2023年01月30日
ファンタジーから「ウエルビーング」を
前略
現在の世界は「金儲け資本主義」のパンデミックである、言ってみれば誰もが「カネの亡者」のウイルス感染者である、と言えよう。
そんな中で、緊急に求められている「人類・生態系の危機」を認識して、対処しなければ明日がない、という状況では、「化石燃料使用ゼロ」という、まさに重大事である。
「カネの亡者」にそのカネもうけの為の「労働対価」を得る労働の買い手の「化石燃料消費の権化である、企業」の息の根を止めることを要求しているのである。
最近には「GHGプロトコルの算出指導」が始まっているが、まず「カテゴリー3」から始めているのは、「カテゴリー1・2」は自分の首を占める方策なので、後にしているだけ、本当はとてつもなく恐ろしい計算を始めている。そんな計算をしなくても、一目で全てが判るはずなのに・・、である。
・・・・
そんな恐ろしい見通ししか成り立たない時に、「ウエルビーング」の議論である。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーー「世界一幸福な国」と言われるフィンランドーーーー
その根幹にある「ウェルビーイング」の思想を探る;2023年01月16日
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
世界146カ国の2022年の幸福度をランキング化すると、日本は54位であるのに対して、フィンランドは5年連続で1位――そう言われると、フィンランドに対する関心や羨望、あるいは反発や懐疑を引き起こすのではないか。
これは世界各国の幸福度を分析しランキング化した「世界幸福度レポート」の結果である。
2012年に始まり、2014年を除いて毎年公表されてきた文書だ。
・・・・
世界幸福度レポートとは、「国連持続可能開発ソリューション・ネットワーク」が公開しているもので、様々な分野と出身国の研究者のネットワークによって書かれている。
切り口は、ソーシャルメディアや投票行動、環境、都市など年ごとに異なるが、2021年と22年は、新型コロナが大きな関心事となった。
・・・・
このレポートは、各国をランキング化すること自体が目的ではなく、地球上に生きる人々の幸福とウェルビーイングの諸相を考えるためのものと説明されている。
しかし、順位ばかりが取り上げられ、「幸福」に注目することのより深い意図や目的は、必ずしも充分に理解されているとは言えない。
ここでは、世界幸福度レポートが目指すものは何かという問いを通して、フィンランドのウェルビーイングについて考察したい。
・・・・
>>>フィンランドと「ウェルビーイング」
フィンランドは、人口約550万人の北欧の小国である。
簡単に紹介すると、人権と平等、ウェルビーイングを国の基本に据えていて、特に社会と教育における格差を嫌うことが特徴として挙げられる。
小学校から大学まで教育が無償なのも、生まれによる格差を減らし、全ての人に平等な出発点を与えようとするためだ。
経済の領域では市場競争を重視する新自由主義の影響を受けている一方、社会と教育に関しては平等を重視し新自由主義に抗う傾向があるとも言えるだろう。
それは、社会格差の大きいアメリカやイギリスとの大きな違いである。
また政治においては、民主主義国家であり法治国家であることに政治家が矜持を持っていること、政治の透明性が高いことなども特徴と言える。
政治への女性参加も多い。
2019年の国会議員の女性の割合は47%、現首相は37歳の女性である。
・・・・
ウェルビーイングという言葉は、最近日本でもしばしば耳にするようになった。
それは健康や幸福、福祉などと訳されることが多いが、あまり実感を伴っては理解されていないようだ。
一方、フィンランドは「ウェルビーイング社会」「ウェルビーイング国家」と自称してきた。
ウェルビーイングはとても身近であり、幅広く使われる言葉だ。
それは健康、日常生活の快適さ、安全や安心、自己肯定感、人との心地よい繋がり、社会保障、貧困やハラスメントからの自由、平等、公平、諸権利が守られていることなども含んだ幅広い概念である。
重要なのは、ウェルビーイングは個人的な体感であるだけではなく、国家が公共政策として尊重し進めていることだ。
具体的な例を2つあげると、出産後の女性、また両親が共に働きやすいように企業が様々な勤務体系をつくるのは、社員のウェルビーイングにつながることになる。
仕事とプライベートのバランスを取ることは、ウェルビーイングを高めることになるからである。
2020年には、約90%の女性と約75%の男性が育児休暇を取得している。
それを可能にするのは法律である。
また、企業の管理職に女性を増やすことは、個人と会社だけではなく社会全体のウェルビーイングの向上につながる。
女性だからと差別されたり、補助的な仕事や低賃金に甘んじたりするのではなく、男女がより平等に生きていける社会の方が、ウェルビーイングが高いからである。
2018年の統計で、フィンランドの国営企業の役員に占める女性の割合は41%、株式上場企業では29%、非上場企業では19%である。
それでもまだ不十分と考えられており、国としてもさらなる男女平等を目指している。
・・・・
>>>「幸福度の高さ」を測る複合的な評価基準
以上のような特徴を持つフィンランドが、世界幸福度レポートにおいて評価されている。
そこで以下では、具体的な評価基準を確認してみたい。
世界幸福度レポートは、幸福という主観的な感情を客観的に測るために、①生活の評価、②ポジティブな感情、③ネガティブな感情という3つの指標を使っている。
ランキングの基になるのは一つ目の生活の評価で、主にギャラップ世界調査の結果を使う。
ギャラップ世界調査とは、経済、政治、宗教、市民の活動、教育、家族などに関して質問し、それに対して「キャントリルの階梯」 と呼ばれる方法で答えてもらう。
回答者は 最低の0からトップの10の段階を想定し、自分がどこに当たると思うかを数字で答えるという方式だ。
毎年約150カ国で約1000人が調査されており、世界幸福度レポートは、より正確な結果を得るために3年間のデータを使って分析している。
・・・・
このレポートでは、特に1人あたりのGDP、社会的支援の有無、身体的・精神的な健康、生きる上での選択の自由、他人への寛容、政治への信頼度という6つの基準を重視している。
それらは、ウェルビーイングに直接影響を与えると考えられるからである。
北欧はその6つの項目での評価が比較的高いので、結果的に北欧の国々は幸福度が高くなる傾向があるのだ。
・・・・
なお先ほど触れた他の二つの指標は、感情にまつわる体験を基準にするものだ。②のポジティブな感情は喜び、笑い、新しいことを学んだ/新しいことをした充実感等に関するもの。③のネガティブな感情は不安、悲しみ、ストレス、怒りで、どちらも質問にはイエスかノーで答えてもらう。前者が多く、後者が少ないほど幸福だと評価される。
また上記に加えて、国際的な研究団体が実施する「世界価値観調査(World Values Survey)」も活用されている。
こちらは民主主義や寛容、ジェンダー平等、宗教、ウェルビーイングなどに対する価値観や信条に関する国際的な調査である。
世界幸福度レポートは、こうした調査等による知見も複合的に活用し幅広いデータを使って、経済学や心理学、統計学などの研究者の手で執筆されている。
誰でも無料で、簡単にダウンロードできるオープンアクセスになっている。
・・・・
>>>北欧諸国のどこが評価されているのか?
ここで2022年版の内容を簡単に紹介しつつ、フィンランドをはじめ北欧諸国がなぜ上位にランクインするのか考察してみたい。
2022年の世界幸福度レポートは6章から成り、各章では幸福への新型コロナの影響、ソーシャルメディアや遺伝学的要因などを分析している。
新型コロナによるパンデミックは、世界中でたくさんの人々の生活と命を脅かした。
しかし、政府への信頼度、また他人の善意への信頼度が高い国で、幸福度は維持され変化は見られなかったという。
また、最終章では「バランスと調和」をテーマにして、東アジア的とされている「和」を考察している。
この章の著者6人のうち、2人は日本人研究者である。
ただし意外なことに、「人生のバランス」という項目は東アジアで高く評価されているわけではなかった。
バランスの1位はフィンランド。日本は73位である。ちなみに中国は13位、台湾は14位、韓国は89位だった。
フィンランドでは常日頃、仕事と私生活のバランスや、人間関係、精神のバランスが重視されているので、トップにあることに違和感はない。
・・・・
以上が2022年版世界幸福度レポートだが、アンケート調査の結果も使われる一方、それ以上に統計学的でマクロなアプローチの比重が大きい。
2022年版では、フィンランドが連続して1位であり、2位以下をスコアで大きく引き離していると述べられているが、より具体的にフィンランドのどういった点が評価されるのかは明示されていない。
・・・・
ただし、それを考察する方法はある。
このランキングでは、北欧5カ国(アイスランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド)がトップ10の常連である。
その理由を、2020年のレポートは1章を割いて分析している。
そこでは、「人口が少ないから行き届いた福祉が可能だ」などといったよく耳にする説明を、根拠のない「神話」として否定し、むしろ階級の分化が比較的少なかった歴史的背景などを考慮に入れている。
そして、政府や公的機関の質の高さ、民主主義、市民の政治参加のしやすさ、法の支配、平等、選択の自由の多さ、他人への信頼、寛容でリベラルな文化などが北欧の幸福度の高さに影響していると論じている。
その説明は、妥当性のあるものと思われる。
・・・・
>>>ウェルビー(WELLBY) というアプローチ
次に、 ウェルビー(WELLBY)という考え方についても手短にふれたい。
2021年の世界幸福度レポート第8章で論じられているアプローチである。
ウェルビーは、Well-Being-Yearの略語で、1年間に経験されたウェルビーイングの総体を数値化したものだ。
・・・・
人は良く生きたいと思い、できれば長く良く生きたいと願う。
ウェルビーは、ある社会でいかに長く良く生きられるかを測るツールであり、ウェルビーイングと平均寿命を関連づけた新しい尺度である。
ウェルビーイングは、体重と同じように測ることができると想定する数学的なアプローチだ。
それに基づいて、西ヨーロッパや東アジアなど10に分けられた世界の各地域での2006〜2008年、また2017〜2019年の間のウェルビーが算出されている。
また国別の数値も出されており、 フィンランドは2017〜2019年に総合で1位、日本は30位である。
ウェルビーは、世界、各国各地域の状況の鳥観、比較を可能にし、国ごと、地域ごと、さらに世界全体でどれだけ変化、また進歩したかも数値化できるようにするという。
レポート内では数値を上げていくことが望ましいと考えられており、経済成長ではなくウェルビー成長へと方向転換を示すものになっている。
もちろん、様々な事象を数値化してランキングするのは新自由主義的な行為であり、繊細なニュアンスや感覚も数字に置き換えてしまうものと批判することもできるだろう。
しかし、思想的な系譜として、啓蒙思想やイギリスの経済学者ベンサムの「最大多数の最大幸福」が言及されていることを含め、今後の進展は興味深くもある。
・・・・
>>>幸福とウェルビーイングの違い
フィンランドで、ウェルビーイングという言葉が持つ幅広い意味合いについては、前述した通りだが、世界幸福度レポートでは、幸福とウェルビーイングという言葉が同義語のように使われている。
また、ウェルビーイングという英語表記にもwell-being と wellbeing という2つがあり、統一されていない。
しかしフィンランドにおいて、幸福とウェルビーイングには関連性があるとしても、同じものではない。
・・・・
フィンランドには、小学校から高校まで「人生観の知識」という選択科目がある。
日本の「道徳」に当たる科目で、幸福とは何か、幸福になるにはどう生きるべきか、良い人生とは何かといった問いは、重要なテーマの1つである。
その授業で生徒たちは、幸福とは古代ギリシャのアリストテレスに遡り、哲学や道徳・倫理に関わる問題であること、自分の生き方に責任を持ち、他人の生き方も認めることなどを学ぶ。
幸福や良い人生について、より自覚的であることを促す科目と言えるだろう。
・・・・
一方、ウェルビーイングという概念は、比較的新しい。
フィンランドでは、第二次世界大戦後の1940年代後半に妊産婦や住居、教育に関して広がり、公共政策として力を入れるようになるのは1960年代後半である。
そうした2つの言葉の違いからすると、今日のフィンランド的感覚では、哲学や道徳・倫理にも関わる「幸福」よりも、社会的、政治的な公共政策と結びついてきた「ウェルビーイング」の方がしっくりするかもしれない。
しかしいずれにしても、フィンランドは前述したように「ウェルビーイング社会」「ウェルビーイング国家」を自認してきており、そのウェルビーイングの高さが幸福度にもつながっていることは納得できるのだ。
・・・・
>>>「経済」に対する考え方の変化
世界幸福度レポートが指摘する最も重要な論点は、各国が幸福ランキングで何位になったかではなく、経済パラダイムの転回である。
世界幸福度レポートの前身として、2012年に 国連に「新しい経済パラダイムを定義して―ウェルビーイングと幸福に関するトップレベル会議のレポート」が提出された。
これはタイトルの通り、従来のように経済成長ではなく、幸福とウェルビーイングを追求していくことを目指すべきだと主張したものだ。つまり現在、経済の捉え方において大きな転換が起きていることを示すものでもある。
こうした文脈では、前提としてさらなる人権や平等の追求が必要になる。
それはジェンダーや障がい、社会的マイノリティであることなどを理由にした差別をなくしていくことでもある。
そして、人権や平等が個人、引いては社会全体のウェルビーイングを高める力になるのだ。
・・・・
つまり、企業の活動においては働く人の、政治においては市民のウェルビーイングを高めていくことが目指すべき目標になる。
さらに、ウェルビーイングを追求するには、持続可能な発展や地球温暖化への配慮も必要になる。地球のウェルビーイングも考えなければならないからだ。
世界幸福度レポートは、「幸福」と銘打ってはいるものの個人の幸福度を最大の関心事としているのではなく、むしろ実際には社会全体でのウェルビーイングを重視する方向への転換を誘うものであるだろう。
それは、それぞれの国の社会的、政治的な公共政策に直接関わることである。
・・・・
こうした潮流の中で、「ウェルビーイング社会」「ウェルビーイング国家」と自称してきたフィンランドは先駆者とも言え、日本も学ぶべき点は多いのではないだろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://wisdom.nec.com/ja/series/finland/2023011601/index.html?cid=wisml220137
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
日本では流行らない「ウエルビーング」と類似の「幸福度」の議論がある。
それは、
第一に「お金(経済的余裕)であり第2に「健康」、第3に「自由な時間」、第4に「趣味」と続く、・・・。
これこそ、「カネの亡者」のパンデミックの成果である。
・・・・
ウエルビーングにどのような意味付けをするかが、大きな課題である。
最近のTVで、老舗の主人が言っていた言葉「伝統とは革新の連続である」がある。
これからの時代は、「歴史とは革新の積み重ね」である、とでも言ってもいいのかもしれない。
日々の暮らしの中に、生甲斐・生きる意味、を求め、地域の共同体の革新と個人の革新・成長を行っていくことに主眼を置かなければならないのではないかと考えます。
・・・・
最近話題の、新生トヨタは、まだウイルス感染から抜け出せるのか?
