2024年01月31日
「資本主義の真ん中で資本主義を考えても」、もう希望はないのです
前略
日本人が、日本人として、資本主義の真ん中(本人の自覚)で、資本主義の改革を叫んでいるようです。
特に、日本の場合には色んな不調和があるということです。
・・・・
成長至上主義は日本人の生活・信条にも深く浸みこんでいます。
グテーレスさんの云う「脱GDP」はこの真逆です。
資本主義のアップデートと言う切り口どころか、資本主義のコアの成長の指針であるGDP自体を否定する必要があるという時代です。
「次世代に対して持続可能な日本、地球環境」と言う言葉の中には、資本主義は存在しえないのではないでしょうか・・・。
そう思うます。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーーー「資本主義はもうダメ」なのか? ゴールドマン・サックスに16年在籍して見えてきたことーーーーーー
Business Insider Japan Brand Studio;2024-1-31、
[ Better Capitalism ] 「今こそ、資本主義を、アップデートしよう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・インフレ、円安、低成長、そして変わらない企業と組織……。
日本の「失われた30年」が35年になり、そして40年に向かおうとする中、私たちはこの流れに終止符を打てるのだろうか?
一方で海外、特にアメリカでは「成長至上主義」に限界や綻びが見え始めている。
2024年以降、この流れはどうなっていくのか? 『資本主義の中心で、資本主義を変える』著者の清水大吾さんに、資本主義の原状や課題、私たちに必要な視点を聞いた。
・・・・
>>>>そもそも日本に「資本主義」はない?
──ここ数年、日本では「新しい資本主義」が議論されることが増えました。
2024年以降、資本主義社会はどうなっていくと考えますか?
・・・・
そもそも私は、戦後の日本に本当の意味での「資本主義」は存在していなかったと考えています。
資本主義社会を分解すると、「消費市場」、「労働市場」、「資本市場」、という3つの市場に分解できます。
このうち消費市場には、厳しくモノを言う顧客がいて、資本主義の根本原理である競争原理が働いているでしょう。
しかし労働市場、資本市場は、日本ならではの慣習やシステムにより硬直化し、競争原理がしっかりと働いていないと思うのです。
つまり日本は「3分の1だけ資本主義」だったというのが私の見立てです。
・・・・
──労働市場、資本市場は、それぞれどんな改革が必要でしょうか。
まずは労働市場について教えてください。
まずもって、日本の雇用システムは極端に“流動性がない”ことが問題です。
一度大企業に入るとそこに約40年間所属し続ける。
従業員は簡単には辞めず、経営者もそれに甘んじてしまうという悪循環が起きています。
そのようなシステムだと、優秀な人や正当な評価を求める人は起業したり、海外へ流れていきます。
日本の労働市場は、もっと “選び、選ばれる”ことを前提に、人的資本の効率的な再分配を進めていくべき。
そのためには、雇用制度や労働関連の法律を変えることも必要でしょう。
・・・・
──資本市場についてはどうでしょう。
資本市場も、これまではほとんど機能していなかった、というのが私の感覚です。
株式会社の経営者は多くの場合、いわば株主から経営を託された“雇われ社長”です。
結果を出せばその分いい報酬をもらえるし、出せなければクビになる。
プロ野球の監督のようなものですね。
・・・・
アメリカではそのような考えは“当たり前”ですが、日本はそうではありませんでした。
これまで多くの上場企業は、株主から資本を託されているという感覚が希薄で、株主への説明責任を果たしているとは言い難い状況。
株主からの、厳しくも愛に溢れた忠告は経営に反映されず、せっかくの株主の声を封殺してきた。
いわば“なんちゃって資本市場”だったとっています。
・・・・
──そんな中で、変化の兆しはあるのでしょうか。
この状況を改善しようと、2015年にはコーポレートガバナンス・コードが制定され、改革が進んできました。
2023年には、東京証券取引所による旗振りでPBR(株価純資産倍率)改善施策の要請が進んでいます。
2024年は、さらに企業は株主への説明責任が問われ、“是々非々”で物事が決まる、「本当の資本市場」元年になるのではないでしょうか。2023年の終わり頃から、そんな兆しが見え始めています。
コーポレートガバナンスに関して言えば、2023年は内部告発により、これまでの理不尽なシステムや慣習が露わになった事例も目立ちました。
中にはネガティブに捉える方もいらっしゃいますが、こうして組織や経営が見直されていくことは、私は資本市場にとって良いことだと思っています。
また2024年からは新NISAが始まり、個人の投資マネーが本格的に日本の株式市場に流れ込むかもしれません。
そのような資金の受け皿になれるように、日本企業にはますます頑張ってほしいと思っています。
日本の慣習、ここは変えた方がよい
・・・・
──企業を見る際のポイントはありますか?
