2023年07月31日

「脱炭素・脱原発」を急ぐ必要があるはずだが

前略
「まさに世間の物の見方そのものである」。
文末には「個人的見解」と断っているが、世の中は其の通りである。
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何処にも「気候危機」「地球沸騰」と騒ぐ人が何処にも出て来ない・・・。
ドイツの政治は失敗だったのか?

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ーーー ーーー「脱炭素・脱原発」を急いだばかりに…ーーーーーー
    雇用不安が広がり、極右政党が勢いづくドイツは、どこで間違ったのか
       地球環境は守れても、自国の経済は守れない
    PRESIDENT Online;;2023/07/31 土田 陽介、三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査部 副主任研究員
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>>>>生産が落ち込んだままのドイツの化学工業
ドイツのリーディングインダストリーといえば自動車工業を思い浮かべる人も多いはずだが、化学工業もまたそれに勝るとも劣らない重要な産業である。
ドイツのオラフ・ショルツ首相写真=EPA/時事通信フォトベルリンの首相官邸で行われた会談後のドイツのオラフ・ショルツ首相
例えば、ドイツ西部のノルトライン=ヴェストファーレン州は、古くから化学工業が栄えており、州都デュッセルドルフには多くの日系メーカーが拠点を構えていることで知られる。
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そのドイツの化学工業が不振に喘いで久しい。
コロナショック前の2019年を100とする指数で測ると、化学工業(含む医薬品)の生産水準は、目下80程度での推移にとどまっている(図表1)。化学工業の生産量の減少は、コロナショック直後よりも2022年に入ってからのほうが深刻であり、なお現在進行中である。
ドイツの製造業生産
比較のために自動車工業の動きを確認すると、その生産量はコロナショックを受けた直後に半減し、また半導体不足の影響などからいくつかの波を経験したものの、足元の生産水準はコロナショック前の9割を超える程度まで回復している。
自動車工業と比べても、ドイツの化学工業の不振がことさら深刻であることが分かる。
それではなぜ、ドイツの化学工業の生産は落ち込んだのか。
ドイツ化学工業連盟(VCI)は2022年12月15日に発表した報道資料の中で、エネルギー価格と原材料価格の急騰がその主因であるという見解を示した。
エネルギー価格の中でも、特に化学工業にとって打撃となったのが、天然ガスの価格が高騰したことだった。
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>>>>天然ガスの安定供給が不可欠だが…
化学工業とは、原料を化学反応によって加工し、それで得られた物質を製品化する工業である。化学工業の中には、原料としてガスを用いるガス化学工業がある。
具体的には、硫酸工業やアンモニア合成工業などがあり、アンモニアやメタノール(メチルアルコール)、アセチレンなどが天然ガスを原料として作られる。
また幅広い意味では、化学製品の合成を目的とする石油化学工業(燃料油などの石油製品は除く)も、ガス化学工業に含まれる。
それ以外でも、化学工業では、工場での自家発電の燃料として天然ガスが使われることが少なくない。
化学工業にとっては、天然ガスの安定調達こそが、生産を行ううえで何よりも重要な要素となる。
その天然ガスの価格が、ヨーロッパでは2021年後半から上昇していた。
コロナショック後の急速な景気の回復や、異常気象の影響(春季が冷涼だったため冬季のガス備蓄が遅れたこと)の影響に伴うものだが、それに追い打ちをかけるように、2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が発生し、天然ガス価格がさらに急騰した。
ヨーロッパの天然ガス取引の指標となるオランダTTFは、ピーク時である2022年8月に一時340ユーロ/MWhまで価格が上昇したが、2023年7月24日現在の終値は30.6ユーロ/MWhまで価格が低下し、2021年前半の水準まで落ち着いた。
しかしドイツの産業用ガス価格(生産者物価ベース)は、依然として歴史的な高値圏にある。
そもそもTTFは、ガス事業者間の取引価格である。
そのため、TTFの価格の低下が産業用ガス価格や家庭用ガス価格に波及するまで、タイムラグがある。
高止まりしているドイツの産業用ガス価格も、しばらくすれば価格が低下すると見込まれるが、その水準がコロナショック前に戻る展望は描けず、化学工業の苦境が続くと予想される。
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>>>>脱炭素・脱原発・脱ロシアの「三兎」を追う戦略の誤算
ではなぜ、産業用ガス価格はコロナショック前の水準まで戻る展望が描けないのか。
その理由は、オラフ・ショルツ首相が率いる左派連立政権が、環境保全と安全保障を理由に、脱炭素・脱原発・脱ロシアの「三兎」を追う戦略にまい進した結果、産業用ガス価格がコロナショック前に比べて構造的な上昇を余儀なくされたことにある。
そもそもショルツ政権は、脱炭素・脱原発を強く志向し、再エネ発電の普及とともに、ガス火力発電の積極的な利用を奨励していた。
その火力発電のための天然ガスを、ドイツはロシアから安定的に調達できるはずだった。
ドイツとロシアをダイレクトに結ぶガスパイプライン「ノルドストリーム2」は、その切り札だったわけだ。
しかし、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻したことで、ロシア産の天然ガスの利用に黄色信号が灯った。
結局、他の欧米諸国との関係もあり、ドイツはロシア産ガスの利用を諦めざるを得なくなった。
代わりにドイツは、液化天然ガス(LNG)の輸入に努めるようになり、バルト海沿岸に洋上ターミナルの建設を急いだ。
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ロシア産天然ガスの利用を削減する代わりにLNGの輸入量を増やしたドイツだが、LNGは液化や海上輸送、再気化などのコストがかかるため、ロシア産天然ガスに比べると費用が高い。
つまり、ガスの調達をロシア産ガスからLNGにシフトしたことで、ドイツの天然ガス価格は、構造的な上昇を余儀なくされたのである。
それでもドイツは、ガス火力発電に依存せざるを得ない。
脱原発で原子力という電源を放棄し、石炭火力も削減するためだ。
つまり、電気事業と化学工業は、天然ガスを奪い合う関係になったわけだ。
いわば、ドイツのリーディングインダストリーだった化学工業は、ショルツ政権による「三兎」を追う戦略の最大の犠牲者だと言えよう。
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>>>>失業者が増え、極右政党が勢いづく
ドイツ化学工業連盟(VCI)は7月21日、2023年上期の化学工業企業(医薬品を含む)の売上高が1140億ユーロと、前年同期比で11.5%減少したと発表した。
天然ガス価格が低下せず、歴史的な高値圏にあることがその主因である。
同時にVCIは、2023年通年の売上高も前年比で14%減少するという見通しを示した。
高インフレで生産量が減っても売上高が増える産業が多い中で、ドイツのリーディングインダストリーであったはずの化学工業の不振は際立っている。
このままでは業界の再編は回避できず、多くの雇用が失われる事態が想定される。
VCIはドイツ政府に対して支援の必要性を訴えているが、その声がショルツ政権に届くだろうか。
そのドイツでは今、極右政党であるAfD(ドイツのための選択肢)の支持率が急速に高まっている。
AfDの支持率は、すでに最大野党であり中道右派のCDU/CSU(同盟)に次ぐ2位であり、政権与党でありショルツ首相を擁するSPD(社会民主党)や、パートナー政党であるB90/Gr(同盟90/緑の党)の支持率を上回っている。
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>>>>「脱炭素・脱原発」を急いだツケは大きい
過激な主張で知られるAfDだが、一方で同党が、主流の政治に対して不満を持つドイツの有権者の受け皿になっていることも確かである。有権者の主な不安とは、記録的なピッチで増加する移民・難民の問題に加えて、やはり脱炭素・脱原発・脱ロシアの「三兎」を追う戦略と裏腹の関係にあるエネルギー高・物価高の問題である。
もともとAfDは、寛容な移民・難民問題に対して批判的であり、またメルケル前首相以来のドイツ主流政治の伝統と化した再エネ一辺倒のエネルギー政策に関しても否定的なスタンスに立っていた。
そのため、ショルツ政権が推進する脱炭素・脱原発・脱ロシアの「三兎」を追う戦略に対して不満を持つ有権者の民意を引き寄せる力を持つ。
政権に対する逆風は強まるばかりであり、2025年10月までに予定されている総選挙での敗北も視野に入るショルツ首相だが、依然として手をこまねいているように見受けられる。
このままでは、化学工業のみならず、労使全般の支持離れが進むだけだ。副作用に配慮せず急進的な戦略を推し進めてきたツケは大きいといわざるをえない。
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(寄稿はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です)
土田 陽介(つちだ・ようすけ);三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査部 副主任研究員
1981年生まれ。2005年一橋大学経済学部、06年同大学院経済学研究科修了。浜銀総合研究所を経て、12年三菱UFJリサーチ&コンサルティング入社。現在、調査部にて欧州経済の分析を担当。<この著者の他の記事> 戦争と資源安でロシア財政はボロボロ…プーチン政権をこれから襲う「地獄のインフレ」という悪夢

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https://president.jp/articles/-/72185
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国家と産業は、このような時にメディアの中にその正体を現すのである。
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国としてやろうとした方向はそれで正しいのです。
他国がそれをどう言おうと勝手である、だから言っても良いが、もっと前向きな主張が欲しいものである。
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では、草々
森下克介
  


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2023年07月30日

「地球沸騰」と「脱GDP」の次の段階を(水晶玉で?)見通すと

前略
国連のグテーレスさんは、日本での話題をキチンと観ている。
最近の気候危機に関する、TVでの議論が、「江守さんの言う「ティッピング・ポイント」と斎藤さんの言う「脱成長」にピッタリの、
「地球沸騰」と「脱GDP」が取り上げられた。
私は驚きもしたが当然であると思う。
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しかし、ここでの議論は、GDPに代わる指標が必要だといったのは、「フューチャー・ネイション」で著者の「ダルムジ」さんが言った、「新たなグローバリズムのマニフェスト」が必要だ、といった言葉に対応する感じである。