彼らの一挙手一投足が、日本の・世界の明日を決めることになるはずです、支援をしたいものです。
・・・・
古代から、多神教があり、一神教になり、神様の絶対性を信じてきたのですが、そうはならないでしょう。
宗教とは、「ファンタジー」である、あの「ハラリ氏は宗教は「ハリーポッター」でしかないと喝破しています。
もう、これからは人類・生態系の明日を「科学的事実と化学的行動」によって乗り切らなければなりません。
・・・・
では、草々
2023ー1-3
森下克介
現在の世界は「金儲け資本主義」のパンデミックである、言ってみれば誰もが「カネの亡者」のウイルス感染者である、と言えよう。
そんな中で、緊急に求められている「人類・生態系の危機」を認識して、対処しなければ明日がない、という状況では、「化石燃料使用ゼロ」という、まさに重大事である。
「カネの亡者」にそのカネもうけの為の「労働対価」を得る労働の買い手の「化石燃料消費の権化である、企業」の息の根を止めることを要求しているのである。
最近には「GHGプロトコルの算出指導」が始まっているが、まず「カテゴリー3」から始めているのは、「カテゴリー1・2」は自分の首を占める方策なので、後にしているだけ、本当はとてつもなく恐ろしい計算を始めている。そんな計算をしなくても、一目で全てが判るはずなのに・・、である。
・・・・
そんな恐ろしい見通ししか成り立たない時に、「ウエルビーング」の議論である。
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ーーーー「世界一幸福な国」と言われるフィンランドーーーー
その根幹にある「ウェルビーイング」の思想を探る;2023年01月16日
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
世界146カ国の2022年の幸福度をランキング化すると、日本は54位であるのに対して、フィンランドは5年連続で1位――そう言われると、フィンランドに対する関心や羨望、あるいは反発や懐疑を引き起こすのではないか。
これは世界各国の幸福度を分析しランキング化した「世界幸福度レポート」の結果である。
2012年に始まり、2014年を除いて毎年公表されてきた文書だ。
・・・・
世界幸福度レポートとは、「国連持続可能開発ソリューション・ネットワーク」が公開しているもので、様々な分野と出身国の研究者のネットワークによって書かれている。
切り口は、ソーシャルメディアや投票行動、環境、都市など年ごとに異なるが、2021年と22年は、新型コロナが大きな関心事となった。
・・・・
このレポートは、各国をランキング化すること自体が目的ではなく、地球上に生きる人々の幸福とウェルビーイングの諸相を考えるためのものと説明されている。
しかし、順位ばかりが取り上げられ、「幸福」に注目することのより深い意図や目的は、必ずしも充分に理解されているとは言えない。
ここでは、世界幸福度レポートが目指すものは何かという問いを通して、フィンランドのウェルビーイングについて考察したい。
・・・・
>>>フィンランドと「ウェルビーイング」
フィンランドは、人口約550万人の北欧の小国である。
簡単に紹介すると、人権と平等、ウェルビーイングを国の基本に据えていて、特に社会と教育における格差を嫌うことが特徴として挙げられる。
小学校から大学まで教育が無償なのも、生まれによる格差を減らし、全ての人に平等な出発点を与えようとするためだ。
経済の領域では市場競争を重視する新自由主義の影響を受けている一方、社会と教育に関しては平等を重視し新自由主義に抗う傾向があるとも言えるだろう。
それは、社会格差の大きいアメリカやイギリスとの大きな違いである。
また政治においては、民主主義国家であり法治国家であることに政治家が矜持を持っていること、政治の透明性が高いことなども特徴と言える。
政治への女性参加も多い。
2019年の国会議員の女性の割合は47%、現首相は37歳の女性である。
・・・・
ウェルビーイングという言葉は、最近日本でもしばしば耳にするようになった。
それは健康や幸福、福祉などと訳されることが多いが、あまり実感を伴っては理解されていないようだ。
一方、フィンランドは「ウェルビーイング社会」「ウェルビーイング国家」と自称してきた。
ウェルビーイングはとても身近であり、幅広く使われる言葉だ。
それは健康、日常生活の快適さ、安全や安心、自己肯定感、人との心地よい繋がり、社会保障、貧困やハラスメントからの自由、平等、公平、諸権利が守られていることなども含んだ幅広い概念である。
重要なのは、ウェルビーイングは個人的な体感であるだけではなく、国家が公共政策として尊重し進めていることだ。
具体的な例を2つあげると、出産後の女性、また両親が共に働きやすいように企業が様々な勤務体系をつくるのは、社員のウェルビーイングにつながることになる。
仕事とプライベートのバランスを取ることは、ウェルビーイングを高めることになるからである。
2020年には、約90%の女性と約75%の男性が育児休暇を取得している。
それを可能にするのは法律である。
また、企業の管理職に女性を増やすことは、個人と会社だけではなく社会全体のウェルビーイングの向上につながる。
女性だからと差別されたり、補助的な仕事や低賃金に甘んじたりするのではなく、男女がより平等に生きていける社会の方が、ウェルビーイングが高いからである。
2018年の統計で、フィンランドの国営企業の役員に占める女性の割合は41%、株式上場企業では29%、非上場企業では19%である。
それでもまだ不十分と考えられており、国としてもさらなる男女平等を目指している。
・・・・
>>>「幸福度の高さ」を測る複合的な評価基準
以上のような特徴を持つフィンランドが、世界幸福度レポートにおいて評価されている。
そこで以下では、具体的な評価基準を確認してみたい。
世界幸福度レポートは、幸福という主観的な感情を客観的に測るために、①生活の評価、②ポジティブな感情、③ネガティブな感情という3つの指標を使っている。
ランキングの基になるのは一つ目の生活の評価で、主にギャラップ世界調査の結果を使う。
ギャラップ世界調査とは、経済、政治、宗教、市民の活動、教育、家族などに関して質問し、それに対して「キャントリルの階梯」 と呼ばれる方法で答えてもらう。
回答者は 最低の0からトップの10の段階を想定し、自分がどこに当たると思うかを数字で答えるという方式だ。
毎年約150カ国で約1000人が調査されており、世界幸福度レポートは、より正確な結果を得るために3年間のデータを使って分析している。
・・・・
このレポートでは、特に1人あたりのGDP、社会的支援の有無、身体的・精神的な健康、生きる上での選択の自由、他人への寛容、政治への信頼度という6つの基準を重視している。
それらは、ウェルビーイングに直接影響を与えると考えられるからである。
北欧はその6つの項目での評価が比較的高いので、結果的に北欧の国々は幸福度が高くなる傾向があるのだ。
・・・・
なお先ほど触れた他の二つの指標は、感情にまつわる体験を基準にするものだ。②のポジティブな感情は喜び、笑い、新しいことを学んだ/新しいことをした充実感等に関するもの。③のネガティブな感情は不安、悲しみ、ストレス、怒りで、どちらも質問にはイエスかノーで答えてもらう。前者が多く、後者が少ないほど幸福だと評価される。
また上記に加えて、国際的な研究団体が実施する「世界価値観調査(World Values Survey)」も活用されている。
こちらは民主主義や寛容、ジェンダー平等、宗教、ウェルビーイングなどに対する価値観や信条に関する国際的な調査である。
世界幸福度レポートは、こうした調査等による知見も複合的に活用し幅広いデータを使って、経済学や心理学、統計学などの研究者の手で執筆されている。
誰でも無料で、簡単にダウンロードできるオープンアクセスになっている。
・・・・
>>>北欧諸国のどこが評価されているのか?
ここで2022年版の内容を簡単に紹介しつつ、フィンランドをはじめ北欧諸国がなぜ上位にランクインするのか考察してみたい。
2022年の世界幸福度レポートは6章から成り、各章では幸福への新型コロナの影響、ソーシャルメディアや遺伝学的要因などを分析している。
新型コロナによるパンデミックは、世界中でたくさんの人々の生活と命を脅かした。
しかし、政府への信頼度、また他人の善意への信頼度が高い国で、幸福度は維持され変化は見られなかったという。
また、最終章では「バランスと調和」をテーマにして、東アジア的とされている「和」を考察している。
この章の著者6人のうち、2人は日本人研究者である。
ただし意外なことに、「人生のバランス」という項目は東アジアで高く評価されているわけではなかった。
バランスの1位はフィンランド。日本は73位である。ちなみに中国は13位、台湾は14位、韓国は89位だった。
フィンランドでは常日頃、仕事と私生活のバランスや、人間関係、精神のバランスが重視されているので、トップにあることに違和感はない。
・・・・
以上が2022年版世界幸福度レポートだが、アンケート調査の結果も使われる一方、それ以上に統計学的でマクロなアプローチの比重が大きい。
2022年版では、フィンランドが連続して1位であり、2位以下をスコアで大きく引き離していると述べられているが、より具体的にフィンランドのどういった点が評価されるのかは明示されていない。
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ただし、それを考察する方法はある。
このランキングでは、北欧5カ国(アイスランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド)がトップ10の常連である。
その理由を、2020年のレポートは1章を割いて分析している。
そこでは、「人口が少ないから行き届いた福祉が可能だ」などといったよく耳にする説明を、根拠のない「神話」として否定し、むしろ階級の分化が比較的少なかった歴史的背景などを考慮に入れている。
そして、政府や公的機関の質の高さ、民主主義、市民の政治参加のしやすさ、法の支配、平等、選択の自由の多さ、他人への信頼、寛容でリベラルな文化などが北欧の幸福度の高さに影響していると論じている。
その説明は、妥当性のあるものと思われる。
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>>>ウェルビー(WELLBY) というアプローチ
次に、 ウェルビー(WELLBY)という考え方についても手短にふれたい。
2021年の世界幸福度レポート第8章で論じられているアプローチである。
ウェルビーは、Well-Being-Yearの略語で、1年間に経験されたウェルビーイングの総体を数値化したものだ。
・・・・
人は良く生きたいと思い、できれば長く良く生きたいと願う。
ウェルビーは、ある社会でいかに長く良く生きられるかを測るツールであり、ウェルビーイングと平均寿命を関連づけた新しい尺度である。
ウェルビーイングは、体重と同じように測ることができると想定する数学的なアプローチだ。
それに基づいて、西ヨーロッパや東アジアなど10に分けられた世界の各地域での2006〜2008年、また2017〜2019年の間のウェルビーが算出されている。
また国別の数値も出されており、 フィンランドは2017〜2019年に総合で1位、日本は30位である。
ウェルビーは、世界、各国各地域の状況の鳥観、比較を可能にし、国ごと、地域ごと、さらに世界全体でどれだけ変化、また進歩したかも数値化できるようにするという。
レポート内では数値を上げていくことが望ましいと考えられており、経済成長ではなくウェルビー成長へと方向転換を示すものになっている。
もちろん、様々な事象を数値化してランキングするのは新自由主義的な行為であり、繊細なニュアンスや感覚も数字に置き換えてしまうものと批判することもできるだろう。
しかし、思想的な系譜として、啓蒙思想やイギリスの経済学者ベンサムの「最大多数の最大幸福」が言及されていることを含め、今後の進展は興味深くもある。
・・・・
>>>幸福とウェルビーイングの違い
フィンランドで、ウェルビーイングという言葉が持つ幅広い意味合いについては、前述した通りだが、世界幸福度レポートでは、幸福とウェルビーイングという言葉が同義語のように使われている。
また、ウェルビーイングという英語表記にもwell-being と wellbeing という2つがあり、統一されていない。
しかしフィンランドにおいて、幸福とウェルビーイングには関連性があるとしても、同じものではない。
・・・・
フィンランドには、小学校から高校まで「人生観の知識」という選択科目がある。
日本の「道徳」に当たる科目で、幸福とは何か、幸福になるにはどう生きるべきか、良い人生とは何かといった問いは、重要なテーマの1つである。
その授業で生徒たちは、幸福とは古代ギリシャのアリストテレスに遡り、哲学や道徳・倫理に関わる問題であること、自分の生き方に責任を持ち、他人の生き方も認めることなどを学ぶ。
幸福や良い人生について、より自覚的であることを促す科目と言えるだろう。
・・・・
一方、ウェルビーイングという概念は、比較的新しい。
フィンランドでは、第二次世界大戦後の1940年代後半に妊産婦や住居、教育に関して広がり、公共政策として力を入れるようになるのは1960年代後半である。
そうした2つの言葉の違いからすると、今日のフィンランド的感覚では、哲学や道徳・倫理にも関わる「幸福」よりも、社会的、政治的な公共政策と結びついてきた「ウェルビーイング」の方がしっくりするかもしれない。
しかしいずれにしても、フィンランドは前述したように「ウェルビーイング社会」「ウェルビーイング国家」を自認してきており、そのウェルビーイングの高さが幸福度にもつながっていることは納得できるのだ。
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>>>「経済」に対する考え方の変化
世界幸福度レポートが指摘する最も重要な論点は、各国が幸福ランキングで何位になったかではなく、経済パラダイムの転回である。
世界幸福度レポートの前身として、2012年に 国連に「新しい経済パラダイムを定義して―ウェルビーイングと幸福に関するトップレベル会議のレポート」が提出された。
これはタイトルの通り、従来のように経済成長ではなく、幸福とウェルビーイングを追求していくことを目指すべきだと主張したものだ。つまり現在、経済の捉え方において大きな転換が起きていることを示すものでもある。
こうした文脈では、前提としてさらなる人権や平等の追求が必要になる。
それはジェンダーや障がい、社会的マイノリティであることなどを理由にした差別をなくしていくことでもある。
そして、人権や平等が個人、引いては社会全体のウェルビーイングを高める力になるのだ。
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つまり、企業の活動においては働く人の、政治においては市民のウェルビーイングを高めていくことが目指すべき目標になる。
さらに、ウェルビーイングを追求するには、持続可能な発展や地球温暖化への配慮も必要になる。地球のウェルビーイングも考えなければならないからだ。
世界幸福度レポートは、「幸福」と銘打ってはいるものの個人の幸福度を最大の関心事としているのではなく、むしろ実際には社会全体でのウェルビーイングを重視する方向への転換を誘うものであるだろう。
それは、それぞれの国の社会的、政治的な公共政策に直接関わることである。
・・・・
こうした潮流の中で、「ウェルビーイング社会」「ウェルビーイング国家」と自称してきたフィンランドは先駆者とも言え、日本も学ぶべき点は多いのではないだろうか。
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https://wisdom.nec.com/ja/series/finland/2023011601/index.html?cid=wisml220137
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
日本では流行らない「ウエルビーング」と類似の「幸福度」の議論がある。
それは、
第一に「お金(経済的余裕)であり第2に「健康」、第3に「自由な時間」、第4に「趣味」と続く、・・・。
これこそ、「カネの亡者」のパンデミックの成果である。
・・・・
ウエルビーングにどのような意味付けをするかが、大きな課題である。
最近のTVで、老舗の主人が言っていた言葉「伝統とは革新の連続である」がある。
これからの時代は、「歴史とは革新の積み重ね」である、とでも言ってもいいのかもしれない。
日々の暮らしの中に、生甲斐・生きる意味、を求め、地域の共同体の革新と個人の革新・成長を行っていくことに主眼を置かなければならないのではないかと考えます。
・・・・
最近話題の、新生トヨタは、まだウイルス感染から抜け出せるのか?
彼らの一挙手一投足が、日本の・世界の明日を決めることになるはずです、支援をしたいものです。
・・・・
古代から、多神教があり、一神教になり、神様の絶対性を信じてきたのですが、そうはならないでしょう。
宗教とは、「ファンタジー」である、あの「ハラリ氏は宗教は「ハリーポッター」でしかないと喝破しています。
もう、これからは人類・生態系の明日を「科学的事実と化学的行動」によって乗り切らなければなりません。
・・・・
では、草々
2023ー1-3
森下克介
Posted by もりかつ at
12:01
│Comments(0)
2023年01月26日
海洋が「最後のフロンティア」では無くなる
前略
海洋の生態系は全く謎のままであったが、生物種とその量的関係を明らかにできる様になった。
面白いことで、植物も何らかの指標が得られそうである。
地球全緑化のツールとして今後の展開をきたいしたい。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーーー水に含まれる環境DNAから魚の種類と個体数を推定=京大などーーーーーー
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan];2023年1月25日;
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
京都大学などの共同研究チームは、水に含まれる魚類の環境DNA(生物が自身の生息環境中に放出したDNA物質)を定量的環境DNAメタバーコーディングにより分析することで、「どんな魚類」が「どれだけ生息しているか」を、同時に推定できることを明らかにした。
・・・・
環境DNAメタバーコーディングは、収集した環境DNA試料に含まれる生物分類群のDNAを解析することで、調査地に生息する対象分類群の種を網羅的に明らかにする技術。
生物の群集組成を推定する画期的な手法として注目されている。
ただし、環境DNAメタバーコーディングは分析上の制限により、種の存在を検出できるものの、それらが「どれだけいるか」という量的な評価をすることが困難だった。
研究チームは今回、「qMiSeq法」と呼ばれる、既知濃度の内部標準DNAを試料に添加することにより、定量的な解析を可能にする手法を環境DNAメタバーコーディングに適用した。
・・・・
研究チームは、九州・中国地方の4つの河川(横道川、久兼川、福地川、猪野川)の合計21地点で、環境DNAの回収のための採水と、それに続く電気ショッカーを用いた魚類の捕獲調査を実施した。
さらに実験室で、環境DNAを抽出して魚類のDNAを網羅的に増幅し、その配列をハイスループットシーケンサーで決定。試料ごとに検出された各魚類DNAのリード数をDNA濃度に換算し、捕獲調査の結果(各種の個体数と生物量)と比較した。
その結果、個体数と生物量の両方でDNA濃度と有意な正の関係が見られることを確認。
