2021年01月26日
「ダイナミック・ケイパビリティ」「正しく変化」とは
前略
発想法の話題です。
日本人向けということですが、世界の人にもきちんと理解してほしいものです。
「気候危機」とこれからは言います、時間のなさも話題です。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
----ドラッカーの警告、正しくやるから日本は変革できない ----- 2021/1/25日経
,デビッド・ティース(David J.Teece) 産業組織論、技術変革研究の世界的権威で、200本以上の論文を発表。特に1997年発表の論文で提唱した「ダイナミック・ケイパビリティ」の概念は大きな反響を呼び、今も数多くの研究者が理論化に取り組んでいる。
・・・・・・・・・
「『正しく変化する能力』――。これをダイナミック・ケイパビリティと呼びたい」
――具体的にはどのような能力を指すのでしょうか。
「私が敬愛するピーター・ドラッカーは、こんな言葉を残した。『正しくやることが重要なのではない。正しいことをやるのが重要なのだ』*」
* 『現代の経営(下)』(上田惇生訳)には、「重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを探すことである。間違った問いに対する正しい答えほど、危険とはいえないまでも役に立たないものはない」とある。
――変化するにあたっても、「やり方」を変えるのでは不十分である。「やること」を変えろ、ということですか。
・・・・・・
「日本はこれまで、物事を『正しくやる』ことで成功してきた。トヨタ生産方式は、物事を正しくやるシステムだ」
「しかし、『正しいことをやる』というのはまた別の問題で、イノベーションや知識創造に関わる。どうイノベーションを起こすか。日本はずっとそれが課題だといわれてきた」
「そんな日本に今後、必要なのが、ダイナミック・ケイパビリティの開発なのだ」
――「正しくやる」ことと、「正しいことをやる」ことの違いについて、教えてください。
・・・・・・・
「日本は、効率を上げることについて素晴らしい能力を持っている。これを『オーディナリー・ケイパビリティ』と呼ぶ。物事を『正しくやる力』だ」
「日本を研究すると、ダイナミック・ケイパビリティ(正しいことをやる能力)と、オーディナリー・ケイパビリティ(正しくやる能力)の違いがよく分かる」
「もちろん、日本にも素晴らしいイノベーションは起きているが、まだ足りない。デジタル革命を見なさい。日本には、グーグルもフェイスブックもネットフリックスもない。アップルもない。欧州はというと、スポティファイがあるが、それぐらいだ」
・・・・・・
――「正しいこと」をやるにはまず、次にくる大きなうねりを見つけ出さなければならないわけですね。
――ダイナミック・ケイパビリティには3つのプロセスがありますね。
第1に、事業機会や脅威を察知する「センシング」。
第2に、察知した事業機会や脅威に対応してリソースを動かし、競争優位を獲得する「シージング」。
第3に、競争優位を得た後も変容を続ける「トランスフォーミング」。
このプロセスを推進するには、エコシステムを構築する必要がある、というわけですね。
・・・・・・
ダイナミック・ケイパビリティとは、要するにモノの考え方であり、新しい思考法だ。私は『メンタルモデル』と呼んでいる」
――銃弾一発ごときでイノベーションは起きない、と。ティース教授自身も、経営学のさまざまな分野の研究者と交流し、相互に刺激し合いながら理論を発展させていますね。
・・・・・・
■大ざっぱな理論でも、正しい答えは出る
――「ダイナミック・ケイパビリティ」の「ケイパビリティ」は、「潜在能力」のことを指しますね。経営学でも経済学でも使われる概念です。
「実際には、大ざっぱなモデルから、十分に正しい答えは得られる。その方が分かりやすく、使いやすい。研究者は今、数学的には美しいものの間違っているようなモデルを、たくさん使い過ぎている」
・・・・・・
業界ではなくエコシステムを、オーディナリー・ケイパビリティではなくダイナミック・ケイパビリティを、などといった、日本企業に目指してほしいメンタルモデルについて話をするつもりだ」
・・・・・・
https://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXZQOFK214HE0R20C21A1000000
