2022年01月29日

南極大陸の棚氷」の融解、止めようがないのでしょうか

前略
以前から話題になっていた、南極の棚氷の融解事件・・。

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The radical intervention that might save the "doomsday" glacier
ーーー南極「終末の氷河」の危機を地球工学は救えるか?ーーーー
        by James Temple;2022.01.17、
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南極のスウェイツ氷河東側の棚氷の亀裂が広がっており、棚氷が切り離された場合、海面上昇で何千万人もの人々の生活に影響が出る可能性がある。
ある研究チームは、海中にカーテンを設置することで、これを食い止められるかどうかを調べている。
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学者の国際チームは2021年12月に、南極のスウェイツ氷河東側の棚氷(氷河から海に押し出されたまま、氷河につながっている氷)に巨大な亀裂が生じており、その亀裂が大きくなっていると報告した。
スウェイツ氷河は南極大陸の西部に120キロメートルにわたって広がる、米フロリダ州とほぼ同規模の氷河である。
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研究チームは、早ければ5年のうちに、亀裂が入っている棚氷が切り離されて海に流れ出してスウェイト氷河を支えている支柱がなくなる可能性があると警告した。
連鎖反応が起これば、さらに高くそびえる氷の崖が露出し、粉々に砕けて崩壊するかもしれない。
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「国際スウェイツ氷河共同研究(ITGC:International Thwaites Glacier Collaboration)」の研究者らによると、「終末の氷河(Doomsday glacier)」と呼ばれる同氷河が完全に崩壊した場合、海面が60センチメートル上昇し、南極周辺のほかの氷河も同様の崩壊プロセスに引きずりこまれた場合には海面が約1.5メートルも上昇する可能性があるという。
いずれにしても、世界中の沿岸地域の都市が洪水に見舞われ、何千万人もの人々の生活が脅かされることになる。
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こうしたすべてのことは喫緊の課題を提示する。この現象を食い止めるためにできることはあるのだろうか? ということだ。
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ィンランドのラップランド大学北極圏センター(Arctic Centre)の氷河学者であるジョン・ムーア教授は、気候変動の原因となり、棚氷の下の海水を暖めている温室効果ガスの排出を世界各国が直ちに停止したとしても、スウェイト氷河の重要な支柱をぶ厚くして再度安定させることはできないだろうと述べる。
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ムーア教授は、「スウェイト氷河の崩壊を防ぐ唯一の方法は、氷床を物理的に安定させることです」と主張する。
そのために必要となるのが、氷河を積極的に保護するための画期的な対策となる、地球工学(ジオエンジニアリング)と呼ばれる手法だ。
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ムーア教授らは、重要な氷河を守るために人類がとれる手段を提案している。提案の中には、極地で人工的な支柱を建設する巨大プロジェクトや、自然に手を加えて既存の構造物を回復するような構造物を設置する計画などが含まれている。
基本となる考え方は、問題の原因となっている部分にほんの少しの工学的な対策を講じることにより、すべての沿岸地域や低地の島国が直面する物的損害や洪水の危険性、被害を最小限に抑えるのに必要な対策プロジェクトの費用を大幅に削減できるというものだ。
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地球工学の手法がうまくいけば、重要な氷床をあと数世紀は保てる可能性があり、温室効果ガスの排出量を削減して気候を安定させるための時間を稼げると、研究チームは主張している。

しかし、この手法には、物流、エンジニアリング、法律、財政といったさまざまな面で膨大な課題がある。また、どれほどの効果があるのか、最大級の氷河が失われる前に実施できるかどうかは、まだ明らかになっていない。

暖められた水の流れの方向を変える

ムーア教授とプリンストン大学のマイケル・ウォロビック博士らは、2018年に発表した記事や論文の中で、大規模な土木工事によってスウェイツ氷河をはじめとする重要な氷河を保全する可能性について論じた。

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https://www.technologyreview.jp/s/266539/the-radical-intervention-that-might-save-the-doomsday-glacier/?utm_source=MIT%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC+-+%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC&utm_campaign=6ecc49d9f7-NewsLetter_TheWeekend&utm_medium=email&utm_term=0_6f0fb6e76b-6ecc49d9f7-194497713&mc_cid=6ecc49d9f7&mc_eid=a30e82edf2
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すでに、以前から南極氷河の融解の話題はあった。
話題にあると言いう程度だけで、本格的な議論にならなかった。
どうしてなんだろう・・・。
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この様な議論が進まないのは、「気候危機を・軽視している」ということの表れなのか?
これだけの議論で、地球全体の気温上昇を全員で議論しなかったのはなぜか?今になってもこの議論は進んでいない・・。

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ーーーー崩壊を始めた南極西部の氷河ーーーー
    ナショナル・ジオグラフィック;2014.05.15、
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 地球温暖化によって南極西部の巨大な氷河が崩壊を始めている。
12日、大幅な海面上昇を招く可能性を警告する2つの重要な研究論文が発表された。 
南極西部の厚さ3.2キロの氷河は、あと数千年は安定した状態を保つと考えられてきた。
ところが実際は、数百年後には完全に消失する可能性が高いと論文は示唆している。
カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)とNASAの共同研究チームによれば、西南極氷床で急激に進む融解は不可逆的で、このままでは丸ごと海に沈んでしまうという。
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 UCIで地球科学の教授を務めるエリック・リグノ(Eric Rignot)氏は、「氷の後退は海面上昇に重大な影響を及ぼすだろう」と警告。
リグノ氏が主導した論文はアメリカ地球物理学連合の学術誌に掲載されている。
 12日、リグノ氏は電話での記者会見を通じて、40年間の観測を基にまとめた今回の論文では、アムンゼン海の6大氷河が“後戻りできないところまで来てしまった”証拠を提示していると説明した。
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https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/9235/
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IPCC国連自体が動いていない・・。
もうそんな時代ではないのかもしれない。すぐにでも止めなければならない、という認識を共有することになったということでしょう。
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いずれにしても、ここまで来たら、国連・IPCCが、号令をかけなければならないのでしょう。
これでいいのでしょうか??
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では、草々
2022-1-29
森下克介



Posted by もりかつ at 11:54│Comments(0)
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南極大陸の棚氷」の融解、止めようがないのでしょうか
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