さらに、7種で個体数および生物量、またはどちらか一方との間に有意な関係を見い出した。
これらは「どんな魚がいるか」に加え、それらが「どれだけいるか」という量的な情報を同時に得ることができることを示しているという。
・・・・
本研究成果は、2022年12月13日付けで、サイエンティフィック・レポーツ(Scientific Reports)に掲載された。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.technologyreview.jp/n/2023/01/25/297427/?utm_source=MIT%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC+-+%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC&utm_campaign=9dca038c56-NewsLetter_TheDaily&utm_medium=email&utm_term=0_6f0fb6e76b-9dca038c56-194497713&mc_cid=9dca038c56&mc_eid=a30e82edf2
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
河川と違い、大洋ではその海域をどのように設定するかの課題が残ると思うが、海域を面的に見て、多点のサンプリング結果から、その広い海域を対象とした情報が得られるといいと思う。
問題は、大洋の生態系の保護と増殖という視点からそれて、漁獲用だけに活用されてしまうことが危惧される。
キチンと「海洋法で規制をする」ことを並行して実施する必要があろう。
・・・・
漸く、海洋を人類にとっての「最後のフロンティア」とか言っていられない現状をキチンと管理増殖する必要がある。
ここで、問題があります。
今朝(2023-1-26)、ベルギーのダイヤモンド市場が、「ロシア産ダイヤの輸入禁止・に反対」を言い出した。
これと同じような現象が世界中で起きることが明らかに見える。
残念である。国民の意思を大切にする限り政治的に反対であると議会筋の発言があった。
・・・・
そこで、大いに議論すべき場所と目的であるが、国連に「地球環境・温暖化回避のための理事会」を設立することを提案したい。
その場では、まず「暴走温暖化」の議論を詰める、その上で世界各国との「地球気候保全条約」を成立させる必要があり、其処では近間の資本主義的経済活動を越える条約として運用するための、各国の法整備を行い、継続して理事会総会・分科会を開催し、世界中へのインターネット公開と参加を認める仕組みをフル活用して、「各国の国民の意思を明確に「金儲け資本主義から逸脱」こそ正義」を理解させ、国民の良しとする、ある種のポピュリズムと言われるかもしれないが、本来の民主主義が復活するスタートポイントになる。
・・・・
その先は「自給自足・地産地消」の社会を「化石燃料使用ゼロ・地球全緑化」を基本哲学とした、全員の行動を議論し、実現する。
・・・・
では・草々
2023-1-26
森下克介
海洋の生態系は全く謎のままであったが、生物種とその量的関係を明らかにできる様になった。
面白いことで、植物も何らかの指標が得られそうである。
地球全緑化のツールとして今後の展開をきたいしたい。
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ーーーーーー水に含まれる環境DNAから魚の種類と個体数を推定=京大などーーーーーー
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan];2023年1月25日;
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京都大学などの共同研究チームは、水に含まれる魚類の環境DNA(生物が自身の生息環境中に放出したDNA物質)を定量的環境DNAメタバーコーディングにより分析することで、「どんな魚類」が「どれだけ生息しているか」を、同時に推定できることを明らかにした。
・・・・
環境DNAメタバーコーディングは、収集した環境DNA試料に含まれる生物分類群のDNAを解析することで、調査地に生息する対象分類群の種を網羅的に明らかにする技術。
生物の群集組成を推定する画期的な手法として注目されている。
ただし、環境DNAメタバーコーディングは分析上の制限により、種の存在を検出できるものの、それらが「どれだけいるか」という量的な評価をすることが困難だった。
研究チームは今回、「qMiSeq法」と呼ばれる、既知濃度の内部標準DNAを試料に添加することにより、定量的な解析を可能にする手法を環境DNAメタバーコーディングに適用した。
・・・・
研究チームは、九州・中国地方の4つの河川(横道川、久兼川、福地川、猪野川)の合計21地点で、環境DNAの回収のための採水と、それに続く電気ショッカーを用いた魚類の捕獲調査を実施した。
さらに実験室で、環境DNAを抽出して魚類のDNAを網羅的に増幅し、その配列をハイスループットシーケンサーで決定。試料ごとに検出された各魚類DNAのリード数をDNA濃度に換算し、捕獲調査の結果(各種の個体数と生物量)と比較した。
その結果、個体数と生物量の両方でDNA濃度と有意な正の関係が見られることを確認。
さらに、7種で個体数および生物量、またはどちらか一方との間に有意な関係を見い出した。
これらは「どんな魚がいるか」に加え、それらが「どれだけいるか」という量的な情報を同時に得ることができることを示しているという。
・・・・
本研究成果は、2022年12月13日付けで、サイエンティフィック・レポーツ(Scientific Reports)に掲載された。
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https://www.technologyreview.jp/n/2023/01/25/297427/?utm_source=MIT%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC+-+%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC&utm_campaign=9dca038c56-NewsLetter_TheDaily&utm_medium=email&utm_term=0_6f0fb6e76b-9dca038c56-194497713&mc_cid=9dca038c56&mc_eid=a30e82edf2
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河川と違い、大洋ではその海域をどのように設定するかの課題が残ると思うが、海域を面的に見て、多点のサンプリング結果から、その広い海域を対象とした情報が得られるといいと思う。
問題は、大洋の生態系の保護と増殖という視点からそれて、漁獲用だけに活用されてしまうことが危惧される。
キチンと「海洋法で規制をする」ことを並行して実施する必要があろう。
・・・・
漸く、海洋を人類にとっての「最後のフロンティア」とか言っていられない現状をキチンと管理増殖する必要がある。
ここで、問題があります。
今朝(2023-1-26)、ベルギーのダイヤモンド市場が、「ロシア産ダイヤの輸入禁止・に反対」を言い出した。
これと同じような現象が世界中で起きることが明らかに見える。
残念である。国民の意思を大切にする限り政治的に反対であると議会筋の発言があった。
・・・・
そこで、大いに議論すべき場所と目的であるが、国連に「地球環境・温暖化回避のための理事会」を設立することを提案したい。
その場では、まず「暴走温暖化」の議論を詰める、その上で世界各国との「地球気候保全条約」を成立させる必要があり、其処では近間の資本主義的経済活動を越える条約として運用するための、各国の法整備を行い、継続して理事会総会・分科会を開催し、世界中へのインターネット公開と参加を認める仕組みをフル活用して、「各国の国民の意思を明確に「金儲け資本主義から逸脱」こそ正義」を理解させ、国民の良しとする、ある種のポピュリズムと言われるかもしれないが、本来の民主主義が復活するスタートポイントになる。
・・・・
その先は「自給自足・地産地消」の社会を「化石燃料使用ゼロ・地球全緑化」を基本哲学とした、全員の行動を議論し、実現する。
・・・・
では・草々
2023-1-26
森下克介
Posted by もりかつ at
09:39
│Comments(0)
2023年01月24日
ダボスでは、「気候危機」は危機でなく「金儲けのネタ」に過ぎない
前略
今年のダボス会議の報道です。
・・・・
どうしても、目に見える直近の危機の話題が先に来てしまいます。
気候危機は、結果が先にあるように見えるので、「現在こそが未来」という認識がないのは、人間の愚かさということでしょう。
「すでに始まっている未来」という言葉こそ、この様な場で議論されなければならない。
「暴走・気候温暖化」をキチンと見極めることもだいじであるが、それ以上に「予防原則」の視点での大議論をしてもいいはず。
「この先10年間のリスク」という言葉のむなしさ・・・。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
今後10年の最大リスクは「気候変動対策の失敗」、世界経済フォーラムが報告書
2023-1ー20;サステナブル・ビジネス・マガジン、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>>>「今後2年間と10年間のグローバルリスク(「グローバルリスク報告書 20023年版」)」
・・・・
世界経済フォーラム(WEF)は1月11日、「グローバルリスク報告書 20023年版」を発行した。
同報告書は今後2年間と10年間で、国際社会が最も警戒すべきリスクを報告している。2023年版では、「生活費の危機」を最大の短期的なリスクとし、長期的には「気候変動の緩和策や適応の失敗」が最大のリスクだとした。(オルタナ副編集長=吉田広子)
・・・・
グローバルリスク報告書は、ダボス会議の開催に先立ち公表された。
今後2年間の最大リスクは、「生活費の危機」だ。パンデミックと欧州で起きている戦争がエネルギー、インフレ、食料および安全保障の危機を再び前面に押し出し、さらなるリスクを芋づる式に引き起こしている、と報告書は指摘する。
長期的リスクについては、トップ10の6つが環境関連だ。報告書は「今後10年で、世界が気候変動の緩和策や適応策でより効率的に協調しなければ、地球温暖化と環境の破壊が続く」としている。
報告書では、リーダーたちに「短期的そして長期的な視点のバランスを取りながら、連携的かつ断固とした行動」を取るように呼びかけている。緊急を要する協調的な気候変動への対応に加えて、財政的安定、テクノロジー・ガバナンス、経済発展、そして調査、科学、教育、医療に対する投資の強化をめざし、各国間そして官民間で連携して取り組むことも勧告している。
チューリッヒ・インシュアランス・グループでサステイナビリティリスク部門のトップを務めるジョン・スコット氏は、「気候変動による影響、生物多様性の喪失、食料安全保障と天然資源の消費の相互作用は危険な組み合わせだ。大きな政策転換や投資が行われなければ、これらの組み合わせは生態系の崩壊をさらに加速させ、食料供給を危険にさらし、自然災害の影響を増幅させ、気候変動の緩和策のさらなる進捗を制限するだろう」と、コメントしている。
●今後2年間のグローバルリスク トップ10
1 生活費の危機
2 自然災害と極端な異常気象
3 地経学上の対立
4 気候変動緩和策の失敗
5 社会的結束の浸食と二極化
6 大規模な環境破壊事象
7 気候変動への適応(あるいは対応)の失敗
8 サイバー犯罪の拡大とサイバーセキュリティの低下
9 天然資源危機
10 大規模な非自発的移住
●今後10年間のグローバルリスク トップ10
1 気候変動緩和策の失敗
2 気候変動への適応(あるいは対応)の失敗
3 自然災害と極端な異常気象
4 生物多様性の喪失や生態系の崩壊
5 大規模な非自発的移住
6 天然資源危機
7 社会的結束の浸食と二極化
8 サイバー犯罪の拡大とサイバーセキュリティの低下
9 地経学上の対立
10 大規模な環境破壊事象
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>>>ことしのテーマは?
大きく4つに分けられると思います。
・・・・
ダボス会議 4つのテーマ
① グローバル化とブロック経済
② インフレと景気後退
③ ウクライナ情勢の行方
④ 気候変動などの環境問題
・・・・・
① グローバル化とブロック経済
ことしのメインテーマは「分断の世界における協力の姿」です。激しさを増す米中の対立やロシアによるウクライナ侵攻によって世界の分断が進んでいるためです。
世界経済は、各国の保護主義が第2次世界大戦を引き起こしたという反省からグローバル化・自由貿易体制を求めてきましたが、分断、ブロック経済化という大きな転換点に立っています。
世界の分断は何をもたらすのか、再びグローバル化の道を歩むことができるのか白熱した議論が交わされる見通しです。
・・・・
② インフレと景気後退
記録的なインフレや中央銀行の利上げによる世界経済の景気後退も大きな焦点になります。世界経済フォーラムはダボス会議を前に世界のリスクをめぐる報告書を公表しました。
世界経済フォーラムが公表した報告書
この中で今後2年以内にインフレやエネルギーの供給不足などによって輸入に依存する多くの国のより広い範囲で生活費の高騰が人道的な危機につながる恐れがあると警鐘を鳴らしています。
・・・・
③ ウクライナ情勢の行方
そして、当然ながらロシアによる軍事侵攻が続く、ウクライナ情勢も大きなテーマです。
EU=ヨーロッパ連合の各国の首脳が参加し、ウクライナへの今後の支援のあり方や、ヨーロッパの防衛政策について議論するほか、ウクライナからも政府関係者や企業家、人権活動家が招かれ、ウクライナの現状や、今後の民間支援、復興についても議論する予定です。
・・・・
④ 気候変動などの環境問題
さらに、大きな柱の一つである気候変動などの環境問題についても多くのセッションが予定されています。
とりわけ多くの登壇が予定されているのは、スウェーデン出身の環境学者で、気候変動の影響の研究における第一人者である、ヨハン・ロックストローム博士です。
今後10年のより長いスパンで起こりうる危機として、気候変動対策の失敗や、異常気象、生態系の崩壊などの環境問題が指摘されており、世界の備えを問う議論が交わされる見通しです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/qa/2023/01/17/28648.html
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
まだ完全に、地球規模の人類社会を議論する会議になっていない、金儲け資本主義のパンデミック最中である、世界中の金持ちが一番感染しやすい、そんな偉い人達が集まってまだ「金儲け」の話をしているだけ。
・・・・
「10年間のグローバルリスク」の最初に出て来たのが「気候変動緩和策の失敗」である。
次いで、適応策の失敗、自然災害と異常気象等々である。
まさに、「10年間」のリスク、と言っているところがまさに「金儲け資本主義者」のキョンシーの議論らしい、誰もリスクと思っていないから、そうなると困るのね!という調子である。
・・・・
戦略も戦術もない、もうトックニ戦略が世界中で共有され、戦術的行動が世界中で進んでいないということがその証である。
EV化に見る通り、自動車メーカーはこれで金儲けができる、と思っているだけ。経営者は明らかに「カネの亡者のキョンシー」である。
大規模な水素事業の話題や、アンモニア発電事業など、財政支援を得た大規模な投資と事業を議論しているのもその通りである。
・・・・
では、草々
2023-1-24
森下克介
今年のダボス会議の報道です。
・・・・
どうしても、目に見える直近の危機の話題が先に来てしまいます。
気候危機は、結果が先にあるように見えるので、「現在こそが未来」という認識がないのは、人間の愚かさということでしょう。
「すでに始まっている未来」という言葉こそ、この様な場で議論されなければならない。
「暴走・気候温暖化」をキチンと見極めることもだいじであるが、それ以上に「予防原則」の視点での大議論をしてもいいはず。
「この先10年間のリスク」という言葉のむなしさ・・・。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
今後10年の最大リスクは「気候変動対策の失敗」、世界経済フォーラムが報告書
2023-1ー20;サステナブル・ビジネス・マガジン、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>>>「今後2年間と10年間のグローバルリスク(「グローバルリスク報告書 20023年版」)」
・・・・
世界経済フォーラム(WEF)は1月11日、「グローバルリスク報告書 20023年版」を発行した。
同報告書は今後2年間と10年間で、国際社会が最も警戒すべきリスクを報告している。2023年版では、「生活費の危機」を最大の短期的なリスクとし、長期的には「気候変動の緩和策や適応の失敗」が最大のリスクだとした。(オルタナ副編集長=吉田広子)
・・・・
グローバルリスク報告書は、ダボス会議の開催に先立ち公表された。
今後2年間の最大リスクは、「生活費の危機」だ。パンデミックと欧州で起きている戦争がエネルギー、インフレ、食料および安全保障の危機を再び前面に押し出し、さらなるリスクを芋づる式に引き起こしている、と報告書は指摘する。
長期的リスクについては、トップ10の6つが環境関連だ。報告書は「今後10年で、世界が気候変動の緩和策や適応策でより効率的に協調しなければ、地球温暖化と環境の破壊が続く」としている。
報告書では、リーダーたちに「短期的そして長期的な視点のバランスを取りながら、連携的かつ断固とした行動」を取るように呼びかけている。緊急を要する協調的な気候変動への対応に加えて、財政的安定、テクノロジー・ガバナンス、経済発展、そして調査、科学、教育、医療に対する投資の強化をめざし、各国間そして官民間で連携して取り組むことも勧告している。
チューリッヒ・インシュアランス・グループでサステイナビリティリスク部門のトップを務めるジョン・スコット氏は、「気候変動による影響、生物多様性の喪失、食料安全保障と天然資源の消費の相互作用は危険な組み合わせだ。大きな政策転換や投資が行われなければ、これらの組み合わせは生態系の崩壊をさらに加速させ、食料供給を危険にさらし、自然災害の影響を増幅させ、気候変動の緩和策のさらなる進捗を制限するだろう」と、コメントしている。
●今後2年間のグローバルリスク トップ10
1 生活費の危機
2 自然災害と極端な異常気象
3 地経学上の対立
4 気候変動緩和策の失敗
5 社会的結束の浸食と二極化
6 大規模な環境破壊事象
7 気候変動への適応(あるいは対応)の失敗
8 サイバー犯罪の拡大とサイバーセキュリティの低下
9 天然資源危機
10 大規模な非自発的移住
●今後10年間のグローバルリスク トップ10
1 気候変動緩和策の失敗
2 気候変動への適応(あるいは対応)の失敗
3 自然災害と極端な異常気象
4 生物多様性の喪失や生態系の崩壊
5 大規模な非自発的移住
6 天然資源危機
7 社会的結束の浸食と二極化
8 サイバー犯罪の拡大とサイバーセキュリティの低下
9 地経学上の対立
10 大規模な環境破壊事象
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>>>ことしのテーマは?
