2023年05月24日
「養老先生の35年先の未来」を世界で共有して、先に進もう
前略
日本はこれからどうなるか?35年後には??
既に85年も生きて来られた、その中での多くの思考があり、今回は、
南海トラフ地震と首都直下地震、富士山噴火など大災害が、時代の変化を起こす、と言っています。
更に、その変化の先には、
** 僕は日本の地域は比較的小さく分割し、自給自足に近い暮らしをするようになると予想しています。***
これは現実的に動かせる社会でもあります。
現代社会では見失いがちな自分の役割がはっきりします。
他人も役割を果たしてくれないと困るという状況にたやすくなるし、したがって人と仲良くせざるを得ない。
・・・・・
少なくとも、日本ではきっとそうなるでしょう。それは私の感想と同じです。
*** おそらく問題は、それが国際的に許容されるかどうかでしょう。***
その様に、先生は話を区切りますが、
私はそれを世界で議論し、共通認識のする必要があると思います。
・・・・
ある面では、マルクス(別に共産党員ではありませんが)の追求した産業革命という「悪の社会」を越えていく先に「古代共同社会」を見たということです。
その先に「世界中を古代共同社会」にしようとしたら、「共産党独大国家・スターリン国家」が見えた、「共産党インター」も同じで、共産党独裁とは、中国習政権に見る通り「単なる独裁国家」すなわち「一党独裁国家」の典型国家ができあがった、「秦の始皇帝」ができあがってしまった。
でも、彼の見すえたのはこの様な小さく分割された自給自足社会という着眼点は共通認識になっていると思います。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ーーーーーー養老孟司「日本社会の根本は『天災』が変えてきた」 35年先の未来を読み解くーーーーー
2023-5-24,AERA,
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1988年5月の創刊から、AERAは今号で35周年を迎えた。
35年前と現在では、社会も人々の生活も大きく変わった。
これから先、35年先の未来には何が待ち受けるのか。
解剖学者・東京大学名誉教授・養老孟司さんが語る。AERA 2023年5月29日号から。
* * *
>>>長い歴史を見ると、日本の社会を根本から動かしてきたものは、天災ではないか。
最近、そう考えるようになりました。
たとえば今から100年前、1923年の関東大震災の後、大正デモクラシーの雰囲気が消え、田中義一の軍事内閣が成立しています。
さらに遡れば、1853年のペリー来航の翌年以降、東南海地震と首都直下地震が併発する「安政の大地震」が起こります。
平安時代も源平合戦後、武家政治に転換しますが、ここでも地震がありました。
鴨長明の「方丈記」に東南海で大地震が起こり、京都でも地震が半年続いたと書かれています。
一般には黒船来航が明治維新に進む契機とされ、地震はほとんど表には出てきません。
ですが、僕は災害により、その後何年にもわたり人々の日常生活が大きく変わったことが、社会を変容させたと考えています。
・・・・・
では、今後起こるだろう社会を変えうるほどの大災害は何かというと、南海トラフ地震でしょう。
ある専門家は2038年と予測しています。
もし安政のように、首都圏直下型地震も同時に起これば、あるいは富士山噴火も起これば、多くの人々の日常生活が変わらざるを得なくなります。
防災面での対策は各所で進んでいます。
しかし、その後、人々の生活や社会をどう再構築するかという議論は、ほとんど聞いたことがありません。
効率化で進んだ首都圏への一極集中は、天災時は最悪です。
物流が断たれ、人々の食料とエネルギーの確保が困難になります。
復興には莫大な資金が必要です。がれきなど大量に出る「災害ごみ」の処理も問題です。
・・・・・
僕は日本の地域は比較的小さく分割し、自給自足に近い暮らしをするようになると予想しています。
内田樹さんがかつて「廃県置藩(はいけんちはん)」と言ったように、藩ぐらいの単位です。
これは現実的に動かせる社会でもあります。
現代社会では見失いがちな自分の役割がはっきりします。
他人も役割を果たしてくれないと困るという状況にたやすくなるし、したがって人と仲良くせざるを得ない。
・・・・・
>>>■答えのない問題が残る
おそらく問題は、それが国際的に許容されるかどうかでしょう。
アメリカに支援を要請するか、中国が日本を買うか、そういう未来もあるかもしれません。
ただ、現代社会はすでに人間にとって生きやすい環境ではなくなっていると思います。
日本では少子高齢化が進み人口減少が続いていますが、これは先進国に共通した特徴です。
生きづらさゆえでしょう。
・・・・
条件をもとにシミュレーションして結果を予測し、それに従って効率的に動くという近代化以降の考えは、軍事と経済には向いています。
軍事と経済が加速した結果を、私たちはすでに見ているでしょう。
あとに残るのは、答えのない、解決できない問題ばかりです。
不幸なことに、人間にもそう考える癖がついてしまった。
それがそもそもおかしかったのではないか。
若者の死因に占める自殺の割合の高さを見るにつけ、そう思います。
・・・・
この20、30年の日本の状況を、経済では「失われた」といっていますが、確かにGDPは増えていません。
実質賃金は上がっておらず、その負荷を国民が背負っている。
けれども、エネルギーという視点で考えれば、この20年日本はエネルギーの増加を止めていたんです。
自然を破壊してこれ以上の発展を望まなかったともいえます。
それは、日本人が無意識に選択したことかもしれません。
・・・・
35年後ですか?