変化の兆しは、統合報告書 ※ からも読み取れます。
私は統合報告書を読むとき、まず最初に「内部告発」に関する記載を確認するようにしています。
たった一言「内部告発はゼロでした」と書いてある企業よりも、全部で何件あってそのうち何件はこのように対応をした、としっかりと開示している企業はコーポレートガバナンス改革が進んでいることの表れとも言えます。
投資家から見ても、ネガティブな情報を誠実に開示してくれる企業を信頼するようになるのは当然のことでしょう。
※企業の売上高や資産などの財務情報と、人的資本や知的資産などの非財務情報を統合して説明したレポート。
・・・・
──清水さんは、圧倒的な合理主義とも言われる米国のゴールドマン・サックス証券に約16年所属されていました。
日本の株式会社の慣習で、「ここは変えた方がよい」と思うことは?
例えば些細なことですが、アメリカに出張して海外投資家とミーティングをすると、帰り際は笑顔で握手してそのままバイバイです。
日本では、エレベーターが閉まるまでお辞儀をし続けているシーンをよく見かけます。
もちろん相手に敬意を払う心を持つことは、とても大事なことです。
でも、その数分×人数分を1年間に換算したら、会社にとってどれだけの機会ロスに繋がるのでしょうか。
株式会社は株主からお金を託されてビジネスをやっています。
その貴重な時間を無駄にしていると言われても仕方ありませんし、時間を有効に使うアメリカ企業にどんどん差を付けられてしまいます。
もちろん、このような素晴らしい日本の文化を否定しているわけではありません。
私が言いたいのは、エレベーターが閉まるまでお見送りをするようなことはプライベートな分野に限定すべきで、ビジネスの分野ではもっと合理的な時間の使い方でも良いのではないかということです。
・・・・
「お金には名前が書いてある」
──個人のレベルで、今日からできる意識改革はありますか。
私はよく「お金には名前が書いてある」と言っています。
自分は何の対価としてお金を払っているのか、使ったお金が社会にどのような影響を与えているのかを常に意識することが重要だと思うのです。
例えば、200円と250円の同品質の牛乳が売られているとします。
値段だけを見れば200円のほうを選ぶ人がほとんどでしょう。
そういったことまで考えるようにしてみると、自分の消費行動や判断軸が変わってくるかもしれません。
もちろん全ての情報が開示されているわけではないので、状況を理解することは簡単ではありませんが、とにもかくにも「自分の消費行動が社会全体の流れにつながる」という認識を持つことが大切です。
・・・・
──そういった積み重ねが、資本主義のアップデートにつながるということですね。
放っておくと、欲望のままにどこまでも行ってしまうのが資本主義。
相対的に悪くはないシステムだけれど、何も考えず欲望のままに使っているとそのうち思わぬ問題を引き起こしてしまいます。
私たち個人は、消費者であり、労働者であり、投資家でもあります。
我々一人ひとりが、「自分たちこそが今後の資本主義社会を作っていく」という意識で行動に責任を持つことが重要です。
資本主義を持続可能な形にアップデートすることは、どこかの誰かがやってくれることではありません。
我々がやらねばならないのです。
・・・・
──「資本主義はこの先どうなってしまうのか」と感じているビジネスパーソンに伝えたいことは?
