2021年05月30日

「石油メジャー」が大揺れです、石炭は如何に

前略
石油メジャーが揺れている。
株主総会や法廷で変化を要請されている。
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エクソン・モービルも餌食になった。

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ーーーーー「FT]相次ぐ石油メジャー敗北、環境闘争転機にーーーー
      2021年5月28日
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Financial Times;;石油メジャーが「気候の審判」に揺れた。
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メジャー各社は二酸化炭素(CO2)排出削減の詳細な計画を打ち出していた。
だが、今週の株主総会や法廷での衝撃的な敗北は、社会の大きな潮流がより迅速な変革を求めていることを浮き彫りにした。
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米産業界の巨人エクソンモービルの株主は、物言う株主が提出した取締役会を刷新する大胆な提案を支持し、新任の取締役たちにCO2排出削減の野心的な戦略を推進する任務を託した。
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同じく26日、エクソンの株主投票よりも前に、オランダの裁判所は英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルにCO2削減の加速と拡大を命じた。
一方、米シェブロンの株主は気候変動対策に関する議案で経営陣に反対票を投じ、販売製品の使用によるCO2排出の削減に厳しい目標を定めることを初めて承認した。
一連の動きは、気候変動対策にこれまで以上に積極的に取り組むよう石油メジャーに求める圧力が高まっていることを物語っている。その影響は、エネルギー供給からエネルギー産業まで広い範囲に及ぶ。
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>>崩れるエネルギー経済の前提
2、3年前には一般的だったエネルギーに関する前提が崩れている。
国際エネルギー機関(IEA)は先週、画期的な報告書を公表した。
2050年の排出削減目標を達成するには新たな石油・ガス田への投資を打ち切る必要があるとしたのだ。
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11月の国連気候変動枠組み条約締約国会議を前に世界各国がCO2排出量実質ゼロの目標を打ち出すなかで、石油メジャーに厳しい目が向けられている。ほとんどの石油メジャーが気候対策を強化しているが、英シンクタンク「カーボントラッカー」の最新調査によると、それでも地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の目標達成に届いていない。
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機関投資家は、大量のCO2を排出する企業に気候変動対策を取らせるために影響力を行使する動きを強めている。
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>>ブラックロック、環境投資に傾斜
米資産運用最大手ブラックロックはここ1年、ラリー・フィンクCEOがサステイナブル(持続可能性)投資を進める方針を強調しており、エンジン・ナンバーワンが提案した取締役候補4人のうち3人を支持した。
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英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のグランサム気候変動環境研究所で気候変動訴訟と環境ガバナンスを専門とするジョアナ・セッツァー氏は、「裁判所は、(今回の判決を通じて)、シェルだけでなくエネルギー業界と世界のCO2排出企業は石油・ガス採掘量を減らし、排出削減をしなければならないと言っている」
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>>全てが変わった日
26日、エクソン、シェル、シェブロンの敗北によって、石油業界の気候対策という難題が浮き彫りになったとアナリストは指摘する。
「後で振り返れば、全てが変わった日となるだろう」――。気候対策に関する投資家の行動を束ねるCeres(環境に責任を持つ経済のための連合)で石油・ガス業界を担当するアンドリュー・ローガン氏はその一日をこう評した。
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM282JR0Y1A520C2000000/?unlock=1
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取り敢えず、此処での話題になっている「ブラックロック」の紹介です。
ブラックロックのパーパスは、より多くの方々が豊かな生活を送ることができるよう、サポートすることです。お客様の資金を預かり運用するフィデューシャリーとして、また金融テクノロジーにおけるリーダーとして、お客様の目標実現に必要なソリューションを提供しています。ブラックロックの運用資産残高は9.01兆米ドル(約995兆円)です(2021年3月末時点、1ドル=110.5円換算)。
※パーパスとは、企業が何のために存在するのか、企業の社会における存在意義をさします。
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さてさて、ところで株主は何を求めているのかが見えません。
それでも、株価の値上がり、配当増加はキット欲しいのでしょう。
自分たちの主要商品「化石燃料」を売り逃げするという作戦もありそうですが(コロニアル・パイプラインの災害で価格上昇中)その後の事業戦略
の話題がありません。
それでも「金儲け資本主義」の片棒を担いでいることの変わりはないですね。
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石炭産業は,石炭火力発電がやり玉に挙げられていますが、それだけでは不足の様です。
因みに、
日本での用途は;電力:40%、鉄鋼:38%、化学工業:8%、セメント・窯業:6%、紙パルプ;3%、コークス:1%、その他:4%ということです。
「石油業界の販売中止作戦」と同様に「石炭業界の販売中止戦略」も必要でしょう。
確かに、鉄鋼等の産業をダメにするのも忍びないのは、自動車や電力など日常の生活をダメにすることに関しては同じです。
忍びなさは両方とも、とんでもなく辛い結果を生みます。
不思議さは、EVが世界を救うような幻想を抱いている世界がまだ判りません。再生可能エネルギーがそんなにうまくいくはずがありません。
それでも、IPCCは、石油産業と石炭産業を含む「化石燃料の使用をゼロにしなければ、人間も地球生態系もろともに破滅すると言っているのです。
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どうして、世界中の議論がここから始まらないのか?不思議です。
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では、草々
2021-5-30
森下克介



Posted by もりかつ at 07:26│Comments(0)
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「石油メジャー」が大揺れです、石炭は如何に
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