嫌な未来を考えればきりがありませんが、僕は未来を前向きにとらえています。
生きているとはどういうことか、人生とはなんだ。
昔ならヒマな学生が考えていたようなことを、大真面目に大人が考えなければならない時代になる。
そして、そういう日常こそが、人間を決めるのだと思います。
・・・・・
(構成/編集部・井上有紀子)※AERA 2023年5月29日号
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https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E9%A4%8A%E8%80%81%E5%AD%9F%E5%8F%B8-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%AE%E6%A0%B9%E6%9C%AC%E3%81%AF-%E5%A4%A9%E7%81%BD-%E3%81%8C%E5%A4%89%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%9F-35%E5%B9%B4%E5%85%88%E3%81%AE%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%81%BF%E8%A7%A3%E3%81%8F/ar-AA1bB2fA?ocid=msedgntp&cvid=5c6eaaea3bb644febb09457fd3ead426&ei=35
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35年先の予想をした、養老先生は素晴らしい!!
世の中の偉い人達は、EVの時代とか、水素社会とか、持続可能な社会SDGsの社会とか、断片的な視点からだけの発言である、これは全て「金儲け資本主義」を背景にした発言でしかない。
遠い未来を35年先に見た先生の慧眼には大いに共感します。
・・・・
では、草々
2023-5-24
森下克介
日本はこれからどうなるか?35年後には??
既に85年も生きて来られた、その中での多くの思考があり、今回は、
南海トラフ地震と首都直下地震、富士山噴火など大災害が、時代の変化を起こす、と言っています。
更に、その変化の先には、
** 僕は日本の地域は比較的小さく分割し、自給自足に近い暮らしをするようになると予想しています。***
これは現実的に動かせる社会でもあります。
現代社会では見失いがちな自分の役割がはっきりします。
他人も役割を果たしてくれないと困るという状況にたやすくなるし、したがって人と仲良くせざるを得ない。
・・・・・
少なくとも、日本ではきっとそうなるでしょう。それは私の感想と同じです。
*** おそらく問題は、それが国際的に許容されるかどうかでしょう。***
その様に、先生は話を区切りますが、
私はそれを世界で議論し、共通認識のする必要があると思います。
・・・・
ある面では、マルクス(別に共産党員ではありませんが)の追求した産業革命という「悪の社会」を越えていく先に「古代共同社会」を見たということです。
その先に「世界中を古代共同社会」にしようとしたら、「共産党独大国家・スターリン国家」が見えた、「共産党インター」も同じで、共産党独裁とは、中国習政権に見る通り「単なる独裁国家」すなわち「一党独裁国家」の典型国家ができあがった、「秦の始皇帝」ができあがってしまった。
でも、彼の見すえたのはこの様な小さく分割された自給自足社会という着眼点は共通認識になっていると思います。
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ーーーーーー養老孟司「日本社会の根本は『天災』が変えてきた」 35年先の未来を読み解くーーーーー
2023-5-24,AERA,
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1988年5月の創刊から、AERAは今号で35周年を迎えた。
35年前と現在では、社会も人々の生活も大きく変わった。
これから先、35年先の未来には何が待ち受けるのか。
解剖学者・東京大学名誉教授・養老孟司さんが語る。AERA 2023年5月29日号から。
* * *
>>>長い歴史を見ると、日本の社会を根本から動かしてきたものは、天災ではないか。
最近、そう考えるようになりました。
たとえば今から100年前、1923年の関東大震災の後、大正デモクラシーの雰囲気が消え、田中義一の軍事内閣が成立しています。
さらに遡れば、1853年のペリー来航の翌年以降、東南海地震と首都直下地震が併発する「安政の大地震」が起こります。
平安時代も源平合戦後、武家政治に転換しますが、ここでも地震がありました。
鴨長明の「方丈記」に東南海で大地震が起こり、京都でも地震が半年続いたと書かれています。