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ーーーーーーー成長至上主義はもう曲がり角? ーーーーーーー
     「脱GDP」の動き【風をよむ】サンデーモーニング
     TBSテレビ、サンデーモーニング、2023年7月30日、
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会社の急成長の陰で不正な保険金請求を行っていたビッグモーター。
一方で、成長にこだわるのは企業だけではありません成長・利益重視の末…「ビッグモーター」問題の背景
ビッグモーター・兼重宏行社長(当時)
>>>>「不合理な目標設定、これが目標ではなくてノルマになっている。それが原因で今回の不正が起きたと考えられます」
7月25日、保険金の不正請求問題で初めて会見を開いた中古車販売大手「ビッグモーター」の兼重宏行社長。謝罪とともに、引責辞任を表明しました。
今回の大がかりな不正の背景として、元社員らがあげたのが…
ビッグモーター元社員「利益の部分を追求しないといけない。『どんな手を使ってでもやれ』と言われる」
5年で売上高が3倍になるほどの「急成長」を遂げたビッグモーター。
無理を重ねてでも利益を上げ、成長しようとする姿勢が、今回の不祥事を生んだとされます。
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>>>>「成長」追求の姿勢は国レベルでも…成長の指標「GDP」
成長に重きを置く現代社会の側面が見え隠れする今回の事件。
同様に国家レベルでも、「成長」が歓迎される、ある指標が存在します。
>>>中国・李克強首相(3月)
「GDPの伸び率は5%前後とする。我が国の経済は、巨大な潜在力と発展の原動力を持っている」
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現在、多くの国がこだわるのが「GDP=国内総生産」。
一定期間内に、企業などが国内で生み出したモノやサービスの額を積み重ねたもので、国の豊かさを示すとされる指標です。
日本もかつて経済成長によって、GDP世界2位となりますが、その後、中国に抜かれ3位に後退したことが話題に。
同様に、多くの国がこの数字に一喜一憂しています。
>>インド市民;「(GDPで)インドは中国を抜くだろう」;「発展してナンバーワンになるよ」
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>>>>グテーレス氏提唱の「脱GDP」なぜいま?
ところが、このGDPを巡って、国際社会で新たな提案がなされ、注目を集めています。
グテーレス国連事務総長(6月)
「“脱GDP”によって、私たちは本当に重要なものを測ることができる。私たちの世界は巨大企業ではない」
6月、国連のグテーレス事務総長が、“GDPの限界”を指摘し、「脱GDP」を提唱したのです。
GDPは、森林伐採によって環境破壊が起きようが、工場でどれだけ化石燃料が使われようが、生産量が増えれば上昇し、経済成長にプラスとなります。
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以前は指標として、国内での生産に限定しない「GNP=国民総生産」が使われましたが、その時代から、こうした指標には厳しい批判がありました。
1968年、アメリカのロバート・ケネディ元司法長官は、演説の中でこう語っています。
「GNPには人生を価値あるものにするものは、一つも入っていない」
ではなぜ、批判されながらも、GDP至上主義とも言える状況がこれまで続いてきたのか、経済思想家の斉藤幸平さんは…
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>>>>東京大学大学院・斉藤幸平准教授
「戦争をやって兵器を売っても、GDPにはプラスに働くわけです。社会の平等とか自然の保全具合、そういうものは一切反映されない。
資本主義にとって、GDPというのは一番都合がいいわけです」
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>>>>脱GDPの難しさはあの「幸せの国」でも…
しかし、「脱GDP」は決して容易ではありません。
「幸せの国」として知られるブータンを舞台にした映画でも、資本主義に翻弄される若者の姿が…
映画;「ブータン 山の教室」;「オーストラリアに移住か?」;「何かを成し遂げたいんだ」
映画「ブータン 山の教室」;青年教師「あ・い・う・え・お」「か・き・く・け・こ」
2022年アカデミー賞にノミネートされたこの映画の舞台はブータン。
映画では、山奥の学校に赴任した青年教師が、本当の幸せとは何かを問い続けます。
この国では、以前から、経済成長よりも、「健康」や「環境」などの分野を重視する「GNH=国民総幸福」を提唱。
幸福度を数値化する独自の指標を取り入れています。
ところが近年、この数字が上昇したにもかかわらず、インターネットで海外の情報に触れ、消費社会に魅せられた、多くの若者が海外に移住するなど、こうした指標の難しさを、改めて浮き彫りにしたのです。
それでも斉藤さんは、新たな指標の必要性を訴えます。
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>>>GDPに変わる新たな指標は?、東京大学大学院・斉藤幸平准教授
「『とにかく成長を続けなければいけない』という資本主義の命令に私たちが全身全霊取り込まれてきた。
ところが資本主義全体が行き詰まる中で、無理矢理成長しようとすれば、不正が蔓延したり、自然環境が破壊されるということになりかねない。GDPに変わる指標を考える必要性がある」
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>>>国民の幸せや豊かさを示す新たな尺度作りが、今、求められています。(「サンデーモーニング」2023年7月30日放送より)

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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/632217?display=1
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フューチャー・ネーションでも「マニフェスト」と言っているが、それが出来て、世界中が納得できるようなものが出来ればそれは成功かもしれないが、
今の世界では、「途上国は先進国のようになりたい」と言っているだけで、全く議論の根っ子、基本理念が違い過ぎる。
更に、まだスエーデンでは多くの移民を受け入れたのは称賛に値することかもしれませんが、人口の相当の比率になって居るイスラム教徒には全く通じない。ある面では「スエーデンを、イスラム教国にする」それが「イスラム教の根本思想からでてくる、ジハードの根拠と同じ。
古代宗教が今もそのまま「自分たちの部族の維持と拡張」を基本理念にしたままである、更にカトリックですら「司祭が信徒を性的な餌食にしている」ということは、やはり同じ古代性がなせる技である。
それらの、宗教の古代性をキチンと始末しなければ、先へは進めない。
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当然のことで、中国・ロシアの共産党の「権威主義国家」も時代には全くそぐわない。
少なくとも、民主主義を理解している国民との間での齟齬があるが、これも大いに拙い(まずい)ことである。
そこで、とにかくそれぞれの国家(この成因を考えれば、古代・中世の部族国家でであり、近世のフランス革命に始まる国民国家といいう概念も怪しいものでしょう、今になれば多くの移民を受け入れた結果国内の治安自体が不安低下してしまっている。
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ロシアとEU(ドイツのメルケルさん)ソ連の崩壊後のロシアの民主化を当てにしていいように付き合わされて、今のウクライナ侵攻である。
中国とアメリカ(国民が経済性に目覚めれば、民主化する)という甘い世界観が現在の混乱のもと。
この機会に、その様な甘さのもとは、「国連を基軸にして、グテーレスさんの発言力を大事にして、世界中で気候危機、地球沸騰と脱GDPに至る議論を世界中で大騒ぎしながら議論する、その結果として、世界の国という概念も大したものではない、世界中の人と人がグローバルに繋がっているだけ、(国の縛りは緩いものでしかない、宗教の本質は、古代の生存圏議論の一つの方策でしかなかったもので、宗教は「その上澄みとでも言える、「道徳・倫理」以外」は単なる物語でしかないと割り切れるまで議論をする。
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人間集団としては、世界中が一つであらねばならない、となってから、最終の人類的課題である、「気候危機」(テッピングポイント・脱GDP )の議論を進める、政治家や企業家の言う「金儲け資本主義」を分解してしまい(マルクスの言う共産主義も「国家資本主義」以上の物にはならないし、できても「ソ連であり・中国」という「デストピア(1984年)」であり、何らその本質を実現するには人間の思考上の「ユートピア」でしかないことあ理解されているはず、その共有化も必要でしょう。
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その次には、「化石燃料使用ゼロ」「地球全緑化」の為の議論を大いにする必要がある、「CCCUS」とかの厳密なカーボン収支は、危ないもの、「原発の議論(世界の途上国に沢山の核施設が出来ると考えただけで、恐ろしい)、水素の時代とは言え大規模な国家的な活用派は危険である等々ということになるはず。
残された「カーボン・バジェット」の配分計画を作って、最低限の現在の社会システムの活用策を作り、それ以外は「自給自足・地産地消」の自治州連合を「世界政府・世界国家」として展望する、これは「ユートピア」ではない、現実の組織として作り上げていく。
「グテーレスさん」の人徳でこのリーダーになってもらうしかない。
今までのどの事務総長よりも最適任であると思うし、世界が協力する責任と義務がある。
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では、草々2023-7-30
森下克介
  


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2023年07月28日

「沸騰していても、誰も驚かない」、日本も世界も・・・

前略
世界気象機関が、地球環境モニタリング結果として、グテーレスさんに「地球沸騰」という言葉で世界を挑発させている。
気候危機というのではない「地球沸騰」とは、カエルならとっくに跳びだしている温度です。
人間は、「いつものセリフで「暑いですね!」と言っているだけ・・・・。
・・・・
気候変動とは判りにくい言葉です、最近の江守さんは「ティッピング・ポイント」という言葉を使った通り、もう後戻りできない状態になって仕舞うこと。すなわち、どんどん気温が上昇して金星の様になってしまう、ということ。
    (tip over;tip overで「転倒する、ころげ落ちる、ひっくり返る」の意味。)