大きく4つに分けられると思います。
・・・・
ダボス会議 4つのテーマ
① グローバル化とブロック経済
② インフレと景気後退
③ ウクライナ情勢の行方
④ 気候変動などの環境問題
・・・・・
① グローバル化とブロック経済
ことしのメインテーマは「分断の世界における協力の姿」です。激しさを増す米中の対立やロシアによるウクライナ侵攻によって世界の分断が進んでいるためです。
世界経済は、各国の保護主義が第2次世界大戦を引き起こしたという反省からグローバル化・自由貿易体制を求めてきましたが、分断、ブロック経済化という大きな転換点に立っています。
世界の分断は何をもたらすのか、再びグローバル化の道を歩むことができるのか白熱した議論が交わされる見通しです。
・・・・
② インフレと景気後退
記録的なインフレや中央銀行の利上げによる世界経済の景気後退も大きな焦点になります。世界経済フォーラムはダボス会議を前に世界のリスクをめぐる報告書を公表しました。
世界経済フォーラムが公表した報告書
この中で今後2年以内にインフレやエネルギーの供給不足などによって輸入に依存する多くの国のより広い範囲で生活費の高騰が人道的な危機につながる恐れがあると警鐘を鳴らしています。
・・・・
③ ウクライナ情勢の行方
そして、当然ながらロシアによる軍事侵攻が続く、ウクライナ情勢も大きなテーマです。
EU=ヨーロッパ連合の各国の首脳が参加し、ウクライナへの今後の支援のあり方や、ヨーロッパの防衛政策について議論するほか、ウクライナからも政府関係者や企業家、人権活動家が招かれ、ウクライナの現状や、今後の民間支援、復興についても議論する予定です。
・・・・
④ 気候変動などの環境問題
さらに、大きな柱の一つである気候変動などの環境問題についても多くのセッションが予定されています。
とりわけ多くの登壇が予定されているのは、スウェーデン出身の環境学者で、気候変動の影響の研究における第一人者である、ヨハン・ロックストローム博士です。
今後10年のより長いスパンで起こりうる危機として、気候変動対策の失敗や、異常気象、生態系の崩壊などの環境問題が指摘されており、世界の備えを問う議論が交わされる見通しです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/qa/2023/01/17/28648.html
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
まだ完全に、地球規模の人類社会を議論する会議になっていない、金儲け資本主義のパンデミック最中である、世界中の金持ちが一番感染しやすい、そんな偉い人達が集まってまだ「金儲け」の話をしているだけ。
・・・・
「10年間のグローバルリスク」の最初に出て来たのが「気候変動緩和策の失敗」である。
次いで、適応策の失敗、自然災害と異常気象等々である。
まさに、「10年間」のリスク、と言っているところがまさに「金儲け資本主義者」のキョンシーの議論らしい、誰もリスクと思っていないから、そうなると困るのね!という調子である。
・・・・
戦略も戦術もない、もうトックニ戦略が世界中で共有され、戦術的行動が世界中で進んでいないということがその証である。
EV化に見る通り、自動車メーカーはこれで金儲けができる、と思っているだけ。経営者は明らかに「カネの亡者のキョンシー」である。
大規模な水素事業の話題や、アンモニア発電事業など、財政支援を得た大規模な投資と事業を議論しているのもその通りである。
・・・・
では、草々
2023-1-24
森下克介
Posted by もりかつ at
13:22
│Comments(0)
2023年01月23日
「暴走・温暖化」を見据えて、世界の歴史を大変革する認識を
前略
世界の国家の意味が問われ始めたのかもしれない。
既に以前から話題の鳴っていたと云ことであるが、中央銀行という組織の責任を何処におくかということで、難しいことが起きる。
EUの場合には、ドイツという経済圏が力があって、割安なユーロで国内生産を上げてきた、ギリシャなどはその割を食ったということ。
経済統合、財政統が出来なければ中途半端なままではEUの意味が半減、それ以下ということになるのか・・・。
先の見通しは聞いたことがない。
・・・・
それでも、気候危機対応などは、団結している様に見えるが・・・。
南米の二国は、キチンと財政の見通しを立てたうえで進めるのが良い。
大体において、国家のは何かと言えば、イタリア移民の国であるのに別々の国家になっているのも無理があるか・・・。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーーーブラジルとアルゼンチン、共通通貨創設を協議へーーーーー
2023年1月23日;日経、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【ブエノスアイレス=宮本英威】
南米ブラジルのルラ大統領とアルゼンチンのフェルナンデス大統領は、共通通貨の創設に向けて協議する方針を示した。
両氏がアルゼンチンメディア「ペルフィル」に寄稿して明らかにした。23日にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで実施する首脳会談で合意する予定だ。
・・・・
寄稿では「金融と貿易の双方に用いることが可能な南米共通通貨の議論を進めることを決めた」と指摘している。
両氏は、ウルグアイとパラグアイの4カ国で構成するメルコスル(南米南部共同市場)の強化も主張した。
「メルコスルが世界との効果的な統合のためのプラットフォームになることを望んでいる」と言及した。
・・・・
南米共通通貨の名称としてスペイン語で南を意味する「スル」が検討されている。
ブラジルとアルゼンチンはともに左派政権で、低所得者層を支持基盤とする共通点がある。
国際通貨基金(IMF)によると、両国の人口合計は2億6000万人、国内総生産(GDP)は2兆5200億ドル(約330兆円)の経済圏となる。
ブラジルとアルゼンチンは2019年にも両国の共通通貨「レアル・ペソ」の構想が浮上した。
当時のブラジルのボルソナロ大統領、アルゼンチンのマクリ大統領が合意した。
メルコスルの4カ国でも共通通貨の創設に向けた協議を進めていくことで一致していたが、ブラジル中央銀行が慎重姿勢をみせたことで大きな進展はみられなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2328W0T20C23A1000000/?n_cid=BMSR2P001_202301231157
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
いずれにしても、今の様な「金儲け資本主義の時代」は早晩無くなるはずである、そうでなければ地球は破綻する。
「暴走温暖化」がほとんど議論されないが、もうその道へ進む以外選択肢がない、そういうことわ理解したら、大変化をするしかない。
・・・・
では、草々
2023-1-23
森下克介
世界の国家の意味が問われ始めたのかもしれない。
既に以前から話題の鳴っていたと云ことであるが、中央銀行という組織の責任を何処におくかということで、難しいことが起きる。
EUの場合には、ドイツという経済圏が力があって、割安なユーロで国内生産を上げてきた、ギリシャなどはその割を食ったということ。
経済統合、財政統が出来なければ中途半端なままではEUの意味が半減、それ以下ということになるのか・・・。
先の見通しは聞いたことがない。
・・・・
それでも、気候危機対応などは、団結している様に見えるが・・・。
南米の二国は、キチンと財政の見通しを立てたうえで進めるのが良い。
大体において、国家のは何かと言えば、イタリア移民の国であるのに別々の国家になっているのも無理があるか・・・。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーーーブラジルとアルゼンチン、共通通貨創設を協議へーーーーー
2023年1月23日;日経、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【ブエノスアイレス=宮本英威】
南米ブラジルのルラ大統領とアルゼンチンのフェルナンデス大統領は、共通通貨の創設に向けて協議する方針を示した。
両氏がアルゼンチンメディア「ペルフィル」に寄稿して明らかにした。23日にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで実施する首脳会談で合意する予定だ。
・・・・
寄稿では「金融と貿易の双方に用いることが可能な南米共通通貨の議論を進めることを決めた」と指摘している。
両氏は、ウルグアイとパラグアイの4カ国で構成するメルコスル(南米南部共同市場)の強化も主張した。
「メルコスルが世界との効果的な統合のためのプラットフォームになることを望んでいる」と言及した。
・・・・
南米共通通貨の名称としてスペイン語で南を意味する「スル」が検討されている。
ブラジルとアルゼンチンはともに左派政権で、低所得者層を支持基盤とする共通点がある。
国際通貨基金(IMF)によると、両国の人口合計は2億6000万人、国内総生産(GDP)は2兆5200億ドル(約330兆円)の経済圏となる。
ブラジルとアルゼンチンは2019年にも両国の共通通貨「レアル・ペソ」の構想が浮上した。
当時のブラジルのボルソナロ大統領、アルゼンチンのマクリ大統領が合意した。
メルコスルの4カ国でも共通通貨の創設に向けた協議を進めていくことで一致していたが、ブラジル中央銀行が慎重姿勢をみせたことで大きな進展はみられなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2328W0T20C23A1000000/?n_cid=BMSR2P001_202301231157
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
いずれにしても、今の様な「金儲け資本主義の時代」は早晩無くなるはずである、そうでなければ地球は破綻する。
「暴走温暖化」がほとんど議論されないが、もうその道へ進む以外選択肢がない、そういうことわ理解したら、大変化をするしかない。
・・・・
では、草々
2023-1-23
森下克介
Posted by もりかつ at
14:02
│Comments(0)
2023年01月21日
「フランスのストライキ」こそ再吟味すべき「社会の課題」で
前略
フランスのストライキは有名とのこと。
毎回大騒ぎを当然視する社会であろう。
・・・・
スト権を行使する欧米では賃金が確保されるが、ストのない(企業別組合)日本では現在も話題になっている「総理大臣が賃上げを企業に催促する?」ということで、何時になっても労働者は辛い、更に比率の大きい「非正規社員」はもっと辛い・・。
そんな議論もある。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーパリ最新情報「19日、フランスを襲った最大スト、子供を持つ親の苦悩」ーーーーー
欧州最新情報 Posted on ;2023/01/19、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フランスは本日、労働団体の予告通り、近年最大規模のストライキに突入した。
スト予告のニュースを見ると「ああ、またか」ともはや驚きもないが、「教育者によるスト」と「交通機関のスト」は毎回子を持つ親の頭を悩ませる。
「教育者によるスト」はその名の通り、教職者や学校関係者が出勤しないという事態になるし、「交通機関のスト」は、交通機関を利用して通勤している学校関係者が出勤できなくさせる。
そして今回、1月19日に予告されたストは特に大規模なもので、複数の団体によるストが決定しており、前述の「教育者によるスト」と「交通機関のスト」、どちらも実施された。
・・・・
スト予告のニュースが出た直後、子を持つ親たちはこの話題で持ち切りになった。
日本でも今や共働き家庭は珍しくもないが、フランスはむしろ共働き家庭がほとんどなので、頼れる実家や親族が近くにいない場合は仕事を休むなどの対応に迫られる。
もっとも困るのが、ストにより学校が閉まるかどうかの連絡がギリギリになること。
学校(市)が最後の最後まで対策を練っているということなら文句も言えないが、いつまでも決まらないと、それだけ、職場に迷惑を掛けてしまう。
学校(市)側は、クラスを減らして児童を振り分けるという対策を取るなどしているが、今回は交通機関のストも併発することから、児童全員を受け入れるのはほぼ不可能であろう。
・・・・
ちなみに、筆者の子供(幼稚園児)のクラス担任は、3日前である16日、早々に「私はストに参加するのでクラスはありません」と宣言した。
そしてスト2日前、17日の夜中、市から最初のメールが保護者へ一斉に送られてきたのだ。
内容は「基本的には自宅で子供を見てもらうことを強く勧めます。
最低限の受け入れ(通常の幼稚園時間である8:30~16:30)については未定。
16:30以降の授業は中止となる予定です。
最終決定は翌18日にはお知らせできるようにします」というもので、結局受け入れができるのかどうかは明言されていなかった。
更に「給食の配給に支障をきたすことは必至です。
よって、受け入れができた場合でも11:30~13:30は一旦帰宅してもらうようお願いします」とあり、どちらにしても親たちが職場へ出勤するのは絶望的内容であった。
このメールは数分の間に同じ内容で3通も送られてきており、しかも送信時間は夜中ということで、市の担当者たちの間でも相当な混乱を招いているのだろうことが想像できた。
・・・・
そしてスト前日である18日の午後、最終決定のメールが再び保護者へ送られてきたのである。内容はこうだ。
●子供のクラス担任がストへ参加しない場合
・通常の時間である8:30~16:30の受け入れ可
・給食の配給可
・上記時間外の学童などは受け入れ不可
●子供のクラス担任がストへ参加する場合
・(授業はないが)最低限の受け入れは、保護者の職業が医療従事者、警察官、消防士、教師、
ストに参加しない保育施設の従業員、の場合のみ対象(保護者が両親の場合、
両者共に前述の職業に就いていることが原則)であり、その他保護者の受け入れ不可
・・・・・・・・・・・・・
担任がストに参加するかどうかで保護者の負担が全く違うという結論であった。
ある人は美容師で、当日は指名の予約が入っており絶対に休めない、と嘆いていた。
旦那さんはテレワークのできる職業だが、家に子供がいては仕事にならないので、結局旦那さんが急遽有給休暇を取ることになった。
普段依頼するベビーシッターは複数の家庭を掛け持ちしているので、依頼が殺到し、予約できないなど、現在、仕事を持つ親たちはパニックの中にある。(け)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.designstoriesinc.com/europe/sutosuto/
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「金儲け資本主義」の世の中は、企業の為にある社会であり、労働者の為にあるとは詭弁そのもので、金儲けの成り立つ範囲でギリギリの判断が、賃上げというお情けである。
最近の有名なGAFAの人員削減規模の多さには驚く、景気が良いと言いうのは経営者の資産がべらぼうに大きいということであって、その労働者には全く別の論理しか働かない・・・。
・・・・
欧米のストライキは、「就業は苦痛でありその対価が賃金である」という論点でのストライキを見るにつけ、人類社会とは中世以来の封建制の時代から全く進化していない。
金持ちが悪いから、其処から全てを「労働者」に取り上げてしまえば、皆が公平に・豊かに(経営者並みの)なる、とか言う共産思想はとんでもない結果になっている、世界中が「労働者の政党」になれば、世界中の労働者が豊かになれるとは、恐れ入ったものである。
・・・・
マルクスの視点は、最後に古代の共同集落の平等社会ということのようであるが、これも難しいモノであろうが、これからは、
河川流域圏の自治州、共同社会、で「自給自足・地産地消」の社会で、「化石燃料使用ゼロ・地球全緑化」の倫理で暮らすしかない。
金持ちの資産で作られた工場で賃労働のつましい暮らしは、欧州の賃上げストでも大したことはない、外されれば行き場がない・・・。
・・・・
世界が、ストライキを「労働者の権利」というのも欺瞞そのものでしょう、「金儲け資本主義」は外部不経済という利益を基本に動いいている限り、「気候危機」も「SDGs」も全く絵空事であり空念仏でしかない・・・・。
・・・・
では・草々
2023-1-21
森下克介
フランスのストライキは有名とのこと。
毎回大騒ぎを当然視する社会であろう。
・・・・
スト権を行使する欧米では賃金が確保されるが、ストのない(企業別組合)日本では現在も話題になっている「総理大臣が賃上げを企業に催促する?」ということで、何時になっても労働者は辛い、更に比率の大きい「非正規社員」はもっと辛い・・。
そんな議論もある。
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ーーーーパリ最新情報「19日、フランスを襲った最大スト、子供を持つ親の苦悩」ーーーーー
欧州最新情報 Posted on ;2023/01/19、
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フランスは本日、労働団体の予告通り、近年最大規模のストライキに突入した。
スト予告のニュースを見ると「ああ、またか」ともはや驚きもないが、「教育者によるスト」と「交通機関のスト」は毎回子を持つ親の頭を悩ませる。
「教育者によるスト」はその名の通り、教職者や学校関係者が出勤しないという事態になるし、「交通機関のスト」は、交通機関を利用して通勤している学校関係者が出勤できなくさせる。
そして今回、1月19日に予告されたストは特に大規模なもので、複数の団体によるストが決定しており、前述の「教育者によるスト」と「交通機関のスト」、どちらも実施された。
・・・・
スト予告のニュースが出た直後、子を持つ親たちはこの話題で持ち切りになった。
日本でも今や共働き家庭は珍しくもないが、フランスはむしろ共働き家庭がほとんどなので、頼れる実家や親族が近くにいない場合は仕事を休むなどの対応に迫られる。
もっとも困るのが、ストにより学校が閉まるかどうかの連絡がギリギリになること。
学校(市)が最後の最後まで対策を練っているということなら文句も言えないが、いつまでも決まらないと、それだけ、職場に迷惑を掛けてしまう。
学校(市)側は、クラスを減らして児童を振り分けるという対策を取るなどしているが、今回は交通機関のストも併発することから、児童全員を受け入れるのはほぼ不可能であろう。
・・・・
ちなみに、筆者の子供(幼稚園児)のクラス担任は、3日前である16日、早々に「私はストに参加するのでクラスはありません」と宣言した。
そしてスト2日前、17日の夜中、市から最初のメールが保護者へ一斉に送られてきたのだ。
内容は「基本的には自宅で子供を見てもらうことを強く勧めます。
最低限の受け入れ(通常の幼稚園時間である8:30~16:30)については未定。
16:30以降の授業は中止となる予定です。
最終決定は翌18日にはお知らせできるようにします」というもので、結局受け入れができるのかどうかは明言されていなかった。
更に「給食の配給に支障をきたすことは必至です。
よって、受け入れができた場合でも11:30~13:30は一旦帰宅してもらうようお願いします」とあり、どちらにしても親たちが職場へ出勤するのは絶望的内容であった。
このメールは数分の間に同じ内容で3通も送られてきており、しかも送信時間は夜中ということで、市の担当者たちの間でも相当な混乱を招いているのだろうことが想像できた。
