2021年08月31日

「CCS」への最後の挑戦が始まる

前略
アメリカ政府が「CCS」に挑戦することを公表した。
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多くの疑念を持つ研究者がいて、その困難さが分かっている中で、挑戦である。

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Why capturing carbon is an essential part of Biden's climate plans
--ーーーバイデン政権が本腰、「二酸化炭素貯留」の狙い幹部に聞くーーーーー
       by James Temple2021.08.31、MIT,
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米国のバイデン政権が取り組む気候変動への取り組みの一つの柱となるのが、「二酸化炭素の回収・貯蔵(CCS)」だ。環境問題の活動家からは反対意見も根強いが、二酸化炭素排出量削減が困難な業界には必要なものだという。
化石エネルギー・炭素管理局の幹部に狙いを聞いた。
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米国のバイデン大統領が任期初期に掲げた気候変動への取り組みは、一般受けの良い施策を優先したものになった。パリ協定への再加入、クリーンエネルギーやクリーン車両の購入、化石燃料に対する補助金の廃止などだ。ただ、二酸化炭素排出実質ゼロ(ネットゼロ)に向けて舵を取る政府の戦略は、それほど明白ではないにせよ、より厄介な領域に大きく依存している。地球温暖化を促進する大量の二酸化炭素を回収・除去する技術だ。
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今年7月、米国エネルギー省の化石エネルギー局(Office of Fossil Energy)は、「化石エネルギー・炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management)」に改称された。
これまで化石燃料採掘の効率化とその燃料をエネルギーに転換する方法の効率化に重きを置いてきた部署が、明確な転換を図っていることを公に示すサインだ。
この部署は現在、およそ750人の連邦政府職員を擁し、10億ドル近い予算を握っている。
中心的な目標は、気候変動に加担する「汚染産業」をクリーンにするための、安価で優れた方法を開発することだ。
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新たな優先課題となるのは、工場や発電所からの二酸化炭素の放出を防止し、大気中から二酸化炭素を除去し、新たな製品へと加工し、永久に貯留するテクノロジーや手法の開発だ。
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バイデン大統領の計画は、すでに上院で可決された1兆ドル規模のインフラ法案にも現れている。同法案では、空気中から二酸化炭素を吸収し、パイプラインを通じて輸送し、地下深くの地層に埋蔵する、直接空気回収(DAC:Direct-Air Capture)プラントの開発に数十億ドルを拠出することになっている。
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気候変動対策を訴える活動家の多くが、二酸化炭素貯留は化石燃料をできるだけ早く廃絶するという最大の目標からの逸脱だと主張する。
また、この分野が多くの失敗を経験してきたのも事実だ。
米国エネルギー省は、20億ドル近くを注ぎ込んだ次世代クリーン石炭プロジェクトなど、数々の失敗を重ねてきた。
だが研究によれば、二酸化炭素の除去・貯留なしに二酸化炭素排出量を削減し、危険なレベルの温暖化を食い止めるのはきわめて困難かつ高コストであり、とりわけ重工業においては他の選択肢はほとんどない。
また、世界各地で商業的プロジェクトの成功例は増えつつあり、鉄鋼や水素、肥料の工場での排出削減に貢献している。
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——米国エネルギー省は、社会の脱炭素化と気候変動対策を進めるという広範な取り組みの中で、二酸化炭素の回収・貯蔵がどのような役割を果たすと考えているのですか?
再生可能エネルギーへの転換が可能な分野においては、そのような選択が望ましいでしょう。
しかし、それができない場合は、二酸化炭素の回収・貯蔵(CCS:Carbon Capture and Storage)がきわめて重要な役割を果たします。
セメントなどの業界では、排出する二酸化炭素の回収にCCSが必要不可欠であると認識しています。
実際に必要とされるエネルギーに由来する排出二酸化炭素だけでなく、二酸化炭素の排出を回避する手段がないような製造プロセスで排出される分についても(CCSによる)回収が可能です。
CCSは、脱炭素化が困難な多く …
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https://www.technologyreview.jp/s/254914/why-capturing-carbon-is-an-essential-part-of-bidens-climate-plans/?utm_source=MIT%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC+-+%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC&utm_campaign=0b591fbd81-NewsLetter_TheDaily&utm_medium=email&utm_term=0_6f0fb6e76b-0b591fbd81-194497713&mc_cid=0b591fbd81&mc_eid=a30e82edf2
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確かに、セメントのない未来は考えにくい、鉄のない未来も考えにくい、その他にもあるはずである。
重要なのは、「食糧生産」によるGHG排出である。
こう見てくると、プラントから出てくる「高濃度のCO2」に対する技術と、耕作地におけるメタン系の温暖化ガスへの対応策、これは低濃度で拡散型である。
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これからの「アメリカ政府の本格的な挑戦」を世界が見守ることになろう。
しかし、それはまずい!、世界中が同じ考え方で挑戦しなければ、結論をどうするか決められない。
ひょっとして、セメントも鉄もやめる決断をしなければならないとしたら、まさに「縄文時代」の社会になるが、その選択は同時に森林が無くなる社会になる危険がある、砂漠になる、其れでは困る、大いに困ることになる。
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世界のセメントも鉄も最小限にする(世界政治の管理下に入る。これも大変である)、その上で産業革命以前の生活・社会を築き上げることになって、やりきれないはず。
どうしても、「地球全緑化」を実施しなければならない、地球が石炭紀になるほど、地上の炭素を吸収して固定化するのです。
これこそ、極々低濃度のCO2を分離し固定化する手法である。
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最近の「バイオマス議論」の勘違いを正す意味でも大いに頑張る必要がある、大気中の酸素濃度がどこまで上がるか、巨大トンボが舞うようになるかもしれないがそれも結構でしょう。(昆虫食の対象が増える・・)
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いずれにしても、科学技術一辺倒の期待は間違いを犯すことになる可能性が高い、「時間的にも俯瞰的な思考」で乗り切るために、世界がその限界を明らかにして、進むべき道を明確にしなければならない。
一方で私の考え方のリファインを進めないといけない、これこそ最終案であるから、しかしこれ以上の案も無いはずです。
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では、草々
2021-8-31
森下克介



Posted by もりかつ at 10:04│Comments(0)
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