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
早速、トヨタが皮肉を込めて取り上げられている。
次に来る「大きなウネリ」を見つけなければならないという。
「センシング」ー「シージング」ー「トランスフォーミング」というプロセスを示している。
銃弾一発ごときでイノベーションは起きない。
大ざっぱな理論でも、正しい答えは出る。
私の理解では、「大雑把に次の通りです」
丁度「ローマクラブの「成長の限界」」はこれに近い発想と言えそうです。
もう一つ、アレニウスが既に19世紀半ばに地球の温暖化を解明していた。
アレニウスの解説があります。国立環境研究所です。
++++
ーー「しのびよる地球温暖化の影響 - 国立環境研究所」---
2005/04/23 — が2倍になったときに、5∼6℃気温が上昇すると予測した。 アレニウスは工業化した国が、石炭などの化石燃料を燃す. ことによって、大気中の二酸化炭素を増やし、温暖化を進め. 、気候を不安定にすることを知っていた。
「file:///C:/Users/Owner/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/5GISD8YH/harasawa%20(1).pdf」
++++++
この一年間は政治の世界でも「野党でも」「新型コロナウイルス」の話題で一杯です。
どうして、菅首相の宣言した「GHG排出実質ゼロ」に喰いつかないのか、極めて不思議です。
目先の話題で、国民が理解(?)しやすく、飛びついてくるので「票になる」とでも考えているのでしょうか?
少し国民(票)を甘く見ているとしか見えません。
政治の世界で、野党が突っ込みを入れるところは「気候危機」をどう理解して、どうするか、正しいことをやるストーリーが出てきてもおかしくない。気になるなら、欧州を見習うのでも良いのではないか?でも中途半端では失敗します、それならそれまでのことでしかないということです。
政治こそ国民の生活で、す「生命財産」と軽く言いますが、今こそその時でしょう。
では、草々
2021-1-26
森下克介
発想法の話題です。
日本人向けということですが、世界の人にもきちんと理解してほしいものです。
「気候危機」とこれからは言います、時間のなさも話題です。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
----ドラッカーの警告、正しくやるから日本は変革できない ----- 2021/1/25日経
,デビッド・ティース(David J.Teece) 産業組織論、技術変革研究の世界的権威で、200本以上の論文を発表。特に1997年発表の論文で提唱した「ダイナミック・ケイパビリティ」の概念は大きな反響を呼び、今も数多くの研究者が理論化に取り組んでいる。
・・・・・・・・・
「『正しく変化する能力』――。これをダイナミック・ケイパビリティと呼びたい」
――具体的にはどのような能力を指すのでしょうか。
「私が敬愛するピーター・ドラッカーは、こんな言葉を残した。『正しくやることが重要なのではない。正しいことをやるのが重要なのだ』*」
* 『現代の経営(下)』(上田惇生訳)には、「重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを探すことである。間違った問いに対する正しい答えほど、危険とはいえないまでも役に立たないものはない」とある。
――変化するにあたっても、「やり方」を変えるのでは不十分である。「やること」を変えろ、ということですか。
・・・・・・
「日本はこれまで、物事を『正しくやる』ことで成功してきた。トヨタ生産方式は、物事を正しくやるシステムだ」
「しかし、『正しいことをやる』というのはまた別の問題で、イノベーションや知識創造に関わる。どうイノベーションを起こすか。日本はずっとそれが課題だといわれてきた」
「そんな日本に今後、必要なのが、ダイナミック・ケイパビリティの開発なのだ」
――「正しくやる」ことと、「正しいことをやる」ことの違いについて、教えてください。
・・・・・・・
「日本は、効率を上げることについて素晴らしい能力を持っている。これを『オーディナリー・ケイパビリティ』と呼ぶ。物事を『正しくやる力』だ」