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ーーーー7月、史上最も暑い月に 国連総長「地球沸騰化」と警告ーーーーー
          2023,7ー28、時事通信社、
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 【ニューヨーク時事】世界気象機関(WMO)と欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は27日、今年7月が観測史上最も暑い月となる可能性が「極めて高い」と発表した。
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 これを受け、グテレス国連事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が来た」と警告。
各国や企業に対し、温暖化対策を加速させるよう訴えた。
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 発表によると、7月1~23日の世界の平均気温は16.95度で、これまで最も暑かった月の2019年7月(16.63度)を上回った。
7月の残り数日で「ミニ氷河期」(グテレス氏)が到来しない限り、記録を塗り替える見通し。 

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https://news.yahoo.co.jp/articles/47f45b96b63f93201a951e5362fdc3ced33f0fd7
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ーーーECMWF
名称(英語)Europian Center for Medium-Range Weather Forcast;(日本語)欧州中期予報センター、
1975年に設立された地球システムの監視と気象予測のための研究を行う政府間機関。
コペルニクス大気監視サービス(CAMS)とコペルニクス気候変動サービス(C3S)を運営する。
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ーーーコペルニクス気候変動サービス(C3S)セミナー
コペルニクスについて
コペルニクスは、欧州連合 (EU)による宇宙とその場観察を用いた地球環境モニタリングのための主要プログラムです。
コペルニクスは、幅広い領域において運用データと情報サービスを提供します。 https://www.copernicus.eu/en
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欧州中期予報センター(ECMWF)について
欧州中期予報センター(ECMWF)は、研究機関であり、また24/7運用サービスで、グローバルな数値気象予測とその他のデータを、会員と共同運用している各国、また境界のコミュニティに提供しています。
センターは世界でも最大のスーパーコンピュータ設備と気象データアーカイブを所持しており、EUのコペルニクス地球観測プログラムであるコペルニクス大気モニタリングサービス(CAMS) とコペルニクス気候変動サービス(C3S)という2つのサービスを運用しています。
さらに、コペルニクスエマージェンシー管理サービス(CEMS)にも貢献しています。https://www.ecmwf.int/
・・・・
誰も、驚かない、なんたって「石炭火力発電所を続ける日本が「化石賞」を授賞したって」相変わらず石炭発電も続いているし、誰も騒がない・・・。
これで良いんだろうか????
少なくたって、巷での話題になったり、メディアでも、有識者が騒ぐ状況にもなって居ない・・・・。
日本中が安心して、平和に暮らしているのである・・・。
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では、草々
2023-7-28
森下克介
  


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2023年07月28日

「カエル以下の人類の死に様」を「イマジン」・・・

前略
例え話であるが「茹でガエル」というのは、現実には茹で上がらない、ということだそうです。
でも現在の人類は「茹で上がることを、ほぼ理解できているのに、茹で上がることから目を背けている」ということではないかということの様である。
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最近の世界中での山火事の現場は大変なものである。消火作業は幾ら飛行機が水を運んできても、部分的にも殆ど消えていないという画像ばかりです。
同時に、被災者の声も報道されています。
其処では「誰か、お役所の人か、ボランテイアの人か、消してくれないと助からない!!」と叫んでいる様子です。
確かに大規模な火災になってしまえば、誰も手がつけられ泣くなてしまいます、だから「誰かのせい」にして、騒ぎたくなるのは分かるが、感じとしては「淋しい感じ」がします。

ーーーーーーーー人類に「茹でガエル」現象が起きている。ーーーーーー
     人人は気候変動に鈍感になっていると警鐘を鳴らす気候学者;
          ガラパイア;2019年03月07日
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>>>>「茹でガエル(ゆでがえる)」という比喩がある。
 カエルを水に入れて徐々に温度を上げていくと、水温の上昇を知覚できずに死んでしまう。
ゆっくりと進行する危機や環境変化に対応することの難しさを示す比喩表現だ。
・・・・
 そして今。気候学者は人類に「茹でガエル」現象が起きていると警鐘を鳴らしている。
 世界は気候変動が激しくなってきている。
嵐は猛威を振るい、陸地も沈みつつある。
このマズい傾向をどれだけの人が気づいているだろうか?
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 最新の研究は、人類の適応力の乏しさを実証している。
 前代未聞の気候変動が進む中にあって、私たちはこの気温を普通のものと慣れてしまい、それがいかに危険であるか意識していないというのだ。
>>>>茹でガエルの比喩
 「茹でガエル」という比喩がある。
 2匹のカエルを、一方を熱湯に、もう一方を水に入れてゆっくりと加熱する。
 すると熱湯に入れられたカエルは直ぐに逃げ出して生き延びるのに対し、水から入れたカエルは、水温の上昇に気がつかず、気がついたときにはすでに手遅れで、茹で上がって死んでしまうという比喩表現だ。
・・・・
 これはあくまでたとえ話であり、現実に実験をしてみれば少しずつ茹でられたカエルは途中で逃げ出すのだが、取り返しのつかない地球温暖化へ向かう人類にも、少し当てはまっているのかもしれない。
 「人は本来なら回避するべき変化に慣れてしまっているようです。
でも、みんなが口にしないからといって、事態が悪化しないわけではありません」とアメリカ・カリフォルニア大学デービス校のフランシス・C・ムーア氏は話す。
>>>>ツイッターのつぶやきから人々が抱く天気への印象を調査
 ムーア氏らは、2014年3月から2016年11月にかけて20億ヶ所でなされたツイートを調査し、一般大衆が天気に対して抱いている印象を測定。それを1981~1990年に得られた天候についての言及と比較してみた。
 基本的に注目されたのは、地元の天気に生じた大きな変化への反応で、ここから人が通常あるいは異常と感じている天気がどのようなものか分析された。
 すると天気についてツイートされることが多いのは、その季節らしくない天気(暖冬や冷夏など)だったときであることが判明した。
 だが、このそれほど意外ではない傾向は、過去の経験、すなわちここ数年の天気の記憶にも左右されている。
 現在のように、ゆっくりと気温が上昇する状況では、私たちは異常気象を気にしなくなるのである――まさに茹でガエル現象のような状態になるわけだ。
>>>>人の感覚は5年くらい前の状況を基準にする
 研究によると、当初は普通と違うと感じられた気温であっても、5年のタイムスケールで繰り返し体験するうちに、急速に当たり前のものになってしまうのだ。
 というのも、温暖化のペースよりも、人の感覚のほうが早く調整されるからである。
 温暖化がいかに極端なものであっても、私たちがそれをどう感じるのかは主観的なものである。
そして、私たちにとって”正常”な天気とは、2~8年前と比べてどうかによって決められている。
 これがなぜ危険かというと、人が天候の異常さに気づかないまま、それに慣れてしまうからだ。正常でない天気であっても、正常と感じるようになってしまうのだ。
 「私たちは歴史的に見ても極端な状況の只中にいます。でも5年以上前の状況を忘れてしまうなら、それを特に異常とは感じないでしょう。」(ムーア氏)
・・・・
>>>>人類は茹でガエルになるのか?
 では人類はこのまま茹でガエルの運命をたどるのであろうか?
 必ずしもそうとはかぎらない。
というのも、どこかの時点で、気温や気候は「生理学的・生物学的な閾値(いきち)」を超えるだろうからだ。
 それは甚だしく極端な台風、干ばつ、洪水、山火事といったもので、もはやどうやっても正常とは思えないような天候である。
 そうした状況になれば、否が応でも異常に気づかざるを得ない。
・・・・
 この研究は『PNAS』に掲載された。
References:Human Beings Are Susceptible to 'Boiling Frog' Phenomenon, Climate Scientists Warn/ written by hiroching / edited by parumo

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https://karapaia.com/archives/52271827.html
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こんな言葉がどこかにあった・・・。
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 人類は自らの行為の影響を理解することなく、ずっと昔から地球に影響を与え続けてきた。
子供がいる人なら、誰もが我が子が可愛いことだろう。
ならばそれを証明するときではないだろうか?
・・・・
  50年先の子供や孫たちの世界を見据えることなしに、本当の意味で気候変動の問題に取り組むことはできないのである。
・・・・・・
気候危機とあちこちで言われていても、最近の山火事の現場での多くの人たちの行動を報道ベースで見ていると、地球環境という危機を、「誰か他人が、政治家が、起業家がやるべきことなので、俺に責任はない」 だから、早く火を消してくれ、俺の生活を保障してくれ、と言わんばかりに見える、見ていて辛い画像である。
・・・・
人類という種の限界が見えてきた・・・。
では、草々
2023-7-28
森下克介
  


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2023年07月27日

「ティッピング・ポイント」と「脱成長」の議論を、日本から世界全体へも

前略
ロシアのウクライナ侵攻時には、ドイツでは、メルケルさんの対プーチン政策の甘さが露呈して混乱があったのは、逆に国民が冷静に「自分事として考えた」と思われる。
イギリスは米ソ対立以来ロシアへの視点は変わっていないので、冷静だった。
・・・・
そんな経過を辿った国内の政治がどうなるのか?
人ヤマ越してみると、やはりロシアのエネルギー縮減戦術に踊らされた結果、「気候変動・気候危機」なんかは脇に置かれ「毎日の生活」が議論の対象になってしまった。
選挙は、「選挙民・有権者と立候補者・政治家」の議論が十分に行われて結果を出すものであるはず。
どっちが視野狭窄か?という問題じゃないと思いますが・・・・。