・・・・
そしてスト前日である18日の午後、最終決定のメールが再び保護者へ送られてきたのである。内容はこうだ。
●子供のクラス担任がストへ参加しない場合
・通常の時間である8:30~16:30の受け入れ可
・給食の配給可
・上記時間外の学童などは受け入れ不可
●子供のクラス担任がストへ参加する場合
・(授業はないが)最低限の受け入れは、保護者の職業が医療従事者、警察官、消防士、教師、
ストに参加しない保育施設の従業員、の場合のみ対象(保護者が両親の場合、
両者共に前述の職業に就いていることが原則)であり、その他保護者の受け入れ不可
・・・・・・・・・・・・・
担任がストに参加するかどうかで保護者の負担が全く違うという結論であった。
ある人は美容師で、当日は指名の予約が入っており絶対に休めない、と嘆いていた。
旦那さんはテレワークのできる職業だが、家に子供がいては仕事にならないので、結局旦那さんが急遽有給休暇を取ることになった。
普段依頼するベビーシッターは複数の家庭を掛け持ちしているので、依頼が殺到し、予約できないなど、現在、仕事を持つ親たちはパニックの中にある。(け)
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https://www.designstoriesinc.com/europe/sutosuto/
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「金儲け資本主義」の世の中は、企業の為にある社会であり、労働者の為にあるとは詭弁そのもので、金儲けの成り立つ範囲でギリギリの判断が、賃上げというお情けである。
最近の有名なGAFAの人員削減規模の多さには驚く、景気が良いと言いうのは経営者の資産がべらぼうに大きいということであって、その労働者には全く別の論理しか働かない・・・。
・・・・
欧米のストライキは、「就業は苦痛でありその対価が賃金である」という論点でのストライキを見るにつけ、人類社会とは中世以来の封建制の時代から全く進化していない。
金持ちが悪いから、其処から全てを「労働者」に取り上げてしまえば、皆が公平に・豊かに(経営者並みの)なる、とか言う共産思想はとんでもない結果になっている、世界中が「労働者の政党」になれば、世界中の労働者が豊かになれるとは、恐れ入ったものである。
・・・・
マルクスの視点は、最後に古代の共同集落の平等社会ということのようであるが、これも難しいモノであろうが、これからは、
河川流域圏の自治州、共同社会、で「自給自足・地産地消」の社会で、「化石燃料使用ゼロ・地球全緑化」の倫理で暮らすしかない。
金持ちの資産で作られた工場で賃労働のつましい暮らしは、欧州の賃上げストでも大したことはない、外されれば行き場がない・・・。
・・・・
世界が、ストライキを「労働者の権利」というのも欺瞞そのものでしょう、「金儲け資本主義」は外部不経済という利益を基本に動いいている限り、「気候危機」も「SDGs」も全く絵空事であり空念仏でしかない・・・・。
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では・草々
2023-1-21
森下克介
Posted by もりかつ at
09:31
│Comments(0)
2023年01月20日
ウクライナ危機下での、欧州の動きがあります
前略
EUの脱炭素化の動きが激しいということです。
IPO(新規株式上場)の内、再生可能エネルギーの比率は大きいということです。
・・・・
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーー欧州エネルギートランジションの最前線~危機をチャンスに変える取り組みーーーー
2023-01-17;
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
低炭素化・脱炭素化実現のためのエネルギー転換(エネルギートランジション)で世界を牽引してきた欧州。新型コロナウィルス感染症からの経済回復に伴うエネルギー需要急拡大や天候不順、化石資源への投資不足などの要因により、2021年後半から歴史的なエネルギー価格の高騰に見舞われ、さらに2022年2月にはロシアによるウクライナ侵攻がそれに拍車をかける形となり、これまでに類を見ない深刻なエネルギー危機に直面している。
・・・・
欧州の天然ガス価格は2022年8月に過去10年間の平均価格の10倍を超える1メガワット時(MWh)316ユーロまで急騰し、各国政府は様々な対応を講じるものの、長引くウクライナ侵攻により今なお予断を許さない状況にある。
このエネルギー危機下において、欧州各国は自国の短期的なエネルギー確保を優先し、エネルギートランジションは後退してしまうのであろうか。本稿では欧州エネルギー政策に関連するウクライナ侵攻後の動きを確認しながら、欧州のカーボンニュートラルに向けた取り組みについて考察する。
五十嵐 幹直
・・・・・
>>>エネルギー危機が脱炭素化を加速
2022年11月にエジプトで開催された国連気候変動会議(COP27)は、温室効果ガス排出量の削減目標に関する新たなコミットメントはなく、基本的には前回の「グラスゴー気候合意」の再確認にとどまったこと、また前回のような若手環境活動家の大規模な抗議活動もなく、人々の問題意識が今まさに起こっているウクライナ情勢やエネルギー危機に置かれたことから、COP26に比べると盛り上がりに欠けた印象は否定できない。
・・・・
また、欧州においては今冬のエネルギー不足の難局を乗り切るべく、石炭火力や原発への回帰といった、従来のエネルギートランジションの概念と逆行するような動きが出てきていることも事実である。
しかしながら、欧州でエネルギートランジションが停滞しているかというとそのような状況にはなく、むしろ2022年はエネルギー危機によりそれが様々な局面で加速した1年であった。
・・・・
短期的には乗り越えなければいけない問題はあるものの、中長期的には再生可能エネルギーへのシフトこそがロシア及び化石燃料への依存から脱却する最大の有効策との姿勢を欧州各国政府が示しており、従来の野心的な目標を後退させるどころかさらに引き上げる動きがEU及び各国で出てきている。
・・・・
>>>ウクライナ侵攻後 欧州各国がめざす脱ロシアの動き
各国でもともとのエネルギー自給率やロシアへの依存度に違いがあるため時間軸は異なるものの、ロシアからの資源調達の断絶を目指すという点ではEU加盟国及び英国の間でコンセンサスが図られている。以下にウクライナ侵攻後における英国とEUの動きを概観する。
洋上風力発電・水素生産の目標量を大幅に引き上げた英国
G7で初めて排出「ネットゼロ(温室効果ガスの排出実質ゼロ)」目標を法制化した英国であるが、ウクライナ侵攻を受け2022年4月に同国政府は新たな長期エネルギー安全保障戦略(British energy security strategy)を発表した。
・・・・
英国の再生可能エネルギーの要である洋上風力発電について政府は2019年3月、2030年までに設備導入量を30GWまで拡大する目標を掲げていたが、2020年11月に40GW(浮体式洋上風力発電は1GW)まで引き上げ、今回これをさらに50GW(浮体式洋上風力発電は5GW)まで引き上げることを表明した。
約2年間で実に目標を67%引き上げたことになり、日本における同時期の案件形成目標が10GWに過ぎないことからも、これがいかに野心的な目標であるかがわかる。
またこの発電目標の引き上げに加え、新たな洋上風力発電の承認期間を4年から1年に短縮するとしており、着工までの大幅な期間短縮が期待される。
・・・・
英国政府が洋上風力と並んで注力するのが水素である。
水素は多用途で利用可能であり、再生可能エネルギーの余剰電力を貯蔵することができ、ガスの代替にもなる有用性の高いクリーンエネルギーとして、国産エネルギーを用いた水素生産の展開を加速するとした。
2030 年までの水素生産能力の目標を現在の2 倍となる最大 10GW に引き上げ、その半分をグリーン水素(水を電気分解して生産される環境負荷の低い水素)とすることを目指す。水素生産にあたっては、洋上風力発電による余剰電力を利用してコスト削減を図る戦略である。
・・・・
>>>クリーンエネルギー移行への加速戦略を描くEU
欧州委員会はロシアからのLNG調達をなくすことを明確にし、それを踏まえた利用可能、安全、且つ持続的なエネルギーを確保するための戦略を、2022年5月に「REPowerEU」として定め公表した。
この戦略は、Accelerating clean energy(クリーンエネルギーの加速)、Diversifying(エネルギー多様化)、Saving(エネルギー削減)が柱になっており、それを実現するための資金調達手法及び法的手法が定められている。
クリーンエネルギーへの移行を劇的に加速し、信頼性の低い供給者やボラティリティ(価格変動)の大きい化石燃料からの独立性を高める方針が示されている。
・・・・
クリーンエネルギーの加速に関しては、2030年までに再生可能エネルギーの発電割合の目標をそれまでの40%から45%に引き上げた。内訳をみると、太陽光発電については2025年までの3年間で設備容量を現在の2倍に増やし、2030年までの8年間でそれを4倍にまで増やす計画だ。
・・・・
2030年の目標値でみると、2021年7月に発表した旧目標(Fit for 55 パッケージ)から 43% 増加しており、いかに大幅な目標引き上げであるかがわかる。
エネルギー多様化に関しては、天然ガス、石炭、石油に代わるエネルギーとして、英国と同様にEUが期待を寄せるのが水素である。
2030年までに再生可能な水素の域内生産量を従来の560万㌧から約2倍となる1,000万㌧に引き上げ、それとは別に1,000万㌧を輸入する目標を設定した。
また産業界におけるグリーン水素の導入を支援しこの目標を達成するために、さまざまなインセンティブを提供することを発表した。
その1つが水素分野の研究開発および実用化のためのプロジェクトに対する、IPCEI(欧州共通利益に適合する重要プロジェクト)としての公的助成である。
2022年夏までにプロジェクトを承認するとし、その後7月には(1)水素の製造、(2)燃料電池技術、(3)貯蔵および輸送運搬技術、(4)エンドユーザーによる活用技術まで幅広い関連領域において、参加35社の41プロジェクトに対し最大総額54億ユーロの公的助成を行うことを発表した。
・・・・
エネルギー削減に関しても、2021年7月に発表した旧目標では2030年時点での2020年比のエネルギー削減を9%にするという政策目標が掲げられていたところ、これが13%(+4%)に引き上げられている。
・・・・
>>>投資家からも熱い視線
以上で述べた通り、ウクライナ侵攻後における英国およびEUの声明からも、脱ロシア依存のために再生可能エネルギーの利用促進を一層アグレッシブに追求していく欧州の姿勢を窺うことができる。
これらの取り組みが目標達成に向けて順調に推移するかどうかは、今後の各国政府およびEUの手腕、産業界における技術革新にかかっているが、欧州がこれらの野心的な目標を達成した際には、欧州は危機をチャンスに変え、エナジートランジションにおいて一層世界をリードする存在になっているだろう。
・・・・
少なくとも各国政府およびEUのエネルギートランジションに対する強いコミットメントが示されたことにより、投資家や関連業界は継続的な市場拡大を期待し従来以上に活気づいているように見受けられる。
・・・・
>>>「再生可能エネルギーの巨人」 新たな産業形成呼び込む
2022年は地政学的リスクの高まり、物価・金利高騰、一部市況の悪化によりIPO(新規株式上場)は世界的に大幅な落ち込みを経験し、市場参加者にとっては概して極めて厳しい環境であったが、そのような状況下でも再生エネルギー関連銘柄への関心は引き続き高い。
・・・・
設立からわずか5年、2022年5月にパリ証券取引所で上場を果たし今年の欧州IPO市場で注目を集める存在となったのが、グリーン水素生産のスタートアップ企業のLhyfe(ライフ、本社=フランス・ナント市)である。
売上はわずか0.5百万ユーロ、20.7百万ユーロの赤字を計上しているが、自らを再生可能エネルギーにおける巨人と呼び、1.1億ユーロの資金調達に成功し、現在の時価総額は4億ユーロ超に上る。
欧州の水素生産で覇権を握るべく、現在93もの生産施設建設プロジェクトが進行中であり、これが実現されると2028年までに大手エネルギー事業者をも凌ぐ4.8GWの水素生産能力を保持することになる。
また、同社は米国燃料電池システム開発企業と組み、世界初の洋上施設でのグリーン水素生産事業をフランスで開始することを2022年9月に発表しており、水素生産のパイオニア企業としても注目を集めている。
・・・・
>>>証券市場の注目度も高く
以下の図表は、2021年以降にパリ証券取引所に新規上場したエネルギートランジション関連銘柄(※注1)を示している。2021年は新規上場全体(※注2)でみると38件あったが、2022年には18件と47.4%の減少となった。
その中でエネルギートランジション関連は、2021年の過去最高水準となる9件(全体の23.7%)からは減少したものの、2022年も4件(全体の22.2%)の新規上場があった。
引き続きエネルギートランジション関連の全体に占める割合は高く、証券市場の期待・注目度も高いと言えよう。
・・・・
エネルギートランジションに向けた関連産業を育成する上で、政府の方針やそれに基づく法規制の整備は不可欠である。
先にみたように、エネルギー危機下においても欧州各国政府がエネルギートランジションの手綱を緩めることなく、むしろそれを加速する姿勢を示したことは、同産業における投資家・資金提供者に安心感を与え、新たな産業の形成に必要な民間資金を呼び込む結果にも繋がっている。
※注1 再生可能エネルギー、代替エネルギー、またはエネルギー効率化に関連する事業を主として営む企業
※注2 市場替えによる上場、及びSPAC(特別買収目的会社)の上場は除く
・・・・
>>>国際競争力の強化と雇用創出につなげる狙いも
欧州各国政府は新たな技術の開発やインフラ整備に多額の投資をすることを表明している。
脱炭素化を加速させるだけでなく、再生可能エネルギーやエネルギーの効率化における先進国となり、自国経済の発展と雇用の創出に繋げようという狙いをみてとることができる。
自国の雇用問題に敏感なフランスを例にとると、政府は2020年9月に国家水素戦略を発表し、2030年までの10年間で70億ユーロを投資することを表明した。
・・・・
水素の生産については、2030年までに6.5GWのクリーン水素製造設備を設置すべく、必要な投資を行う。同時に研究・イノベーション・人材育成への投資方針も示しており、次世代水素技術の開発プロジェクトに6,500万ユーロを投資するほか、3,000万ユーロをかけて水素エネルギー分野における教育・訓練システムを整備し、5万人から15万人の直接・間接雇用の創出を目指すとしている。
フランスの労働力人口は約3,000万人と言われており、水素関連のみで最大0.5%程度の雇用創出効果が期待される。
また、洋上風力発電の開発を急加速させている英国では、この分野で世界を牽引し先端技術を獲得することにより、高度技術者および高賃金労働者が生み出されており、2030年までに9万人の雇用創出効果を見込んでいる。
この雇用創出効果が政府の野心的な目標引き上げを後押ししているとも言えよう。
エナジートランジションを脱炭素化、ロシアへの依存解消という文脈のみで捉えるのではなく、同時に新たな産業や雇用の創出という経済的リターンにも焦点を当てることにより、多額の投資に対する国民からの理解も得られやすくなるものと考えられる。
・・・・
>>>日本企業のとるべき道は
以上、欧州におけるエネルギートランジションの動向について述べたが、筆者がエネルギー危機真っただ中の2022年夏に欧州に赴任して感じたのは、家庭では燃料代の高騰を心配する一方、ビジネスの場ではこの危機を他者に先んじて収益機会に変えるべく、様々な分野で活発な議論がなされていることである。
・・・・
中間目標(2013年度比で温室効果ガス46%削減)の達成期限である2030年まで8年を切り、日本に残されている時間が限られているのと同様、日本企業がこれを収益機会に変えられる時間も限られている。
エネルギートランジション先進国の取り組みも視野に入れ、政府と企業が一体となり迅速にこの問題に取り組んでいくことが不可欠と考えられる。
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https://frontier-eyes.online/europe_energy-transition/?utm_source=mailmagazine&utm_medium=Email&utm_campaign=20230120&lfpeid=plMgkG6hH2nf&lfmaid=1000209249-1
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IPOが多数あるということは、好ましいことであるわけです。
しかし、その企業は、その事業の「バイオ・フットプリント」「カーボン・フットプリント」をきちんと精査しているのかが気になる。
・・・・
新しい時代への「カーボンバジェット」はただでさえ少ないのを、使い切ってしまうことにならないと良いのですが。
杞憂で済まされる問題ではないのです。
・・・・
では、草々
2023-1-20
森下克介
EUの脱炭素化の動きが激しいということです。
IPO(新規株式上場)の内、再生可能エネルギーの比率は大きいということです。
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ーーーー欧州エネルギートランジションの最前線~危機をチャンスに変える取り組みーーーー
2023-01-17;
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低炭素化・脱炭素化実現のためのエネルギー転換(エネルギートランジション)で世界を牽引してきた欧州。新型コロナウィルス感染症からの経済回復に伴うエネルギー需要急拡大や天候不順、化石資源への投資不足などの要因により、2021年後半から歴史的なエネルギー価格の高騰に見舞われ、さらに2022年2月にはロシアによるウクライナ侵攻がそれに拍車をかける形となり、これまでに類を見ない深刻なエネルギー危機に直面している。
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欧州の天然ガス価格は2022年8月に過去10年間の平均価格の10倍を超える1メガワット時(MWh)316ユーロまで急騰し、各国政府は様々な対応を講じるものの、長引くウクライナ侵攻により今なお予断を許さない状況にある。
このエネルギー危機下において、欧州各国は自国の短期的なエネルギー確保を優先し、エネルギートランジションは後退してしまうのであろうか。本稿では欧州エネルギー政策に関連するウクライナ侵攻後の動きを確認しながら、欧州のカーボンニュートラルに向けた取り組みについて考察する。
五十嵐 幹直
・・・・・
>>>エネルギー危機が脱炭素化を加速
2022年11月にエジプトで開催された国連気候変動会議(COP27)は、温室効果ガス排出量の削減目標に関する新たなコミットメントはなく、基本的には前回の「グラスゴー気候合意」の再確認にとどまったこと、また前回のような若手環境活動家の大規模な抗議活動もなく、人々の問題意識が今まさに起こっているウクライナ情勢やエネルギー危機に置かれたことから、COP26に比べると盛り上がりに欠けた印象は否定できない。
・・・・