日本の資本市場の大きな担い手である伝統的な大企業は、いつまで経っても昭和を引きずっている古い会社というニュアンスでJapanese Traditional Company (=JTC)と揶揄されることもありますが、確実に変化は起き始めています。
全てを挙げることはできませんが、例えば日立製作所やソニー、味の素、丸井……いずれも経営トップが鋭い判断をして、組織改革、人事制度改革が進んでいます。
「資本主義はもうダメだ」と言う人も多いですが、かといって資本主義に代わり得る良い経済システムが存在するわけではないのが現実です。
ないものねだりをするのではなく、「資本主義をアップデートする」という現実的で合理的な選択を粛々と実行するしかないのです。
これまでの考えやシステムを変えようとすると、必ず痛みも伴います。
しかし、これをやらねば次世代に対して持続可能な日本、地球環境を引き継ぐことはできないのです。
そのような覚悟を持ち、みんなで一緒に取り組みましょう、資本主義を持続可能な形にアップデートしましょう、と言いたいです。
・・・・
(取材・文:中島日和[Business Insider Japan Brand Studio]、デザイン:髙田尚弥)
清水大吾(しみず・だいご)
1975年、愛媛県西宇和郡伊方町生まれ。 2001年に京都大学大学院を卒業し、日興ソロモン・スミス・バーニー証券(現シティグループ証券)に入社。 07年にゴールドマン・サックス証券に入社し、16年からグローバル・マーケッツ部門株式営業本部業務推進部長(SDGs/ESG担当)。社会の持続可能性を高めるためには資本主義の流れを変える必要があると考え、社会の価値観そのものを変えるべく啓発活動を推進。 23年6月、同社を退職。著書に『資本主義の中心で、資本主義を変える』(NewsPicksパブリッシング)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AF%E3%82%82%E3%81%86%E3%83%80%E3%83%A1-%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%8B-%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%B3-%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%81%AB16%E5%B9%B4%E5%9C%A8%E7%B1%8D%E3%81%97%E3%81%A6%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%93%E3%81%A8/ar-BB1hwcGg?ocid=msedgntp&pc=LCTS&cvid=d9c104a6a0414684b8bc978dcc927368&ei=15
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
資本主義の真ん中にいて、資本主義の実像は判りにくいでしょう、やはり外側から見るともう少し違って見えるのではないかと思います。
銀河系を離れてみると、渦状の星団であるということが判るのでしょうが、ひょっとしたら「地動説」にしか見えないかもしれません・・・。
・・・・・
もう資本主義の仲間として世のなかで「飯を食っていく」ことはできないでしょう・・・・・・。
では、草々
2024-1-31
森下克介
日本人が、日本人として、資本主義の真ん中(本人の自覚)で、資本主義の改革を叫んでいるようです。
特に、日本の場合には色んな不調和があるということです。
・・・・
成長至上主義は日本人の生活・信条にも深く浸みこんでいます。
グテーレスさんの云う「脱GDP」はこの真逆です。
資本主義のアップデートと言う切り口どころか、資本主義のコアの成長の指針であるGDP自体を否定する必要があるという時代です。
「次世代に対して持続可能な日本、地球環境」と言う言葉の中には、資本主義は存在しえないのではないでしょうか・・・。
そう思うます。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーーー「資本主義はもうダメ」なのか? ゴールドマン・サックスに16年在籍して見えてきたことーーーーーー
Business Insider Japan Brand Studio;2024-1-31、
[ Better Capitalism ] 「今こそ、資本主義を、アップデートしよう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・インフレ、円安、低成長、そして変わらない企業と組織……。
日本の「失われた30年」が35年になり、そして40年に向かおうとする中、私たちはこの流れに終止符を打てるのだろうか?
一方で海外、特にアメリカでは「成長至上主義」に限界や綻びが見え始めている。
2024年以降、この流れはどうなっていくのか? 『資本主義の中心で、資本主義を変える』著者の清水大吾さんに、資本主義の原状や課題、私たちに必要な視点を聞いた。
・・・・
>>>>そもそも日本に「資本主義」はない?
──ここ数年、日本では「新しい資本主義」が議論されることが増えました。
2024年以降、資本主義社会はどうなっていくと考えますか?