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ーーーーーーインフレ苦の欧州で岐路に立つ「気候変動」対策ーーーーーーーーーーーー
          各国で募る不満、「反グリーン」政党に支持
       田中 理 : 第一生命経済研究所 主席エコノミスト ;2023/07/27 、
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イギリスでは7月20日、ボリス・ジョンソン元首相の議員辞職に伴う下院の補欠選挙がロンドン郊外の選挙区で行われ、与党・保守党の候補がわずか495票差で議席を死守した。
政権幹部による相次ぐスキャンダルや経済政策の失敗などが響き、保守党は各種の世論調査で、最大野党・労働党に20ポイント前後の大量リードを許している。
下馬評では、同日行われた別の補選と同様に、保守党はこの選挙区も失うとの見方が支配的だった。
投票結果を左右したのは、労働党のサディク・カーン・ロンドン市長が進める環境政策に対する賛否だった。
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>>>>排ガス規制をロンドン郊外に拡大
ロンドンの深刻な大気汚染が市民の健康被害を招いているとして、カーン市長は2019年に、環境基準を満たさない車がロンドンの中心部に乗り入れる場合、1日当たり12.5ポンド(約2200円)の料金支払いが必要な「超低排出ガス地域(ULEZ: Ultra Low Emission Zone)」を設置した。
違反した場合、最大180ポンド(約3万2500円)の罰金が科せられる。
カーン市長は2022年11月、2023年8月29日から該当地域をロンドン郊外のほぼ全域に拡大することを発表し、ドライバーの反発を招いていた。
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補選が行われた選挙区の住民は8月29日以降、通勤、通学、買い物、仕事などで基準適合外の車を使う場合、同額の支払いを命じられる。
中心部と比べて公共交通機関が限られる郊外では、生活に車が必要な住民が少なくない。
「環境基準を満たさない車」には、8年以上前のディーゼルエンジン車や18年以上前のガソリン車が該当する。
近年、新車・中古車価格の高騰が顕著で、料金・罰金の支払いは車の買い替えが出来ない低所得層を直撃する。
2021年に1万2982ポンド(約235万円)だった環境基準に適合する中古車価格の中央値は、現在1万8295ポンド(約330万円)と40%以上も値上がりした(英BBC)。
保守党候補は、超低排出ガス地域(ULEZ)の拡大が地域住民に多大な財政的な負担を強いるとして、労働党の環境政策を攻撃し、選挙戦の劣勢をひっくり返した。
補選の結果を受けて、労働党のキア・スターマー党首は、「労働党が議席獲得に失敗した原因はULEZにあった」とし、「この結果を受けとめ、今後の選挙戦に反映しなければならない」と発言した。
カーン市長に対しても、ロンドン郊外へのULEZ拡大計画の何らかの再考を求めた。
アンジェラ・レイナ副党首も、「有権者の声に耳を傾けなければ、選挙に勝つことは出来ない」、「車の買い替えが必要な住民に対して、適切な補償や政策支援が必要となる」と発言した。
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>>>>労働党・保守党とも気候変動対策の見直しへ
世論調査で劣勢の保守党議員の間からも、2024年の総選挙での保守党の逆転勝利を目指し、リシ・スナク首相が掲げる気候変動対策の見直しを求める声が浮上している。
政府は現在、2025年までに住宅新設時にガスボイラーを設置することや、2030年までにガソリン車やディーゼル車を新たに販売することを禁止する方針だが、この期限の先送りを提案している。
また、政府は2028年以降、年間で60万戸の住居にヒートポンプを導入することを目指しているが、より現実的な目標を設定すべきとしている。
こうしたグリーン政策を巡る政治的な波紋は、イギリス以外の欧州諸国にも広がっている。
7月23日に投開票が行われたスペインの下院総選挙では、ペドロ・サンチェス首相が率いる中道左派の与党・社会労働党(PSOE)が、中道右派の野党・国民党(PP)に第一党の座を明け渡した。
今回の選挙戦では、移民の受け入れや現政権の進歩的な社会政策に批判的な極右政党・ボックス(VOX)が次期政権に加わるかどうかが大きな注目材料だった。
スペインでは1970年代の民政移管後、極右政党が国政レベルで政権に加わったことはない。
選挙結果は、国民党とボックスの2党では議会の過半数に届かなかった。
投票率が上昇しており、極右の政権入りを恐れた有権者が積極的に投票所に足を運んだ可能性がある。
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今後のシナリオとしては、①国民党とボックスが非多数派政権を樹立するか、②分離独立派の地域政党などの協力を得て、社会労働党が政権を発足するか、③右派・左派ともに政権発足に必要な議会の信任が得られず、年後半に再選挙が行われる展開が考えられる。
今のところ、①と②は難しいとみられ、③の可能性が高い。
初の政権入りを目指すボックスは今回の選挙戦で、社会労働党政権が推進してきた人工中絶やトランスジェンダーの権利拡大、積極的な気候変動対策、カタルーニャの分離独立派との対話路線などに異を唱えてきた。
気候変動関連では、交通渋滞の激化を招いたとして、人口5万人以上の市町村に自動車の乗り入れを制限する「低ガス排出エリア」の設置を義務付ける法律や自転車専用レーンの増設に反対している。
すでに国民党とボックスが連立している市町村では、低ガス排出エリアや自転車専用レーンの縮小が検討されている。
国政レベルでの政権入りのハードルは高いが、こうした主張が有権者から一定の支持を集めたことがうかがえる。
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>>>>農民政党が支持を伸ばすオランダ
移民制限を巡る対立で7月初めに連立政権が崩壊したオランダでは、2019年に誕生した右派ポピュリスト政党・農民市民運動(BBB)が急速に支持を伸ばしている。
オランダの主な政党支持率
BBBは2021年の下院(第二院)選挙ではわずか1議席の獲得にとどまったが、2023年の州議会選挙で最多票を獲得し、州議会の投票で選ばれる上院(第一院)でも最大勢力となっている。
11月に総選挙を控えるなか、最近の世論調査でも、中道右派の現与党・自由民主国民党(VVD)、労働党(PvdA)と緑の党(GL)が連携する中道左派会派とともに、主流派政党の仲間入りを果たしている。
多くの政党が議会で議席を分け合うオランダでは、政権発足には多党連立が欠かせない。
中道右派のVVDが政権を発足するには、BBBの協力が必要となる可能性があり、同党の政策主張が次期政権の政策運営に反映される可能性がある。
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BBBは農家による抗議活動を源流とした政党で、生物多様性にとって有害な窒素排出量を削減するため、家畜の数を減らし、農場の閉鎖を進める政府の計画に反対している。
政府は2030年までの循環型農業の実現に向け、家畜数や農場数を減らすか、別の形で気候変動対策に貢献することを求めている。
農業保護以外の政策分野でBBBは、右派ポピュリスト的な主張が目立つが、極右政党の自由党(PVV)や民主主義フォーラム(FVD)ほど極端ではない。
オランダの欧州連合(EU)への参加を支持するが、EUの権限を縮小し、加盟国の権限拡大を求めている。
同党は紛争や迫害から逃れる難民の受け入れを支持するが、移民の経済的な自立やオランダ語の習得を要求する。
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>>>>ドイツの極右躍進は思想が要因ではない
気候変動対策への不満は、環境大国のドイツでも広がっている。
7月22日に発表された調査会社INSAの世論調査で、極右政党・ドイツのための選択肢(AfD)が過去最高の22%の支持を得て、前回の連邦議会選挙で下野した最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)に4ポイント差に迫る2番手に付けた。
ドイツの政党支持率
欧州債務危機時に旗揚げされ、難民危機時に反移民や反イスラムを掲げて支持を拡大したAfDの最近の更なる躍進は、ドイツで極右思想の持ち主が増えているからではない。
2022年の連邦議会選挙を受けて誕生したオラフ・ショルツ首相が率いる中道左派の社会民主党(SPD)、環境政党・緑の党(Grüne)、リベラル政党・自由民主党(FDP)の3党による連立政権の支持は、低空飛行を続けている。
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物価高騰による生活困窮、2024年から石油・天然ガスを使用する暖房設備の新規設置を禁止する政府方針への反発、連立政権内の主導権争いや足並みの乱れなどを背景に、有権者の支持離れにつながっている。
AfDはこうした連立政権への批判票を取り込むとともに、ウクライナでの紛争長期化に伴う難民・移民の増加、脱炭素社会への移行に伴う家計負担の増加を巡る懸念を支持拡大につなげている。
6月末には旧東ドイツのテューリンゲン州のゾンネベルク郡の選挙で、AfDの候補が決選投票を制し、首長に選出された。
国政・州・郡・市町村レベルを通じて、AfDが首長を輩出するのは初めてで、ドイツ政界に激震が走った。
このままAfDの支持拡大が続けば、州レベルや連邦レベルでも、AfDとの協力なしで政権を発足することが徐々に難しくなっていく。
CDUのフリードリヒ・メルツ党首は7月23日、郡や市町村レベルでAfDとの協力の可能性を排除しない旨の発言をし、党内からの反発が広がり、火消しに追われた。
ドイツ政界におけるAfDの存在感が増しており、もはや政治的に排除することが難しくなりつつある。
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>>>>欧州各国で政治イベントが目白押し
総選挙後の政権発足が難航しそうなスペイン、連立政権が崩壊したオランダでは、2023年の秋から冬にかけて総選挙が予定される。
気候変動対策に異を唱える政党の躍進に注意が必要となる。
2024年秋にはドイツで、気候変動対策に懐疑的な右派ポピュリスト政党が高い支持を得る旧東ドイツの3州(テューリンゲン州、ザクセン州、ブランデンブルク州)で州議会選挙が予定される。
イギリスでは2025年1月に議会任期満了を控え、2024年中に総選挙が行われる可能性が高い。
7月の補選の結果を受けて、保守党と労働党の二大政党が気候変動対策をどう位置付けるかに注目が集まる。
2024年央の欧州議会選挙でも、前回2019年の選挙で躍進した環境会派やリベラル会派にかつての勢いはない。選挙結果を踏まえたEUの次期執行部の人選も、欧州の気候変動対策の行方を左右しよう。
物価高騰による生活困窮が続くなか、欧州各国で急進的な気候変動対策への揺り戻しが起きている。2023年から2024年にかけては欧州各国で政治イベントが目白押しで、その過程で気候変動対策の軌道修正につながる可能性に注意が必要となろう。

