに詳しくはこちらの記事をお読みいただきたい。(MITテクノロジーレビュー)
・・・・・
「15分都市」は、集中型の都市計画構想だ。
二酸化炭素排出量を削減できる可能性、そして毎日をより少し楽しく生きられるようになる可能性がある(通勤が短くなって嬉しくない人はいないはずだ)。
しかし、この構想に関して、ネット上では陰謀論が囁かれている。(ワイアード)
テスラは、自社の電気自動車向けの充電スポットの一部を、全ての電気自動車のドライバーに開放する。バイデン政権からの積極的な働きかけに応じた形だ。(ワシントンポスト紙)
暗号通貨のマイニングをする人々は、気候によくないというイメージの払拭を試みている。
しかし、環境保護団体や研究者は、当然ながら懐疑的だ。(グリスト)
ユナイテッド航空は、新規燃料分野に投資している。
新規および既存の「持続可能航空燃料」プロジェクトへの投資を目的に、1億ドルの基金を立ち上げた。(キャナリー・メディア)
→ ユナイテッド航空は、以前から持続可能航空燃料分野に取り組む姿勢を見せていた。
2022年にはユナイテッド航空の投資先の1つである、微生物を利用して燃料を製造する企業について記事にしている。(MITテクノロジーレビュー)
インドネシアでは、電気自動車の電池に使用される金属であるニッケルの生産が、2020年から2022年にかけて倍増した。
その代償として、ラボタという都市では、汚染が発生し、作業員は危険な条件での労働を強いられている。(ワイアード)
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https://www.technologyreview.jp/s/300018/when-hydrogen-will-help-climate-change-and-when-it-wont/?utm_source=MIT%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC+-+%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC&utm_campaign=c7d2adb2bb-NewsLetter_TheDaily&utm_medium=email&utm_term=0_6f0fb6e76b-c7d2adb2bb-194497713&mc_cid=c7d2adb2bb&mc_eid=a30e82edf2
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まだまだ、世界の混乱状態は続けないと、世界中の全員が納得しないということか、もっとたくさんの議論がされていいのでしょう、皆が納得するまで・・・。
でも、一方では「再野生化」の議論をみんなでして、その上で納得づくで、人類の再野生化の道を議論し、入っていく、まさしく「獣みち」に入り込むことになる。
でもそれしかないと理解できれば、みんなで頑張るしかない。
・・・・
一方で、人類の「暴力の歴史」に見るように、男の価値は自己抑制的意味合いが強くなて来て、今の世界になっているとか。
再野生化で人類が元に戻ってしまうなら、困ったものです。
でも、学門の進化はそれを許さないでしょう。
そうあって欲しいと思います。
・・・・
では、草々
2023-4-17
森下克介
水素のカラーリングの極みが「ゴールド」である。
何と地下鉱脈があるのではないかということ、石炭や石油の鉱脈を探しても出て来ない、別の鉱脈ということだ。
これならいいのか?再生可能性があるとか、水と鉱物触媒の作用で分解して水素が出るということのようです、今の化石燃料よりもまだましということか、地下水も採取しすぎで危機にさらされているので、それと同様ではないか、と思う。
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それにしても、呼称も含めて話題性は大きい。
さて、
グリーン水素だけでは、火力発電や製鉄・製鋼や合成化学など多くの分野での需要には賄いきれないだろうということである。
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ーーーーーーーー「ゴールド」にも期待の水素、気候変動対策にいつ役立つのか?ーーーーー
When hydrogen will help climate change—and when it won’t.
by Casey Crownhart2023.04.10、MIT,
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水素は気候変動対策のヒーローとして取り上げられることが多い。
だが、製造方法によっては温室効果ガスが発生するため、すべてがクリーンなわけではない。
この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。
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>>>「水素の虹」という言葉を耳にしたことはあるだろうか?