・・・・
そもそも私は、戦後の日本に本当の意味での「資本主義」は存在していなかったと考えています。
資本主義社会を分解すると、「消費市場」、「労働市場」、「資本市場」、という3つの市場に分解できます。
このうち消費市場には、厳しくモノを言う顧客がいて、資本主義の根本原理である競争原理が働いているでしょう。
しかし労働市場、資本市場は、日本ならではの慣習やシステムにより硬直化し、競争原理がしっかりと働いていないと思うのです。
つまり日本は「3分の1だけ資本主義」だったというのが私の見立てです。
・・・・
──労働市場、資本市場は、それぞれどんな改革が必要でしょうか。
まずは労働市場について教えてください。
まずもって、日本の雇用システムは極端に“流動性がない”ことが問題です。
一度大企業に入るとそこに約40年間所属し続ける。
従業員は簡単には辞めず、経営者もそれに甘んじてしまうという悪循環が起きています。
そのようなシステムだと、優秀な人や正当な評価を求める人は起業したり、海外へ流れていきます。
日本の労働市場は、もっと “選び、選ばれる”ことを前提に、人的資本の効率的な再分配を進めていくべき。
そのためには、雇用制度や労働関連の法律を変えることも必要でしょう。
・・・・
──資本市場についてはどうでしょう。
資本市場も、これまではほとんど機能していなかった、というのが私の感覚です。
株式会社の経営者は多くの場合、いわば株主から経営を託された“雇われ社長”です。
結果を出せばその分いい報酬をもらえるし、出せなければクビになる。
プロ野球の監督のようなものですね。
・・・・
アメリカではそのような考えは“当たり前”ですが、日本はそうではありませんでした。
これまで多くの上場企業は、株主から資本を託されているという感覚が希薄で、株主への説明責任を果たしているとは言い難い状況。
株主からの、厳しくも愛に溢れた忠告は経営に反映されず、せっかくの株主の声を封殺してきた。
いわば“なんちゃって資本市場”だったとっています。
・・・・
──そんな中で、変化の兆しはあるのでしょうか。
この状況を改善しようと、2015年にはコーポレートガバナンス・コードが制定され、改革が進んできました。
2023年には、東京証券取引所による旗振りでPBR(株価純資産倍率)改善施策の要請が進んでいます。
2024年は、さらに企業は株主への説明責任が問われ、“是々非々”で物事が決まる、「本当の資本市場」元年になるのではないでしょうか。2023年の終わり頃から、そんな兆しが見え始めています。
コーポレートガバナンスに関して言えば、2023年は内部告発により、これまでの理不尽なシステムや慣習が露わになった事例も目立ちました。
中にはネガティブに捉える方もいらっしゃいますが、こうして組織や経営が見直されていくことは、私は資本市場にとって良いことだと思っています。
また2024年からは新NISAが始まり、個人の投資マネーが本格的に日本の株式市場に流れ込むかもしれません。
そのような資金の受け皿になれるように、日本企業にはますます頑張ってほしいと思っています。
日本の慣習、ここは変えた方がよい
・・・・
──企業を見る際のポイントはありますか?
変化の兆しは、統合報告書 ※ からも読み取れます。
私は統合報告書を読むとき、まず最初に「内部告発」に関する記載を確認するようにしています。
たった一言「内部告発はゼロでした」と書いてある企業よりも、全部で何件あってそのうち何件はこのように対応をした、としっかりと開示している企業はコーポレートガバナンス改革が進んでいることの表れとも言えます。
投資家から見ても、ネガティブな情報を誠実に開示してくれる企業を信頼するようになるのは当然のことでしょう。
※企業の売上高や資産などの財務情報と、人的資本や知的資産などの非財務情報を統合して説明したレポート。
・・・・
──清水さんは、圧倒的な合理主義とも言われる米国のゴールドマン・サックス証券に約16年所属されていました。
日本の株式会社の慣習で、「ここは変えた方がよい」と思うことは?
