2020年07月31日

未来を見通す「結節点」があります

前略
近未来とは、未来へ向かう道筋のことでしょう。
+++++++
「アフターコロナの岐路」スぺシアルインタビュー;東洋経済オンライン、
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/23694
此処では、日本の有数の企業の経営トップが高い目線から、未来を論じています。
日本の未来は、この有能な頭脳に導かれていくのです。
+++++++
その未来とは、2050年という節目の社会を一つの「結節点」として見通す未来のはずです。
人類は未来へ向けて生きていかなければならないのです、そのためには「1.5℃特別報告」(IPCC)のいう「2050年までに、GHG排出を実質ゼロ」にしなければならない、のです。
この「結節点」がどのような社会かを皆がイメージとして(戦略的視点で見通さなくてはならないのです、水晶玉を使ってでも何をしてでも)共有しない限りだめです。
勝手な「外部不経済」に目を瞑った「金儲け資本主義世界」が永遠に続くと考えて、金儲けがすべて、企業とは「B/S(バランスシート)」とP/L(損益計算書)」が総てで、それが雇用を創っているんだから、それしかないんだ、「それが現実的判断なんだ」と威張って居る経営者しかいないのでは、もう既に破綻するしかないのです、地球破綻・人類破綻です。
「現実的判断」とは;「現実」とは何かと言えばだれでも目の前にある事実と言う。しかし、事実として見えないもの、見ようとしないものがあるのが本当の現実でしょう。(神様は見えません、見たくなければ目を背ければ見えません、見えても見えないことにしているものは見えません)そんなあやふやな現実による判断は要りません。
それにしても、
企業経営とは、永続性の原理が破綻しても良い、有限責任(株式)の積み重ねは、あくまでも有限責任だから、雇用者をいくら解雇しても経営者としての責任も有限である、だから目先の誰にでも見える近未来の議論だけをしていて、添えで金儲けができれば、賃金を払えるし、自分も高額の手当てを手にすることになるから、文句はない。コンプライアンスに反していない。
文句あるなら言って来い、と言わんばかりです。
さてさて、
コンプライアンスとは;「法令順守」だけではない、と言われます。
コンプライアンスとは;「法律として明文化されてはいないが、社会的ルールとして認識されているルールに従って企業活動を行う」の意味があります。
さて、この「社会的ルール」とは何かと言うことが議論されていません。
其れこそまさに、「雇用者を含めた、人類の永続的生存を実現することでしょう。
人は、今の生活(アフリカの人達に、「欧米の豊かな生活をおする権利がある」とか言って多くの支援をしていることを正義としているようですが、それこそ傲慢な上から目線でしかありません。
簡単にいえば、多くの生態系を破綻させ、「外部不経済」に目を瞑った経済理論によって、勝手をやっているだけです。一部は宗教(古代宗教)にその根拠を求めているのでしょう。
でも、科学的事実と科学的思考に基づいた行動は、
まさに「GHG排出が実質ゼロ」の社会です、アフリカなどで一生懸命自然の中で生きている人たちと同じ、「生態系としての人類」になることです、彼らから教えてもらわなければならないのです。
極論ですが、私たちには、科学的知識と科学的思考があります。
その世界を見通さなければならないのです。
結節点が「2050年までにGHG排出ゼロ」です。
この位にします。
では、草々
2020-7-31
森下克介

  


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2020年07月30日

「世界の静寂」、地震ノイズから

前略
「人間活動」が地球に与えている大きさが、そんなに小さなものではないことが言えそうです。
温暖化ガスはPPM単位でも危ない、嘗ての大気汚染ガス「NOX,SOX」もPPM単位で議論されました。

+++++++++
「世界が静寂に包まれた3か月ー地震ノイズからも明らか」MITTec Revew,2020-7-30、
https://www.technologyreview.jp/s/214391/lockdown-was-the-longest-period-of-quiet-in-human-history/?utm_source=MIT%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC+-+%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC&utm_campaign=1790eecabe-NewsLetter_TheDaily&utm_medium=email&utm_term=0_6f0fb6e76b-1790eecabe-194497713&mc_cid=1790eecabe&mc_eid=a30e82edf2
+++++++++
最近話題の海洋汚染も、目の前から外れれば気にしなくなってしまいますが、いろんな分野でもっと考えなければならないことがある、
そういうことの様です。
日常の生活が地震を起こすかどうかという議論ではないのですが、
人間活動の規模をもっと考えなければならないということと感じました。
では、草々
2020-7-30
森下克介
  