また、欧州においては今冬のエネルギー不足の難局を乗り切るべく、石炭火力や原発への回帰といった、従来のエネルギートランジションの概念と逆行するような動きが出てきていることも事実である。
しかしながら、欧州でエネルギートランジションが停滞しているかというとそのような状況にはなく、むしろ2022年はエネルギー危機によりそれが様々な局面で加速した1年であった。
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短期的には乗り越えなければいけない問題はあるものの、中長期的には再生可能エネルギーへのシフトこそがロシア及び化石燃料への依存から脱却する最大の有効策との姿勢を欧州各国政府が示しており、従来の野心的な目標を後退させるどころかさらに引き上げる動きがEU及び各国で出てきている。
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>>>ウクライナ侵攻後 欧州各国がめざす脱ロシアの動き
各国でもともとのエネルギー自給率やロシアへの依存度に違いがあるため時間軸は異なるものの、ロシアからの資源調達の断絶を目指すという点ではEU加盟国及び英国の間でコンセンサスが図られている。以下にウクライナ侵攻後における英国とEUの動きを概観する。
洋上風力発電・水素生産の目標量を大幅に引き上げた英国
G7で初めて排出「ネットゼロ(温室効果ガスの排出実質ゼロ)」目標を法制化した英国であるが、ウクライナ侵攻を受け2022年4月に同国政府は新たな長期エネルギー安全保障戦略(British energy security strategy)を発表した。
・・・・
英国の再生可能エネルギーの要である洋上風力発電について政府は2019年3月、2030年までに設備導入量を30GWまで拡大する目標を掲げていたが、2020年11月に40GW(浮体式洋上風力発電は1GW)まで引き上げ、今回これをさらに50GW(浮体式洋上風力発電は5GW)まで引き上げることを表明した。
約2年間で実に目標を67%引き上げたことになり、日本における同時期の案件形成目標が10GWに過ぎないことからも、これがいかに野心的な目標であるかがわかる。
またこの発電目標の引き上げに加え、新たな洋上風力発電の承認期間を4年から1年に短縮するとしており、着工までの大幅な期間短縮が期待される。
・・・・
英国政府が洋上風力と並んで注力するのが水素である。
水素は多用途で利用可能であり、再生可能エネルギーの余剰電力を貯蔵することができ、ガスの代替にもなる有用性の高いクリーンエネルギーとして、国産エネルギーを用いた水素生産の展開を加速するとした。
2030 年までの水素生産能力の目標を現在の2 倍となる最大 10GW に引き上げ、その半分をグリーン水素(水を電気分解して生産される環境負荷の低い水素)とすることを目指す。水素生産にあたっては、洋上風力発電による余剰電力を利用してコスト削減を図る戦略である。
・・・・
>>>クリーンエネルギー移行への加速戦略を描くEU
欧州委員会はロシアからのLNG調達をなくすことを明確にし、それを踏まえた利用可能、安全、且つ持続的なエネルギーを確保するための戦略を、2022年5月に「REPowerEU」として定め公表した。
この戦略は、Accelerating clean energy(クリーンエネルギーの加速)、Diversifying(エネルギー多様化)、Saving(エネルギー削減)が柱になっており、それを実現するための資金調達手法及び法的手法が定められている。
クリーンエネルギーへの移行を劇的に加速し、信頼性の低い供給者やボラティリティ(価格変動)の大きい化石燃料からの独立性を高める方針が示されている。
・・・・
クリーンエネルギーの加速に関しては、2030年までに再生可能エネルギーの発電割合の目標をそれまでの40%から45%に引き上げた。内訳をみると、太陽光発電については2025年までの3年間で設備容量を現在の2倍に増やし、2030年までの8年間でそれを4倍にまで増やす計画だ。
・・・・
2030年の目標値でみると、2021年7月に発表した旧目標(Fit for 55 パッケージ)から 43% 増加しており、いかに大幅な目標引き上げであるかがわかる。
エネルギー多様化に関しては、天然ガス、石炭、石油に代わるエネルギーとして、英国と同様にEUが期待を寄せるのが水素である。
2030年までに再生可能な水素の域内生産量を従来の560万㌧から約2倍となる1,000万㌧に引き上げ、それとは別に1,000万㌧を輸入する目標を設定した。
また産業界におけるグリーン水素の導入を支援しこの目標を達成するために、さまざまなインセンティブを提供することを発表した。
その1つが水素分野の研究開発および実用化のためのプロジェクトに対する、IPCEI(欧州共通利益に適合する重要プロジェクト)としての公的助成である。
2022年夏までにプロジェクトを承認するとし、その後7月には(1)水素の製造、(2)燃料電池技術、(3)貯蔵および輸送運搬技術、(4)エンドユーザーによる活用技術まで幅広い関連領域において、参加35社の41プロジェクトに対し最大総額54億ユーロの公的助成を行うことを発表した。
・・・・
エネルギー削減に関しても、2021年7月に発表した旧目標では2030年時点での2020年比のエネルギー削減を9%にするという政策目標が掲げられていたところ、これが13%(+4%)に引き上げられている。
・・・・
>>>投資家からも熱い視線
以上で述べた通り、ウクライナ侵攻後における英国およびEUの声明からも、脱ロシア依存のために再生可能エネルギーの利用促進を一層アグレッシブに追求していく欧州の姿勢を窺うことができる。
これらの取り組みが目標達成に向けて順調に推移するかどうかは、今後の各国政府およびEUの手腕、産業界における技術革新にかかっているが、欧州がこれらの野心的な目標を達成した際には、欧州は危機をチャンスに変え、エナジートランジションにおいて一層世界をリードする存在になっているだろう。
・・・・
少なくとも各国政府およびEUのエネルギートランジションに対する強いコミットメントが示されたことにより、投資家や関連業界は継続的な市場拡大を期待し従来以上に活気づいているように見受けられる。
・・・・
>>>「再生可能エネルギーの巨人」 新たな産業形成呼び込む
2022年は地政学的リスクの高まり、物価・金利高騰、一部市況の悪化によりIPO(新規株式上場)は世界的に大幅な落ち込みを経験し、市場参加者にとっては概して極めて厳しい環境であったが、そのような状況下でも再生エネルギー関連銘柄への関心は引き続き高い。
・・・・
設立からわずか5年、2022年5月にパリ証券取引所で上場を果たし今年の欧州IPO市場で注目を集める存在となったのが、グリーン水素生産のスタートアップ企業のLhyfe(ライフ、本社=フランス・ナント市)である。
売上はわずか0.5百万ユーロ、20.7百万ユーロの赤字を計上しているが、自らを再生可能エネルギーにおける巨人と呼び、1.1億ユーロの資金調達に成功し、現在の時価総額は4億ユーロ超に上る。
欧州の水素生産で覇権を握るべく、現在93もの生産施設建設プロジェクトが進行中であり、これが実現されると2028年までに大手エネルギー事業者をも凌ぐ4.8GWの水素生産能力を保持することになる。
また、同社は米国燃料電池システム開発企業と組み、世界初の洋上施設でのグリーン水素生産事業をフランスで開始することを2022年9月に発表しており、水素生産のパイオニア企業としても注目を集めている。
・・・・
>>>証券市場の注目度も高く
以下の図表は、2021年以降にパリ証券取引所に新規上場したエネルギートランジション関連銘柄(※注1)を示している。2021年は新規上場全体(※注2)でみると38件あったが、2022年には18件と47.4%の減少となった。
その中でエネルギートランジション関連は、2021年の過去最高水準となる9件(全体の23.7%)からは減少したものの、2022年も4件(全体の22.2%)の新規上場があった。
引き続きエネルギートランジション関連の全体に占める割合は高く、証券市場の期待・注目度も高いと言えよう。
・・・・
エネルギートランジションに向けた関連産業を育成する上で、政府の方針やそれに基づく法規制の整備は不可欠である。
先にみたように、エネルギー危機下においても欧州各国政府がエネルギートランジションの手綱を緩めることなく、むしろそれを加速する姿勢を示したことは、同産業における投資家・資金提供者に安心感を与え、新たな産業の形成に必要な民間資金を呼び込む結果にも繋がっている。
※注1 再生可能エネルギー、代替エネルギー、またはエネルギー効率化に関連する事業を主として営む企業
※注2 市場替えによる上場、及びSPAC(特別買収目的会社)の上場は除く
・・・・
>>>国際競争力の強化と雇用創出につなげる狙いも
欧州各国政府は新たな技術の開発やインフラ整備に多額の投資をすることを表明している。
脱炭素化を加速させるだけでなく、再生可能エネルギーやエネルギーの効率化における先進国となり、自国経済の発展と雇用の創出に繋げようという狙いをみてとることができる。
自国の雇用問題に敏感なフランスを例にとると、政府は2020年9月に国家水素戦略を発表し、2030年までの10年間で70億ユーロを投資することを表明した。
・・・・
水素の生産については、2030年までに6.5GWのクリーン水素製造設備を設置すべく、必要な投資を行う。同時に研究・イノベーション・人材育成への投資方針も示しており、次世代水素技術の開発プロジェクトに6,500万ユーロを投資するほか、3,000万ユーロをかけて水素エネルギー分野における教育・訓練システムを整備し、5万人から15万人の直接・間接雇用の創出を目指すとしている。
フランスの労働力人口は約3,000万人と言われており、水素関連のみで最大0.5%程度の雇用創出効果が期待される。
また、洋上風力発電の開発を急加速させている英国では、この分野で世界を牽引し先端技術を獲得することにより、高度技術者および高賃金労働者が生み出されており、2030年までに9万人の雇用創出効果を見込んでいる。
この雇用創出効果が政府の野心的な目標引き上げを後押ししているとも言えよう。
エナジートランジションを脱炭素化、ロシアへの依存解消という文脈のみで捉えるのではなく、同時に新たな産業や雇用の創出という経済的リターンにも焦点を当てることにより、多額の投資に対する国民からの理解も得られやすくなるものと考えられる。
・・・・
>>>日本企業のとるべき道は
以上、欧州におけるエネルギートランジションの動向について述べたが、筆者がエネルギー危機真っただ中の2022年夏に欧州に赴任して感じたのは、家庭では燃料代の高騰を心配する一方、ビジネスの場ではこの危機を他者に先んじて収益機会に変えるべく、様々な分野で活発な議論がなされていることである。
・・・・
中間目標(2013年度比で温室効果ガス46%削減)の達成期限である2030年まで8年を切り、日本に残されている時間が限られているのと同様、日本企業がこれを収益機会に変えられる時間も限られている。
エネルギートランジション先進国の取り組みも視野に入れ、政府と企業が一体となり迅速にこの問題に取り組んでいくことが不可欠と考えられる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://frontier-eyes.online/europe_energy-transition/?utm_source=mailmagazine&utm_medium=Email&utm_campaign=20230120&lfpeid=plMgkG6hH2nf&lfmaid=1000209249-1
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IPOが多数あるということは、好ましいことであるわけです。
しかし、その企業は、その事業の「バイオ・フットプリント」「カーボン・フットプリント」をきちんと精査しているのかが気になる。
・・・・
新しい時代への「カーボンバジェット」はただでさえ少ないのを、使い切ってしまうことにならないと良いのですが。
杞憂で済まされる問題ではないのです。
・・・・
では、草々
2023-1-20
森下克介
Posted by もりかつ at
11:41
│Comments(0)
2023年01月20日
EUの規制は広がる、まだまだあるはず・・・。
前略
いよいよSDGsに関連する「3,全ての人に健康と福祉を」の相当する案件と言えそうな、大気汚染、大気中の粉塵を増やさない、という視点の規制が始まる。
「気候危機」だけではない、「地球全体での、バイオ・フットプリント」の視点で、やはり考えないといけない・・・。
当然と言えば当然である。
・・・・
ここにはまさに「金儲け資本主義」に全ての責任があるということでしょう。
「GDPの1単位当たりの「バイオ・フットプリント」を考えるとどうなるか???
これこそ「外部不経済」の賜物としての「アース・グローバル・フットプリント」とでも言える悪癖の議論をしなければならない。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
---ーーーーEVに逆風か、新規制「ユーロ7」はタイヤ粉じんも対象ーーーーー
本多 倖基 日経クロステック/日経Automotive;2023.01.20、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
欧州委員会(EC)が2022年11月に提案した自動車の新たな環境規制「Euro 7(ユーロ7)」。
現行規制「ユーロ6d」まではテールパイプから出る排ガスだけを規制してきたが、今回は新たにタイヤやブレーキから出る摩耗粉じんも対象とする方針だ。
これに伴い、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)といったゼロエミッション車(ZEV)も規制の対象となる。
・・・・
とりわけ、欧州で販売が伸びているEVでは対策が難しくなりそうだ。
EVは大容量のリチウムイオン電池を搭載するため、車両質量が内燃機関(ICE)搭載車より重くなりやすい。
例えば、ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)の小型ハッチバック「ゴルフ」は簡易ハイブリッド車(MHEV)の標準モデルが1306kgである。
これに対し、同等サイズのEV「ID.3」(現行車)は45kWhの電池を搭載する標準モデルが1719kgと、ゴルフに比べて400kg以上重い。
さらに、モーターで駆動するEVは発進・加速時の強力なトルクが持ち味でもある。
こうしたEVの特徴は、タイヤの摩耗量が増える要因となる。
ただ、タイヤの規制に関しては具体的な規制値や試験法が確定していないのが現状だ(図1)。
こうした不透明な状況の中で対策を迫られているのが、タイヤメーカーである。
・・・・
規制案は欧州理事会と欧州議会で審議される。
議決されれば、2025年7月から乗用車に適用されることになる。
ECとしては2024年末までに規制値を提案するため、試験法や技術を検討するとしている。
規制値の決定が2024年末までもつれ込めば、適用までの猶予は約半年しかない。
・・・・
規制値を決める前には、試験法を確立したうえで市場のタイヤのデータを収集し、性能を把握する必要がある。
タイヤメーカーからは「適用開始までの期間が非常に短い」(ある欧州タイヤ大手のマーケティング担当者)といった懸念の声が聞こえてくる。
まずは、早急な試験法の確立が望まれる。
タイヤ業界としては現状、摩耗量を測定する方向にある。
すなわち、一定の走行距離でタイヤの質量がどれだけ減少するかを測定する。
タイヤに集じん機を装着し、摩耗粉じんを吸引して回収する試験法も検討されているものの「測定精度の面で非常に難しい」(ある国内タイヤ大手の技術者)という。
摩耗量の測定については、タイヤメーカー各社がすでに取り組んでいる。
問題は試験法がメーカーによって異なることだ。業界全体で統一した試験法を確立するため、国連欧州経済委員会(UNECE)の下部組織である「自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」のタスクフォースで協議中だ。
こうした国際的な議論を踏まえ、ECは2024年末までに摩耗量の試験法などを含む報告書を作成する計画である。
・・・・
ユーロ7ではタイヤの摩耗粉じんを「マイクロプラスチック」として扱っているが、タイヤ業界では「Tyre and Road Wear Particles(TRWP)」と呼ばれる(図2)。
TRWPを構成するのは、タイヤから出るゴム片だけではない。
タイヤと路面が摩擦し、双方が削れて生じた物質が結びついてできるものだ。
業界団体やタイヤメーカー各社では、これまでもTRWPやタイヤの摩耗量を減らす取り組みを進めてきた。
例えば、フランスMichelin(ミシュラン)は2015年から2020年にかけて、同社全体でタイヤから出る摩耗粉じんを5%減らしたと示している。
摩耗量の低減にかかわる「耐摩耗性」は「グリップ性」「転がり抵抗」と並ぶ、タイヤの3つの基本性能の1つである。
タイヤメーカー各社は、トレッドにおける溝や切り込みなどを含む設計や材料技術など、多様なアプローチで耐摩耗性の向上に注力してきた(図3)。
・・・・
こうした点から、ユーロ7によって各社がタイヤ開発の方針を大きく転換することは考えにくい。
ただ、3つの基本性能は互いにトレードオフの関係にあるとされる。
規制値を満たすために耐摩耗性だけを高めればよいわけではない。
安全に関わるグリップ性や燃費を左右する転がり抵抗も重要な性能で、おろそかにはできない。
タイヤの摩耗量への規制によって、3つの基本性能を高い水準で並立する必要があるため「これまで以上にタイヤメーカーの技術力が問われるのは間違いない」(ある国内タイヤ大手の技術者)。
とりわけ、タイヤ摩耗の点で不利なEVに対し、どのような解決策を提案できるのか、タイヤメーカーの手腕が注目される。
規制値の設定によっては、技術力で劣るタイヤメーカーが淘汰されることにもなりかねない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02334/00001/
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「河川流域圏の共同体としての自治州」における「自給自足・地産地消」を「化石燃料ゼロ」「地球全緑化」によって追及することしかない。
EUの自動車規制はまだあるが、
基本的には「自動車自体の存在悪」の議論になる・・・。正解でしょう。
更にその次には、鉄道・航空・船舶も全て存在悪である。
更に、住宅の冷暖房なども、衣食住の「衣にも、合成繊維やコーティング剤等、食には、勿論牛肉などから全ての肉や魚の養殖など、またオランダの様な温室栽培などへも規制がかかるはず・・・」。
・・・・
その先には、寒冷地での生活自体のあり様も問題になろう、その時には「逆移民」も避けられないはず・・・。
「とんでもない!」なんて言えるのは、理屈を追いかければそうなる、そうでなければまさに「生きていけない!」ことを覚悟出来る人だけが文句を言いう資格がある・・・。
そんな人はほとんどい居ないはず、でも時間がないのです・・・。
・・・・
では、草々
2023-1-20
森下克介
いよいよSDGsに関連する「3,全ての人に健康と福祉を」の相当する案件と言えそうな、大気汚染、大気中の粉塵を増やさない、という視点の規制が始まる。
「気候危機」だけではない、「地球全体での、バイオ・フットプリント」の視点で、やはり考えないといけない・・・。
当然と言えば当然である。
・・・・
ここにはまさに「金儲け資本主義」に全ての責任があるということでしょう。
「GDPの1単位当たりの「バイオ・フットプリント」を考えるとどうなるか???