例えば些細なことですが、アメリカに出張して海外投資家とミーティングをすると、帰り際は笑顔で握手してそのままバイバイです。
日本では、エレベーターが閉まるまでお辞儀をし続けているシーンをよく見かけます。
もちろん相手に敬意を払う心を持つことは、とても大事なことです。
でも、その数分×人数分を1年間に換算したら、会社にとってどれだけの機会ロスに繋がるのでしょうか。
株式会社は株主からお金を託されてビジネスをやっています。
その貴重な時間を無駄にしていると言われても仕方ありませんし、時間を有効に使うアメリカ企業にどんどん差を付けられてしまいます。
もちろん、このような素晴らしい日本の文化を否定しているわけではありません。
私が言いたいのは、エレベーターが閉まるまでお見送りをするようなことはプライベートな分野に限定すべきで、ビジネスの分野ではもっと合理的な時間の使い方でも良いのではないかということです。
・・・・
「お金には名前が書いてある」
──個人のレベルで、今日からできる意識改革はありますか。
私はよく「お金には名前が書いてある」と言っています。
自分は何の対価としてお金を払っているのか、使ったお金が社会にどのような影響を与えているのかを常に意識することが重要だと思うのです。
例えば、200円と250円の同品質の牛乳が売られているとします。
値段だけを見れば200円のほうを選ぶ人がほとんどでしょう。
そういったことまで考えるようにしてみると、自分の消費行動や判断軸が変わってくるかもしれません。
もちろん全ての情報が開示されているわけではないので、状況を理解することは簡単ではありませんが、とにもかくにも「自分の消費行動が社会全体の流れにつながる」という認識を持つことが大切です。
・・・・
──そういった積み重ねが、資本主義のアップデートにつながるということですね。
放っておくと、欲望のままにどこまでも行ってしまうのが資本主義。
相対的に悪くはないシステムだけれど、何も考えず欲望のままに使っているとそのうち思わぬ問題を引き起こしてしまいます。
私たち個人は、消費者であり、労働者であり、投資家でもあります。
我々一人ひとりが、「自分たちこそが今後の資本主義社会を作っていく」という意識で行動に責任を持つことが重要です。
資本主義を持続可能な形にアップデートすることは、どこかの誰かがやってくれることではありません。
我々がやらねばならないのです。
・・・・
──「資本主義はこの先どうなってしまうのか」と感じているビジネスパーソンに伝えたいことは?
日本の資本市場の大きな担い手である伝統的な大企業は、いつまで経っても昭和を引きずっている古い会社というニュアンスでJapanese Traditional Company (=JTC)と揶揄されることもありますが、確実に変化は起き始めています。
全てを挙げることはできませんが、例えば日立製作所やソニー、味の素、丸井……いずれも経営トップが鋭い判断をして、組織改革、人事制度改革が進んでいます。
「資本主義はもうダメだ」と言う人も多いですが、かといって資本主義に代わり得る良い経済システムが存在するわけではないのが現実です。
ないものねだりをするのではなく、「資本主義をアップデートする」という現実的で合理的な選択を粛々と実行するしかないのです。
これまでの考えやシステムを変えようとすると、必ず痛みも伴います。
しかし、これをやらねば次世代に対して持続可能な日本、地球環境を引き継ぐことはできないのです。
そのような覚悟を持ち、みんなで一緒に取り組みましょう、資本主義を持続可能な形にアップデートしましょう、と言いたいです。
・・・・
(取材・文:中島日和[Business Insider Japan Brand Studio]、デザイン:髙田尚弥)
清水大吾(しみず・だいご)
1975年、愛媛県西宇和郡伊方町生まれ。 2001年に京都大学大学院を卒業し、日興ソロモン・スミス・バーニー証券(現シティグループ証券)に入社。 07年にゴールドマン・サックス証券に入社し、16年からグローバル・マーケッツ部門株式営業本部業務推進部長(SDGs/ESG担当)。社会の持続可能性を高めるためには資本主義の流れを変える必要があると考え、社会の価値観そのものを変えるべく啓発活動を推進。 23年6月、同社を退職。著書に『資本主義の中心で、資本主義を変える』(NewsPicksパブリッシング)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AF%E3%82%82%E3%81%86%E3%83%80%E3%83%A1-%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%8B-%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%B3-%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%81%AB16%E5%B9%B4%E5%9C%A8%E7%B1%8D%E3%81%97%E3%81%A6%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%93%E3%81%A8/ar-BB1hwcGg?ocid=msedgntp&pc=LCTS&cvid=d9c104a6a0414684b8bc978dcc927368&ei=15
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
資本主義の真ん中にいて、資本主義の実像は判りにくいでしょう、やはり外側から見るともう少し違って見えるのではないかと思います。
銀河系を離れてみると、渦状の星団であるということが判るのでしょうが、ひょっとしたら「地動説」にしか見えないかもしれません・・・。
・・・・・
もう資本主義の仲間として世のなかで「飯を食っていく」ことはできないでしょう・・・・・・。
では、草々
2024-1-31
森下克介
Posted by もりかつ at 14:18│Comments(0)