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https://toyokeizai.net/articles/-/689804
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最近のニュース討論の場に、「日本では初めて、環境のプロが入った」、そして、今の日本の政治の甘さを議したが、結局お互いに言い合っただけで終了した。
しかし、二人ともそれなりの主張をした。
「もうすぐ、ティッピングポイントが来る」、「今こそ脱成長が必要だ」、といった。
日本の、衆院選挙も近いと言われている時期である、子の時の議論がもっと多くの局で取り上げられないといけないと思う、中古車やの犯罪はそれなりに今までの法律の枠で始末されなければならない。
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しかし、「気候危機」は、今までの政治・行政の応用問題にしては「荷が重い」、候補者も有権者も甥にかみ砕いた認識を得るためにも、大いに議論しないといけない。
「ティッピングポイント」とはそんなに恐ろしいものか? 「脱成長」とはどうしたらできるのか?この二つで十分でしょう。
更なる話題は、この次で結構でしょう。
大いに課題の共有が進んでほしいものです。
その結果を、西欧や、グローバルサウスにも、専制国家の皆さんにも知らせて、一緒にこうどうしないといけない。
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では、草々
2023-7-27
森下克介
  


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2023年07月26日

「大西洋の海洋循環」が弱まってきたということですが、どうでしょう

前略
最近の気候の話題に危機感が潜んでいる様に見えます。
海洋循環に変化を感じた科学者が動いているのかもしれません。
メキシコ湾流の沈み込みが、英国の北、グリーンランド東部に有って、ヨーロッパ大陸を温めているので「欧米文化」が栄えてきたともいえるのではないか、と考えてもおかしくないようです。
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この循環が止まれば、摂氏で5度も気温が下がっては、大変です。
アマゾンの東海域の気温が下がってしまえば、熱帯雨林に供給される高温多湿の大気の流れが出来ないということの様です。
更に、東南アジアを経て、黒潮が日本の周囲に高温多湿の空気を運んで来てくれているので、多雨が維持されていたのですが、これも望めなくなりそうです。
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これらは、温暖な大気が無くなる心配ですが、今度は循環が弱くなれば、海洋全体が太陽光と気流によって赤道周辺などで高温になることかもしれません。

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ーーーーーー大西洋の海洋循環が早ければ2025年にも崩壊しーーーーーー
      全世界の気候に多大な悪影響を及ぼす可能性が研究で示唆される
         © GIGAZINE 提供、2023-7-26,
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海洋の循環は地球の気候に大きな影響を及ぼしていると同時に、地球温暖化の影響を受けて変動していることが指摘されています。
デンマーク・コペンハーゲン大学の研究チームが発表した新たな論文では、熱帯の温かい海水を北に、北部の冷たい海水を南に送ることで北半球の気候に大きな影響を及ぼす「大西洋南北熱塩循環(AMOC)」が、早ければ2025年にも崩壊してしまう可能性が示唆されました。 Warning of a forthcoming collapse of the Atlantic meridional overturning circulation | Nature Communications https://doi.org/10.1038/s41467-023-39810-w
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Gulf Stream current could collapse in 2025, plunging Earth into climate chaos: 'We were actually bewildered' | Live Science https://www.livescience.com/planet-earth/climate-change/gulf-stream-current-could-collapse-in-2025-plunging-earth-into-climate-chaos-we-were-actually-bewildered Gulf Stream could collapse as early as 2025, study suggests | Climate crisis | The Guardian https://www.theguardian.com/environment/2023/jul/25/gulf-stream-could-collapse-as-early-as-2025-study-suggests 水深数百m以下の中深層で生じる地球規模の海洋循環は、海水の密度を決定する塩分濃度と温度によって生じていることから熱塩循環と呼ばれています。
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海流によって酸素や栄養素、炭素、熱がベルトコンベアーのように世界規模で循環することにより、記事作成時点の地球の気候が保たれているというわけです。
大西洋において最も重要な熱塩循環であるAMOCは、メキシコ湾流などを含むいくつかの海流によって構成されています。
AMOCは塩分濃度と密度が高い表層の海流を北に送り、その海流がグリーンランド沖で熱を放出すると共に冷却されて底層へ沈み込みます。
沈み込んだ海流はゆっくりと南へと戻り、南の海域で温められることで表層に上がってきて、再び北に送られるという循環ができています。 NASAのゴダード宇宙飛行センターが作成した以下の図を見ると、赤色で示された表層の海流と青色で示された下層の海流が、地球規模で循環していることがわかります。
by NASA/Goddard Space Flight Center Scientific Visualization Studio AMOCは記事作成時点の状態である「より速く強いモード」と、海流循環が乏しくなる「より遅く弱いモード」という2つの状態を交互に切り替えていると考えられています。
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最後にモードが切り替わったのは約1万年前に終わった最終氷期であり、この際はグリーンランド付近の気候はわずか10年以内にセ氏10~15度も上昇したとのこと。AMOCが現在の「より速く強いモード」から「より遅く弱いモード」に切り替わった場合、ヨーロッパや北米の気温は10年以内にセ氏5度も低下する可能性があるそうです。
近年は、グリーンランドの氷河崩壊などによる淡水流入によって海水の密度や塩分濃度が変動し、AMOCが弱まっていることが指摘されています。
2021年にはAMOCの安定性がここ1世紀でほぼ完全に失われ、モードの転換点が遠からず訪れるのではないかという研究結果も発表されています。
海洋循環システムの1つ・大西洋南北熱塩循環の安定性はほぼ完全に失われたとの研究 - GIGAZINE
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しかし、AMOCの直接的な観測データは2004年以降のものしかないため、長期的なスケールでAMOCの変動を分析することは困難でした。
そこでコペンハーゲン大学の統計学教授であるスザンヌ・ディトレウセン氏らの研究チームは、1870年から測定されている北大西洋の表面海水温度のデータを統計モデルに入力し、AMOCの変動について予測しました。
その結果、AMOCのモードは当初の予想よりも大幅に早く、2025年~2095年の間に転換する可能性があることが判明しました。
論文の共著者であるコペンハーゲン大学のピーター・ディトレウセン氏は科学系メディアのLive Scienceに対し、「AMOCの崩壊が非常に近い可能性があり、その結果は非常に重大であるため、私たちは今すぐに行動を起こさなくてはなりません」とコメントしています。
海外メディアのThe Guardianは、「AMOCが崩壊すれば、インド・南米・西アフリカに住む数十億人の食料調達に必要な雨に悪影響が及び、世界中に悲惨な結果がもたらされるでしょう。ヨーロッパでは暴風雨が増加して気温も下がり、北米の東海岸では海面上昇につながるでしょう。
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さらにアマゾンの熱帯雨林や南極の氷床も危険にさらされる可能性があります」と述べています。
一方で今回の研究については、海水温を海流速度の予測に使用するといった点に不確実性が存在しており、結論に至るまでに多くの仮定と未知の変数があるという指摘も上がっています。
マックス・プランク気象研究所の所長であるJochem Marotzke氏は、「数学面は専門的に処理されているように見えますが、物理的な基盤は極めて不安定です」と指摘。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの地理学准教授であるDavid Thornalley氏も、研究には未知数の部分が多くさらなる研究が必要だとの見解を示しました。

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https://www.msn.com/ja-jp/news/techandscience/%E5%A4%A7%E8%A5%BF%E6%B4%8B%E3%81%AE%E6%B5%B7%E6%B4%8B%E5%BE%AA%E7%92%B0%E3%81%8C%E6%97%A9%E3%81%91%E3%82%8C%E3%81%B02025%E5%B9%B4%E3%81%AB%E3%82%82%E5%B4%A9%E5%A3%8A%E3%81%97%E5%85%A8%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%B0%97%E5%80%99%E3%81%AB%E5%A4%9A%E5%A4%A7%E3%81%AA%E6%82%AA%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E3%82%92%E5%8F%8A%E3%81%BC%E3%81%99%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7%E3%81%8C%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%81%A7%E7%A4%BA%E5%94%86%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B/ar-AA1emKa5?ocid=msedgntp&cvid=901113bd861c49579e769bc9fe786217&ei=20
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簡単な予測はできませんが、大西洋を流れるメキシコ湾流が弱まってしまうと、全体の循環が弱まってしまうということのようです。
循環の恩恵を受けていた中緯度の地域は寒冷化することになるのではないでしょうか。
循環が緩くなれば、赤道海域などでは更に気温が上がってしまうのでしょうか>
・・・・
この様なことが、気候危機の初期現象ということであればさらに進んでいった場合にどのようなことを考えたら良いのかまだわかりません。
昨日も、気候学者の議論がありましたが、まだまだ生ぬるい議論でしかありませんでした。
ガンガンやって、動いてください。
・・・
では、草々
2023-7-26
森下克介
  


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2023年07月26日

「気候変動対策」で、「貧困が増える」というシミュレーション

前略
日本の有力大学で、「気候変動対策をした場合」と「気候変動対策をしない場合」の貧困の増減を比較するシミュレーションをした報告である。
・・・・
気候変動対策実施時には、「所得効果」と「価格効果」が主原因で、貧困が増加する、という・・・。
何もしない場合には、貧困が増加しないのでしょうか?チョット不思議な研究報告です・・・・。
(現在のままの状態では、最近話題の高温災害がとんでもなく進行しているはずですが、その様な計算はできないのでしょうか?)