これこそ「外部不経済」の賜物としての「アース・グローバル・フットプリント」とでも言える悪癖の議論をしなければならない。
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---ーーーーEVに逆風か、新規制「ユーロ7」はタイヤ粉じんも対象ーーーーー
本多 倖基 日経クロステック/日経Automotive;2023.01.20、
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欧州委員会(EC)が2022年11月に提案した自動車の新たな環境規制「Euro 7(ユーロ7)」。
現行規制「ユーロ6d」まではテールパイプから出る排ガスだけを規制してきたが、今回は新たにタイヤやブレーキから出る摩耗粉じんも対象とする方針だ。
これに伴い、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)といったゼロエミッション車(ZEV)も規制の対象となる。
・・・・
とりわけ、欧州で販売が伸びているEVでは対策が難しくなりそうだ。
EVは大容量のリチウムイオン電池を搭載するため、車両質量が内燃機関(ICE)搭載車より重くなりやすい。
例えば、ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)の小型ハッチバック「ゴルフ」は簡易ハイブリッド車(MHEV)の標準モデルが1306kgである。
これに対し、同等サイズのEV「ID.3」(現行車)は45kWhの電池を搭載する標準モデルが1719kgと、ゴルフに比べて400kg以上重い。
さらに、モーターで駆動するEVは発進・加速時の強力なトルクが持ち味でもある。
こうしたEVの特徴は、タイヤの摩耗量が増える要因となる。
ただ、タイヤの規制に関しては具体的な規制値や試験法が確定していないのが現状だ(図1)。
こうした不透明な状況の中で対策を迫られているのが、タイヤメーカーである。
・・・・
規制案は欧州理事会と欧州議会で審議される。
議決されれば、2025年7月から乗用車に適用されることになる。
ECとしては2024年末までに規制値を提案するため、試験法や技術を検討するとしている。
規制値の決定が2024年末までもつれ込めば、適用までの猶予は約半年しかない。
・・・・
規制値を決める前には、試験法を確立したうえで市場のタイヤのデータを収集し、性能を把握する必要がある。
タイヤメーカーからは「適用開始までの期間が非常に短い」(ある欧州タイヤ大手のマーケティング担当者)といった懸念の声が聞こえてくる。
まずは、早急な試験法の確立が望まれる。
タイヤ業界としては現状、摩耗量を測定する方向にある。
すなわち、一定の走行距離でタイヤの質量がどれだけ減少するかを測定する。
タイヤに集じん機を装着し、摩耗粉じんを吸引して回収する試験法も検討されているものの「測定精度の面で非常に難しい」(ある国内タイヤ大手の技術者)という。
摩耗量の測定については、タイヤメーカー各社がすでに取り組んでいる。
問題は試験法がメーカーによって異なることだ。業界全体で統一した試験法を確立するため、国連欧州経済委員会(UNECE)の下部組織である「自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」のタスクフォースで協議中だ。
こうした国際的な議論を踏まえ、ECは2024年末までに摩耗量の試験法などを含む報告書を作成する計画である。
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ユーロ7ではタイヤの摩耗粉じんを「マイクロプラスチック」として扱っているが、タイヤ業界では「Tyre and Road Wear Particles(TRWP)」と呼ばれる(図2)。
TRWPを構成するのは、タイヤから出るゴム片だけではない。
タイヤと路面が摩擦し、双方が削れて生じた物質が結びついてできるものだ。
業界団体やタイヤメーカー各社では、これまでもTRWPやタイヤの摩耗量を減らす取り組みを進めてきた。
例えば、フランスMichelin(ミシュラン)は2015年から2020年にかけて、同社全体でタイヤから出る摩耗粉じんを5%減らしたと示している。
摩耗量の低減にかかわる「耐摩耗性」は「グリップ性」「転がり抵抗」と並ぶ、タイヤの3つの基本性能の1つである。
タイヤメーカー各社は、トレッドにおける溝や切り込みなどを含む設計や材料技術など、多様なアプローチで耐摩耗性の向上に注力してきた(図3)。
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こうした点から、ユーロ7によって各社がタイヤ開発の方針を大きく転換することは考えにくい。
ただ、3つの基本性能は互いにトレードオフの関係にあるとされる。
規制値を満たすために耐摩耗性だけを高めればよいわけではない。
安全に関わるグリップ性や燃費を左右する転がり抵抗も重要な性能で、おろそかにはできない。
タイヤの摩耗量への規制によって、3つの基本性能を高い水準で並立する必要があるため「これまで以上にタイヤメーカーの技術力が問われるのは間違いない」(ある国内タイヤ大手の技術者)。
とりわけ、タイヤ摩耗の点で不利なEVに対し、どのような解決策を提案できるのか、タイヤメーカーの手腕が注目される。
規制値の設定によっては、技術力で劣るタイヤメーカーが淘汰されることにもなりかねない。
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https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02334/00001/
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「河川流域圏の共同体としての自治州」における「自給自足・地産地消」を「化石燃料ゼロ」「地球全緑化」によって追及することしかない。
EUの自動車規制はまだあるが、
基本的には「自動車自体の存在悪」の議論になる・・・。正解でしょう。
更にその次には、鉄道・航空・船舶も全て存在悪である。
更に、住宅の冷暖房なども、衣食住の「衣にも、合成繊維やコーティング剤等、食には、勿論牛肉などから全ての肉や魚の養殖など、またオランダの様な温室栽培などへも規制がかかるはず・・・」。
・・・・
その先には、寒冷地での生活自体のあり様も問題になろう、その時には「逆移民」も避けられないはず・・・。
「とんでもない!」なんて言えるのは、理屈を追いかければそうなる、そうでなければまさに「生きていけない!」ことを覚悟出来る人だけが文句を言いう資格がある・・・。
そんな人はほとんどい居ないはず、でも時間がないのです・・・。
・・・・
では、草々
2023-1-20
森下克介
Posted by もりかつ at
10:34
│Comments(0)
2023年01月18日
「「グレタさん」拘束される・・・・
前略
グレタさんが動いている。
石炭鉱山の開発に抵抗して、警察に拘束された。
既に、ドイツでは石炭火力削減方針がロシアによって変更させ得られた…と言いうことか・・・。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーグレタさん、独で拘束 炭鉱開発への抗議活動中ーーーー
ロイター編集;ワールド;2023年1月18日、
・・・・・・・・・・・・・・・・・
[リュッツェラート(ドイツ) 17日 ロイター]
- スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが17日、ドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン州のリュッツェラート村で行われていた炭鉱開発に関する抗議活動中、警察に身柄を拘束された。
警察によると、拘束された参加者全員がその日のうちに解放される見通し。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://jp.reuters.com/article/climate-change-germany-thunberg-idJPKBN2TW1OF?feedType=mktg&feedName=&WT.mc_id=Newsletter-JP&utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_campaign=Weekday%20Newsletter%20%282022%29%202023-01-18&utm_term=NEW:%20JP%20Daily%20Mail
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
世界的には、石炭から脱却する鵜流れに入っていたはず。
世界の投資機関は見限ったはずであるが・・・。
・・・・
なんと世界の政治のあやふやさ、ポピュリズムということなのか?
民主主義の危うさが、これからの世界を危うくする・・・・。
・・・・
では、草々
2023-1-19
森下克介
グレタさんが動いている。
石炭鉱山の開発に抵抗して、警察に拘束された。
既に、ドイツでは石炭火力削減方針がロシアによって変更させ得られた…と言いうことか・・・。
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ーーーーグレタさん、独で拘束 炭鉱開発への抗議活動中ーーーー
ロイター編集;ワールド;2023年1月18日、
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[リュッツェラート(ドイツ) 17日 ロイター]
- スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが17日、ドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン州のリュッツェラート村で行われていた炭鉱開発に関する抗議活動中、警察に身柄を拘束された。
警察によると、拘束された参加者全員がその日のうちに解放される見通し。
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https://jp.reuters.com/article/climate-change-germany-thunberg-idJPKBN2TW1OF?feedType=mktg&feedName=&WT.mc_id=Newsletter-JP&utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_campaign=Weekday%20Newsletter%20%282022%29%202023-01-18&utm_term=NEW:%20JP%20Daily%20Mail
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世界的には、石炭から脱却する鵜流れに入っていたはず。
世界の投資機関は見限ったはずであるが・・・。
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なんと世界の政治のあやふやさ、ポピュリズムということなのか?
民主主義の危うさが、これからの世界を危うくする・・・・。
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では、草々
2023-1-19
森下克介
Posted by もりかつ at
10:28
│Comments(0)
2023年01月18日
もう「EV専用工場を立ち上げるための時間」が無くなっていると
前略
最近のニュースで、英国の自動車工場は、EV化の為に工場新設にあと7年しかない・・・。
と騒いでいると報道された。
確かに、大勢としては、2030年~2035年が期限である。
・・・・
本気で動くためのリードタイムはそう長くない・・・・。
世界中があわてているようでもある。
しかし、もう一度冷静に考えてみる必要があるはず。
「カーボン・フットプリント」を考えれば、数トンもある鉄の塊を作る時に、どれだけのカーボンフットプリントになるか???
更に、そんな鉄の塊を現在の15億台を超える車の代替えをするとしたらどんなことになるか・・・・・。
・・・・
運行時に出すGHGと廃棄の議論も必要でも前工程でのカーボン量には、ここでの「工場建設に伴うカーボン」も一台ごとに割り掛け償却されるとはいえ絶対値はとんでもないことになるはず。
・・・
ここで、鉄道に関しても同様に視点から考えれば、大がかりな土木工事・トンネルなどもとんでもないカーボン量になろう。
リニア新幹線だけでなく、世界中の高速鉄道も堪らない…しびれる・・・。
大型のコンテナ船も大変なもの、航空機も同様である。最近は電動モータの航空機とか言うが、今の航空機に代替えするつもりならそれこそ大変なカーボン排出になる・・・。
・・・・
そんな中で、日本では、EVを電動車と言い、エンジンを積んでいても電動モータで駆動すれば「電動車」というつもりらしい。
トヨタのHVへの抜け道を作っているとは、大変な国である。
確かに。欧米側の「トヨタのHV」潰しであっても、最終的には「課役燃料使用ゼロ」なのであるから、一緒に走るべきであろう。
往生際が悪すぎる・・・・。
嘗ての「政商・重工」の真似をしていては、時代錯誤であろう。
・・・・・
まともに考えても、13億台の車が2100年までEVで畝秋を走り回っていると考える人が何人いるのか、人数を数えてみたい・・・。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーーイギリスが2030年からガソリン・ディーゼルの新車販売を禁止ーーーーー
2020年12月01日 ; くるくら編集部 小林 祐史
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
イギリスは、ガソリン・ディーゼル車の新車販売を2030年から禁止と発表。
今年2月の発表から5年前倒しすることになった。
また今回からハイブリッド車は2035年で新車販売禁止となることが付け加えられている。
世界各国のエンジン車に対する新車販売禁止状況もまとめた。
・・・・
>>>2040年→2035年→2030年と、前倒しを加速したイギリス
2020年11月17日にイギリスは、ガソリン・ディーゼル車(乗用車等)の新車販売を2030年から禁止すると発表した。2017年7月に「2040年から禁止」、2020年2月に「2035年から禁止」と発表してきたが、今回で都合10年も前倒しすることとなった。また今回から、ハイブリッド車(以下HV)でさえも2035年から新車販売禁止ということも付け加えられている。
同国は、2050年までに温室効果ガス※1排出量を実質ゼロにする目標を法律で定めており、その一環としてガソリン・ディーゼル・ハイブリッド車の新車販売禁止を打ち出した。同時にEV(電気自動車)の普及を推し進めるために、購入資金の補助や充電施設の拡充などといった計画も今回発表している。なお近年のイギリスにおける新車販売は年間約300万台で、PHVも含むEVのシェアは拡大しているが、ガソリン・ディーゼル車が90%以上を占めている。2030年の新車販売禁止までの道のりは容易ではないようだ。
※1:二酸化炭素やメタン、亜酸化窒素などの平均気温を上昇させる原因といわれるガスのこと
世界各国のエンジン車の新車販売禁止はどうなっている?
日本では、10月26日に菅首相が臨時国会の所信表明演説で「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする」という2050年カーボンニュートラル宣言を行った。この宣言は、以前までの「2050年までに80%削減する」というものより一歩踏み込んだものとして注目されたが、ガソリン・ディーゼル車の新車販売禁止には言及せず、具体的な政策・規制を打ち出せてはいない。
そして世界の政策・規制に目を向けると、中国は2035年にガソリン・ディーゼル車の新車販売を禁止し、PHVを含むEVと、HVの割合を50:50にすることを掲げている。
北・中米では、2035年からPHV・HVも含む禁止を打ち出しているのがアメリカ・カルフォルニア州。PHVは除外して2035年からがカナダ・ケベック州。PHVは除外して2040年からがカナダ・ブリティッシュコロンビア州。なんとコスタリカは、来年の2021年からPHV・HVを含むガソリン・ディーゼル車を輸送分野から排除。
ヨーロッパでは、2025年からPHV・HVを含む禁止がノルウェー。2030年からPHV・HVを含む禁止がアイスランド、アイルランド、イギリス、オランダ、スウェーデン、ドイツ。PHVは除外して2030年からがスロベニア。2040年からPHV・HVを含む禁止がスペイン、フランス。
中東では、2030年からPHV・HVを含む禁止がイスラエル(トラックは天然ガス車に代える)。またアテネ、ブリュッセル、ローマ、ミラノ、シアトル、バンクーバー、メキシコシティ、ケープタウン、キトなどといった都市は独自に、ガソリン・ディーゼル車の新車販売禁止や通行禁止などの政策・規制を発表しているところがある。
このような潮流となったのは、2016年に発効した「パリ協定」が根底となっている。パリ協定は21世紀後半(2051年以降)までに、世界平均気温の上昇を産業革命前比で2度未満に抑えるのと、気温上昇原因である温室効果ガスを実質ゼロまで下げるという目標を掲げている。その目標を達成するために「2050年」という目途を世界各国が立て、さまざまな政策や規制、目標などが発表されてきた。
・・・・
エンジン車の新車販売禁止が「2050年」ではない理由
もしガソリン・ディーゼル車の新車販売禁止を2050年からとしたら、同年に販売された新車はその後の10数年以上も走行し続けることになる。つまり2051年以降もガソリン・ディーゼル車が多く使用され、パリ協定の実現が難しくなる。そこで各国は新車販売禁止の開始時期を、クルマの平均的な使用期間を差し引いた2020年から2040年に設定しているのだ。
このような情勢を踏まえて個人のカーライフに目を移すと、2020年代以降のクルマ購入では、「2051年以降」という要素を考慮する必要があるだろう。
世界各国のガソリン・ディーゼル車の新車販売禁止時期
2021年 コスタリカ▼
2025年 ノルウェー▲
2030年 アイスランド▲、アイルランド▲、イギリス▽、オランダ▲、スウェーデン▲、ドイツ▲、イスラエル▲、スロベニア
2035年 アメリカ・カリフォルニア州▲、中国、カナダ・ケベック州
2040年 スペイン▲、フランス▲、カナダ・ブリティッシュコロンビア州
▼は輸送分野からガソリン・ディーゼル車を排除
▲はPHV・HVも新車販売禁止の国
▽は2035年からHVの新車販売禁止の国
・・・・
ーーーー日本では2035年以降ガソリンとディーゼルの新車販売ができなくなる!2021/09/06 ーーーー
世界の自動車メーカーがEVシフトを進めるきっかけとなったのが、2015年12月に採択された「パリ協定」だ。
世界中で気候変動による災害が増えたことで、地球温暖化の歯止め、温室効果ガスの排出削減は喫緊の課題となっている。
そこで設けられたのがパリ協定で、各国はパリ協定での枠組みをもとに、それぞれの削減目標を掲げているのだ。
・・・・
特にヨーロッパ圏は熱心に取り組んでおり、イギリスは2030年、フランスは2040年までにガソリンとディーゼル車の販売を禁止し、EVに切り替えると発表。
EUも2035年までに内燃機関車の新車販売を禁止する方針を掲げている。
・・・・
>>>欧州にならい、日本でも2035年までに新車販売を電動車のみにすると発表!
これを受けて、特に欧州の自動車メーカーが続々とEVモデルへの切り替えを進めている。
そして、日本では2035年までに新車販売を電動車のみとする方針を打ち立てた。
・・・・
ここでの電動車にはハイブリッド車、EV、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)が対象となる。
つまり、2035年以降はガソリンとディーゼル車の新車は販売できなくなる。
軽自動車で主流のマイルドハイブリッドは含まれるかどうか未定だが、低価格で勝負している軽自動車に高価なバッテリーを積むわけにもいかないだろう。
今後の展開にも注目だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://kurukura.jp/car/20201127-80.html
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
どうして、人間は「馬鹿」という種の入れ替わってしまったのだろうか????
・・・・
では、草々
2023-1-18
森下克介
最近のニュースで、英国の自動車工場は、EV化の為に工場新設にあと7年しかない・・・。
と騒いでいると報道された。
確かに、大勢としては、2030年~2035年が期限である。
・・・・
本気で動くためのリードタイムはそう長くない・・・・。
世界中があわてているようでもある。
しかし、もう一度冷静に考えてみる必要があるはず。
「カーボン・フットプリント」を考えれば、数トンもある鉄の塊を作る時に、どれだけのカーボンフットプリントになるか???
更に、そんな鉄の塊を現在の15億台を超える車の代替えをするとしたらどんなことになるか・・・・・。
・・・・
運行時に出すGHGと廃棄の議論も必要でも前工程でのカーボン量には、ここでの「工場建設に伴うカーボン」も一台ごとに割り掛け償却されるとはいえ絶対値はとんでもないことになるはず。
・・・
ここで、鉄道に関しても同様に視点から考えれば、大がかりな土木工事・トンネルなどもとんでもないカーボン量になろう。
リニア新幹線だけでなく、世界中の高速鉄道も堪らない…しびれる・・・。
大型のコンテナ船も大変なもの、航空機も同様である。最近は電動モータの航空機とか言うが、今の航空機に代替えするつもりならそれこそ大変なカーボン排出になる・・・。
・・・・
そんな中で、日本では、EVを電動車と言い、エンジンを積んでいても電動モータで駆動すれば「電動車」というつもりらしい。
トヨタのHVへの抜け道を作っているとは、大変な国である。
確かに。欧米側の「トヨタのHV」潰しであっても、最終的には「課役燃料使用ゼロ」なのであるから、一緒に走るべきであろう。
往生際が悪すぎる・・・・。
嘗ての「政商・重工」の真似をしていては、時代錯誤であろう。
・・・・・
まともに考えても、13億台の車が2100年までEVで畝秋を走り回っていると考える人が何人いるのか、人数を数えてみたい・・・。
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ーーーーーイギリスが2030年からガソリン・ディーゼルの新車販売を禁止ーーーーー
2020年12月01日 ; くるくら編集部 小林 祐史
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
イギリスは、ガソリン・ディーゼル車の新車販売を2030年から禁止と発表。
今年2月の発表から5年前倒しすることになった。
また今回からハイブリッド車は2035年で新車販売禁止となることが付け加えられている。
世界各国のエンジン車に対する新車販売禁止状況もまとめた。
・・・・
>>>2040年→2035年→2030年と、前倒しを加速したイギリス
2020年11月17日にイギリスは、ガソリン・ディーゼル車(乗用車等)の新車販売を2030年から禁止すると発表した。2017年7月に「2040年から禁止」、2020年2月に「2035年から禁止」と発表してきたが、今回で都合10年も前倒しすることとなった。また今回から、ハイブリッド車(以下HV)でさえも2035年から新車販売禁止ということも付け加えられている。
同国は、2050年までに温室効果ガス※1排出量を実質ゼロにする目標を法律で定めており、その一環としてガソリン・ディーゼル・ハイブリッド車の新車販売禁止を打ち出した。同時にEV(電気自動車)の普及を推し進めるために、購入資金の補助や充電施設の拡充などといった計画も今回発表している。なお近年のイギリスにおける新車販売は年間約300万台で、PHVも含むEVのシェアは拡大しているが、ガソリン・ディーゼル車が90%以上を占めている。2030年の新車販売禁止までの道のりは容易ではないようだ。
※1:二酸化炭素やメタン、亜酸化窒素などの平均気温を上昇させる原因といわれるガスのこと
世界各国のエンジン車の新車販売禁止はどうなっている?