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2020年07月29日

「隠れた手」と言う言葉が邪魔になる

前略
噂話で聞いていたことです。
書かれていることがそれなりの感じです。
++++++
「中国の「隠れた手」にがんじがらめにされたドイツ、メルケル首相は媚中派路線を転換できるのか」
ニューズウイーク、2020-7-28、
https://www.newsweekjapan.jp/kimura/2020/07/post-82_1.php

「ドイツの対中政策がソフトなのは、独経済の中でも特に自動車と化学と中国の関係が深く、
政治に対する産業界のロビー活動も活発に行われ、強い影響力をふるっているからだ。
メルケル首相は、EUが緩い対中政策を強化する時の障害になる恐れがある」

禁じ手だったEU初の大規模な債務共通化に踏み切ったのもそのためだ。

メルケル首相がアメリカやイギリスのように中国と派手な一戦を構える姿を想像するのは極めて難しい。
++++++
EUの動きがおかしくなると、中国と言う過去の政治体制の「独裁国家・全体主義国家」の影響力が大きくなる。
やっぱり大変なことになる。
要注意である。
では、草々
2020-7-29
森下克介
  


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2020年07月28日

「災害の心理学」には入らない災害です

前略
今手元の本に、何となく「地球温暖化防止」のためのヒントを求めていたのですが、間違いでした。
此処では、まさに話題の「ハザードマップにある洪水被害」を受けないためとか、
天災とか人災とか言う切開の話題でしかありませんでした。
++++++++
「人はなぜ逃げおくれるのか」 ―災害の心理学 (集英社新書) (日本語) 新書 – 2004/1/16
広瀬 弘忠 (著)
地震や洪水、火災などの災害に遭遇した時、身を守り為に素早く行動できる人間は驚くほど少ない。
現代人は安全になれてしまった結果、知らず知らずのうちに危険に対して鈍感になり、
予期せぬ事態に対処できなくなっている。
来るべき大地震のみならず、テロや未知の感染症など、新しい災害との遭遇も予想される今世紀。
本書では災害時の人間心理に焦点を当て、危険な状況下でとるべき避難行動について詳述する。
と表紙の見返りにある通りです。
++++++
出版された2004年当時でも、地球温暖化防止問題が、全く話題になっていなかったのでしょう。
最近になって時々話題のなる程度です。

確かに本の中での課題は、総て「時が過ぎれば去っていく災害」です、
地球温暖化と言う災害は、順番に知らぬ間に、鍋ガエルの様に進んでくるものです、ひょっとしたら、
もう元には戻らないような災害です。

そこで逃げ遅れるとか、逃げ遅れないなどは議論になりません。
それも天災・人災と普通に言われるものとは全く違う災害です。
誰が逃げるか逃げないか等は話題にならないのです。
皆の災害です。逃げる場所は無いのです。
それでも、誰も話題にしないのです。
この本の著者も話題だにすらしていないのです。

著書の中には「生存のための・・・」とか「酸性化する・・」とか人類にとって・・・」の様なタイトルのものがあります。
先生の頭の中には全くなかったわけはないのでしょうが、どこにも触れられていないのは何故でしょうか。
たまらなく気になります。
出来るだけ早く、大災害への対処の本を書いて欲しいと思います。
では、草々
2020-7-28
森下克介
  


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2020年07月28日

フランスの「市民協定・環境政策」が動き出した

前略
フランスの地球温暖化防止行動が見えだしました。
丁度「新型コロナウイルス」対策の様にそれぞれの中小の事業者に規制をかけ始めました。
++++++
2020/07/28 BS1 【ワールドニュース】
<フランス・F2>「気候のための市民協定・環境政策決定 」

気候のための市民協定に基づく環境政策第1弾が実施される。
テラス席の暖房と重油炊きボイラーの禁止が決まった。
2021年末でテラス席の暖房は姿を消す。
気候のための市民協定のメンバー150人が温室効果ガス削減のために要求した措置。
店側にとっては厳しい措置。
低断熱住宅に関する処置も導入。
2023年1月から低断熱の賃貸住宅に住む人は家主に改善を要求でき家主が拒否すれば、裁判所が家賃の支払い免除を決定できる。
不動産業界団体は家主に対する国の補助が必要だと訴えた。
改修の対象となる賃貸住宅は12万戸だが環境保護派にとっては不十分。
マクロン大統領は公約で住宅400万戸の改修と大量の雇用創出を約束した。
8月24日に発表予定の景気回復策には市民協定に基づく処置が他にも盛り込まれる予定。
+++++++
そうです。
その通りです。政治や行政の責任はみんな自分たちに帰ってくるのです。