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----ーーーー気候変動対策の実施により貧困が増加する可能性=京大などーーーー
      by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan] ,2023年7月25日,
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京都大学、立命館大学、国立環境研究所の共同研究チームは、パリ協定に基づく将来の気候変動緩和シナリオを分析し、それらが貧困にどのように影響するかを調査。
その結果、気候緩和策をとらないベースラインケースと比べて気候変動緩和策を実施したケースでは、貧困人口を増加させる可能性があることが明らかになった。
・・・・
研究チームは今回、国立環境研究所と京大などが開発している大規模シミュレーションモデル「アジア太平洋統合評価モデル(AIM(Asia-Pacific Integrated Model)」を使用。
シミュレーションの結果、産業革命後の気温上昇を2℃以内に抑えるために気候変動対策を強化する「2℃シナリオ」では、2030年と2050年に、気候変動対策をしない場合と比較して、貧困人口がそれぞれ6500万人と1800万人増加することがわかった。
さらに強い対策を実施する「1.5℃シナリオ」でも同様の傾向が見られた。
・・・・
同チームによると、貧困層が増加する背後には、「所得効果」と「価格効果」の二つが関与している。
所得効果は、気候変動対策によるマクロ経済的な損失が所得を減少させる効果を指し、脱炭素化のために高効率の機器の導入や化石燃料以外のエネルギー源の生産のための投資が追加的に必要なことで生じる。
価格効果は、炭素税導入などによる食料価格上昇が家計に影響を及ぼす効果を指し、温室効果ガス排出に直接関係するエネルギーや食料を中心に価格が上昇することで生じる。
これらの影響は地域により異なるが、特にアジアとアフリカで大きな影響が見られたという。
・・・・
研究論文は2023年7月7日に、国際研究雑誌サステナビリィ・サイエンス(Sustainability Science)に掲載された。

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https://www.technologyreview.jp/n/2023/07/25/313129/?mc_cid=3a2298a64b&mc_eid=a30e82edf2
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何でもいいのです、何を考えて、どんなシミュレーションでもして、世界に問えばいいのでしょう。
でも、このシミュレーション結果は、どのように評価するか、議論が分かれる。
・・・・
それでも、どんな議論で良いと思います。
大いにやるべきです。
結論として、世界の人たちが「世界政府・世界国家」の場で議論をして、決定して、行動することになる。
公道の混乱だけは困る、ロシアンのプーチンさんや、どこかの独裁者の様に、「自分勝手な判断と行動だけは困る」という共通認識が欲しい。
・・・・
では、草々
202-3-7-26
森下克介
  


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2023年07月26日

緑の革命の成果」から脱却できるか、やる気が有るか

前略
農学者の鈴木氏の認識は其の通りであると思います。
現状は、緑の革命とアメリカの戦略・戦術によってもたらされている、ということでしょう、日本の原状も、戦後の食糧支援から始まって、この通りに推移してきていると考えられます。
・・・・
そこで、日本としての「戦略・戦術」を考えると、
1,もう最近にある「気候危機」と「禁輸食糧時代」に向けて、「自給自足・地産地消」の生活を自ら決定して行わなければならない。
日本人は、3000万人で自給自足してきた歴史・実績があり、自信をもって方向性を決めることができる。
移民労働者は、現在の様な機械工業製品を輸出して高価な食糧(実際の食料の半分を輸入)を輸入するという、不安定な社会を妄想知っているだけであり、日本人だけで暮らすことができる。
2,もうひとつは、最近の学校給食に「有機栽培の食品」に限定しようという動きもある通り、「大量の化学肥料と農薬がないとできない農業」水稲だけでなく、ここに示されている「畜産品・施設栽培の野菜」は、有機という認識外の食品であるから、これらも除外する方向性を皆で共有する必要がある。
・・・・
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ーーーーーー食料安全保障を脅かす戦犯・アメリカがやっていることがヤバすぎる…ーーーーー
          輸出規制で他国民が死んだって構わない、その論理、
         鈴木 宣弘東京大学大学院農学生命科学研究科教授、2022.11.18、
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>>>>「緑の革命」と地球環境破壊
1940年代から60年代にかけて、世界規模で「緑の革命」が進んだ。
農業技術の進歩により、途上国で米や小麦など穀物の収穫量が爆発的に伸びたのだ。
と同時に、化学肥料の大量使用による弊害もあらわれている。
・・・・
地球温暖化と気候変動による自然災害の増加も、食料安全保障を脅かす重要なファクターだ。
〈土にはたくさんの微生物がおり、その微生物を中心とした生態系がある。
しかし、近代農業の普及により、化学肥料や農薬が多用されたことで、土壌の中の微生物が減少し、土の中の生態系が破壊されつつある。
土の中の微生物が死滅してしまうと、生態系が崩れ、土壌の保水力が失われる。
「ぱさぱさ」になった土は、少しの雨でも、簡単に流出してしまう。
近年、大雨による洪水被害が拡大している背景には、こうした土壌の劣化問題があるとも言われている。
・・・・
>>>>いま、世界中で「土」が失われつつある。
国連FAOの発表によると、世界の三分の一の表土は、すでに喪失しているという。
また、いまも五秒ごとに、サッカー場程度の土が流出しており、二〇五〇年には世界の九〇パーセント以上の土壌が劣化してしまうという(東京大学非常勤講師の印鑰(いんやく)智哉氏の資料による)。〉(『世界で最初に飢えるのは日本』118〜119ページ)
・・・・
>>>>ますます増大する世界人口を支えるため、人類は食料を今よりもさらに増産しなければならない。
水不足も喫緊の課題だ。
〈植物の根には、菌根菌と呼ばれる微生物が付着している。
この菌根菌は、植物の根から炭水化物やアミノ酸を吸収し、窒素やリンなどの栄養分を、植物に供給している。
化学肥料の多用によって、土壌の中の微生物が減ってしまうと、このシステムが崩れて、植物の根が張らなくなってしまう。
本来、植物の根がしっかり張っていれば、少しの水でも植物がしっかり吸収してくれる。
だが、植物の根が張らなくなると、土から水を吸収する力が弱くなる。
そのため、現代農業では、以前よりも大量に水をまかなければならなくなっている。
かつてよりも多くの水が必要になっており、その分、気候変動による渇水に弱くなっている。〉
(『世界で最初に飢えるのは日本』119〜120ページ)
・・・・
>>>>海洋に広がる恐怖の「デッドゾーン」
世界中の農業生産者が化学肥料を湯水のように使用することにより、取り返しがつかない環境破壊が進行しているそうだ。
その名も海洋の「デッドゾーン」である。
〈大量の化学肥料を使用すると、リン、窒素などが大量に含まれた排水が、海へ流れ込むことになる。
こうした過剰に栄養分のある海水によって、藻類など海中の植物プランクトンが大量に発生すると、海が緑色に変色してしまう。
その植物プランクトンが死ぬと、バクテリアによる分解が始まるが、その過程で大量の酸素が消費される。
そのため、その海域全体が酸欠状態となり、生物が住めなくなってしまうのだ。
これがデッドゾーンと呼ばれる現象であり、いまでは衛星画像などで、世界中の海にデッドゾーンができていることが確認されている。
・・・・
とくに巨大なデッドゾーンとなっているのが、メキシコ湾だ。
アメリカ中西部の大規模穀倉地帯で大量に使用される化学肥料が、メキシコ湾に流れ込むことによって、毎年のように巨大なデッドゾーンが発生している。
このデッドゾーンを悪化させているのが、工場型畜産(ファクトリー・ファーミング)である。
化学肥料を使って栽培した飼料を大量に与え、また抗生物質や成長ホルモンを投与する、工場的な畜産が行われているが、飼料栽培のための化学肥料が溶け込んだ排水によって、デッドゾーンが生み出されている。〉
(『世界で最初に飢えるのは日本』125〜126ページ)
・・・・
畜産業が盛んになるにつれて、先進国の富める者はますます大量の牛肉を消費する。
途上国の人々も、肉食によって動物性タンパク質を効率的に補給するようになってきた。
肉食の急増は、地球環境に大きな負荷をもたらす。
〈家畜の排泄物もまた、海中の植物プランクトンを増加させる、過剰な栄養分となるため、デッドゾーンを深刻化させてしまう。
そもそも、家畜はエサとして大量の穀物を消費する。
そのエサの栽培のために、森林を伐採し、農地を拡大したことによって、大気汚染が深刻化している。
加えて、「家畜工場」で大量に飼育されている家畜が、メタンガスやCO2といった温室効果ガスを排出することも問題である。〉
(『世界で最初に飢えるのは日本』126ページ)
・・・・
>>>>食料危機という人災を引き起こすアメリカ
結局のところ、日本をはじめ世界の食料安全保障を脅かしている最大の“戦犯”はアメリカ合衆国だ。
〈アメリカは、自国の農業には手厚い補助金による支援を行っているが、貿易相手国に対しては徹底的な規制緩和を要求する。
アメリカはそれを自由貿易とか、「level the playing field(対等な競争条件を保つ)」などと言っているが、実態は「圧力によって関税を撤廃させ、相手国の農業を、補助金漬けのアメリカ産作物で駆逐」しているだけだ。
つまり、「アメリカだけが自由に利益を得られる仕組み」を要求しているに過ぎない。
・・・・
>>>>こうしたアメリカの食料戦略が、世界に食料危機をもたらしている。
ハイチは、一九九五年に、IMFから融資を受けるための条件として、アメリカから輸入するコメへの関税を三パーセントにまで引き下げることを約束させられた。
その結果、ハイチのコメ生産が大幅に減少し、コメを輸入に頼る構造になっていた。
そこに二〇〇八年の世界食料危機が直撃、コメの輸出規制が行われ、ハイチはコメの不足により、死者を出す事態となった。
この時にはフィリピンでも死者が出ている。
つまり、アメリカの勝手な都合で押しつけられた仕組みが、世界の人々の命を振り回しているのだ。〉
(『世界で最初に飢えるのは日本』128〜129ページ)
・・・・
戦後日本は、アメリカから言われるがまま、牛肉もオレンジも貿易自由化に踏み切ってきた。
アメリカからいいようにやられた結果、日本の食料自給率はわずか37%(カロリーベース)にとどまり、有事の際は餓死者が大量発生する危機にさらされている。
〈アメリカは、「食料なら安く売ってあげるから、非効率な農業を続けるのはやめたほうがいい」と言って、世界中で農産物の貿易自由化を進めてきた。
それによって、基礎食料を生産する国が減ってしまい、世界全体が、アメリカを始めとする少数の食料供給国に依存するようになってしまった。
そのため、紛争などの要因により食料需給にショックが発生すれば、途端に食料の不足が発生し、それは食料価格上昇に直結してしまう。そうなると、将来の高値を期待して投機マネーが流入し、ますます食料価格が高騰する。
すると、不安心理が増大し、輸出規制に踏み切る国が出始め、より一層の価格高騰が起きてしまう。
二〇〇八年の世界食料危機は、こうしたプロセスにより悪化した。
まさに、食料危機は人災なのである。〉
(『世界で最初に飢えるのは日本』129〜130ページ)
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>>>>21世紀の日本で食料危機という人災を引き起こさせないため、「NO」と言える政治とリーダーシップが求められている。
本連載では触れなかったが、第3章「日本人が知らない『危険な輸入食品』」には、往年のミリオンセラー『買ってはいけない』を彷彿とさせるショッキングな記述もある。
ぜひ『世界で最初に飢えるのは日本』を手に取り、全ページを繰ってみていただきたい。
鈴木宣弘著『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』
講談社+α新書 定価900円+税