水素自体は無色の気体だが、水素産業では、どのような方法を用いて製造されたものかが一目でわかるように、色分けして呼ぶことがある。
グレー、グリーン、ブルーの水素もあれば、鮮やかなピンクのような色まであり、虹の色を(おおむね)網羅している。
水素はしばしば、気候変動対策のヒーローとして取り上げられている。
バスの運行や鋼鉄の生産で燃料として使用しても、直接的には二酸化炭素を排出(またはそれに関連する地球温暖化)について心配する必要がないからだ。
世界では、化石燃料の使用量を減らす試みが進んでいる。
その中で、二酸化炭素を排出しないエネルギー源である水素には、今後大きな需要が生まれる可能性がある。
・・・・
しかし、水素が気候変動対策に実際どれほど貢献できるかは、その水素がどのように作られたかで決まる。
そこで、「虹」なのだ(それぞれの色の意味がわかるように、早見表を下に掲載している)。
欧州委員会は最近、どの水素が「再生可能な」と認められるのか、つまり水素がグリーンであるとはどのような意味なのかを決める規則を公開した。
また、サイエンス誌には最近、自然に発生するゴールド水素について、とても興味深い記事が掲載された。
というわけで、今回は水素の虹について解説し、未来の燃料である水素がどこから来る可能性があるのかを探ってみよう。
・・・・・
>>水素はなぜ必要なのだろうか?
現在でもすでに、私たちは多くの水素を使用している。
2021年の世界の需要は、9400万トンにのぼっていた。
そのほとんどは、石油精製や、(肥料用の)アンモニアの生産、そして(化学製造業用の)メタノールの生産に使用されている。
こうした用途は、今後変わっていく可能性が高い。
なぜなら、水素は、交通機関、重工業やその他の分野においても、化石燃料の代替として優れているからだ。
各国が気候変動対策の目標を守るなら、水素の需要は2030年までには1億3000トンに達する可能性があり、その約4分の1が新しい用途に使われることになるだろう。
・・・・
>>>しかし、問題がある。
現在、水素を作ろうとすると、圧倒的な量の化石燃料が必要なのだ。
通常は天然ガスが使われている。
「グレー」に色分けされている水素の生産では、天然ガスを水と反応させて水素ガスを得る。
この工程では二酸化炭素を排出する。
二酸化炭素を排出しない作り方もある。
例えば、化石燃料を用いた水素の生産時に、排出された二酸化炭素を回収する方法だ(この手法で作られた水素はブルーに色分けされる)。
これはかなり賛否が分かれるアプローチだ。
なぜなら、二酸化炭素回収には高額の費用がかかり、常に効率的というわけではないからだ。
・・・・
生産方法全体を見直して、電力を利用した水素の生産に切り替えることもできる。
この方法では、電気分解が用いられる。
水に電気を通して、水素と酸素を得るのだ。
電気分解に使用する電力が再生可能エネルギー源からのものであれば、その水素は公式に「グリーン」の称号を得られる。
では、具体的に、グリーンの水素はどのように定義されるのだろうか。
欧州委員会は、まさにその問いに答えようと、新たな規則を公開した。
どの水素プロジェクトが気候変動対策の目標に貢献するものであり、特別な補助金の対象となるかを提示することが狙いだ(この補助金は重要だ。
なぜなら、現在、グリーンの水素は、化石燃料から得るグレーの水素と比較して、著しく高価だからだ)。
・・・・
新たな規則には、重要な点が2つある。
まず、グリーンの水素と認められるのは、再生可能電力を使用して作られた水素のみだ。
生産者は、直接太陽光発電所または風力発電所まで送電線を設置して電力を得るか、再生可能エネルギーによる電力を供給する会社と契約して、送電網から電力を得る必要がある。
つまり、再生可能電力が大きなポイントになるわけだ。
欧州連合(EU)は、二酸化炭素排出量を削減すること、そしてロシア産の化石燃料への依存度を減らすことを目的とした計画の一環として、2030年までに域内で生産する水素を年間1000万トンまで増やし、さらに1000万トンを輸入しようとしている。
域内で年間1000万トン生産という目標を達成するには、500テラワット時(TWh)の再生可能電力が必要となる。
これは、EU域内の合計の電力消費量の15%に迫る値だ。
・・・・
水素の需要に応えるには、これほどの電力が必要とされる。
そのため、規制当局は、水素生産が単に今ある量の再生可能エネルギーによる電力を全て吸い取ってしまうだけというシナリオを回避しようとしている。
そのための策として、欧州委員会は、水素生産者に対して、追加性の原則を守るよう義務付けることになる。
簡単にいえば水素生産者は、既存の再生可能エネルギーによる電力を使用するのではなく、再生可能エネルギーによる電力を新たに送電網に加えなければならないということだ。
そのため、新たな要件においては、水素生産者は最近(直近3年以内に)建設された再生可能エネルギー・プロジェクトからの電力を使用しなければならないと規定されている。
この規則はまだ承認されておらず、承認には数カ月かかるかもしれない。
米国では、インフレ抑制法で規定されている水素の税額控除について、バイデン政権が類似の規則を作っている最中だ。
米国市場におけるグリーン水素の定義については、もうすぐ詳細が判明するはずだ。
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>>>水素がそこらじゅうの木から豊富に採取できれば?