今の「新型コロナウイルス感染防止」の為に、ロックダウンと言うのが政治や行政の責任ともいえるかもしれませんが、
実際は国民一人一人の責任と行動を要求しています、それに従わなければ全員が被害に会ってしまいます。

フランスでは、「市民協定」と言う形で始めました。
是なりに、良いことです。
でも、ここで「暖房ボイラー」は「ヒートポンプ」に変えるということですし、ガソリン車は「EV]に変わるでしょう。

是じゃあ「パンが食べられずに、おなかが減って困った」と言ったら「ケーキを食べればいい」の笑い話に近いものがあります。
マクロン大統領流の戦略があるのでしょう、これから先を知りたいものです。

我が日本ではそんなこともない・・。
では、草々
2020-7-28
森下克介



  


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2020年07月28日

「脱炭素、待ったなし」週刊東洋経済誌(8月1日号)

前略
週刊東洋経済誌の特集号、
「脱炭素、待ったなし」2020-8-1号、
++++++
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/24208?mkt_tok=eyJpIjoiWkdZMFkyWm1OVFk0T1dFNSIsInQiOiI0Qm9Rc2hDRnJsYVNTSStxS05CRHNCcUtwYXhIMThOZE5mUDEwQ1NuazR6TGlMYTc0NytITFFGb1BnOHphOExHOCtBdkw3Nlp6M1VPMUs0dWpSendvMnA2QTJFVm5BNGRYVVZ2NzBSZVhkQ3YyXC9jWFlId2MyaElib3JyQk5LbkIifQ==
++++++
この本では、熊本の洪水災害を表に出し、温暖化の前兆として議論を進める。

目標の安定温度が+2℃、と+1.5℃の場合のグラフが示されているのはいいことです。
このグラフと排出分野毎の温暖化ガス寄与度の議論も併せてすると良い。

そうすれば、家庭の寄与度も判るはず、しかし各個人が商品やサービスを購入しなければ、
総ての温暖化ガスの排出はないことになる。

簡単にいえば、車を買わなければ自動車メーカの温暖化ガスは排出ゼロになる、
スーパーに買い物に行かなければ物流トラックの排出する温暖化ガスはゼロになる。

食料の自給自足・地産地消はこれらを実現する手段です。

温暖化ガスの排出責任は夫々総てがその商品とサービスの需要者である私たち個人である、
温暖化ガス排出寄与度の「家庭」の分類はもっと違った目で見なければならないでしょう。

これを機会にもう少し吟味してみる必要があると思います。
では、草々
2020-7-28
森下克介
  


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2020年07月27日

「中国露店」始まる

前略
面白いことに、否定された露店が賑わいを取り戻した。中国が変わるターニングポイント!
習近平さんは、おとなしく従うことで、中国国民と自分の命を守ることになるのでしょう。(丁度、ゴルビーとエリチンの関係の様に)
彼が一番気になっていたことが、本当は一番いい可決策であることをよく考えてください。
それでいいのです。おめでとう!
世界中がハッピーになります。これからは、地球温暖化防止のための行動を大急ぎで進める時代です。
++++++
「「中国露店経営」めぐる習近平主席と李克強首相のつばぜり合い」2020-7-19、
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab9119c9a88cd7da750d1eb8245856e4cb237d0b?page=1
此処には、中国共産党宣伝部によって、実質禁止されたと。
ところが、
「露店が中国を救う!?山積する在庫と失業者を飲み込む新流通チャンネル、2020-7-27、
https://diamond.jp/articles/-/243716
運悪く、洪水い被害が重なって大変だということです。
其れでも道が開けたのはいいことですね。
++++++
既に「世界中に罠を仕掛け」てきたものを解除してください。
進出した企業を搾り取るようなことを辞めて、普通の自由主義経済に戻ってください。
その上で、「懐かしい未来」に向かって方向転換をしてください。
さて、
これからの方が大変です、リーダーになってください。
(多少の早とちり感をお許し下さい。)
では、草々
2020-7-27
森下克介
  