「日本を研究すると、ダイナミック・ケイパビリティ(正しいことをやる能力)と、オーディナリー・ケイパビリティ(正しくやる能力)の違いがよく分かる」
「もちろん、日本にも素晴らしいイノベーションは起きているが、まだ足りない。デジタル革命を見なさい。日本には、グーグルもフェイスブックもネットフリックスもない。アップルもない。欧州はというと、スポティファイがあるが、それぐらいだ」
・・・・・・
――「正しいこと」をやるにはまず、次にくる大きなうねりを見つけ出さなければならないわけですね。
――ダイナミック・ケイパビリティには3つのプロセスがありますね。
第1に、事業機会や脅威を察知する「センシング」。
第2に、察知した事業機会や脅威に対応してリソースを動かし、競争優位を獲得する「シージング」。
第3に、競争優位を得た後も変容を続ける「トランスフォーミング」。
このプロセスを推進するには、エコシステムを構築する必要がある、というわけですね。
・・・・・・
ダイナミック・ケイパビリティとは、要するにモノの考え方であり、新しい思考法だ。私は『メンタルモデル』と呼んでいる」
――銃弾一発ごときでイノベーションは起きない、と。ティース教授自身も、経営学のさまざまな分野の研究者と交流し、相互に刺激し合いながら理論を発展させていますね。
・・・・・・
■大ざっぱな理論でも、正しい答えは出る
――「ダイナミック・ケイパビリティ」の「ケイパビリティ」は、「潜在能力」のことを指しますね。経営学でも経済学でも使われる概念です。
「実際には、大ざっぱなモデルから、十分に正しい答えは得られる。その方が分かりやすく、使いやすい。研究者は今、数学的には美しいものの間違っているようなモデルを、たくさん使い過ぎている」
・・・・・・
業界ではなくエコシステムを、オーディナリー・ケイパビリティではなくダイナミック・ケイパビリティを、などといった、日本企業に目指してほしいメンタルモデルについて話をするつもりだ」
・・・・・・
https://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXZQOFK214HE0R20C21A1000000
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
早速、トヨタが皮肉を込めて取り上げられている。
次に来る「大きなウネリ」を見つけなければならないという。
「センシング」ー「シージング」ー「トランスフォーミング」というプロセスを示している。
銃弾一発ごときでイノベーションは起きない。
大ざっぱな理論でも、正しい答えは出る。
私の理解では、「大雑把に次の通りです」
丁度「ローマクラブの「成長の限界」」はこれに近い発想と言えそうです。
もう一つ、アレニウスが既に19世紀半ばに地球の温暖化を解明していた。
アレニウスの解説があります。国立環境研究所です。
++++
ーー「しのびよる地球温暖化の影響 - 国立環境研究所」---
2005/04/23 — が2倍になったときに、5∼6℃気温が上昇すると予測した。 アレニウスは工業化した国が、石炭などの化石燃料を燃す. ことによって、大気中の二酸化炭素を増やし、温暖化を進め. 、気候を不安定にすることを知っていた。
「file:///C:/Users/Owner/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/5GISD8YH/harasawa%20(1).pdf」
++++++
この一年間は政治の世界でも「野党でも」「新型コロナウイルス」の話題で一杯です。
どうして、菅首相の宣言した「GHG排出実質ゼロ」に喰いつかないのか、極めて不思議です。
目先の話題で、国民が理解(?)しやすく、飛びついてくるので「票になる」とでも考えているのでしょうか?
少し国民(票)を甘く見ているとしか見えません。
政治の世界で、野党が突っ込みを入れるところは「気候危機」をどう理解して、どうするか、正しいことをやるストーリーが出てきてもおかしくない。気になるなら、欧州を見習うのでも良いのではないか?でも中途半端では失敗します、それならそれまでのことでしかないということです。
政治こそ国民の生活で、す「生命財産」と軽く言いますが、今こそその時でしょう。
では、草々
2021-1-26
森下克介
Posted by もりかつ at 10:30│Comments(0)