それは無理だ。
でも、木ではなくても、地下から採取できるとしたらどうだろうか?
サイエンス誌に掲載されたこの記事では、自然発生する水素の可能性を探っている。
水素は、自然界に広く存在しているものとは考えられていない(だからこそ、水素を作ろうと、大掛かりな方法が色々と考え出されているのだ!)。
しかし、一部の研究者は、実は水素は豊富に存在しているのではないかと、考えを改め始めている。
いくつかの坑井を試掘してみたところ、水素がかなりはっきりと流れ出していることが確認され、今ではオーストラリアやアフリカ、欧州で、水素が地下に眠っている場所を探す試みが始まっている。これまで水素が地下から見つかっていなかったのは、水素は石油や天然ガスとは同じ場所からは産出しないため、これまで水素を探した人がほとんどいなかったせいだ(天然の水素は、しばしば「ゴールド」に色分けされる)。
・・・・
さらにうれしいことに、この地下から産出する水素は、再生可能な資源の可能性がある。
なぜなら、この水素は、水が地下で岩石と反応することで自然に発生している可能性があるからだ。
さらに、地下から取り出すのも、かなり少ない費用で可能になるかもしれない。
電気分解による水素から、地下から採取する水素に舵を切るにはまだ多くの疑問が残っているが、水素の虹に新たな色が加わることはとても興味深い。
・・・・
どの色がどの水素を指すのか分からなくなってしまっても、無理はない。
結局のところ、知るべき最重要事項は、どの水素にどの色が割り当てられているかではなく、結果として発生する二酸化炭素排出量がどれほどであるかだ。
それでも、水素の虹の早見表が必要なら、こちらの表を確認してみてほしい。
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注:一部の色には別の定義が存在する可能性もある。
カラー 起源
1, グレー 天然ガス
2, 黒 / 茶 石炭
3,ブ ルー 化石燃料 (CCS CCUS )
4, グリーン 再生可能電力で水を電気分解
5, ピンク 原発電力で水を電気分解
6, ゴールド 天然に発生する (地中)
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グリーンの水素は、本誌が選んだ2021年の「ブレークスルー・テクノロジー10」の1つでもある。グ
リーンの水素の何が問題になっているのか、そして実現には何が必要なのか。
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詳しくはこちらの特集記事をお読みいただきたい。
https://www.technologyreview.jp/s/240816/cheap-renewables-could-make-green-hydrogen-a-practical-replacement-for-fossil-fuels/
欧州が先行する「グリーン水素」は化石燃料の代わりになるか?