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2020年07月27日

「ゼロカーボンシティ」宣言が増えてきました

前略
日本の「ゼロカーボンシティ」表明が続いているようです。
素晴らしいことです。
+++++++
「CO2排出ゼロ」表明の自治体増、総人口の半分超へ…気象災害多発に危機感
2020/07/25 23:55

 「2050年までに二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロ」を表明する自治体(ゼロカーボンシティ)の数が近く146となり、総人口の約半分(6500万人)を超える見通しとなった。多発する気象災害に危機感を強め、「50年に80%削減」を掲げる国よりも高い目標で温暖化対策に取り組む自治体が増えている。

 環境省によると、09年に山梨県が「排出ゼロ計画」を初めて策定し、国内で環境関連の国際会議などが開かれた19年5~6月には、東京都や京都市、横浜市などが表明。台風や豪雨などが近年多発したことなどで表明自治体が増加した。同省がこうした自治体を「ゼロカーボンシティ」と名付けており、今年6月には100を突破した。

 今月28日にさいたま市や茨城県北茨城市など44市町村が加わる見込みで、表明自治体の人口は、総人口の半分を超える計6810万人に達する見込みだ。

 神奈川県小田原市では、市民や観光客が電気自動車をシェアリングする事業を6月からスタート。長野県は4月、再生可能エネルギーの生産量を3倍以上にするロードマップを作るなど、各自治体で具体的な活動が始まっている。

 温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」は、産業革命前から今世紀末までの気温上昇が2度を十分に下回り、1・5度に抑えることを目標にしている。目標達成には、CO2を含む温室効果ガスの排出量を、今世紀半ばに実質ゼロにする必要があるとされている。
++++++++
参考、「ゼロカーボンシティ」表明方法、
file:///C:/Users/Owner/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/DPI3IGJO/02_example.pdf
参考、表明した自治体の取り組み状況、
file:///C:/Users/Owner/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/CW1277B9/02_list_200722-2.pdf
++++++++
素晴らしいことです。
これから、ずんずん進めて欲しいものです。
「GHG排出実質ゼロ」の意味をどの様に考えて、その達成時の在り様をどの様に見通しているのか等々、「ゼロカーボンサミット」で
大いに議論して欲しいものです。
いずれにしても、ゲートをくぐったという意識付けを確認してスタートしてください。
皆で毎日議論したいものです。
では、草々
2020-7-27
森下克介
  


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2020年07月26日

「サラリーマン貧困時代」生活防衛策を真剣に

前略
まさに冷静な視点です、これからの自分の生活設計を考える。
そんな投稿記事がありました。
「ボーナス激減、サラリーマン代品婚時代に突入するのか」プレジデントオンライン、溝上憲史、
++++++++
「人生が詰んでしまう」ボーナス激減の次は、給与減と残業代カットの第2波が来る
記録的なマイナスになる恐れ    PRESIDENT Online     溝上 憲文  人事ジャーナリスト

コロナ禍の業績低下を受け、夏のボーナスは製造業を中心に前年比マイナスと大幅に落ち込んでいる。人事ジャーナリストの溝上憲文氏は「2020年冬以降はさらに減って、記録的なマイナスになり、本体の給与や残業代も減りそうだ」という——。

「ボーナス激減、サラリーマン大貧困時代に突入するのか」

今年の夏のボーナスはコロナ禍の影響で昨年よりも各業種で下回った。

経団連の大手企業調査(6月17日、86社)によると、前年比6.0%減の92万5947円だった。ほとんどの業種でマイナスになっているが、下げ幅が最も大きかったのは鉄鋼の25.01%減の56万9679円。次いで化学の6.36%減の89万6237円。自動車も4.14%減の98万760円だった。製造業は軒並み総崩れとなっている。

集計数の多い日本経済新聞の調査(6月25日、429社)でも前年比5.37%減の80万7835円。全29業種の6割強にあたる19業種で支給額が減った。

製造業全体は前年比5.86%減だが、ここでも鉄鋼は前年比23.99%減と大幅なマイナスになった。鉄鋼はコロナ前から鋼材需要が減少し、中国企業の増産で最大手の日本製鉄は2020年3月期決算で最終赤字に転落し、コロナ禍を受けてさらに需要が減少している。