一般には黒船来航が明治維新に進む契機とされ、地震はほとんど表には出てきません。
ですが、僕は災害により、その後何年にもわたり人々の日常生活が大きく変わったことが、社会を変容させたと考えています。
・・・・・
では、今後起こるだろう社会を変えうるほどの大災害は何かというと、南海トラフ地震でしょう。
ある専門家は2038年と予測しています。
もし安政のように、首都圏直下型地震も同時に起これば、あるいは富士山噴火も起これば、多くの人々の日常生活が変わらざるを得なくなります。
防災面での対策は各所で進んでいます。
しかし、その後、人々の生活や社会をどう再構築するかという議論は、ほとんど聞いたことがありません。
効率化で進んだ首都圏への一極集中は、天災時は最悪です。
物流が断たれ、人々の食料とエネルギーの確保が困難になります。
復興には莫大な資金が必要です。がれきなど大量に出る「災害ごみ」の処理も問題です。
・・・・・
僕は日本の地域は比較的小さく分割し、自給自足に近い暮らしをするようになると予想しています。
内田樹さんがかつて「廃県置藩(はいけんちはん)」と言ったように、藩ぐらいの単位です。
これは現実的に動かせる社会でもあります。
現代社会では見失いがちな自分の役割がはっきりします。
他人も役割を果たしてくれないと困るという状況にたやすくなるし、したがって人と仲良くせざるを得ない。
・・・・・
>>>■答えのない問題が残る
おそらく問題は、それが国際的に許容されるかどうかでしょう。
アメリカに支援を要請するか、中国が日本を買うか、そういう未来もあるかもしれません。
ただ、現代社会はすでに人間にとって生きやすい環境ではなくなっていると思います。
日本では少子高齢化が進み人口減少が続いていますが、これは先進国に共通した特徴です。
生きづらさゆえでしょう。
・・・・
条件をもとにシミュレーションして結果を予測し、それに従って効率的に動くという近代化以降の考えは、軍事と経済には向いています。
軍事と経済が加速した結果を、私たちはすでに見ているでしょう。
あとに残るのは、答えのない、解決できない問題ばかりです。
不幸なことに、人間にもそう考える癖がついてしまった。
それがそもそもおかしかったのではないか。
若者の死因に占める自殺の割合の高さを見るにつけ、そう思います。
・・・・
この20、30年の日本の状況を、経済では「失われた」といっていますが、確かにGDPは増えていません。
実質賃金は上がっておらず、その負荷を国民が背負っている。
けれども、エネルギーという視点で考えれば、この20年日本はエネルギーの増加を止めていたんです。
自然を破壊してこれ以上の発展を望まなかったともいえます。
それは、日本人が無意識に選択したことかもしれません。
・・・・
35年後ですか?
嫌な未来を考えればきりがありませんが、僕は未来を前向きにとらえています。
生きているとはどういうことか、人生とはなんだ。
昔ならヒマな学生が考えていたようなことを、大真面目に大人が考えなければならない時代になる。
そして、そういう日常こそが、人間を決めるのだと思います。
・・・・・
(構成/編集部・井上有紀子)※AERA 2023年5月29日号
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https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E9%A4%8A%E8%80%81%E5%AD%9F%E5%8F%B8-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%AE%E6%A0%B9%E6%9C%AC%E3%81%AF-%E5%A4%A9%E7%81%BD-%E3%81%8C%E5%A4%89%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%9F-35%E5%B9%B4%E5%85%88%E3%81%AE%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%81%BF%E8%A7%A3%E3%81%8F/ar-AA1bB2fA?ocid=msedgntp&cvid=5c6eaaea3bb644febb09457fd3ead426&ei=35
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35年先の予想をした、養老先生は素晴らしい!!
世の中の偉い人達は、EVの時代とか、水素社会とか、持続可能な社会SDGsの社会とか、断片的な視点からだけの発言である、これは全て「金儲け資本主義」を背景にした発言でしかない。
遠い未来を35年先に見た先生の慧眼には大いに共感します。
・・・・
では、草々
2023-5-24
森下克介
Posted by もりかつ at 18:17│Comments(0)