水素はこれまでも、化石燃料の代替物質として常に注目されてきた。欧州各国では「グリーン水素」を精製し、各地に供給するネットワークの構築が始まっている。by Peter Fairley2021.04.30
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>>>◆フォードが米国にバッテリー工場を新設
米国に新たな電池がやってくる。
フォードはミシガン州に工場を建設し、現在は主に中国で作られている種類のリチウムイオン電池を製造する計画だと発表した。
北米でより耐久性のある電自動車をより安く作れるようになる可能性がある。
この技術について、そしてこの工場の次なる展開について、詳しくはこちらの記事をお読みいただきたい。
だが、この工場をめぐって交錯している思惑が多く、不確定要素も残されている。
フォードは、電池の製造のために、中国の電池大手であるCATL(寧徳時代新能源科技)から技術ライセンスを取得する計画であるからだ。
本誌のヤン・ズェイ記者は、中国がいかにしてその電気自動車産業を成功に導いたのかについての記事を執筆している。
ぜひこの記事もお読みいただきたい。
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>>>気候変動関連の最近の話題
ウクライナでの戦争が始まってから1年になる。
それからというもの、欧州のエネルギー事情は一変した。
各国がロシア産の化石燃料への依存度を減らそうとすることで、再生可能エネルギーへの転換が加速しているのだ。(ブルームバーグ)
あの電動トラックは、一体どれほど地球に優しいのだろうか。
それは、何と比較するかによって変わる。
車種の違いによる二酸化炭素排出量の違いを示している図がお気に入りだ。(ニューヨーク・タイムズ紙)
→ 大型の電気自動車について、さらに詳しくはこちらの記事をお読みいただきたい。(MITテクノロジーレビュー)
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「15分都市」は、集中型の都市計画構想だ。
二酸化炭素排出量を削減できる可能性、そして毎日をより少し楽しく生きられるようになる可能性がある(通勤が短くなって嬉しくない人はいないはずだ)。
しかし、この構想に関して、ネット上では陰謀論が囁かれている。(ワイアード)
テスラは、自社の電気自動車向けの充電スポットの一部を、全ての電気自動車のドライバーに開放する。バイデン政権からの積極的な働きかけに応じた形だ。(ワシントンポスト紙)
暗号通貨のマイニングをする人々は、気候によくないというイメージの払拭を試みている。
しかし、環境保護団体や研究者は、当然ながら懐疑的だ。(グリスト)
ユナイテッド航空は、新規燃料分野に投資している。
新規および既存の「持続可能航空燃料」プロジェクトへの投資を目的に、1億ドルの基金を立ち上げた。(キャナリー・メディア)
→ ユナイテッド航空は、以前から持続可能航空燃料分野に取り組む姿勢を見せていた。
2022年にはユナイテッド航空の投資先の1つである、微生物を利用して燃料を製造する企業について記事にしている。(MITテクノロジーレビュー)
インドネシアでは、電気自動車の電池に使用される金属であるニッケルの生産が、2020年から2022年にかけて倍増した。
その代償として、ラボタという都市では、汚染が発生し、作業員は危険な条件での労働を強いられている。(ワイアード)
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https://www.technologyreview.jp/s/300018/when-hydrogen-will-help-climate-change-and-when-it-wont/?utm_source=MIT%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC+-+%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC&utm_campaign=c7d2adb2bb-NewsLetter_TheDaily&utm_medium=email&utm_term=0_6f0fb6e76b-c7d2adb2bb-194497713&mc_cid=c7d2adb2bb&mc_eid=a30e82edf2
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まだまだ、世界の混乱状態は続けないと、世界中の全員が納得しないということか、もっとたくさんの議論がされていいのでしょう、皆が納得するまで・・・。
でも、一方では「再野生化」の議論をみんなでして、その上で納得づくで、人類の再野生化の道を議論し、入っていく、まさしく「獣みち」に入り込むことになる。
でもそれしかないと理解できれば、みんなで頑張るしかない。
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一方で、人類の「暴力の歴史」に見るように、男の価値は自己抑制的意味合いが強くなて来て、今の世界になっているとか。
再野生化で人類が元に戻ってしまうなら、困ったものです。
でも、学門の進化はそれを許さないでしょう。
そうあって欲しいと思います。
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では、草々
2023-4-17
森下克介
Posted by もりかつ at
09:01
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