製造業は総じて低調だったのに対して、明暗を分けたのが非製造業だ。コロナ禍の影響を直接受けた鉄道・バス、百貨店・スーパー、陸運、外食・その他サービスはマイナスとなった。

一方、前年比プラスとなったのは建設、不動産・住宅、商社、通信、情報・ソフトなどだったが、後述するように今回プラスとなった業種も2020年冬のボーナス以降はかなり厳しくなると見られている。

「一時休業のダメージが大」中小企業は大手以上に厳しい状況

夏のボーナスは2013年以降プラスに転じ、この5~6年間は好調が続いたので、下がったことにショックを受けた人もいるかもしれない。

しかし、考えてみれば毎月の固定給である月給と違い、会社業績しだいで増減する変動給だ。

1990年代までは給与プラス平均5カ月のボーナスの年間17カ月の支給という時代が続いた。2000年以降は、給与を増やさない代わりに会社が儲かった分はボーナスに反映する流れが主流になった。それにより、不況期になると減少し、赤字になると支給額ゼロになることも珍しくなくなった。

冒頭で紹介したのは大手企業の夏のボーナスの状況だが、中小企業はどうか。

大阪シティ信用金庫が取引先の夏のボーナスを調査(991社)したところ、夏のボーナスを支給する企業は50.4%と前年比9.4ポイント減となり、リーマン・ショック後の2009年6月調査(8.9ポイント減)を上回った。支給する企業でも金額は27万8946円で前年比5.1%のマイナスとなった。前年比プラスは建設業のみで、とくに卸売業、製造業は大幅減となっている。

中小企業のボーナスの不支給や減少の背景には、自動車産業など大手企業の業績不振を受けた受注減による休業の影響もある。

自動車部品メーカー関連中小企業「ボーナスを支払える状況ではない」

中小の製造業を中心に構成するものづくり産業労働組合JAM(組合員35万人)では傘下組合の3分の1(574組合)が一時休業に入るなど甚大な影響を受けている。3月の一時休業は75組合だったが、4月に391組合に急増し、5月に新たに190組合が加わった。

JAMには自動車部品メーカーなど関連企業が多い。自動車大手の2020年3月期決算はコロナショックの影響で5社が営業減益。中でも日産自動車は6712億円の赤字に転落した。

自動車各社は本年度も景気悪化を予測し、生産台数を大幅に減らす計画を表明。関連産業や中小企業への影響は必至と見られていた。

同労組の担当者は「(一時休業の措置をとる企業は)3月はそれほどでもなく、4月に増加するのではと警戒していたがいきなり跳ね上がった。5月までの累計で574単組というのはリーマン・ショックのときとほぼ同数になっている」と指摘する。

業種別でも輸送機器が200単組中105単組で52.5%と半数が休業、一般機械が640単組中219単組で34.2%が休業に入っている。とてもボーナスを支払える余裕のない企業も多い。

今夏のボーナスまではちゃんと支払うが、それ以降はわからない

それでも大手企業の夏のボーナスは5~6%減にとどまった。その理由は、原則として夏のボーナスは前年下期の業績(2020年3月期決算)が反映され、コロナ禍の影響がそれほどなかったこと、また、今年の春闘の労使交渉ですでに決定していたことが影響している。

今後の業績の見通しが悪くても、とりあえず夏のボーナスは報いてやろうという企業も多かった。

たとえば大手製造業の人事担当者は「事業部によっては、コロナの影響で売り上げは大打撃を受けているが、他の部門で利益を何とか確保できたので現状維持となる。ただし、次回以降は厳しくなることが予想されるので、今回は従業員に応えていきたい」と語っている。

つまり、夏のボーナスまではちゃんと支払うが、それ以降はわからないということだ。

別の製造業の人事担当者は「2019年度の下期は、ほぼ計画通りの利益を達成したので約束通り支払う。しかし2020年冬はかなり厳しい見通しだ」と言い切る。

「2020冬以降のボーナスは記録的なマイナスになるだろう」

ある意味で当然だろう。

冬のボーナスは今年4~9月の業績が反映される。4月以降、緊急事態宣言による外出自粛による消費の冷え込みが企業業績を直撃した。また、解除後も経済の水準は低迷したままだ。

これは、コロナの直撃を受けている航空、観光・旅行、宿泊、飲食などにとどまらない。財務省が7月20日に発表した今年上半期の貿易統計で輸出額は前年同期に比べて15.4%減となり、4~6月の3カ月連続で前年同月比20%超も落ち込んでいる。とくに基幹産業の自動車は上半期で30.9%減も低下している。