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https://gendai.media/articles/-/102228
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此処での議論のスタートは「緑の革命」という言葉である。
検索結果は・・

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>>>>緑の革命(読み)みどりのかくめい(英語表記)green revolution
日本大百科全書(ニッポニカ) 「緑の革命」の意味・わかりやすい解説
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農業の生産性向上を目的とし、穀物類の品種改良などの農業技術の革新と、発展途上国への導入の過程をいう。1960年代に入って、アメリカをはじめとする先進国の農業研究所で、トウモロコシ、小麦、イネなどの品種改良、とくに収穫量の多い改良品種の開発が進められた。なかでも、ロックフェラー、フォード両財団の援助で1962年にフィリピンに設立された国際イネ研究所International Rice Research Institute(IRRI)では、1966年にいわゆるミラクル・ライス(奇跡の米)とよばれるIR‐8が開発され、また、同じく両財団の援助で1963年にメキシコに設立された国際トウモロコシ小麦改良センターCentro Internacional de Mejoramiento de Maiz y Trigo(CIMMYT)では、メキシコ小麦とよばれる多収穫品種が開発された。
・・・・
 これらの新品種は、発展途上国における食糧不足を解消し、さらには食糧の増産による自給体制を確立することを目的に途上国に積極的に導入された。東南アジアにおいては、主としてIR‐8が導入された。この新品種は、収穫量を従来の品種の約2倍に増加することができるものであるが、大量の肥料や農薬の散布、灌漑(かんがい)設備や農機具の充実など、近代的農業技術の導入を前提とするものであり、多額の資本投下を必要とするものであった。そのため、新品種を導入できる農民や地域と、できないものとができ、農村内部の階層間、地域間の所得格差を拡大させた。また、化学肥料、農薬の大量投与による環境汚染や、新品種が短茎性で多肥料を必要とするため雨期のデルタ地帯に適さないという欠点も指摘された。
・・・・
 このように、1960年代の中ごろから推進された緑の革命は、所期の目的を達成することができず、1970年代以降、新品種を導入した国々の農業生産は、新品種導入の諸前提の不備に天候不順などの要因も加わって、停滞した状態のままである。
[秋山憲治]
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 緑の革命は、一時的に収穫量の増大をみたが、肥料、農薬の大量投与による環境破壊や伝統的農村文化の崩壊を招いたなど、多くの批判もあびた。一方、アジア、アフリカの開発途上の国にある深刻な食糧不足の対策として「第二の緑の革命」を求める声もある。1980年代後半から、アフリカにおいて多収穫の新品種の導入が始まっている。また、新しいバイオテクノロジーによる多収穫品種の開発も行われているが、遺伝子組換えなどの技術に対する反発や、商品化された新品種を企業が占有するなどの問題点も指摘されている。
[編集部]
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緑の革命は、今でもその成果を評価する筋もあるようですが、既に破綻した農業と断言できると思う。
従って、
新品種で大量に生産でき、口当たりのいい甘い野菜や果物こそ、「多肥料で病虫害が付きやすい」ということである。
在来種という種類には、まず病虫害」耐性を歴史的に持っているわけであるから、その収量や味覚が劣っていても、其れこそが昔からの日本人が食してきた自然の「人類・生態系」の為の物である。
・・・・
現在の日本も世界もみんなこの緑の革命に毒されている、今のロシアの農産物も化学肥料もその成果である。
もうロシアの穀物は要らない、自分たちの親の世代がやってきた自給自足の生活に戻って、自分らしい生活をするんだ、と大見えを切る人達が大勢いて欲しいものです。
日本にも、移民労働者は要りません、自分たちで暮らします。
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では、草々
2023-7-26
森下克介
  


Posted by もりかつ at 09:44Comments(0)

2023年07月25日

「氷期への新理論」です、「大議論の起爆剤」に

前略
以前は「ミランコビッチサイクル」とかの議論が沢山出て来ました。
その先生も今は宗旨替えして、IPCCの議論を一緒にしています。
そんな中で、又東大の先生の研究が出ました。
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地球の最終氷期のお終いは、1万年前頃と言われていますから、今回の議論には引っかからないようです。
検索結果は;
    最終氷期とは、およそ7万年前に始まって1万年前に終了した一番新しい氷期のことである。この時期は氷期の中でも地質学的、
    地理学的、気候学的に最も詳しく研究されており、気温や、大気・海洋の状態、海水準低下により変化した海岸線など緻密な
    復元が進んでいる。
ということです。
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自転軸の角度で氷期が決まるということは、素人には判りにくいのですが・・。

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---ーーーー地球の氷期サイクル、惑星の引力による自転軸傾きの変動が影響か…ーーーーー
       東大など研究;読売新聞、2023-7-25,
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 月や他の惑星の引力によって地球の自転軸の動き方が変わり、それが氷期の訪れる周期に影響を与える可能性があることを、東京大などの研究チームがコンピューターの模擬実験で解明した。
論文が国際的な科学誌に掲載された。
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 地球は約260万年前以降、氷河が発達する氷期と後退する間氷期を周期的に繰り返している。
約75万年前から現在は約10万年周期だが、約160万~120万年前は約4万年周期だった。
周期が短かった理由を探るため、チームは当時の地球の状態をスーパーコンピューターで再現。
自転軸、日射量、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度など、様々な要因が氷期の周期にどう影響するかを調べた。
・・・・
 その結果、自転軸の影響が大きかった。
自転軸の傾きは他の天体からの引力で常に変化するが、傾きが大きな角度まで及ぶと4万年周期に、比較的小さな角度の範囲で変化すると10万年周期になった。
CO2濃度の影響は確認できなかった。
現代はCO2の増加で温暖化が進行しているが、阿部彩子・東大教授は「当時はCO2の果たす役割がずっと小さかった」とみている。
・・・
 名古屋大の渡辺誠一郎教授(惑星科学)の話「月や惑星の動きが氷期の周期を決めることを示唆しており、意義深い。他の惑星の長期的な気候変動解明にもつながるはずだ」

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https://www.msn.com/ja-jp/news/techandscience/%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%81%AE%E6%B0%B7%E6%9C%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB-%E6%83%91%E6%98%9F%E3%81%AE%E5%BC%95%E5%8A%9B%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%B8%E5%82%BE%E3%81%8D%E3%81%AE%E5%A4%89%E5%8B%95%E3%81%8C%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E3%81%8B-%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E3%81%AA%E3%81%A9%E7%A0%94%E7%A9%B6/ar-AA1ehT11?ocid=msedgntp&cvid=ce28fcd589374b0988e481fed9ca6d80&ei=7
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キチンとCO2の議論もしているようです。
しかし、このような報告が出てくると、IPCCの主張が弱められる可能性が出て来たりする、この際には「本格的なGHGに拠る「気候危機」の議論」を公の場でやって欲しい。
そして、一気に本気の気候危機対策へ雪崩れ込んでほしいものです。
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では、草々
2023-7-25
森下克介
  


Posted by もりかつ at 11:16Comments(0)

2023年07月24日

「神様をバカにする人」には運が巡ってこない

前略
古代の宗教を否定している私には、「神様を馬鹿にする」ということなのかと自問してしまった。
此処での神様は、言ってみれば「日本の多神教的な、薄い感じの神様で、運に繋がる神様」ということのようです。
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しかし、ここで言われている神様も、一種の神様であるわけです。
人は、「祈りが神様に通じて、神様が詔(みことのり)を下さる。」という思考回路は同じに見えます。
古代中世の神様も同様である訳ですが、最終的には「バビロンの幽囚」に示されるところまで行ってしまうと、自らが作り上げた、際限のない神様崇拝の宗教になる。現在の宗教にはこの様な一面すらあるが、一般的には「聖書の解釈」「コーランの解釈」の中に全てがあるようです。
その心は、「古代・中世の集落を守り・維持する」為の集団の行動への解釈であると言いたい。
・・・・・
その結果が、ジハードであり、十字軍である他部族と戦闘し打ち負かすことまでが含まれる。中国や日本に来た宣教師たちの密命は、宗教による世界征服があったと言えよう。
宗教の基本原則に、その様な古代的な思考があるものが、現在には存在自体が困るものである。
表向きの「集落・部族間の秩序維持のための考え方は、道徳・倫理としての存在は認められるのが限界でしょう。立法も司法も行政も過去のものとして否定されるものばかりです、大きな力は「免罪符」を出したり、お布施をたくさん出すほど優遇される宗教はたまらない、ローマのバチカン宮殿は誰が作ったものか、信者からの集金能力が作ったもの。
・・・・
最近話題の「旧・統一教会も同じ」、その他多くの寺院・仏像などは、衆生を救うよりも「暴力的な集金」で衆生を苦しめたものでしかない。
宗教は「教義を選択して、道徳・哲学」の分野だけを取り上げたものとしないといけない。