日本では、10月26日に菅首相が臨時国会の所信表明演説で「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする」という2050年カーボンニュートラル宣言を行った。この宣言は、以前までの「2050年までに80%削減する」というものより一歩踏み込んだものとして注目されたが、ガソリン・ディーゼル車の新車販売禁止には言及せず、具体的な政策・規制を打ち出せてはいない。
そして世界の政策・規制に目を向けると、中国は2035年にガソリン・ディーゼル車の新車販売を禁止し、PHVを含むEVと、HVの割合を50:50にすることを掲げている。
北・中米では、2035年からPHV・HVも含む禁止を打ち出しているのがアメリカ・カルフォルニア州。PHVは除外して2035年からがカナダ・ケベック州。PHVは除外して2040年からがカナダ・ブリティッシュコロンビア州。なんとコスタリカは、来年の2021年からPHV・HVを含むガソリン・ディーゼル車を輸送分野から排除。
ヨーロッパでは、2025年からPHV・HVを含む禁止がノルウェー。2030年からPHV・HVを含む禁止がアイスランド、アイルランド、イギリス、オランダ、スウェーデン、ドイツ。PHVは除外して2030年からがスロベニア。2040年からPHV・HVを含む禁止がスペイン、フランス。
中東では、2030年からPHV・HVを含む禁止がイスラエル(トラックは天然ガス車に代える)。またアテネ、ブリュッセル、ローマ、ミラノ、シアトル、バンクーバー、メキシコシティ、ケープタウン、キトなどといった都市は独自に、ガソリン・ディーゼル車の新車販売禁止や通行禁止などの政策・規制を発表しているところがある。
このような潮流となったのは、2016年に発効した「パリ協定」が根底となっている。パリ協定は21世紀後半(2051年以降)までに、世界平均気温の上昇を産業革命前比で2度未満に抑えるのと、気温上昇原因である温室効果ガスを実質ゼロまで下げるという目標を掲げている。その目標を達成するために「2050年」という目途を世界各国が立て、さまざまな政策や規制、目標などが発表されてきた。
・・・・
エンジン車の新車販売禁止が「2050年」ではない理由
もしガソリン・ディーゼル車の新車販売禁止を2050年からとしたら、同年に販売された新車はその後の10数年以上も走行し続けることになる。つまり2051年以降もガソリン・ディーゼル車が多く使用され、パリ協定の実現が難しくなる。そこで各国は新車販売禁止の開始時期を、クルマの平均的な使用期間を差し引いた2020年から2040年に設定しているのだ。
このような情勢を踏まえて個人のカーライフに目を移すと、2020年代以降のクルマ購入では、「2051年以降」という要素を考慮する必要があるだろう。
世界各国のガソリン・ディーゼル車の新車販売禁止時期
2021年 コスタリカ▼
2025年 ノルウェー▲
2030年 アイスランド▲、アイルランド▲、イギリス▽、オランダ▲、スウェーデン▲、ドイツ▲、イスラエル▲、スロベニア
2035年 アメリカ・カリフォルニア州▲、中国、カナダ・ケベック州
2040年 スペイン▲、フランス▲、カナダ・ブリティッシュコロンビア州
▼は輸送分野からガソリン・ディーゼル車を排除
▲はPHV・HVも新車販売禁止の国
▽は2035年からHVの新車販売禁止の国
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ーーーー日本では2035年以降ガソリンとディーゼルの新車販売ができなくなる!2021/09/06 ーーーー
世界の自動車メーカーがEVシフトを進めるきっかけとなったのが、2015年12月に採択された「パリ協定」だ。
世界中で気候変動による災害が増えたことで、地球温暖化の歯止め、温室効果ガスの排出削減は喫緊の課題となっている。
そこで設けられたのがパリ協定で、各国はパリ協定での枠組みをもとに、それぞれの削減目標を掲げているのだ。
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特にヨーロッパ圏は熱心に取り組んでおり、イギリスは2030年、フランスは2040年までにガソリンとディーゼル車の販売を禁止し、EVに切り替えると発表。
EUも2035年までに内燃機関車の新車販売を禁止する方針を掲げている。
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>>>欧州にならい、日本でも2035年までに新車販売を電動車のみにすると発表!
これを受けて、特に欧州の自動車メーカーが続々とEVモデルへの切り替えを進めている。
そして、日本では2035年までに新車販売を電動車のみとする方針を打ち立てた。
・・・・
ここでの電動車にはハイブリッド車、EV、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)が対象となる。
つまり、2035年以降はガソリンとディーゼル車の新車は販売できなくなる。
軽自動車で主流のマイルドハイブリッドは含まれるかどうか未定だが、低価格で勝負している軽自動車に高価なバッテリーを積むわけにもいかないだろう。
今後の展開にも注目だ。
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https://kurukura.jp/car/20201127-80.html
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どうして、人間は「馬鹿」という種の入れ替わってしまったのだろうか????
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では、草々
2023-1-18
森下克介
Posted by もりかつ at
10:13
│Comments(0)
2023年01月18日
「アタリ氏の提言」を笑い話のネタにされては「大いに困ります!!」
前略
昨日のNHK深夜便に、昆虫学者(奥村氏)が出席していろいろ面白い話題を話してくれた。
大変残念なことに、「アタリ氏の提言」をお笑いに話題にしてしまっていたことは心を折られた。
・・・・
昆虫を食べる?バッタの大発生に絡めて話題にしていた、草を食べるなんてと進んで、日本の調理人を冷やかしているとも言い始めた。
落としどころとして、本気で気候危機を考えるところまで進むかと思って聞いていたが、そのまま「冗談じゃない」という結論になって終了した。
・・・・
「アタリ氏」の提言こそ、私にとっては、まさしく日本人・世界の人々にとって真剣に考えるべき戦略的指針と考えていたところである。
昆虫といいっても、昔はイナゴの佃煮を食べた我々であり、ゼンマイなどの山菜を食べて季節を感じたり、ヨモギモチを食べたりしている、和食には多くの野の植物も取り入れられている、そんな現状を考えれば何の笑い話ではない、本気で考えてもいい。
蕎麦やもろこしなどは今でも食べられているのである。
私自身も休耕田などにはそれらの栽培も良い方向かと思っている、栄養素としても白米より豊富とかである。
・・・・
現状の穀物に自給率のうち「コメの自給率は100%」というが、それはコメを食べようとしている人々の為には100%であると多いことでしかないので、小麦のパンを食べている人たちの分は全て輸入されているということです、だからその人たちの分を米で賄わなければならないということです。
その他に、野菜も果物も不足です、それもハウスとか機械化されたオランダ農法などの生産品です。
肉はまさに輸入品であり、国産肉も飼料は輸入品であるわけです・・・、とんでもないことです。
・・・・
これらの事実を目の前にして、笑い話はあり得ないことではしょう。
司会者のNHKを含め日本のメディアや政治・行政にかかわる人々、流通を含めた企業の皆さんにも、近視眼を改め、すぐそこにある危機をどうするか、大いに議論をしたいものです。
・・・・
企業の皆さんには、どれだけのカーボンフットプリントになっているかよく勘g萎えて欲しいものです。
・・・・
再度、アタリ氏の発言・提言を添付いたします。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ジャック・アタリ氏の日本(世界)への提言 (2023-1-1)
NHKスペシャル、「混迷の世紀」(2023-1-1)
「2023巻頭言」「世界は平和と秩序を取り戻せるか?」
++++++++++++++++++++++++++++++++
(これは、上記のTV特番の日本語発言を書きだしたものです。)
食糧危機に関して「ジャック・アタリ氏」
――「現在の食糧難は更なる危機への入り口」――
アタリ氏:
もし、私たちがすぐに大規模に行動しなければ、人類史上最大の食糧危機が待ち受けている。
巨大な危機です、15億人以上に影響が及ぶでしょう。
NHKアナウンサー:
その危機が政治的な不安定さをもたらしているのでしょうか?
アタリ氏:
勿論影響します。過去4000年の間に世界中で起こった戦争の原因は常に飢餓でした。
飢餓があると人々は政府に不満を持ち絶望して組織化して反乱がおこります。
「フランス革命」は食料危機が引き金です、他の多くの反乱もそうでした。
ウクライナとロシアは輸出される30%ほど、肥料は40%以上を生産してきました。
そして、その大半が手にはいらない、これは大きな問題です。
作物の入手の問題に加えて、肥料や飼料・種子が使用できなければ、2023年、2024年には問題が生じるでしょう。
戦争は、確かに危機を悪化させています、しかし気候変動など他の要素もあります、食糧が全くなくなる恐れがあるのです。
更に、「深刻な水不足」は災害を呼び食糧生産に大きな影響を与えます。
「水不足」に「気候変動」、更に「戦争」が加わり「大戦争」に至るレシピは揃っています。
人口が減少している日本も巨大なリスクを抱えています。
農家は高齢化して、誰も農業をしたがらないのです。
日本では生産可能だったものも生産できなかなる大きなリスクがあります。
**提言「日本が食糧難を生き抜くために」**
NHK:
日本の食料自給率は38%で輸入に大きく依存してきました。日本が食料安全保障を向上させるために何をすべきだと思われますか?
アタリ氏:
日本の農家の育成に力を入れ、農業を魅力的にすべきです。
日本の農家は高齢化が進んでおり、代わる者がいないからです。農家になりたいと思う条件を整えなければなりません、そうしなければ農業は失われます。これは危機的なことです。社会的にも収益の面でも農業を魅力的にしていかなければなりません。
その上で、「農業政策」を大幅に見直すことです。
より多くの土地を農業に使えるよう長期的な政策を考え、「食生活」を変化させ、別の食材に切り替えること、例えば「昆虫や雑草」などです。
日本には優れた「調理人」がいるので上手く調理できるはずです。
これはやらなければならないことであり出来ることなのです。
昆虫・雑草などを取り入れ、「牛肉」を食べることを極端に減らせば、日本の自給率は大幅に高まります。
NHK:
減っている農家を増やしたり、昆虫などを食べることは現代社会で実現可能ですか?
アタリ氏:
単純な話です。
そうしなければ死んでしまいます。日本が消滅するだけです。
今までの食のあり方を「自らまかなう」という方向に考え直すべきです。
食料を「健康・文化の礎」として捉え直すことが社会全体で求められているのです。
++++++++++++++++++++++++
NHKの男(M)・女(FM)のアナウンサーの会話です。
FM:
日本にはいい調理人がいるから、昆虫や雑草を食べたらいいという提言を聞いた時には、ウーンと思った。
逆に言うと、それくらい厳しんだと、食に認識の甘さを突き付けられた様な気がしました。
M:
なるほどね、昆虫食は世界ではもう実用化されているところがある。
アタリさんは、「未来予測」に定評がある人です。気候変動に戦争という要因が加わって、ますます世界の食料事情が厳しくなっていくと、そんな中で確実に食糧を確保していくということであれば大胆に食生活を変える決意をする時に来ているのではないかと、今はその重大な「転換点」にあるのですよと伝えている最後のメッセージだったような気がしますね。
FM:
豊かな食に恵まれている日本に本当に意識を変えなければいけないという感じですね。
++++++++++++++++++++++++++
参加した他の有識者。
アレクセービッチ氏(ベラルーシ) じょせふ・アタリ氏(フランス) 中満泉(日本)
イアン・ブレマー氏(アメリカ) ゆべーる・ヴェドリース氏(フランス)
ダニエル・ヤ―キン氏(アメリカ) ジャック・マトロック氏(アメリカ)
それぞれに有益な発言がありました、その内のアタリ氏の分だけを取り上げました。
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では、草々
2023-1-18
森下克介
昨日のNHK深夜便に、昆虫学者(奥村氏)が出席していろいろ面白い話題を話してくれた。
大変残念なことに、「アタリ氏の提言」をお笑いに話題にしてしまっていたことは心を折られた。
・・・・
昆虫を食べる?バッタの大発生に絡めて話題にしていた、草を食べるなんてと進んで、日本の調理人を冷やかしているとも言い始めた。
落としどころとして、本気で気候危機を考えるところまで進むかと思って聞いていたが、そのまま「冗談じゃない」という結論になって終了した。
・・・・
「アタリ氏」の提言こそ、私にとっては、まさしく日本人・世界の人々にとって真剣に考えるべき戦略的指針と考えていたところである。
昆虫といいっても、昔はイナゴの佃煮を食べた我々であり、ゼンマイなどの山菜を食べて季節を感じたり、ヨモギモチを食べたりしている、和食には多くの野の植物も取り入れられている、そんな現状を考えれば何の笑い話ではない、本気で考えてもいい。
蕎麦やもろこしなどは今でも食べられているのである。
私自身も休耕田などにはそれらの栽培も良い方向かと思っている、栄養素としても白米より豊富とかである。
・・・・
現状の穀物に自給率のうち「コメの自給率は100%」というが、それはコメを食べようとしている人々の為には100%であると多いことでしかないので、小麦のパンを食べている人たちの分は全て輸入されているということです、だからその人たちの分を米で賄わなければならないということです。
その他に、野菜も果物も不足です、それもハウスとか機械化されたオランダ農法などの生産品です。
肉はまさに輸入品であり、国産肉も飼料は輸入品であるわけです・・・、とんでもないことです。
・・・・
これらの事実を目の前にして、笑い話はあり得ないことではしょう。
司会者のNHKを含め日本のメディアや政治・行政にかかわる人々、流通を含めた企業の皆さんにも、近視眼を改め、すぐそこにある危機をどうするか、大いに議論をしたいものです。
・・・・
企業の皆さんには、どれだけのカーボンフットプリントになっているかよく勘g萎えて欲しいものです。
・・・・
再度、アタリ氏の発言・提言を添付いたします。
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ジャック・アタリ氏の日本(世界)への提言 (2023-1-1)
NHKスペシャル、「混迷の世紀」(2023-1-1)
「2023巻頭言」「世界は平和と秩序を取り戻せるか?」
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(これは、上記のTV特番の日本語発言を書きだしたものです。)
食糧危機に関して「ジャック・アタリ氏」
――「現在の食糧難は更なる危機への入り口」――
アタリ氏:
もし、私たちがすぐに大規模に行動しなければ、人類史上最大の食糧危機が待ち受けている。
巨大な危機です、15億人以上に影響が及ぶでしょう。
NHKアナウンサー:
その危機が政治的な不安定さをもたらしているのでしょうか?
アタリ氏:
勿論影響します。過去4000年の間に世界中で起こった戦争の原因は常に飢餓でした。
飢餓があると人々は政府に不満を持ち絶望して組織化して反乱がおこります。
「フランス革命」は食料危機が引き金です、他の多くの反乱もそうでした。
ウクライナとロシアは輸出される30%ほど、肥料は40%以上を生産してきました。
そして、その大半が手にはいらない、これは大きな問題です。
作物の入手の問題に加えて、肥料や飼料・種子が使用できなければ、2023年、2024年には問題が生じるでしょう。
戦争は、確かに危機を悪化させています、しかし気候変動など他の要素もあります、食糧が全くなくなる恐れがあるのです。
更に、「深刻な水不足」は災害を呼び食糧生産に大きな影響を与えます。
「水不足」に「気候変動」、更に「戦争」が加わり「大戦争」に至るレシピは揃っています。
人口が減少している日本も巨大なリスクを抱えています。
農家は高齢化して、誰も農業をしたがらないのです。
日本では生産可能だったものも生産できなかなる大きなリスクがあります。
**提言「日本が食糧難を生き抜くために」**
NHK:
日本の食料自給率は38%で輸入に大きく依存してきました。日本が食料安全保障を向上させるために何をすべきだと思われますか?
アタリ氏:
日本の農家の育成に力を入れ、農業を魅力的にすべきです。
日本の農家は高齢化が進んでおり、代わる者がいないからです。農家になりたいと思う条件を整えなければなりません、そうしなければ農業は失われます。これは危機的なことです。社会的にも収益の面でも農業を魅力的にしていかなければなりません。
その上で、「農業政策」を大幅に見直すことです。
より多くの土地を農業に使えるよう長期的な政策を考え、「食生活」を変化させ、別の食材に切り替えること、例えば「昆虫や雑草」などです。
日本には優れた「調理人」がいるので上手く調理できるはずです。
これはやらなければならないことであり出来ることなのです。
昆虫・雑草などを取り入れ、「牛肉」を食べることを極端に減らせば、日本の自給率は大幅に高まります。
NHK:
減っている農家を増やしたり、昆虫などを食べることは現代社会で実現可能ですか?
アタリ氏:
単純な話です。
そうしなければ死んでしまいます。日本が消滅するだけです。
今までの食のあり方を「自らまかなう」という方向に考え直すべきです。
食料を「健康・文化の礎」として捉え直すことが社会全体で求められているのです。
++++++++++++++++++++++++
NHKの男(M)・女(FM)のアナウンサーの会話です。
FM:
日本にはいい調理人がいるから、昆虫や雑草を食べたらいいという提言を聞いた時には、ウーンと思った。
逆に言うと、それくらい厳しんだと、食に認識の甘さを突き付けられた様な気がしました。
M:
なるほどね、昆虫食は世界ではもう実用化されているところがある。
アタリさんは、「未来予測」に定評がある人です。気候変動に戦争という要因が加わって、ますます世界の食料事情が厳しくなっていくと、そんな中で確実に食糧を確保していくということであれば大胆に食生活を変える決意をする時に来ているのではないかと、今はその重大な「転換点」にあるのですよと伝えている最後のメッセージだったような気がしますね。
FM:
豊かな食に恵まれている日本に本当に意識を変えなければいけないという感じですね。
++++++++++++++++++++++++++
参加した他の有識者。
アレクセービッチ氏(ベラルーシ) じょせふ・アタリ氏(フランス) 中満泉(日本)
イアン・ブレマー氏(アメリカ) ゆべーる・ヴェドリース氏(フランス)
ダニエル・ヤ―キン氏(アメリカ) ジャック・マトロック氏(アメリカ)
それぞれに有益な発言がありました、その内のアタリ氏の分だけを取り上げました。
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では、草々
2023-1-18
森下克介
Posted by もりかつ at
09:36
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