一方、トヨタなどが7月に入って徐々に生産計画を引き上げつつある。しかし仮に経済が再開しても賃金などは遅れて影響が出るのが一般的だ。

エコノミストの中には今年の冬や来年の夏のボーナスは2桁減と、08年のリーマン・ショック後の夏のボーナス以来の低さになると見る向きもある。JTBはすでに1989年以降初めてとなる冬のボーナスを支給しない方針を明らかにしている。

日本総合研究所の山田久副理事長は経済が再開しても新型コロナウイルスのワクチンが開発・普及するまではコロナ前の経済の水準に戻ることはないと言う。

「元に戻らない状態が最低1年続くと見ている。当然企業は売り上げが落ちることになるが、生き延びるためにコストを下げざるをえない。コストを下げるには給与カットは当然のこと、ボーナスは記録的なマイナスになるだろう」

夏のボーナス前年比増の業種も冬ボーナスは……

今年の冬以降、文字通りボーナス冬の時代がしばらく続くことになる。もちろんコロナの直撃を受けた企業にとどまらない。夏のボーナスで15.14%増の建設、7.55%増の不動産・住宅(日本経済新聞調査)も例外ではない。

住宅関連メーカーの人事担当者はこう語る。

「今年3月までは業績は好調だったが、4月以降、状況がガラリと変わり、受注が低迷している。すでに固定費削減の指示が経営から出ているが、真っ先に対象になるのが冬の賞与。次が2022年卒の新卒採用数の削減におよんでくるだろう」

もともと建設・不動産業界は2020年の東京オリンピックまでは経済好調との前提で攻めの事業計画を推進してきた。しかしオリンピック前にコロナがストップをかけた。

すでに「オリンピックなし」を前提にした事業計画の見直しを始めている企業も少なくない。

同じく夏のボーナス増の総合商社も2020年3月期決算では大手7社のうち5社が減益・赤字となった。4月以降は収益基盤の鉄鋼、自動車部門が低迷している。冬以降は夏のボーナス以上に望めないのは確実だ。

ボーナスだけではない。給与激減、残業代カットも必至

話はボーナスだけにとどまらない。さらに深刻なのが毎月の給与の減少だ。とくに給与の補塡ほてんの役割を果たしていた残業代が減少の一途をたどっている。

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」(一般労働者)によると、所定外給与、いわゆる残業代は今年3月に前年同月比4.0%減、4月12.8%減だったが、5月は26.2%減となった。当然、残業時間が減ったことによるが、5月の残業時間は前年同月比30.7%減となっている。


もちろんその理由はコロナ禍による在宅勤務が増えたことによる影響がある。在宅勤務でも残業すれば会社は残業代を支給する必要があるが、在宅勤務の残業を原則禁止としている企業もある。社員も残業代を申請しづらいという事情もある。また、出社制限が緩和されても、業績低迷の企業が真っ先に削減対象にするのが残業代である。今後は残業代を当てにすることが難しくなるだろう。

毎月3万~5万円もらっていた残業代が大幅に減少し、さらにボーナスも大幅に減らされていく。企業業績しだいではさらなる給与カットも発生するかもしれない。

先が見えないサラリーマン貧困時代が訪れようとしている。どのようにして生き延びていくのか、生活防衛策を真剣に考えるべき時期にきている。

https://president.jp/articles/-/37321
+++++++++
明治維新以降日本は産業革命の時代に移った、自給自足・地産地消社会から、賃労働の雇用経済に移り、戦時体制がそれを確定した。
「ジャバンアズナンバーワン」こそ商業資本主義、金儲け資本主義の嵐の中で、誰もが「雇用労働」で定年まで働いて、退職者になる生活をしていた。それがずっと続くと思っていたし、雇用する方も当たり前と思っていた。
グローバル化と騒いだ時代が続くと思っていた。
しかし、「新型コロナウイルス」が産業革命以前の幕府の「鎖国政策」のごとき状態の再現を迫った。
この「溝上憲史氏の最後の文章、「・・・どのように生き延びていくのか・・」こそが、世界中の課題である。
では、
草々
2020-7-26
森下克介
  