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ーーーーーーーー神様をバカにする人は運に見放される…ーーーーーー
     脳科学者が「神社を参拝するメリット」を脳科学的に説明する
        運は待つものではなく、つかみに行くもの
          PRESIDENT Online、茂木 健一郎、脳科学者、2023/07/24 、
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>>>>>運をつかむためにはどうすればいいのか。
脳科学者の茂木健一郎さんは「私はよく神社やパワースポットに出かける。それは自分の心が整い、積極的に動く習慣が身につくからだ。『神社やパワースポットなんて迷信でしょう』という人は損をしている」という――。(第1回)
※本稿は、茂木健一郎『強運脳』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
・・・・・
>>>>なぜわれわれは神社にお参りに行くのか
豊臣秀吉や徳川家康といった、日本を動かしてきた天下人の多くが神社を大切にし、参拝を続けてきたといいます。
また、これまで成功を収めてきた偉大な企業人の多くも、積極的に神社参りをしてきました。
松下電器産業(現パナソニックホールディングス)の創業者で、「経営の神様」と呼ばれていた松下幸之助は神様を大切にしてきたことでも有名で、本社や事業所内のあちこちに神社をつくり、現在も同社には祭祀担当の社員がいて社内の社やしろを管理しています。
日本人にとって神社は身近な存在です。
商売繁昌の神様として知られる東京の神田明神にはビジネスパーソンが日々多く訪れますし、ある人たちは疲れた心を癒して運気を上げようと全国各地のパワースポットへ出かけたりもします。
・・・・
なぜ、私たちは神社やパワースポットに行くのでしょうか。「苦しいときの神頼み」といいますが、神社に参拝したり、パワースポットに行くことで、今より少しでも運気を上昇させたいと願うからでしょう。
ただし、科学的には神仏にお祈りしたからといって、あるいはパワースポット行ったからといって、何らかのパフォーマンスが上がるというエビデンスはありません。
それでも、自分ではコントロールできない、どんなに力を尽くしてもどうすることもできないことに対して、何とか神様のご加護を得ようと参拝し、手を合わせるわけです。
・・・・
>>>>脳科学で考えるメリット
では、神社やパワースポットに行くことで、どのようなメリットがあるのか、運を引き寄せることができるのか、脳科学的に説明していきましょう。
脳科学の立場からいえば、神社に参拝したり、パワースポットへ行くことが意味するのは、それによって「自分の内面が変わる」ことにあると私は考えています。
神前で手を合わせ、日常の雑事から離れた空気の中で自分の心を整える。
そうすることで、翌日からの仕事や日常生活に弾みがつくというわけです。
私自身も、実はよく神社やパワースポットに出かけることがあります。
それは神様に何かをお願いするのではなく、むしろ神様の前で「自分はこんなことをする」と誓う意味を込めているのです。
事を成すのは、あくまでも自分自身だからです。
目の前のことに集中し、手を動かし、智恵を絞り、一所懸命に働く。
その心の準備をするために、時間やお金を使って神社やパワースポットに出かけ、そこで祈ることが心を整えるうえで有効なのです。
・・・・
>>>>行動力が運を引き寄せる
以前、世界遺産に登録されている熊野本宮大社に行ったとき、宮司さんからとても興味深いお話を聞いたことがあります。
世界中を飛び回っているある有名な起業家が、関西空港から直接車で熊野に向かって参拝した後すぐに東京に帰る、というようなことをされているとおっしゃっていました。
その起業家は決して神頼みに来ているのではなく、むしろ忙しい日常の中で心を整えるためのひとつの区切りとして、熊野本宮までの長い道のりをやってきたというのです。
誰もが簡単にできることではない行動力です。
実はこうした行動力こそ、運を引き寄せる大きな要因となるのです。
・・・・
たとえば、Aという行動をとる人は、他のBやCという行動にも積極的であるという傾向があります。
つまり、どんなに忙しくても神社やパワースポットに出かける行動力のある人は、普段の仕事や日常生活でも積極的に何か新しいことにチャレンジする傾向があり、その準備をしているということです。
逆に、「神社やパワースポットなんて迷信でしょう。そんなの自分には関係ない」などと言っている人は、何に対しても積極的ではなく、むしろ消極的な行動しかできないようにも見受けられます。
行動力とは、自ら進んで実行に移せる力であり、それと同時に自分が知らないことや経験がないことに対しても、興味を抱けるということです。
・・・・
>>>>すぐに行動できない人ほど前頭葉が動いている
世の中には、何に対しても素早く行動できる人とできない人がいます。運を引き寄せられる人が前者であるのは、いうまでもありません。
素早く行動できる、できないという差はどこから生まれてくるのでしょうか。
実は、そこには脳の働きが大きく関係しています。
すぐに行動できない人の原因を脳科学的に説明すると、意外なことに脳が正しく働いている証拠だといえます。
つまり、すぐに行動できない人の脳というのは前頭葉が指令通りに機能して、抑制が利いてしまっているのです。
私は仕事柄、海外のビジネスパーソンとも話す機会が多いのですが、「なぜ、日本人の多くはすぐに決断したり、すぐに行動できないのか」と言われることがあります。
この理由もまた、真面目な日本人がルールや決まり事をしっかりと守るところからきているのです。
「行動に移す前に、まずは慎重に検討しよう」
あなたのまわりでこんな言葉が交わされてはいないでしょうか。
こうしたルールや決まり事が脳の抑制となり、私たちの行動にブレーキをかけているのです。
真面目な日本人の脳がしっかり働いているからこそ、すぐに行動に移せない。
何とも皮肉な話ですが、変化が激しい現代社会においては、時には大胆に行動しなければいけない。
私が常々考えていることのひとつです。
・・・・
>>>>こうすれば行動力を得られる
では、いったいどうすれば、大胆かつスピーディーな行動力を手に入れることができるのでしょうか。
そのための手掛かりとして、脳の抑制に着目してみましょう。
人間の脳には、すぐに行動できる脳とできない脳が共存していて、すぐに行動できるようになるには脳の抑制を外せるかどうかにかかっています。これを脳科学的には「脳の脱抑制」といいます。
「なかなか行動に移せない……」と悩んでいる人は、決して行動力がないわけではなく、脳の抑制の外し方が苦手なだけです。
でも、それはある意味では仕方がないこと。なぜなら、脳の抑制の外し方というのは、誰かが教えてくれるわけではないからです。
それどころか、先に述べたように一歩社会に出れば「こうしなければいけない」「こんなことをしてはいけない」といったルールや決まり事だらけで、多くの行動が制限されてしまっているのが実情でしょう。
・・・・・
もちろん、それはそれで悪いことばかりではないのですが、結果として自分の行動にストップをかける癖がついてしまっているのです。
けれどもその一方で、持ち前の行動力を発揮して成功しているトップランナーたちがいます。
プレッシャーをものともせずに素早く行動し、誰も成し遂げられなかったイノベーションを実現している人たちです。
私は、彼らの成功は脳の抑制を外すことができた成果だと考えています。
つまり、ちょっとした工夫次第で誰にでも脳の抑制は外すことができるということ。
そこで大事なのが、あまり慎重に考えずに瞬間的にトップスピードで行動する習慣を身につけるということです。
私はこれを「瞬間トップスピード法」と呼んでいます。
・・・・・
>>>>運は待つのではなくつかみに行くもの
たとえば私の場合、この本のように原稿を執筆しようと決めたときは、とにかくパソコンをパッと立ち上げて、準備もしないですぐにトップスピードで書き始めます。
茂木健一郎『強運脳』(かんき出版)茂木健一郎『強運脳』(かんき出版)
そこには、「さぁ、原稿を書くぞ!」といったやる気や、「あれをやって、これをして」といった心の準備をするという意識はまったくありません。
どんな行動もまるで歯磨きでもするように、あれこれ考える前にパッとやってみる。
完璧など求めずに、やり散らかしたっていいということです。
大事なのは、自分が何か特別なことをやっていると思わないこと。
特別なことをやっていると意識することで、脳が身構えてしまうからです。
運気アップまずは今すぐ、何かをやってみる。
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茂木 健一郎(もぎ・けんいちろう)脳科学者
1962年生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学院理学系研究科修了。
クオリア(感覚の持つ質感)を研究テーマとする。
『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞を受賞。
近著に『脳のコンディションの整え方』(ぱる出版)など。

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https://president.jp/articles/-/71911
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有名な科学者の言う「神様とは、「「宇宙の始まり」を考えた時に、「神の意志」を感じ、「神の存在」を信じる、とでも表現する様なもの、と言われる。
私も同感です。
全ての人々に、ほぼ同じ認識は持ち得るものと思います。
教育の場で、まずここから始め、さらに世界中が「世界政府・世界国家」を目指しながら走るのでしょう・・・。
・・・・・
そこで、日本の神様だけでなく世界の神様に、「この気候危機の発生を止めるために、一生懸命頑張りますから、是非お知恵をお授け下さい」とお祈りし、今から行動する必要があると思います。
「化石燃料使用ゼロ」「地球全緑化」を・・・・
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では、草々
2023-7-23
森下克介
  


Posted by もりかつ at 11:31Comments(0)