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2020年07月26日

「大企業から、若手技術者が退職」と言う時代に

前略
日本の「スーパー大企業」の中の若者まで、動きが変わったようです。
トヨタ自動車で若手の退職とは・・・・。
+++++++
「若手技術者の退職に悩むトヨタ、在宅勤務で情熱は生まれるか」
坂口 孝則    未来調達研究所 取締役   2020.07.17

 トヨタ自動車が在宅勤務制度を拡充すると報じられた。これまで事務部門に限っていた対象を、2020年9月以降は全ての総合職や一部の技術職などにも拡大するほか、工場勤務者への適用も検討するという。柔軟な働き方が認められるのは歓迎すべきことだ。一方で、同社の若手社員などから最近上がっている「自分の手を動かして仕事をしたい」という声との兼ね合いも気になる。

自動車メーカー各社が追随
 日本で新型コロナウイルスが感染拡大の兆しを見せていた20年3月ごろ、公共交通機関では盛んに在宅勤務などのテレワークを勧めるアナウンスを流していた。だが、労働者に聞かせても効果がない。経営者や管理職に伝えるべきだったし、労働組合が組合員の健康を考えて動くべきだった。結局、多くの企業では就業規則を変更する時間もなく、特例的に社員の在宅勤務を認めてきた。

 ここにきて、ようやく労使の対話が進んだ。トヨタ自動車のみならず、自動車メーカー各社が在宅勤務制度の拡充を急ぐ。もちろん、在宅勤務の対象はPCで完結する仕事が中心だし、セキュリティーなどの問題も完全には払拭できていない。社員の労務管理や、雇用の在り方(メンバーシップ型からジョブ型への移行)など課題も多い。それでも、柔軟な働き方が製造業に広がってきたことは歓迎したい。

 私はかつて、自動車メーカーの調達部門で働いていた。朝出社すると、まず机に届いたパーツリストを確認する。そして、CADツールを使って図面を出図する。あれやこれやと価格を査定して、先輩社員に意見を聞きに行く。さらに、そのまま設計者の元に出向いて、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を重ねる。

 そうこうしているうちに、取引先から到着の連絡が届く。会議室では、類似部品を前にしながら議論する。話がかみ合わないと、そのまま工場で工程などの説明を受ける。こう列記していくと、全てが「3密」の空間だった。今後は、それをリモートで実施しようとしているわけである。

 こうした自動車メーカーの業務については、10年ぐらい前から顕著な変化が生じていた。例えば、設計者に相談しようとすると、自社の社員ではない人たちが対応してくれることが多くなった。それは、取引先の設計者だった。自社の社員は、実際に図面を書くことが少なくなっていた。

 これは、怠惰によるものではない。自動車メーカーは法規制や環境規制など様々な課題に直面しており、それらをクリアするための上位仕様の検討に時間を割く必要があった。そもそも、自動車メーカーの設計者といっても自分だけで決定できる仕様はほとんどなく、他の部門との調整やすり合わせがどうしても必要になる。

 その結果、会議に莫大な時間が費やされ、自動車メーカーの設計者に図面を書く時間は残されていない。複雑な条件をクリアするには、部品メーカーの力を借りるしかなかった。各部門にコスト目標ががちがちに割り振られ、少しでも超過する場合は上役への説明資料の作成に追われた。

 そして設計者は、管理職かどうかにかかわらず、部品メーカーを管理する側にならざるを得なかった。スケジュールを守らせたり、品質目標を定めたり、ムダな仕様を削らせたり、と他者を統制する仕事が大半になっていた。

 あるとき、設計者と飲んでいた。その設計者は、「子供は、俺のことを技術者だと思っている。子供にとっての技術者って、漫画に出てくるロボットをつくる博士みたいなイメージ。でも、実際に俺がやっていることは、ミーティングでサプライヤーを管理したり、出図の時期を守ったりとか、そういうことばかりなんだよね」と語っていた。

 私は回顧主義者ではないし、昔に戻れるとも思わない。しかし、皮肉なことに、自動車メーカーで技術職の在宅勤務が可能になったのは、社員の管理者化による側面が大きいと思っている。業務の大半が管理や調整であれば、在宅勤務でも問題ないからだ。

「エンジニアとしてダメになる」
 この問題を考察する上で、とても興味深い記事を読んだ。トヨタ自動車の自社メディア(オウンドメディア)『トヨタイムズ』に掲載された、労使交渉のやり取りをまとめた記事である。ここでは、組合の「若手の退職」についての質問に対する執行役員の山本圭司氏の回答を紹介したい。

若いエンジニアが辞めているということに関して、本当に役員としても申し訳ないと思います。その理由を聞いてみると、「こんなはずじゃなかった」というコメントがあります。「自分で手を動かして開発の仕事がしたい」、「ソフトを自分でつくりたい」、「ハードを自分で設計したい」と考えているにもかかわらず、トヨタでは「調整業務、会議が多い」、「自分の時間がなかなかない」、「このまま年をとると、自分はエンジニアとしてダメな人になってしまう」という不安が多くあるようです。

トヨタを離れてどこにいくのかを見ると、スタートアップの会社が多いです。そこでは、一人ひとりに裁量権が大変大きく持たされているようで、自由に自分の意見で、自分の開発を自分の手でできるということのようです。(後略)

出所:「ボスになるな リーダーになれ トヨタ春交渉2020 第2回」、『トヨタイムズ』

 私には、この山本氏の発言が全てを象徴しているように思われた。

「モノへの情熱」はどうなる
 製造業における在宅勤務の拡大を歓迎したいと私は書いた。併せて、その背景にある、製造業の業務の変化が社員に及ぼした心理的問題についても興味を抱いている。前述したトヨタイムズの記事における副社長の吉田守孝氏のコメントも示唆的だ。


(前略)最近若手の組合員といろいろ話すと、設計者の人は「もっと自分でたくさん部品を設計できるようになりたい」、実験の人は「もっと自分で部品を変えて実験したい」、生技の人は「工場と一緒になって、現場で設備をつくりたい」と言う。みんな汗をかいた現地現物の仕事にすごく飢えているんですよね。(後略)

私はサプライチェーンを主ななりわいとしている。サプライチェーンをシステムとして語ることはできるが、その基本となるのは「より良いモノをつくりたい」という情熱に似た執念だ。管理業務、およびその対策としての在宅勤務が広がったとき、製造業の社員たちの「モノへの情熱」はどう変化していくだろうか。

 もちろん、新型コロナウイルスの感染拡大防止という観点から3密を極力避けなければならない状況はよく理解している。その上で、あえて在宅勤務の懸念を述べておきたい。
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此処では、「在宅勤務」というキーワードが取り上げられていますが、
若者の眼力はもう少し先を見ているはずです。
現在の経営陣が育った時代の「行け行けドンドン」の時代は過ぎ去った後ろの背景でしょう、目先の「新型コロナウイルス」を見通して先にある、「本当に自分たちの未来はあるのか?」と言うことではないでしょうか?
さて、
あのグレタさんは、学校に行かず座り込みをしていると「学校に行かないと大人になれないよ」と諭された時、
彼女はその諭してくれた大人に、「自分たちが大人になった時には、地球が大変なことになっているので、今はそれを防止することが大切です」と言うような意味のことを言った、と言われます。
よく言われる言葉に、
「年寄りは下がってろ」と言うのがあります。今はその通りでしょう。幾らトヨタでも昔ながらの車(ハイブリッドとか、自動運転とか、EVとか言ったところで)を社長がいくら騒いでもその意味がない、若者自体が車に乗らず・買わずの時代です。
中国が今の社長さんの青春時代に当たり、同様の思考様式かも知っれません。
以前に、勝手なメールを送った記憶があります(勿論返事は来ませんでしたが)、世界中で何百万人の雇用と生活に関わっている組織として、2050年位の世界の見通しがあるとすれば、全く違う視点で行動しなければいけないんじゃないか、と言うようなものだったと思います。
これらの若者の価値観は社長さんの価値観と明らかに違ってしまっているのです。
せっかく就職した企業を退職するのは、目先の「金儲け資本主義に時代」に在って大変重大な決断です、それ程今の若者は生きざまに困っているのです。
教育もそうでしょう、勿論のこと政治もそうです。
今日に日本、今日の世界、明日の日本と世界をどうするか、若者の退職に応える力は、高齢者にあるのでしょうか?
大学の有識者の先生も、多くの政治家も、狭い日本の中で、適当にやっているとしか思えません。
何でしょうか?MMT理論等で「財政の大赤字」がさらに膨らむままで、更なる分け前を要求する時代は、やはり先がないでしょう。
もう止めます。
では、草々
2020-7-26
森下克介
  


Posted by もりかつ at 07:12Comments(0)